ありがとうバックアップ、切継さん並に涙が出る自分。
ある世界に多くの戦場で戦い続けた赤の弓兵がいた。
自身の正義を貫き、できる限り多くの人をを救いたいと思い、弓と剣を握り、戦い続けた。
その者は自身の死後をチップにし、世界を救い世界と契約した。
その世界さえも救い出した男の最期は、自身が助け出した人達による処刑という、彼にはそぐわぬ末路だった。
契約によって、男は人類の滅亡を回避する為の存在『守護者』となった。
周囲を、人々を、世界を救おうとした彼の天職の様なものになった男は喜んだ。
ーーーーーーーーーーこれでもっと多くの存在が救える、と。
それこそ幻想だ。
延々と人々の愚行を、
男はそれを数回行っただけで自身の信念や願望は崩れ去り、過去の自分に怒りをたぎらせていた。
「あぁ、違う‼︎こんな事のために守護者になったのではない‼︎」
最初は、義父の意志を引き継いだだけで、周囲の人々を守れれば十分だったのに、何故こんな事に。
偉業を成し遂げ、英雄となった者の霊『英霊』となってから彼は、幾度か過去の自分を殺そうとした。
しかし毎度、その願いの答えを得て、自身を殺さずに戻っていた。全ては世界から
そして今、男は二、三回経験したことのある感覚に襲われた。
ーーーーーーーーサーヴァントとして召喚されるのだ。
「ーーさて、今回、私のようなハズレを引くのは何処のバカだろうか」
あかいあくまと記憶喪失者以外に彼を召喚したものは居ない。大方、今回もそのどれかだろう。
そう思いながら、
団長が死んでから数日後、『北風の旅団』拠点跡地で元猟兵の少女は未だに膝を抱えていた。
意識が芽生えた時には戦場に佇んでいた少女は、ある猟兵団に拾われ、そこで育った。
皆、人一人は殺している大人ばっかだったが、少女のことを家族同然で彼女を見守っていた。
だが、団長が他の猟兵団団長と一騎討ちをし、相討ちしてから全てが変わった。
朝目覚めると、団員全員が拠点から居なくなっており、置き手紙には団長の死亡と少女を団から脱退させることが書かれていた。
『ほな、自由に生きや
そこまで読んだ少女は手紙を投げ捨て、膝を抱えて待ち続けた。
ーーーーーーーーーーーーきっと何かの冗談、明日には笑って戻ってくるはず。
そう思い続けて何日も待ち続ける。
来客もあった。
いつの間にか目の前に立っていた赤い服を着た女性と、昔戦いあった元遊撃手(今は教師らしい)だけだ。
遊撃手は昨日きて、『学校に通ってみないか?』と聞いてきて、今日返事を聞きに来る予定だ。勿論断るつもりだが。
少女は少しの間考え込むと服のポケットからある物を取り出す。
それは、赤い宝石のついたペンダントと文字の書かれた紙切れ。
赤い服を着た女性が去る時に少女の目を見て、渡してきたものだ。
「わたしはあなたみたいな目をした子に会ったことがあるわ。大抵、自分の心の依り代でも失ったのでしょ?
……ふーん。………いいわ。あなたにこれをあげるわ。ペンダントを首に掛けて、この紙切れに書かれた呪文を唱えた後にそれを地面に落として。
そうすれば、あなたの心の拠り所になってくれる人……人の様な存在?が来てくれるはずよ」
少女は意を決して立ち上がるとペンダントを首に掛けた。
「ーーーー告げる。
汝の身は我が下に。我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うなら応じよ
誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。
汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ」
そして、紙切れを落とす。
その瞬間、地面に模様が描かれていき、ものすごい風圧が起こる。
風圧が収まると同時に、謎の模様が描き終わり赤く発光し始める。
(ーー⁉︎眩しいーー)
少女は赤い光が輝きを増す様子を見て目を瞑った。
「ふむーーここは……少なくとも日本ではないな」
目を瞑り視界が真っ暗の中、少女は聞いた。
「随分と殺風景な場所で召喚してくれたものだな。……む、この幼、少女しか居ないだと」
皮肉ごもった口調だが、人を心のそこから暖かくしてくれる、男の声を。
「まさか、マスターか……いや、あのペンダントは……あの
少女は光が輝きを失いだしたことに気づく。
「はぁ、イリヤで十分だ幼女は……しょうがない」
少女は少しずつ、目を開く。
そこには……
「サーヴァント・アーチャー。召喚に従い参上した。さて、君が私のマスターか?」
赤き服を着た白髪の男が片膝をついていた。