後、謝罪文の追加です。竜巻の件を入れるつもりだったのですが少々後が続かなくなるので中止とさせていただきました。ごめんなさい!
外したか。
電気銃の弾丸が通った後にはなにも残されていない。それこそ肉片の一つも。プラズマで蒸発したとシても肉片くらいは残っても良い事から考えるにアイツらは逃げ切ったようだな。
熱がこもっている銃をコートのポケットの一つにしまいこんで今度は違う道具を取り出す。それはとある魔導書。ある大魔導師が書いた最悪な代物。それをメモ帳に書き写した写本。そこに書かれている呪文を唱えることで俺は高町の視線を強制的に外させる。
「何で?」
「何だ?」
「何であんなことを言うの!」
……何を言っテいる?
「当り前だ。彼女は異人だ。俺が守るべき存在ではない。そして守る価値すらナい。アレの危険性を理解しておきながらあんなものを手に入れようとする存在なド害悪でしかない。ならば早く摘み取ってしまうのが一番だ」
俺の言った言葉を理解したのかしていないのか顔を歪ませて高町はまた何か叫ぼうとしていた。だがそれを聞く必要はない。残念だが今はあのフェレットは諦めよう。そろそろ戦闘力の高いあの二人も回復すル頃だからな。
「やれ」
ぐらぐらと地面が揺れる。どうやらテレぱシーは通じていたようだな。地面が揺れたことで体勢を崩した高町を置いて俺はその場を後にする。姿を隠すために路地裏を通って移動する。高町の姿が見えなくなったところで仮面を外し、コートを脱ぎ捨てこれから必要になる道具だけを回収しライターで着火する。これで証拠は消えた。ぱちぱちと燃えるコートを見つめながら俺はずっとそこに立ち続けていた。
アレがこの世界に来てから俺は此処までの怒りを覚えただろうか? いやない。あの異物はどこかまでこの世界を滅ぼしたいのだ? ああ、なら俺もこの体で戦わないでデも良い。確実に殺すべきだろうか。しかしこんな場所で本来の姿で戦えばどれだけの被害を出してしまうのだろうか想像できない。なら今はこの体でどうにかするしかない。
跳ぶための道具を用意しなければならない。目の前でくだらない戦いをし始めた異物を排除するためには。
ずるりと粘着質な何かを斬り破りコウモリのような骨格に黒い羽をつなげ、一切の皮膚のない翼を作る。ああ、全てを排除してシまエ。
いあ! いあ! ☆〇ゥ▲♪!
ああ、何処からか何かが聞こえる。ボソボソと耳障りに眼球の裏をまるでひっかくような痛みを伴って、腐ったラズベリーを踏みつぶした醜悪サを伴って。
高まりとあの異物が戦っている中、残る二人の人間と見たことが無い異物。それと姿を変えている異物がいる。ああ、くだらない。友達? 世界を滅ぼそうとしている異物などは友として迎えられるはずがない。朝の陽ざしを受けながら俺はその不気味な翼を広げて彼女と異物に襲いかかった。
「「キャアア!」」
「何!?」
高町と一人の異物は悲鳴を上げて俺を避けるために杖と鎌の打ち合いをやめてその場を離れる。それを見た異物が二つにあの二人が声を上げる。ああ、耳障りだ。余計な音を響かせるな。お前たちはこの世界の人間じゃないんだ。ダカラ余計な音すら残すな。
「貴様、何者だ!?」
「正体は分からないがお嬢様たちの決闘の邪魔をされては困る」
まだか? まだ分からないのか、此奴らは! アレが何か。そしてアレが持っている恐ろしさヲ!
ふつフつと怒りが込み上げてくる。
「貴方は」
「君はあの時の」
しゃべりかけた異物をそのまま殴りぬく。余計なことをさせない。それこそが最も重要なのだ。それに此奴は何度もアレを起動させている。此奴の魂にはあの醜い輝きが残っている。ならば今、この世界から駆逐しなけれバならない。しかしその一撃は鎌で防がれテしまった。
「貴様! 我の言葉も聞かず二人の決闘の邪魔をするか!」
「少し許せないな。あの二人はお互いの矜持をぶつけ合っていたのにそれを邪魔するなんてね」
うるさい。二人? 此処には三人と三つの異物しかない。二人で戦った形跡なんてない。
そんな事を想っていると二人の内片方が後ろの空間からいくつもの武器を放射してき、残りの片方はまるで蜘蛛のような動きで空中の魔法陣を蹴り、こちらに接近してくる。
今の俺の体では二人の攻撃に対処できない。だから、俺以外の存在を呼び出す。
「いあ! いあ! アザトース!」
その呪文は本来の形から外す。召喚するのはアザトースではない。アザトースの周りにいるトゥールスチャだ。彼らは召喚されると同時に地上からは消える。
「何をするかと思えば失敗したか、この異形が!」
「無様だな。だがまあ次はない」
二人が放った攻撃の内既に武器は俺の眼球に触れかけている。
「だめぇええ!」
高町の悲鳴とともに俺の目の前に緑色の火柱がアがる。その火は冒涜的であり退廃を好む外なる神の一種。召喚されると同時に地上から地球の核に潜り込んでから火柱を上げる神だ。その神格は死や腐敗、衰退を好む性格である。だが、俺が無理やりにも此奴らを使役する。不可能ではない。此奴らはアザトースの踊り子。アザトースの周りで踊り続ける神格。ならば俺をアザトースと認識させてしマえば良い。その結果、彼らは俺へ迫っていた武器を溶かしつくした。
「なっ!」
そして武器を燃やし尽くすと同時に火柱がまた上がる。その火柱によって進路を妨害された七式は後ろに跳び退り間合いをはかる。
「クソ、一体何だ? アレは」
「それで終わりなら俺は作業を進めさせてもらうぞ?」
そう言って二人を無視してあの異物の方へ振り向くとオレンジ色の異物がこちらに牙を剥いて唸っていた。
「……アンタ、一体何だ? その体はなんだ! 生きている臭いがしない!」
「それが如何した。俺は唯この世界の平穏を乱す存在を滅ぼすだけだ」
力を込める。この体ではそこまで力は出せないが思いっきり殴れば大人くらいなら撲殺できる。そうして力をためてもう一度あの異物とオレンジ色の異物を殴ろうとしたとき緑色の鎖が俺を縛った。
「ユーノ君!」
「なのは! 彼に話は通じないよ! 今すぐ倒さないと彼は危険だ!」
危険? お前たち異物よりは危険じゃない。だが、別に風評などは如何でも良い。ただ俺は世界を守れれば良いのだから。
桜色の小さな光の弾丸が幾つも俺めがけて殺到する。その逆からは黄色の光でできた鎌が俺を切り裂こうとしている。
上からは小型のナイフを構えた七式が飛びかかってきている。反対の下からは先ほどよりも数を増した武器群が凄まじい速さで俺を串刺しにしようとする。
このままでは対処できない。だから俺は体を変える。エルダーサインはついたままだが今の俺には意味が無い。唯周りの人間を発狂しないようにする封印のようなもの。俺自身の神格には何一つ意味が無い。
それを見た高町なのは、フェイト・テスタロッサ、ユーノ・スクライア、エイミィ・リミェッタ、クロノ・ハラオウン、アルフ、七式世闇、御崎統也。その他のアースラの乗組員。そのすべてが心の底から恐怖した。例え大魔導師ですら四人の攻撃は受けきることも回避することも不可能なはずだ。それをアレは受け止めた。有り得ない形で。
それは人類とは到底言えない光景だった。両肩のあたりから突然仮面をつけた少年より大きい黒い骨のようなものが皮膚を突き破り出て彼らの攻撃を全て受け止めていた。攻撃を受け止めると同時、その黒い骨を覆うように黒い泥がボコボコと骨の表面から隆起して肉となる。その際に出た悪臭は人間には耐えきれるようなものではなく鼻で呼吸することを許さないほどひどい。至る所が節くれだって何度も折れ曲がり地獄の業火で焼かれつくした罪人が助けを求めるように見える。
そしてそんな姿を見たアースラの乗組員はたった一言、仮面の少年に相応しい言葉を人知れずぽつりとつぶやいた。
『邪神』
と。
san値チェック
高町なのは 1D6/1D10
チェック 100%(実質99%) 76 成功
san値減少 100-2=98
状態 邪神の醜悪で直視し難き姿
流石なのはさん。ダイスを振ったけどまさか2がでるとは。本当は不定の狂気位に追い込もうと思ったのに。
修正でなのはさんのチェックは成功したことに。唯減少率は変えません。