Blood-G   作:Рей Самар

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コウタ君と初戦闘です。
コンゴウ系は苦手でした。


雪に濡れて

「お、来た来た!」

「コウタ!

えっと、今日のメンバーってまさか?」

「ああ、俺だぜ。

一緒に頑張ろうな!」

「こちらこそ、絶対成功させよう」

「おう!

俺の格好良さに見とれんなよ!」

「はは、気をつけるさ」

 

レンタとコウタが軽口を叩き合いつつ、雪を踏みしめながら歩く。

もちろん周囲への警戒を緩めることはないが、それでも久し振りに会えた事が嬉しいのだろう。

 

「さ、寒いなー...

ここっていつもこうなのかな?」

「うーん、俺も初めてきたしなー。

どうやら昔は寺だったようだけど」

「え?

なんでそんな事知ってるんだ?」

「いや、だって...」

 

レンタが指を指した方向にコウタが振り向くと、そこには半壊状態の寺だったと思われる建物が建っていた。

 

「うわぁ...これ、昔は寺だったんだよな?」

「きっとね...

なんでも、昔ここに逃げ込んで神仏に頼って暮らしていた人々が、ある日アラガミに襲撃されてなす術もなく殺されたとかそうじゃないとか...

そしてそれ以来、このくらいの時間帯になるとその人々の幽霊が...」

「こ、怖い話はやめろよな!

大体、幽霊なんかよりアラガミの方が怖いだろ!」

「はは、確かにね。

それにこの話は作り話だぜ?

今作っただけ、人々が暮らしてたってのは本当だけど」

「な、なんだよ〜...

あんまり人をからかうもんじゃないぜ」

「ごめんごめん、でも本当に幽霊が出たりしてな」

「それはないよ...多分」

 

コウタが少し引き気味に否定をする。

レンタはその様子を笑い、歩みを進めようとした...瞬間。

 

「グゥアアアアアアアアアアア!!」

「なっ!?」

 

壁を殴り倒しながら、中型のアラガミが侵入してくる。

コウタは咄嗟のことで反応しきれず、壁に叩きつけられる。

 

「ぐぁ!?」

「コウタ!

この...」

 

レンタが中型のアラガミ...『コンゴウ』に銃口を向け、二、三発撃ちこむが、あまり聞いている様子はない。

 

「大丈夫か!?」

「お、おう...

いてて、こいつが討伐対象か?」

「ああ。

コンゴウって呼ばれるアラガミだよ、腕の攻撃に気をつけた方がいい...らしい」

 

情報共有の間にも、コンゴウはレンタを目掛けて殴り掛かってくる。

レンタはそれをシールドで防ぎながら真横にステップをする。

それを追いかけるようにしたコンゴウの背後を、コウタの放った銃撃が襲いかかり、肉を抉る。

 

「ギャアアアアアアアアッ!」

「よし、コウタ!一旦退こう!

ここじゃあ分が悪い!」

「お、おう!」

 

レンタの掛け声とともに寺の外へ避難する二人。

コンゴウは恨めしそうに二人を睨みつけ、その巨体を加速させながら突進してくる。

 

「こ...のっ!」

 

レンタが斬撃を加えるが、今までとは比べ物にならない硬さに腕を持っていかれそうになる。

 

「当たれっ!」

 

コウタも何度も銃撃を加えるが、コンゴウに効いている様子はない。

 

「こ、こんな強いのかよ!

レンタ、どうするんだ!」

「一旦距離を置こう!

態勢を立て直すんだ!」

 

レンタとコウタが後退するが、コンゴウが追ってくる気配はない。

 

「...?

追ってこない?」

「一体どうし...」

 

何かを言おうとしたコウタの身体が吹き飛ばされる。

レンタがそれに合わせて後ろに回り、ギリギリのところで受け止める。

 

「な...何が起こったんだ?」

「...あれか!」

 

コンゴウの背中の部分...管のように畝っている部位に、周囲の空気が集まっているのがわかる。

 

「あそこに集めた空気を圧縮して、勢いよく発射しているんだと思う」

「ど、通りで痛いんだ...」

「コウタは暫く休んでて、少しの間引きつけて置くよ」

「わかった、すぐに援護に向かうぜ」

 

コウタが了承したのを見届け、レンタがコンゴウに向かって突撃していく。

コンゴウはそれに合わせてカウンターを仕掛けるが、レンタはそれをいなし逆に背後に回る。

 

「...らっ!」

 

剣を勢いよく振り降ろすと、管にほんの少しだけヒビが入る。

コンゴウが身体を捩らせレンタの身体ごと吹き飛ばす。

壁に叩きつけられ、血を吐きながら倒れこむレンタ、辺りには真っ白な雪の代わりに鮮血が広がっている。

 

「ぐっ...しま...った」

 

その間に、コンゴウが強者たる余裕を醸し出しているのか、ゆっくりとにじり寄ってくる。

レンタがチラリとコンゴウの横を見れば、既に射撃の準備をしていた。

 

「このっ、このっ!

いい加減に...!」

 

10発ほど乱射すると、とうとう管が砕け、辺りに破片をばらまく。

余程の苦痛だったのか、コンゴウが耳をつんざくような叫び声を上げる。

 

「ガァアアァアアアアアアァア!」

「今だ!」

「分かってるって!」

 

その隙にレンタが捕喰、バースト状態へ移行し、コウタも攻撃の手を休めずに銃撃を繰り返す。

レンタが空中に飛び、回転しながら斬撃をするとコンゴウがさらに叫び声を上げ、オラクル細胞の血液をばら撒く。

 

「コウタ!」

「おう!」

 

事前にエリックから聞いていたコウタは、アラガミバレットを受け取っても動揺せずに照準を合わせる。

 

「いっけぇえ!」

 

コウタが叫びながら砲撃をすると、アラガミバレットがコンゴウの顔面を粉砕しならがら身体ごと吹き飛ばす。

5mほど飛んだ後、壁に激突し、もはや虫の息といったところになる。

 

「...はぁ...はぁ...

いてて」

「コウタ、油断しないで...あいつはまだ生きてる...」

「あ、ああ...

あっ!?」

 

コウタが驚愕の声を上げる。

目の前を見ると、コンゴウが先程の空気圧縮弾を放とうとこちらを睨みつけている。

 

「ま、まずい...今は身体が」

 

とうとう圧縮されきってしまい、その方向はレンタ達向いている。

コンゴウが勝ち誇ったような声を上げ、空気圧縮弾を放つ...

 

「っ...」

「...?」

「あれ...?

撃ってこないのか?」

「いや...違うな」

 

コンゴウが、先程砕かれていた管の影響で空気圧縮弾を暴発させ、背中を全体的に破裂させていた。

辺りの雪に、白い部分がないほどに出血しているところを見ると、確実に絶命しているだろう。

 

「はぁ...コウタのおかげで助かったな...」

「はは、褒めたってなんもでないぞ...」

 

っと、最初の頃と同じように軽口を叩き合う。

まだまだ初心者が狩るようなアラガミではあったが、二人は生存できたことに大きく喜んでいた。

 

「コア、回収しないと」

「よろしくなー」

「おう、幽霊に気をつけろよ」

「だからそんなのいないって...

...いないよな?」

 

コウタの心配そうな声と、レンタの笑い声が夜空に響いた。

 

.........

......

...

 

「うわぁ...また派手にやったね...

装甲もひしゃげちゃってるよ...」

「言わないで...

死ぬほど全身が痛い」

「コンゴウにこんなに苦戦するんだから、二人もまだまだだね」

「はは、おっしゃる通りで...」

「リッカちゃんはコンゴウを見たことあるの?」

「面白い質問だね、コウタくん。

私はデータベースでチラッと覗いたくらいかな...実物は見たことないや」

「すっごくデカかったんだぜ!

リッカちゃんなんか一瞬で飲み込んじゃうくらい!

けど、俺たちはそれを倒したんだからなー、やっぱ俺たちって最強か!?」

「調子に乗らないの。

極東支部(ここ)ではヴァジュラを倒してやっと一人前なんだもん」

「そ、それはもうちょっと先かな...

でも、半人前くらいにはなれたよな!?」

「それ、喜ぶものじゃないよ」

 

レンタとリッカがおかしそうに笑い、コウタは目に見えて気を落としていた。

 

「お兄ちゃん!」

 

っと、そんな雰囲気を壊しながら抱きつく軽快な声。

最近知り合ったばかりの声なので、レンタの耳によく残っている。

 

「...何しているんだい、エリナちゃん」

「お兄ちゃんが怪我しちゃったって聞いたの!

だからね、お守り作ってきたんだ!」

 

エリナがポケットから小さな何かを取り出す。

それは、おそらくレンタの顔であろう姿を模したストラップのような物であった。

 

「...うん、ありがとう。

リッカ、これ神機に着けていいかな?」

「いいんじゃない?

着けれるならだけど」

 

神機を取り出し、取り付けるレンタ。

それを見たエリナは嬉しそうに笑い、再度レンタに抱きついた。

 

 

「エリナに手を出したら...」

「こ、これはノーカンだろ!」

 




戦闘描写が難しいと凄く思う今日この頃。

Next→『神機使いの休息』
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