san値直葬? 何それ美味しいの?   作:koth3

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風邪ひきました。その為本来なら昨日書き上げて投稿する予定が今日になりました。いまも少しだるいのですが。皆様もお体に気を付けてください……。


第20話

 12月24日、アースラ内で現在治療および、監視を受けている被疑者の自宅を強制捜査する許可が下りた。

 

 「此処か」

 

 俺はこの家に入って生きて出てこれるかは分からない。それでも、誰かはしないといけないのだ。あのような危険な存在を許すわけにはいかない。だからこそ、俺は死を覚悟してこうして捜査隊に志願した。

 

 「それでは結界を」

 「分かっている」

 

 もう一人の男が結界を展開する。本来ならこんな少人数での捜査なんて行われない。しかし今回は有事の際に最小の犠牲で済むように二人だけだ。小隊ですらもっといるというのにな。だが、他の奴らの危険が減っただけで良しとしよう。

 

 「良し、終わったぞ。これで周辺住民は何があってもここには近寄らないし、気づくこともできない。それと、何かあったらすぐに出てこい。被疑者の証拠探しも大切だが隊員の命が最優先だ」

 「何、証拠を見つけたらすぐに出てくるさ。安心しろ、すぐに決定的な証拠を見つけてくる」

 

 そうさ、何弱気になっているんだ。生きて帰る。死ぬ覚悟はしたが、死ぬつもりはない。

 扉にかかっている鍵を魔法でこじ開けて侵入する。中はカーテンが閉められ、明かりが無いために真っ暗で何も見えない。

 此処で証拠を見つけなきゃならないんだ。見つけて、こんな凄惨な今を直すんだ。

 

 

 

 風が吹く中、私は目の前の三人を睨む。病院の屋上で私は偶々遭遇したヴォルケンリッター達と向かい合っている。このままだと大変なことが起きる。だから話をしたい。けど、その為には。

 

 「邪魔をするな!!」

 

 レイジングハート、お願い。

 

 『デバインシューター』

 「なっ!」

 

 ヴィータちゃん、シグナムさん、それにもう一人。けれど、私は躊躇ちゃいけない。

 

 「私は見てきた。何も話をしないから起きた悲劇を。フェイトちゃんも、苦しんでいた。だから、私は無理やりでも良い。悪魔と罵られようが、それ以外の言葉で罵られようとも、私は貴方たちと力づくでも話をする!」

 

 今まで何の話もしないで悲劇は起きた。だから、それを止める。その為なら私は暴力だって使う。そうしなければもっとひどい事が起きるときだってある。それを私は知ったから。

 

 「だから、無理やりでも聞いてもらう! 貴方達は闇の書を完成させようとしている! けど、それは違う! 完成させたらはやてちゃんが危ないの!」

 「ふざけんな! そんな言葉信じられるはずがないだろう! 闇の書が完成したらはやては救われるんだ!」

 「なら! なら如何して、如何して『闇の書』って言うの!? 本当の名前である『夜天の書』って言わないの!!」

 「や、てんの……しょ?」

 

 やっぱり、やっぱり分かっていなかった。

 

 「夜天の書は改悪されて、闇の書になった! そして闇の書は完成したら主を魔力タンクとしか扱わない! はやてちゃんは救われない!」

 「そ、そんな、そんな訳があるか! 闇の書ははやてを、はやてを救うんだ!」

 「そんな事は起きない! 闇の書は完成したらその世界を破壊するまで止まらない!」

 

 分かって! 分かってほしい! 

 だけど、その願いは叶わなかった。

 

 「たとえそうだったとしても、私たちに残されたのはこの手段しかないのだ。恨むなら恨んでくれ。高町。ヴィータ、止まる必要はない。主の為に、今止まる訳にはいかないのだ」

 

 

 

 

 暗い部屋、しかし明かりはつくようで、俺は手探りでスイッチを探した。カチッという軽快な音ともに、その部屋は照らし出された。

 

 「な、何だこの部屋は!!?」

 

 壁という壁に赤いペンキで文字が、数式が書きなぐられている。それは部屋の壁だけではなく、家具にも書きなぐられている。

 

 「一体此れは?」

 

 数式をなぞりながら見てみると何かの証明のようだ。この世界で使われているアラビア数字だけでは無く、楔で削ったような形もあれば、絵で描かれている文字もある。

 あまりにも統一性のないその数式は、見ているだけで不安を浮かべるには十分だ。

 いくつか散らかっている紙を手に取ると、そこにはやはり訳の分からない数字が羅列している。

 

 「訳が分からない。一体此れは何を表しているんだ?」

 

 証拠品として一応回収しておく。もちろんこの数式もデバイスで撮影しておいている。

 

 「他に何かないか?」

 

 これだけではないだろう。俺はそう考えると魔法を使ってこの建物を調べる。デバイスが空気の流れから、秘密の抜け穴などを探してくれる魔法だ。証拠を集める際にこういった魔法があるのとないのでは結果が全然違う。

 

 「ビンゴ」

 

 デバイスから表示されている情報によると、地下室の存在する可能性が高いという結果が出た。

 デバイスの情報から判断して、地下室へつながるのはキッチンの所のようだ。

 

 「これか」

 

 キッチンの床には良く見ると、わずかに切れ目が奔っていた。床を触ると取っ手があり、それを引っ張ると地下へ続く道が見える。

 

 「……」

 

 暗い地下道をゆっくりと進んでいく。生臭い臭いに、薬品のにおいが漂ってくる。その臭いは嗅いでいるだけで、鼻が曲がりそうになるほどの悪臭がする。

 地下室に降りた俺は目の前に広がる光景に驚愕した。

 

 「何だ、この空間は!?」

 

 まるで、まるでうわさに聞く無限書庫と同じ。いや、それ以上の広さがあるんじゃないか? しかも、

 

 「これほどの技術は管理世界でも見たことはない」

 

 目の前にある祭壇と思わしきもの。しかし、祭壇に使われている技術は管理局でも再現不可能だ。有り得ない程に細い金属の棒。それを複雑に歪めてまげて、メビウスの輪を作り出している。

 

 「だけど、この部屋は何を祭っていたんだ?」

 

 祭壇の上には何もない。何かを祭るから祭壇なのに、此処にはその祭る対象が無い。唯、ぽっかりと空いた空間があるだけだ。

 この部屋以外にも様々な部屋がこの地下にはあるようだ。

 

 「此処は、……何かの実験室か?」

 

 フラスコやビーカー。はては様々な薬品が並んでいる。

 

 「これは何だ? 見たこともない道具だが?」

 

 学生の頃、科学の授業では使わなかったような専門的な道具が幾つか転がっている。如何やらこの部屋には特に証拠となるようなものはないようだ。

 

 「此処は、開かない」

 

 先ほどの部屋の対角線上にある部屋を開けようとしたが、びくともしなかった。魔法を使ってもびくともしない。

 

 「此処はあきらめるしかないか」

 

 そして違う部屋を開けるとそこには恐ろしい答えがあった(・・・・・・・・・・・)

 

 

 

 san値チェック

 

 隊員A 1D10/1D100

 

 チェック 45 62 失敗

 

 san値減少 45-44=1 (不定の狂気 失声症)

 

 状態 進んでいく世界

 




フェイトがいないのでなのはさんかなり危険です。また、作中でもありましたが、話をしないがゆえに今まで起きた悲劇を無くしたいと思っています。だからこの作品では無理やりでも話をしたいという考えです。

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