san値直葬? 何それ美味しいの?   作:koth3

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戦闘描写難しい!!!


第11話

 長い、長い静寂。()と目の前の異物。いやこの場合この世界にとっての異物は()か。だけれど止まる訳にはいかない。アレのエネルギーを利用して何かしている此奴をこのままにしてしまえば地球が如何なるかは分からない。大勢の命が失われる可能性もある。ならば少数である此奴は処分(・・)しなければならない。

 

 「喰らいなさい!」

 

 雷を纏った弾丸が軌道を変えながら襲いかかる。しかしこの程度なら何の問題もない。自動的に腕が雷を引きちぎり逆に電気銃を撃ちこむ。しかしそれは彼奴の目の前に張られた結界に似た何かによって防がれた。それを見つめながら冷静にその不可視の守りを破壊する術を探る。

 結果、不可視と言えそこに存在することは間違いない。ならば、アレすら溶かしつくしたあの薬品を使えば十分破壊できるだろうという結論が出、それを実行する。それにもう時間はない。アレの出力が段々と高くなっていく。このままではアレが本来の役割を発生させてしまう。そうなれば地球も。

 

 「悪いがアレは破壊させてもらう」

 「そうはさせないわ。例え貴方が神だったとしても」

 「ならば思い知れ、邪神の力を」

 

 二つの腕を真ん中から裂くように分裂させる。枝分れした腕の数だけ自由自在に、そして攻撃回数を増やす事が出来る。

 鞭のようにしならせながら腕を目の前の元凶に力づくでふるう。それも不可視の守りに守られたが腕が掴んでいた薬品を不可視の守りにかけることはできた。

 

 「な! シールドが!?」

 

 どろどろと溶けていく。当り前だ。これはティンダロスの猟犬すら溶かした錬金術によって作られた秘薬の一つ。ありとあらゆる万物を溶かしつくす万物溶解液と呼ばれる代物だ。

 そして守りの溶け切った彼奴に邪神の腕を避けるだけの力はない。

 

 「あ」

 

 

 

 

 精神が無事、もしくは比較的軽度な人員で時の庭園へと突入することになった。高町なのはにフェイト・テスタロッサはデバイスの損害、それにダメージ量から考えて今動くことはできないだろう。

 

 「七式、君は他の人員と機動鎧を! 統也は駆動炉を!」

 

 七式の戦闘スキルは対人だ。駆動炉の破壊もできなくはないだろうがそれよりも機動鎧の破壊に専念させた方が効率が良い。逆に統也は殲滅戦や大規模破壊に優れていて集団戦には向かない。ならば最初からそれぞれが戦いやすい場所に行かせるべきだ。

 

 「ちっ、分かった。しくじるなよ」

 「了解した、執務官殿」

 

 七式はすぐにその異常な体術で機動鎧を破壊する武装隊のサポートに、統也は駆動炉の破壊に向かっていった。之ならすぐに駆動炉の方は片が付く。あとは機動鎧は、

 

 「スティンガーブレイド!」

 

 僕達がすべてを片付ける。

 青い貫通力に優れた魔力でできた剣で機動鎧を同時に何度も破壊していく。しかしいくら優れている魔法でも弱点が無いわけではない。スティンガーは制御しなければならない魔法だから僕自身の処理能力を超えた攻撃は不可能だ。今スティンガーは遠距離の機動鎧だけを破壊しているから近距離の機動鎧を破壊することはできない。しかしここには多くの味方がいる。その弱点も今は一切気にしないで済む。

 

 「クロノ執務官、近い鎧は私たちが! 遠距離の物をお願いします!」

 「分かっている! 七式!」

 「ああ! 蹴り穿つ!」

 

 一度に何連撃も繰り出す接近戦の蹴り。それを受けた機動鎧は吹き飛び後ろの機動鎧を巻き込んで倒れる。そこをスティンガーで一気に串刺しにしていく。

 

 「良し、一部の人員は此処で退路の確保を! 他の人員は先に進んで!」

 

 一部の人員を残してほかの人員で先を急ぐ。嫌な予感がする。何より前方の方で凄まじい魔力が消費されている。恐らくはあの少年とプレシア・テスタロッサが戦っているのだろう。他の人員を置いて先に突入するべきか? その迷いを断ち切り武装隊員たちに後から追いかけてくるように指示して僕と七式は先に突入した。そしてそこで見たのは、

 

 「あ、あぁ……」

 

 腹を黒い腕で貫かれて血だまりに倒れるプレシア・テスタロッサだった。

 

 

 

 

 終わったか。これでもう世界の崩壊の危険は無くなったといっても良い。後はアレを壊すだけ。アレに近寄ろうとした瞬間、それを遮るような形で飛び出した影に自分の腕を斬り落とされた。

 

 「やはり、お前のその奇妙な腕は殺せないがお前自身は殺せるようだな」

 

 切り落とされた片方の瞳で腕を見つめながら()は目の前の人間をもう片方の瞳で見つめる。

 

 「殺人罪と公務執行妨害で逮捕させてもらう」

 

 七式とトゲのついた服を着た少年が俺に敵意を持って対峙している。仕方が無い事だがアレをせめて破壊しなければ。

 

 「悪いがその前にアレを破壊しなければならないのでな」

 「それも悪いが却下させてもらう。アレは時空管理局で責任を持って封印して保管させてもらう」

 

 ガシャリと音を立てて構える少年。だが、

 

 「悪いが信じられない。そもそもがアレを持ってきた異物自体がこの世界の人間じゃない。お前のように違う世界の人間の言った言葉は信じられない」

 

 その実力も正当性も信じられない。違う世界の人間は今まですべてこの世界にとって害悪でしかなかったのだから。

 

 「だから、終わりだ」

 

 邪神の腕を振るう。今までのように手加減していた一撃でもない。正真正銘、世界をも簡単に滅ぼせる邪神の一撃。それに耐えられるほどアレは頑丈ではない。

 

 「バ、莫迦な!? ロストロギアを物理的に破壊した!?」

 「嘘だろう? 俺ですら死を視れないのに!?」

 

 ああ、これでもう大丈夫だ。

 

 「早くこの場所から出たほうが良いぞ? この場所はこれから一分後に完全に吹き飛ばす」

 

 淡々と言った俺の言葉に執務官は悔しそうに顔を歪めてから踵を返して消えていく。アレがこの世界に来てから少しの間で色々な事が起きた。これで良い。これでジュエルシードの本当の機能が働かない(・・・・・・・・・・)

 時間だ。さあ、全てを吹き飛ばしてもう二度とこんな事件は起きないようにしよう。

 

 

 

 

 クロノ・ハラオウン執務官報告書

 

 P・T事件<プレシア・テスタロッサ事件>

 概要 第97管理外世界にてユーノ・スクライアが発掘したロストロギア、通称ジュエルシードを狙うプレシア・テスタロッサとその娘であるフェイト・テスタロッサによってジュエルシードの強奪が行われた。その後の調査によってフェイト・テスタロッサはプレシア・テスタロッサに虐待を受けておりこの事件の際も虐待されて育ったため判断能力の未発達によってジュエルシードの強奪を行っていたと本官は判断する。

 また、現地協力者として高町なのは、御崎統也、七式世闇の三人の協力者を得た。敵対行動を取る現地住民と思われる存在も確認された。管理世界出身者を異物と呼ぶ少年で違法実験によって作られた人工生命体と思われる。交戦した際の驚異的な戦闘力は計り知れず、理性的な行為を取る時と全くそうでないときなどその差異が酷い。最終的にプレシア・テスタロッサの所持する時の庭園内でジュエルシードを単独で破壊しプレシア・テスタロッサを殺害した。その危険性を判断してS級指名手配を申請する。

 重要事項 敵対行動をした少年のレアスキルと思われるものに体を変化させる力を持っている。その力を目の当たりにした多くのアースラの乗組員は精神的にひどい損害を受けた。接触する際には気を付けなければならないだろう。

 

 

 

 san値チェック

 

 フェイト・テスタロッサ 1D10/1D100

 

 チェック        32% 54 失敗

 

 san値減少       32-26=6 不定の狂気(過剰なまでの対象に対する攻撃性の発露)

 

 状態          邪神の被害者

 




最後の所の報告書は社会人の方から見れば可笑しいかもしれませんが作者は学生で報告書の作り方などは詳しくありません。ですのでそこは見逃してください。

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