そのうちゲームが楽し過ぎて世界中の人間がやるべき事をやらなくなってしまうのでは⁉︎
興醒め
その言葉が一番この状況に相応しく思えた。
やっと出会えた新しい『楽しみ』だ。
花京院と戦うのも勿論楽しいだろう。だがその為にはポイントが絶対に必要になってくるし、どこでもできてすぐに他人と遊べるというのが楽しみだったのだ。
それなのにいざ学校で遊ぼうと思ったら2人だけ。その上初心者と臆病者ときた。正直このゲームの人気を疑う。本当はほとんどプレイヤーなんていないのではないだろうか。
「このままスカッシュでもやってるか…………」
周りからは『黒いの』と一年以外の人間が消えていた。静かになったのでやるゲームを切り替え、スカッシュをやろうとする。が
「待て!その前に私の質問に答えろ!」
『黒いの』はそれを良しとはしないようだった。
ゲームをやらない癖に質問には答えろという、なんともふざけた態度に彼は少し苛立ちを覚え、『黒いの』に向かってメンチを切った。
「やかましいぜ?こっちはゲームをやるとこなんだ……邪魔しないでもらおうか」
彼は言葉に半分怒りを込めてそう言った。
「そうはいかない。君のような奴を放っていれるわけがないだろう?」
『黒いの』も負けじと彼に言い返す。彼はその顔からは焦りと怒りを感じた。
「やはりテメェは気に食わねぇ……」
「ほう、暴力に訴えるのか?この人の多い場所で私に?」
「…………………ゲームで決めんぞ」
「……………ならば丁度いい。彼が相手をしよう」
『黒いの』のドヤッとした顔に少し、ではなくかなり苛立ちを覚えた。自分で戦わないというのも気に食わない。
「喧嘩を買っておいて自分では戦わないってのか?飛んだ腰抜け野郎だ」
「私は今訳あって戦いそのものに関与していない。彼は私が教えている後輩でね。これから説明をと思っていたんだ。だから君との戦いの途中で説明をしようと思っている。それと私はこれでも女なんだが?野郎というのは些かおかしいぞ?」
『黒いの』のドヤ顔と話し方にイラつき苛立ちがMAXになった彼は、拳で相手の顔に凹みを作ろうとした。その時
(…………?メール、それも花京院)
「………メールだ」
「別に構わない。早く出たらどうだ?」
相手の言う通りに花京院のメールを確認する。
『おはよう、今日は中々の晴天だね。そっちはどう?こっちは今雲一つないよ。…………っと、話がずれたね。昨日のゲームの事なんだけど、君の学校にはゲームのプレイヤーが少ないようだ。だから最初の戦闘の後は仲良くしたほうがいいよ?その後にゲームについて教えてもらうといい。僕が教えた事は基本中の基本のみだからね。それじゃ。『王様』に粗相のないように』
彼は思った。
花京院はシメる。