san値直葬? 何それ美味しいの?   作:koth3

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最初に警告です。
グロ注意、グロ注意、グロ注意!!
大事なことなので三度言いましたが本当に今回の話は作者の中で一番グロイ部分が出ているはずです。


第5話

 あの異常な光景を目の当たりにしたその日から学校へ行くまでの時間を利用してありとあらゆる道具を作成していた。錬金術によってある薬品とその薬品をしまえる特殊な道具。それに奉仕種族の持つ発達した科学力による武器などを作成して用意した。こんなものは持ち歩いていたくはないがそれでもいつ必要になるかは分からない。そんな街の状態である事を苦々しく思いながら俺は学校へ出かけた。本当は学校なんて行く余裕なんてないが一応学生の身分だ。理由もなく無断欠席なんてしたら学校側もアクションするだろう。そうしたらその時点で自由に動くことなど出来なくなる。

 八方ふさがり的などうしようもない事を考えながら俺は学校へ向かう。数時間を縛られてしまうがそれでも必要な時間としておこう。湧き上がる焦りと不安を押し殺し狂も平穏な時間を送っていく。

 

 

 

 終業のチャイムが終わると同時に俺はランドセルに教科書、ノートを突っ込んで急いで帰る準備をし始める。唯、そんな俺の姿が物珍しかったのか隣りの席の友人が話しかけてきた。

 

 「あれ? 如何した九頭竜(クトゥルー)? もう帰るのか?」

 

 普段俺はもう少しゆっくりとしてから家に帰る。だからこんなに急いで帰る姿が珍しかったのだろう。俺の名前を読んで訪ねてきた。

 

 「一寸ね」

 「そうか。じゃあ、また明日な!」

 

 明るく別れの挨拶をしてくれた友人に返答してから俺は学校を飛び出していく。一刻も早くあれを見つけて如何にかしなければ。

 あれがあったのは街中だったが街だけにあるという事はないだろう。むしろあれの特性から考えて街中に有ったら今頃起動しっぱなしだ。おそらくは人が余り寄り付かないところに落ちているのではないか? そうあたりを付けた俺は近くの山に向かうことにした。あそこは標高が小さく山というよりは小山。子供の足で登頂するのに三十分もいらない。其れなのにうっそうと生い茂る木々が作り出す闇が不気味なのか誰も入りたがらない。あそこならば起動する理由がそうそうない。そうあたりを付けて俺は近所の山めがけて足を進めていった。

 

 

 

 うっそうと生い茂る木々や草に視界を取られながら俺は注意深く山を登っていた。もちろん地面だけじゃなく木々も調べている。アレは見た目は綺麗な宝石だ。鴉か何かが加えて巣に持ち帰っている可能性も高い。

 探索して一時間が経過した頃だろうか。行き成り目の前の方向から耳をふさぎたくなるような咆哮が響き渡ってきた。そして音が聞こえる。ぐちゃとした粘性の泥を踏んだような音。けど前から漂う臭いはそんなものではない。家にあった地下室の一室で嗅いだ臭い。それと全く同じ。いや、種類が少しだけ違うだけでほとんど同じ鉄の匂いがする。

 そろそろとゆっくり慎重に歩を進める。此処でこの臭いの原因を作った奴に気が付かれたら拙い事になる。本能的にそう悟った俺はどっと噴き出す汗を無視して進んでいく。あまりの遅さに笑いたくなるがそんな余裕は今はない。

 少し開けた広場のようなところで俺はそれ(・・)を見た。見てしまった。

 

 ぐちゃぐちゃになった肉塊(・・・・・・・・・・・・)至る所にある肉の抉れた痕(・・・・・・・・・・・・)。そこから流れる血液の海。ぷ~んと漂う吐き気のする鉄独特の臭い。視覚と嗅覚でそれを認識させられさらに、

 ガツッガツッズルグシャと、音が響く。その犠牲者の頭と思わしき場所で白い野犬がその肉を貪りつくしていた。とっさに悲鳴をあげそうになった口を手で押さえ、無理やりに声を殺す。今叫び声をあげたら彼奴は俺を襲う。普通なら人間の死体を一人分食べたら腹が膨(・・・・・・・・・・・・・・・)れるはずだ(・・・・)。だけどアレはきっと違う。いくら食べても空腹が満たされる事なんてない。どれだけ食べても、どれだけ搾取しても。どれだけ貪ってもアレはアレの所為で願いがかなう事はない。願いを叶えさせない為にアレが(・・・・・・・・・・・・・・)起動しているのだから(・・・・・・・・・・)。恐らくは如何仕様もないほどの餓えを満たしたかったのだろう。だがその純真で生物なら当然の願いもアレ、あの忌まわしき宝石によって決して叶わなくされた。わざと願いを曲解させる機能がまだ生きているのだろう。願いが狂った結果どれだけ願いを叶えようとしても叶うことはない。永遠の命を欲したら生命活動を停止させて永遠と仮死状態で眠らせて、喉の渇きから水を欲したらどれだけ水を飲んでも渇きが癒えることはないように。そうやって起動してからも強い思念を集めて最終段階まで至るだけの思念を集めようとする。それがアレの最も醜悪な機能のだ。

 けれど人である以上同族たる人が食い殺されている状態で精神を保つというのは不可能だ。あまりの光景に吐き気を我慢しきれなくなり吐いてしまう。

 

 「おぇぇぇぇぇぇ!!」

 

 その音で気づかれたらしく野犬がこちらにその餓えた瞳を向ける。すぐさま威嚇すらせずに飛びかかってきた。よほど飢えが酷いのだろう。手当たり次第動く者は喰らおうという感情がその瞳には映っていた。余りの急なその動作だがとっさに体を投げ出すことで飛びかかり事態は避ける事が出来た。地面に体を強打してしまったがすぐさま体を起こした。体を起こす頃にはすでに野犬は体勢を整えて飛びかかるために体勢を低くしている。咄嗟に用意しておいた道具を取り出して構える。

 それは見た目は白く、まるで特撮に出てきそうな宇宙人が持っている銃のような形態。実際これは銃なのだからそれは合っている。

 足を肩幅にしてしっかりと構えて狙いをつける。野犬が後ろ脚を動かして地面をけり体を浮かせた瞬間俺はその到達最高点めがけてその銃を撃った。

 銃口から放たれたのは唯の弾丸ではない。それは今の人類よりはるか先を進んだ科学力を持っている奉仕種族が持つ技術を使って作成した電気銃だ。威力は最大で雷に匹敵し、威力を調整すればスタンガンのようにも使える。それを野犬に向けて発砲した。当たらなければ俺は此処で永遠と野犬に肉を貪りつくされるだけ。だが、如何やら賭けには勝ったようだ。飛びかかっていた野犬は感電しながら勢いを殺せず地面に激突して泡を吹いて気絶している。

 野犬を前にして俺はその体を詳しく調べてみた。痙攣している以外に外見の異常は見当たらず如何しても残された一つの手段をするしかなくなってしまった。もしこれで傷など異常があればそこから詳しく調べて対策を取れたかもしれないが。

 俺は震える腕でポケットから一つの道具を取り出す。震える手に収まっている其れの鞘を外す。ギラリと木漏れ日の光が反射して俺の顔を映し出す。その顔はもはや人間の顔とは到底思えなかった。血走った目を限界まで広げて興奮した顔は何処までも赤く恐ろしい顔立ちになっていた。それでも俺はこれをしなければならない。

 手の中にある道具で野犬の腹に突き立てて一気に切り裂く! 飛び散る血が顔にかかり、服を真っ赤に染めていく。血のにおいと目の目の生物を殺した感触に耐えきれずもう一度吐瀉物をまき散らしてしまう。それでも止まる訳にはいかない。切り裂いた腹の中をを皮を、肉を切り裂いたナイフと手探りで探す。その頃には痙攣していた野犬は既にこと切れて動かなくなっていた。そんな中いくつもの内臓をつぶしてしまいその度に逃げ出したくなる気持ち悪さに襲われながら漸く青い血塗られた宝石を発見した。それを確認して俺はもう一つ用意しておいた薬品の中に沈める。錬金術によってのみ作られるその薬品はきちんと効果を発揮したようでみるみる薬品に浸した宝石が消えていく。

 これで一つ目の宝石の排除は終わった。野犬の血にまみれながら俺は震える膝を抱えながら荒い呼吸を何度も何度も整えていた。

 

 

 

 いあ! いあ! ☆〇■▲♪! 

 

 何処から声が聞こえる。その声は人には聞こえずに只々この宇宙に影響を与え続け誰にも観測されることはなかった。もし、いやこんなことを言っても意味が無い。もしもやたられば等はこの世に存在していない。矮小で愚鈍な人間は唯目の前の深淵の闇の中を目を瞑りながら歩き続けて何時しか消える事しかできないのだから。選択等は所詮消える方法を模索しているに過ぎない。

 愚かな人間は過去を散策して開けてはならない箱を開けてしまう。その箱は決してパンドラではなく言葉通り絶望しかないというのに。しかも過去からの破壊すべき異物を違う世界へと運んでしまうという愚かな行為をしながらその異物を探し続ける。自分が抱えている、探させている物がどれだけ危険な物であるかを知らずに。

 

 

 san値チェック

 

 主人公(九頭竜 ???) 1/1D6

 

 チェック 0%(実質18%) 84 失敗

 

 san値減少 -8-5=-13

 

 状態 宝石の被害者




主人公の名前(苗字)の登場とジュエルシードの機能の一部。願いを空回りさせることでより強く願いを願わせるという悪循環を引き起こします。

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