私とメアりん   作:銀の鈴

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今回は短めです。


第4話「穏やかな日々」

私がソファーに座り寛いでいると、キッチンから包丁の叩く音が聞こえてくる。そして何やら良い匂いも漂っている。どうやら今夜は私の好物のようだ。

 

目の前のテーブルでは、桜が画用紙にお絵描きをして遊んでいる。たまに私の方を見ては、はにかんだような笑顔を見せてくれる。

 

「うむ、これが新婚生活というものなのだな」

 

ドンガラガッシャン!

 

キッチンの方から派手な音が響いてきた。メアりんが食器をひっくり返したようだ。

 

「ドジっ子メアりん…可愛いぞ!!」

 

「ドジっ子メアりんさん、可愛いね!」

 

桜も同意見のようだ。私は桜と目を合わせると互いに親指を立て、ニヤリと笑みを浮かべ合う。

 

「ところで新婚生活ならやはり桜は、私の妹より娘の方が良くないか?」

 

「ダイアナお姉ちゃんとメアりんさんの娘もいいけど、美人三姉妹も捨てがたいよ」

 

「そうだな、仲良し三姉妹も悪くない。だが、メアりんと私はラブラブだからな。やはり姉妹よりも夫婦だな」

 

「禁断のユリユリ姉妹でもいいと思うよ」

 

「なるほどっ!そういう関係もアリ(・・)なんだなっ!!」

 

「ありなわけないでしょう!このおバカ!」

 

桜と仲良く談笑していると、エプロン姿のメアりんが現れてお玉で頭を叩かれた。

きっと、私が桜と楽しそうにしているから疎外感を感じさせてしまったのだろう。メアりんに寂しい思いをさせてしまうとは…本当に私はおバカだ!!

 

「寂しい思いをさせて済まなかった。さあっ、私の胸に飛び込んできてくれっ!!」

 

メアりんは、腕を大きく広げて待つ私を溜め息を吐きながら見ているが、何故か飛び込んでこない。

 

「シャイなメアりん…可愛いぞ!!」

 

「じゃあ、わたしがシャイなメアりんさんの代わりに飛び込むね!」

 

「ウエルカムだっ、桜!」

 

きゃあきゃあ騒ぎながら抱き合う私達を見て、メアりんが呟いた。

 

「桜ちゃんにバカが感染った…どうしよう」

 

メアりんと桜、そして私の新婚生活は穏やかに過ぎていく。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

メアりんside

 

ダイアナそして桜ちゃんと暮らし始めてからは、騒がしくも楽しい毎日だった。

 

桜ちゃんが『桜・リース』となったため、学校に手続きに行けば、ダイアナのバカが桜ちゃんの姉である凛ちゃんと騒動を起こしてしまい、その尻拭いをさせられた。

 

姉妹結成記念とか訳のわからない名目で旅行に行けば、旅行先の土地に封印されていた魔獣を目覚めさせたダイアナの所為で酷い目に合った。

 

街に買い物に行けば、ナンパしてきた男達をダイアナが吹っ飛ばした。

その後、男達の仲間とか兄貴分とか出てきて大乱闘になったあげく、あわや警察の厄介になりそうになって慌てて逃げ出す羽目になった。

 

ある日、庭に落ちてきた人語を操る怪しいステッキに桜ちゃんが唆されて、魔法少女にされてしまったこともあった。

それを見たダイアナが、私も魔法少女にしろと怪しいステッキに迫ったところ、オバさんは守備範囲外と断られて、ブチ切れたダイアナが怪しいステッキを空の彼方に吹っ飛ばした。(怪しいステッキが消えたら桜ちゃんは元に戻った。本人は非常に残念がっていた)

 

何故か料理担当になったから、エプロン姿になってみたら、ダイアナが背後から抱きしめてきた。

それを見た桜ちゃんが「あらあら、お熱いことで」と訳の分からんことをのたまった。

真面目で大人しい雰囲気の桜ちゃんに、意外とお茶目な一面もあったのには驚かされたけど……ダイアナの悪影響じゃないわよね?

 

そして…ダイアナと桜ちゃんは、私の料理を美味しそうに食べてくれる。

私達は一緒に食べて、一緒に遊んで、一緒に眠って、一緒にお風呂に入る。

桜ちゃんがいて本当に良かったと思う。

もし、ダイアナと二人だったと思うと…私の貞操がピンチだったろう。

ダイアナの性癖を何とか改善できないか、日々試行錯誤しているが、芳しい結果に繋がらないのが悩ましいところだ。

 

そんな楽しい毎日をーー楽しいと表現すべきか少し疑問かもしれないけどーー過ごしていた私は、数ヶ月が経った頃にふと気付いた。

 

「あ、聖杯戦争のこと忘れてた」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

桜side

 

ダイアナお姉ちゃんと本当の家族になった。

残念ながらメアりんさんは、今は戸籍がないから家族になれないらしい。

でも、ダイアナお姉ちゃん曰く、一年後には問題は解決するらしいから安心だね。

 

わたしは、ダイアナお姉ちゃんの妹になったけど、もちろん血の繋がった凛お姉ちゃんの事も大好きだ。

時間があれば、凛お姉ちゃんに会いに行っている。

 

「凛お姉ちゃーん、えいっ!」

 

「どわっ!?」

 

凛お姉ちゃんは、背後からのドロップキックを避けれずにまともに喰らってふっ飛んでしまう。

 

「もうっ、油断大敵だよ」

 

「うぐぐっ、な、何すんのよっ!さくらぁっ!!」

 

ふっ飛んだ凛お姉ちゃんは、意外にも大してダメージが無かったらしく、元気にわたしの名前を呼んでくれた。

 

「うーん。攻撃力が足らないのかなぁ、要修行だねっ!」

 

「えっ?今の攻撃って本気だったの!?本気で姉であるあたしに攻撃したっていうのっ!?」

 

「嫌だなぁ、妹の可愛らしい冗談に決まっているよぉ」

 

「そ、そうよね。桜がそんな乱暴なわけないわよね」

 

「うんっ、本気だったら蹴りに捻りを加えてるもんっ!」

 

「ひねっ!?ううん、いいわ。聞こえなかったことにしておくわ」

 

凛お姉ちゃんは、どこか遠いところを見ながら呟いている。

何だかダイアナお姉ちゃんを相手にしている時のメアりんさんっぽい。

えへへ、理想のカップルのあの二人にわたし達も近付いているのかも。

 

「凛お姉ちゃん、大好きだよ」

 

「そ、そう。あたしも桜のこと好きよ」

 

「うんっ、おっきくなったら結婚しようねっ!わたし達って、もう法律上じゃ姉妹じゃないから合法だよっ!」

 

「桜…あのね、法律どうこうの前に女の子同士で何言ってんのよ」

 

凛お姉ちゃんは疲れたように言う。

 

「大丈夫だよっ、女の子同士でも結婚できる国に移住すればいいんだよっ!」

 

「そんな国があるのっ!?じゃなくてっ!!桜のことは好きだけど、結婚対象としての好きじゃなくてね。家族としての好きってことなのよ。分かるよね、桜」

 

「えへへ、家族としてってことは夫婦として好きって事だよね!」

 

凛お姉ちゃんの突然の告白に、わたしは有頂天になってしまう。

凛お姉ちゃんってば、女殺しだよねっ!

 

「ちょっと、さくらぁ!?あんた何勘違いしてんのよっ!!こらっ、あたしの話を聞きなさいよぉっ!!」

 

わたしはバラ色の未来に心を躍らせながら、凛お姉ちゃんを抱きしめる。

 

「幸せになろうねっ、凛お姉ちゃん!!」

 

「だからあたしの話を聞きなさいってばーっ!!」

 

 




シリアスには程遠いフェイト・ゼロになりそうです。
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