三日位更新が止まるかもしれません。ほかの話を進めるのと、話を練るのにしばらく時間が掛かりそうなので。
「テメエェェェェエエエエエエエエ!!!!!!!」
一気に宝具を展開して撃ちこんでいく!
黄金色の剣を虚空から飛び出して目の前の化け物に叩き付ける。
『グォォォオオオオオオオ!!!』
咆哮とともに俺の持つ
『グギィイ!』
その歪に開いた歯で。
「な、にぃ!」
『ゴォオオオオオオオオ!!!』
そして原罪を歯で噛み砕いた。
「ば、莫迦な! 宝具を!」
そして振るわれた黒い腕。それが俺に迫ってきた時、
「危ない!」
ユーノが俺ごと体当たりでその腕の射線上から突き飛ばした。
「ぐっ! クソ、ふざけやがって! 絶対にこ……ろ、す?」
何だあれは。何が起きた?
何で目の前でビルが崩れている? まるで発破されたかのように。
「嘘だろう」
風に流れてヴィータの声が聞こえる。
「如何やったら腕で建物一つ粉砕するんだよ!」
ヴィータの叫び声で何があったかを理解した。そして、理解できなかった。
「何を言っている?」
「逃げよう、御崎! 如何やったってあれには勝てない!」
錯乱したユーノが俺を掴んで叫ぶ。
それと同時に俺となのはにユーノ。フェイトにアルフが転移魔法で移動させられた。
クソ、クソクソクソクソ!!
ガン、ガンと辺りに壁を叩く硬質な音が響く。
「何で、何で彼奴が死ななきゃならないんだよ!」
確かに七式とはよく喧嘩した。ジュエルシードを巡る中で戦う事もあった。だが、それでもお互い心の底から嫌っていたわけではないのに。
何でだよ! 何でこんな事に!
「畜生ぉぉぉぉおおおおおおお!!!!!」
「クロノ君」
「分かっている。暫くはそっとしてやろう。あの二人は良く反目していたが仲は良かったからな。荒れるのも仕方がない」
それは分かっている。けど、あんなことが起きて彼は立ち直れるのだろうか?
「だが、彼が立ち直るまでにしなければならない事が有る」
「……分かっている。解析だね」
「そうだ。だが、エイミィ気を付けてくれ。今までの状況からみて、あの怪物を分析して少しでも異常を感じたのなら中止して良い。これ以上、クルーが居なくなっては困る」
「分かっている」
私がすることは重要だ。そして下手をすればアースラから離れていった隊員たちのようになるかもしれない。
彼らは今も悪夢や幻覚に悩まされているそうだ。中には後遺症として様々な症状が起きて、精神病院に通院している元隊員たちもいる。
「大丈夫だよ、クロノ君! 私はいつでも元気だから!」
「……そうか。じゃあ、僕は僕としてあの怪物について対策を立てよう」
「うん!」
私はクロノ君と別れて彼の画像から解析をし始める。
一度全体をさっと見て見たけどそれだけ大分つらい。見ているのは唯の画像なのに、まるで目の前で起きているかのように思える。
「うっ!」
こみ上げてきた吐き気を無理やり押さえてもう一度再生する。彼の腕の速度。彼が腕を取組んだ問題の部分。完全な怪物となったその姿。心の奥から沸き立つ恐怖をごまかしながら私は目の前の状態を調べていく。
「……
……
……
これで良いかな」
だいぶ情報は集まった。殆ど分からなかったといっても良いけど、それでもあの謎の腕の速度、破壊力、攻撃範囲。そういった情報を揃えている最中だった。
「あれ? これって!」
今まで気が付かなかった。けど、今画像でキラリと何かが光っていなかった?
「もう一度! もう一度今のところ!」
漸く、漸く掴めかけた手掛かりなんだ。絶対に逃がさない!
コンピューターを操作して解析をかける。何度も引き伸ばして拡大し、荒く大きくなった画像に処理をかけて鮮明にしていく。
「やっぱり! こんなもの見た事ない! これで被疑者につながるかも!」
エイミィさんが私とアルフ、そしてなのは達を呼び出した。本当だったら特訓をしてもっと強くならなければならないのに。あのバケモノは私よりも速く強い。だから、確実に殺すためにはもっと強くならないと。だから本当は無視しようとした。けど、エイミィさんの声が余りにも真剣だったから此処に来た。
エイミィさんは普段と違って髪の毛はぼさぼさで大きなクマが出来ていたけど、如何やら興奮しているのか異様な雰囲気だった。
「エイミィ、僕達を呼び出したのは一体何故?」
「ふふっ、クロノ君。私は頑張ったよ!」
「はっ?」
「これをみんな見て頂戴!」
そう言って映し出されたのは彼奴の画像だった。
……こんなバケモノなんて死んでしまえば良い。跡形もなく滅んで、全ての生き物から唾棄されて誰の目にも止まらずに消えていけば良いのに。
「エイミィ、その画像が一体?」
「此処だよ、此処!」
そう言って拡大された部分をよく見るとあのバケモノの胸元に小さなヒトデのようなものがあった。
「これって、お星さま?」
「そう! なのはちゃんくらいの子はそういうわね。けどこれは地球で五芒星って言われるものに近い物ね」
「エイミィ? まさかこんな画像で僕たちを呼んだのか? こんなアクセサリー誰だって持っているだろう?」
確かにそうだ。こんなもの誰だって持っている。見つけるための手掛かりにもならないし、特殊な力を持っているわけでもないだろう。
「違うよ。確かに五芒星なら御守りとして持っているかもしれないけど、これは五芒星とは違うものよ」
「いったいどう意味だ?」
クロノの上げた疑問に私も同意する。エイミィさんが何を考えているのかさっぱり分からない。
「これをよく見て。真ん中の部分に目のようなものがあるでしょう? それに五芒星は全体がすべて均一に描かれるの。それなのにこれはむしろ全体の長さはバラバラだし歪んですらいる。おそらくは五芒星じゃない。そう思って画像をプリントアウトしてからアクセサリー専門店を回ってみたの。こんなアクセサリー知りませんかって」
「まさか!」
「そう。誰もそんな奇妙なアクセサリーは知らないって。そんなものがあれば記憶によく残る。そう証言したわ」
それってつまり!
「市販されていない特注品。だからそれを持っているのが被疑者。いや、犯人だね」
そうか。やっと、やっとだ。絶対に見つけ出して殺してやる!
「だが、それを必ず付けているかは分からないだろう?」
「甘いね、クロノ君。戦いの場に持ってきたという事はそれだけ思い入れのある物か、常に着ける必要性のある物なんだよ。
私の推測ではこれがロストロギアなんだと思う。管理局では未確認のね。このロストロギアの力であの異常な姿と成ったり、魔法を使っている。そう私は分析したわ」
「そうか。ならば、彼奴の力の元は!」
「そう。確かに有り得ないほど強いけど、上手くこの五芒星に似たロストロギアを破壊すれば、捕まえられるかもしれないわ!」
ああ、漸く希望が見えた。今まで手探りであのバケモノを殺す手段を探していた。けれど、さすがアースラのクルー。こんなに簡単に見つかるなんて。リンディさんの娘になった甲斐があった。
「ならば次会ったときはこのロストロギアを破壊すればいいんだな。七式の仇を取ってやる!」
「殺さないでくれよ。確かに彼は多くの罪を犯している。だからこそ逮捕して罪を裁き、贖罪してもらわないといけない」
あは! あははは!
待ってて、母さん。貴方を殺した彼奴をこの手で殺して見せるわ! 天国で待っててね。彼奴を殺したらきっとすぐに行くから。そしたら私を褒めてくれる? 労ってくれる? それとも、笑顔を見せてくれる?
san値チェック
エイミィ・リミエッター 1/1D10
チェック 72% 56 成功
san値減少 72-1=71
状態 邪神の手掛かり
フェイトのsan値チェックはこれから公開しません(黒笑)。彼女が如何いった精神状態なのか貴方達(探索者)も考えながら話を読んでいってください。これからは貴方方もsan値チェックをしたらより一層面白いかもしれません。
バレンタインで貴方、女性から幾つチョコを貰えましたか?
探索者はその冒涜的な、拒否すべき汚らわしい現実を突きつけられてしまった!
san値チェック
koth3 ⁺3/1D100
チェック 貰えなかったさ、コンチクショウ!! 自動失敗
san値減少 62-100=0
状態 不定の狂気(バレンタイン、もしくはクリスマスに対する異常なまでの憎悪)