そして次に会った時に花京院を半殺しにしようと決めたのであった。
「つまり?このポイントは集めておけばいいって事か?」
「は、はい………そういう事かと……」
「…………もういいだろう。話を進めよう」
修夜はハルユキから《B・B》についての説明を受けていた。
どうやらこの後輩、それなりに相手を理解する能力が高いようだ。
相手を頭から拒絶しようとしない。それは同時に相手に自分を拒絶させない事でもある。
恐怖感を与えない
それは自分にはない《望んでいた力》だ。
ハルユキの顔から、体型から、話し方から、修夜は妙な安心感を感じていた。
「さて、有田くんはいるとしてーーー君はどうするのかな?」
「…………俺はこいつを気に入った。俺も話を聞こう」
「………ふむ、まぁいい。では話そう」
《黒いの》から聞いた話は彼のカンに触るような話ばかりだった。
ゲームを極める事を望んだ結果、すべてを失った。
隙を見せたことで四六時中狙われてしまっている。
だがその敵は未だに見つけることができないままでいる。
「……………お前、《攻略》とか言うのに失敗したことあるか?」
「どこでその事を聞いたのかは知らないが……確かにそうだ。先程も言ったが私は黒の王、《ブラック・ロータス》だ。自分のレギオンも勿論あった。………既に失ってしまったがな。その時に大失敗を犯してしまったよ」
「俺の《親》は言っていた。お前の行動は間違っていないと。………その主張は正しい」
「…………君は」
彼は思った。
こいつは思ったよりもつまらなくないと。
その夜、彼は花京院に連絡をいれた。
件の事で殺意は抱いていたが、それは日常茶飯事だ。今はそれよりもすぐに確認したいことがあった。
「………花京院」
『やぁ、王には会えたかい?』
「そのことについては直接お前の体に教え込んでやる。受け身の練習と柔軟体操でもしておけ」
『今回はプロレスか………』
「それよりも聞きたい。…………お前はレギオンに入っているのか?」
『一応、アプローチは受けているよ』
「どこから?」
『グリーン・グランデというかなりの規模のところさ。僕のアバターの色と強さを気に入ってくれたらしい。幹部で迎えるとの事だ』
「そうかよ…………ところでお前、なんで王がいるって知ってる?」
『……………』
「おかしいだろ?いくらお前でも王がうちにいるなんて知ってるはずがない。それにメールのタイミングもそうだ。…………お前、襲撃してたのか?」
『……誤解があるみたいだから言うけれど、僕は襲撃犯ではないよ』
「あ?」
『彼女が危ないことは知っていた。でもね?僕は彼女の敵ではないつもりだよ』
「…………どういう事だ?」
『加速世界にもいるんだよ…………《悪》が』
「…………詳しく説明しろ」
『いいかい?僕は私利私欲のために他者を踏みにじる行為を悪だと言っている。……………名前はわからないけど、他人のアビリティを奪い、その相手を殺しきる奴がいる』
「…………それとこれと、なんの関係がある?」
『恐らく、近いうちにそいつは君の学校に現れる』
「!」
『僕にできる事。それは君に戦う資格を与える事、そして王を助ける仲間を作る事』
「それが俺だって言うのか?」
『彼女自身も作っていたみたいだけど………大きな敵と戦うのに仲間は多いほうがいい』
「それはお前が『王がうちの学校にいる』事を知っている理由にはならないぜ?………なぜ知っている」
『加速世界において、スタンド使いは僕たち以外もいた』
「それがその《悪》だと?」
『恐らく《悪》との繋がりはある。………僕はある人からそいつらを潰すという願いを聞いた。その為に色々と調べているのさ。……それと、王がいると分かったのは偶然だよ。まさか君のクラスメイトだとは思わなかったけどね』
「…………お前は仲間にならないのか?」
『僕にはまだ他にやる事がある。先に『上』で待ってるよ。………大丈夫。君の望みは叶うさ』
花京院は通話を切った。
疲れた