san値直葬? 何それ美味しいの?   作:koth3

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因みに原作だといたすずかとアリサは普通に家に帰っています。ですのでこの戦いには二人は登場しません。というより出たらもっと大変なことになってしまいます。
話が長すぎて分かりづらくなってしまいました! ですので???状態になられるかもしれません。


第22話

 何が一体起きている!? 

 無印の時から原作は崩れ去ったようなものだが、今回は今までと規模も、原因も違いすぎる!

 黒い巨大な翼を広げて、リインフォースが俺たちを押しつぶそうとするのを全員が回避する。

 

 「何て威力だよ……!」

 

 回避しきった後に、今までいた場所を見ると隕石が直撃したかのようにえぐれ、瓦礫の山となっていた。

 体に乗った瓦礫をガラガラと落としながら、リインフォースは飛び立ってこちらを見てくる。

 今の動きからみてゲート・オブ・バビロンは通用しそうにない。速すぎて当たりそうにない。ならば残された手段は。

 

 「ぉおおお!!」

 

 接近戦による高速戦闘。接近戦において、最高速度は確かに重要だがもっと重要となる要素がある。それは小回り。

 巨大化しすぎた翼によって今のリインフォースは細かい動作がほとんどできていないだろう。その結果があの無様なまでの突進だ。小回りの利かない体だから最高速度での突進で押しつぶす。そう判断したんだろう。

 

 「こちら御崎。アースラクルー聞こえるか?」

 『こちらアースラ! 御崎君、聞こえるよ!』

 

 丁度良い! エイミィか!

 

 「アレの状態が知りたい。それになのはが言っていたはやてという子は助けられるか? それとあの猫姉妹に聞いておいてくれ。闇の書にあんな機能があったのかってな!」

 

 取り出したのは最強の聖剣ならぬ最強の魔剣、グラム。これならリインフォースとの戦いでも耐えられるだろう。

 

 『分かった。時間を頂戴。タイムリミットまでに片を付ける』

 

 そこまで聴くと俺は念話を切って、目の前の相手と向かう。今までの経験が騒いでいる。超直感なんてないが、それでも今のリインフォースは彼奴と同じ嫌な感覚がする。油断すれば死ぬ。

 

 「待てよ! お前何するつもりだよ!」

 

 だが、目の前には赤い騎士がいた。

 

 「はやてに、はやてを傷つけるな!」

 「……そいつはもはやはやてとは言えない」

 「それでもはやてだ! 変わり切ったとしても私達の主、八神はやてだ!」

 

 クソ! ここにきてはやてと闇の書の騎士たちの絆が最悪な形で出てきたか! 

 ヴィータの叫びに他の守護騎士たちも立ち上がり、リインフォースを守るように並ぶ。

 

 「そうだ。我らが主を守る。それが騎士の務め」

 「はやてちゃんを助ける。それにはこうするしかないの」

 

 畜生! はやてを救うためにも時間を稼がなければならないのに、これではこいつらごとやられる!

 

 「aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!」

 

 咆哮を上げながら、リインフォースは翼を最大まで広げて突進準備に入っている。

 

 「くそ! 避けろ!」

 

 せめて、一人でも良いから助けようとエルキドゥを使うがそれはシグナムに切り落とされてしまう。

 

 「テオラァアー!!」

 

 リインフォースが突撃した瞬間、青い影が現れて三人をまとめて吹き飛ばし、自身もまた逃げ出したのが見えた。

 

 「ザフィーラ!? いきなり何を!?」

 「それはこちらの言葉だ、ヴィータ。感情を捨てろとは言わん。しかし、現状を認識できなくなるほど感情を高ぶらせるのはお前の悪い癖だと何度言った?」

 「そ、そんなことよりも、はやてが!」

 「そうだ。我らが主を救うには私たちの力では不可能。主を救うには管理局の力が必要だ。シグナム、シャマル。お前たちもお前たちだ。ヴィータの焦りから現状把握が出来なくなってしまい、下手をすれば今ここで主を救う手段がなくなるところだったのだぞ?」

 「っつ、すまん、ザフィーラ?」

 「ゴメン」

 「分かれば良い」

 

 そう言ってザフィーラはこちらを振り向き、俺となのはに叫ぶ。

 

 「管理局の隊員よ。我らは投降しよう。その代わり、主を救って欲しい。その為ならいくらでも手を貸す。だから、頼む」 

 「大丈夫だよ。アースラで今、皆が頑張って解析してくれている。すぐにはやてちゃんを救う方法が見つかるよ」

 「そのためには時間が必要だ。お前たちには時間稼ぎをしてほしい。敵は最高速度任せの突進しかしてこない。しかも一度使ったら再度使うのに時間が掛かる。方法は二つ。突進を避けて、時間を稼ぐ方法。もう一つは、接近戦で相手を封殺する事」 

 「分かった。前者の案よりも、このメンバーだと後者の案が適しているだろう。私とヴィータ、それにザフィーラが主を引き付ける」

 「待て、そしたら俺は?」

 「お前は後方で守りを固めていてくれ。お前は察するに接近戦よりも後方からの殲滅攻撃にスキルが偏っている。ここで無理に前に来られて落とされたら主を救えなくなるかもしれない」

 「分かった」

 

 そこまでヴォルケンリッター達と話をしていたら、後ろで彼奴がまた突っ込んだ建物を破壊しながら翼を広げ始めていた。

 

 「行くぞ!」

 「分かった!」

 「ああ!」

 

 シグナム、ヴィータ、そしてザフィーラが彼奴にまとわりつくように飛びながら攻撃をしていく。だがリインフォースはそれに対して反撃する事すらせず、煩わしそうに体を振るばかりだ。

 そしてシャマルは後ろから三人の援護を始めていく。こうしてみると後方支援としてシャマルが用意された理由が良く分かる。現場の状況把握能力の高さ。判断能力に決断力。そういった力はヴォルケンリッターの中でもトップクラスだし、強化魔法などで前線メンバーをより強くしていく。

 今のヴォルケンリッターならかなりの時間は稼げる。それに、

 

 「突き刺さって動けなくなっていろ!」

 

 あの巨大化した翼に宝具を振り下ろしていく。胴体は三人が攻撃しているから狙うわけにはいかない。胴体を攻撃したら三人を巻き込むかもしれない。しかし、翼は別だ。翼なんてあの三人は鼻から狙ってなんかいない。ならばこそ攻撃個所として有効。さらに、

 

 「gggggggggiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii!!!!!!」

 

 翼を宝具が貫通して、釘を打ち付けられたような状態になった。

 

 「今だ、なのは! ディバインバスターで縫い付けろ!」

 「うん! みんな離れて!」

 『ディバインバスター』

 

 レイジングハートをなのはが向け終わる前に、三人はその場を離脱する。三人が居なくなったことと、俺の攻撃を危険と判断したのかこちらを向いたリインフォース。だがそれは遅すぎる。

 

 「いっけぇえええ!!!!!!」

 

 淡いピンク色の光がリインフォースを飲み込んでいく。そしてその衝撃でリインフォースは身動きが取れなくなった。

 

 「宝具の中でも最大重量の物に押しつぶされろ!」

 

 取り出すのは一つの柱。しかし、これは唯の柱じゃない。かつて海の嵐を鎮めた柱。しかしとある岩猿によって棍として使われた宝具。

 

 「伸縮自在な鎮めの柱(にょいきんこぼう)!」

 

 出現した際は唯の棒だったものが空中で巨大化してリインフォースを押しつぶす。そして、地面にリインフォースを叩き付け、宝具の杭を打ち付ける。

 

 「これで動けまい!」

 

 いくら凄まじい力があったとしても、八tとも言われる如意棒を支えるだけの力があるはずがない。しかも重力による加速も考えれば。

 

 『聞こえる?』

 「聞こえるぞ!」

 

 そうしてリインフォースを縛り付けるのに成功すると、エイミィから連絡が来た。

 

 「はやてちゃんを助ける方法が分かったの?」

 『うん。アースラクルーの解析能力を甘く見てもらっちゃ困るね。分かった事は一つ。今の管制人格の暴走は、闇の書でもエラーを起こしているみたい。けど、そのエラーを無視するために膨大な魔力を使ってエラーを無視して行動している』

 「一寸待て! エラーを無視する? それは不可能だろう。エラーしたら大概プログラムはフリーズするはずだ」

 『それだったらそもそも闇の書が行動なんてできないよ。闇の書は正規のプログラムが可笑しくなってバグっている状態。エラー何て出っ放しの状態だよ? それでも起動できることから考えて、本来フリーズするはずの物を無理やり起動し続けている。逆に言えば起動できるだけの魔力を無くしてしまえばフリーズして起動は停止する』

 「なら!」

 『だけどその方法はほとんど不可能だよ。アースラ内でも大概の人がそう思っている。けど、私はそう思わない。なのはちゃんのエクセリオン状態でのディバインバスター。そして守護騎士たちの最大の一撃。それに、クロノ君も加わればそれで闇の書の魔力量を上回ることもできる! クロノ君も新しいデバイスを用意してそっちに転移するから!』

 

 そうエイミィが言った瞬間、クロノは今までのデバイスと全く違うデバイスを装備してこの場に加わった。

 

 「遅くなってすまない」

 「別にいいさ。それよりも頼む」

 「言われなくとも」

 

 方法は判明した。人員もいる。あとはそれを実行するだけか。

 

 「おい、闇の書の主を救う方法が分かった!」

 「本当か!?」

 「ああ」

 

 この策にはなのはやクロノだけではなく、ヴォルケンリッターの協力も必要だ。

 

 「全員の最大出力によるノックダウンだ! それで彼奴は止まる! そしたら闇の書の機動は止まり、はやては助かるかもしれない」

 「分かった」

 「カウントダウンは十秒。今からカウントする。カウントが終わったら一斉に最大の一撃を放ってくれ」

 

 そう俺が言うと、全員がそれぞれの攻撃に相応しい位置に移動する。

 なのははあたりの魔力を集め始め、他の奴らもデバイスを変形させてそれぞれの一撃を与えられる状態になった。それを確認して、俺はカウントダウンを始める。

 

 「行くぞ! 十」

 

 なのはがレイジングハートをエクセリオンモードへと変える。鋭い突撃槍のような形状へと変わる。

 

 「九」

 

 ヴィータがグラーフアイゼンをギガントフォームへと変える。ハンマーがさらに巨大化して大槌へと変わっていく。

 

 「八」

 

 シグナムがレヴァンティンを鞘と融合させて、ボーゲンフォームへ変える。その後、シグナムを炎が囲む。

 

 「七」

 

 シャマルはそれぞれの魔法の威力を高めるために詠唱をしている。全員を魔法の光が覆っていく。

 

 「六」

 

 ザフィーラが鋼の軛を発動する。全てを粉砕するための鋼が形作られていく。

 

 「五」

 

 クロノが凍結魔法を使う為の詠唱を始めている。辺り一帯の温度が下がっていく。

 

 「四」

 

 そして、俺もまた加勢するためにデバイス、エアに登録された砲撃魔法を展開していく。

 

 「三」

 

 英雄王の資質を受け持っているこの体の魔力は、人間とは比べようにはならない程膨大。それでもこの魔法にはそのすべてを費やさないと放てない一撃だ。

 

 「二」

 

 黄金色の魔法陣が展開される。それと同時に他の全員の魔力光が辺りを照らしていく。

 

 「一」

 

 さあ、はやてを救う。 

 

 「零!」

 『エクセリオンバスター』

 『ギガントシュラーク』

 『シュツルムファルケン』

 『鋼の軛』

 『エターナルコフィン』

 『ワールドブレイカー』

 

 その瞬間、あたりから幾つもの輝く魔法が放たれる。その光が黒く濁ったリインフォースを撃ちぬいていく。

 ぴしりと何かひび割れる音がした瞬間、光の中にあるリインフォースの体がひび割れ、壊れていく。

 

 『……ラグナロクブレイカー!』

 

 そして中から一筋の光が俺たちの前を噴き出し、世界をやさしく照らした。




リインフォースが実は弱体化していた件。これは理性的な行動をとれず、ただ力任せの攻撃しかできない状態のため弱くなっています。
魔法での攻撃は海ではなく普通にビル街で行われています。ですが結界のお蔭で被害はなし。
因みに実はなのはのレイジングハートは強化されています。理由は主人公がいるからです。管理局は人員が派遣しづらい代わりに、道具や部品だけは支給してくれました。

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