High School DxD Another Route 作:明日凪
今回、なっがいです!
いや…切るに切れませんでした…それでも原文から分割はしたんですよ…
ではお目汚しを…
人気も疎らな駅前通りで俺は一人コーヒーを啜っていた。
あれから事件が起こった場所を見て回ったり、状況の似ている場所を探したり等してみたが犯人の影も形も見つからずである
今日直ぐにどうにかなるほど簡単な話でも無いが何かしていないと落ち着かないのか今の今まで静まり返った街中を歩きまわっていたのだ。
それでも時計の針は刻々と時刻を刻んでいくもので、いつの間にか夜明けが近づく時間帯へと移っていく
流石に日が昇る前には帰らなくてはと思い自宅の方角へと歩みを向けた時、何かの気配を感じた。
その気配はまるで俺を何処かへ誘うかのように俺の脚を動かし、知らぬ道を進ませる
今思えば気のせいだったのかもしれないが、あの時確かに聞こえた気がしたのだ、誰かが俺を導く声を、その声に導かれるままに俺は暗い路地を進んでゆく
どれ程の時間歩いただろう、暫くしてたどり着いたのは廃工場の一角、今の時間帯でなくとも人など寄り付かないような場所だった。
俺は無意識のままにその廃墟の中に入り、奥へ奥へと進んでゆく、そして進んだ先に眠るように横たわっている人影を見つけた。
初めに見た時、ホームレスか何かかと思ったが何処か様子が違う、更に近づいてゆく事で段々とその人影の表情が見える様になってゆく
「こいつ、どうして…!」
そこに居たのは紛れも無い、あの時一人で遊具に座っていた少女だった。
身に着けた衣服はボロボロになり、火傷や大きな裂傷、打撲等といった怪我も負っている、満身創痍といった状況の少女
「も、…け、ぁ…せ…」
虫の息といった様子だがまだ息はあり、朧気ながら意識もある様でうわ言の様に何かを呟いていた。
兎に角傷の手当てをしなくては、彼女を抱き抱えてその場から離れようとした時だった、彼女を持ち上げようとしていた俺の背後から男の声が響く
「それは僕の所有物なんだが…人間、それをどうするつもりだ」
声のした方角に目をやれば、そこには若い銀髪の男が壁を背に不快な笑みを浮かべて立っている。
「どうって決まってんだろ、病院に連れて行くんだよ」
「その必要はない」
「何言ってんだ!このままだとこいつは死んじまうぞ!」
「それはいらぬ心配よ、そいつはガラクタではあるがその程度で壊れるほどボロでは無い」
「ガラクタ…?ボロ…?」
こいつは何を言っている?瀕死の少女を指し、ガラクタだのボロだのとまるで物を見るかの様に言い放ちやがる
男は相変わらず不快な笑みを崩さず、睨み付ける俺にこう言った。
「仮にそいつがどうなったとしても貴様には関係の無い事だと思うが?」
関係無い…だと…?
「巫山戯んなよ…さっきから聞いてりゃ好き勝手言いやがって、お前こいつの知り合いなんだろうが!だったらもっと心配したりするもんじゃねぇのか!それをボロだの何だの…!」
「知り合い?心配する?くくく…はははははは!これは傑作だな!僕がソレの身を案じるとでも!?」
「っ!てめぇ!」
少女の手当てが先と我慢していた物がブチ切れ、俺はそいつに殴りかかろうと瞬時に距離を詰めて拳を振り上げる。
「何だそれは?ハエでも払っているのか?」
「ちっ!うるっせぇっ!」
「ほぅ…人間にしては中々どうして…」
小さく鋭く振りぬいた筈の拳打は男に掠ることなく空を切る、続けて振るう拳も奴の頬すら触れる事無く空振りしてしまう
驚く俺を男は嘲る様なニタァという音が聞こえてきそうな嫌らしい笑みを浮かべ、俺の動きを嘲笑う様に軽やかなステップで離れた位置に距離を取った。
「貴様が人間で無かったのなら良い素体になるのだがな…惜しい物だ」
「何をわけ分かんねぇ事言ってやがる!」
「いや何、この場で失うのが惜しい身体だと言ったのだよ」
そう言った男の手には、いつ何処から出したのか光り輝く棒状の物体が握られていた。
その切っ先は鋭く長く伸び、その形状は槍を思わせる
「そろそろ遊びにも飽きた…ソレも回収せねばならんしな、貴様には退場願おうか人間」
冷めた声音でそう言い放った男は、手に持つ光の槍を俺に向かって投擲してきた!
物凄い速度で迫り来る光り輝く槍、俺は済んでのところで横っ跳びしてソレを躱した。
「ぐっ…!ふっざけんなっ!こいつをテメェにゃ渡せねぇ!」
「ほぅ…まさか人間が【光の槍】を躱すとは…」
軽口では無いのか今まで浮かべていた笑いが消え、男はまるで見定める様にマジマジと俺を見る。
「…気が変わったぞ人間、貴様は実験用の素体として使ってやろう」
「何を偉そうに言ってやがる!この気違い野郎が!」
勢いを付け繰り出した蹴りも先程の拳打と同じく空を切った、喧嘩はそれなりにしてきたが此処までコケにされるのは生まれ変わって初めてだ。
「貴様もアレと同じく僕の人形として、僕の役に立てるのだぞ?少しは光栄に思って欲しい物だ、な!」
「あっぶね!ざけんな糞野郎!んなもんお断りだ!それにあいつはお前の人形なんかじゃねぇ!」
「人形では無い?ならば何故アレが傷を覆い此処で倒れていたのかを教えてやろうか!?アレはな、僕の命じた獲物を狩りに出て返り討ちに遭ったんだよ!」
「な、何を訳の分からねぇ事を!」
「僕が【こいつを殺して来い】と命じればアレは指示通りに獲物を狩って来る!実に良く動く人形だ!」
「っ!黙れぇっ!」
「貴様ら人間が!血眼になって追っている殺人鬼の正体がアレだという事を受け入れられんか!?なら見せてやろうか!?」
「な、なんだこの糸!?いつの間に!?」
「【思念送波の糸】僕が昔作った玩具でね!対象の記憶や思念を別対象へ脳波映像として見せる事が出来る魔力道具さ!貴様ら人間にも微弱に魔力はある故、断片的に見える筈だ!」
男の高笑いと共に俺の脳内へ様々な映像が流れ込んでくる、血飛沫を上げる遺体や降り下ろされる鎌、さして返り血を浴びた少女の姿…
黒い服が紅く染まっていく中で薄らと聞こえたのは、月を見上げながら一筋の涙を流す少女自身の声。
『ごめんなさい』
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
頭が割れそうに痛い、目の前を白い火花が散り、脳内を何かが暴れまわっている様な激痛が襲う。
「ふむ、やりすぎて脳を壊しても困るな…分解して持ち帰るか」
「あ、あぁ…ぁぁぁ…」
ぼやける視界に見える黒い翼を展開した男の背後には無数の光の槍、それらの切っ先は全て俺に向いており次々とこちらに射出されてくる。
切り刻まれる様な感覚、薄れゆく意識の中で最後に見たのは何故か、太陽の光を思わせる様な黄金色だった。
「…貴様、何者だ」
「通りすがりの正義の悪魔ってとこかしら?」
すいません。ここで切っちゃってすいません。
ががが、頑張って仕上げますので!