拾ったイケメンが自分はウルトラマンだとか言い出したんだけど 作:たいがー MA-2
この作品は、国民的ヒーローであるウルトラマンの二次創作小説になります。ウルトラマンの世界観を流用したSFみたいな感じです。ウルトラマン好きなら楽しめる作品になると思うので、是非読んでいってください。
プロローグ
『イリス』
『隊長?』
『君に任務を与える。これは君の技量を買ってのことだ』
『はい』
『しかし、いくら優秀であろうと、君はまだルーキーだ。今回の難しい任務では、もしかしたら命を落としてしまうかもしれない』
『覚悟はできています。それに、あのメビウスだって、隊長た80たちが戦った地球に行ったんです、遅れをとるわけにはいかない』
『分かった。頼んだぞ、イリス。君にこれを授けよう』
『これは……?』
『君がもし戦う力を失ったとき、必ず力を貸してくれる。受け取れ』
『戦う力を失う? 大丈夫ですよ、だって僕は勇士司令部の』
『その時になれば、わかる時が来る』
『分かりました。頂戴します』
『……油断のないように、そこが君の唯一の欠点なのだからね』
『はい。行ってまいります』
M78星雲光の国。そこから、また一人のウルトラマンが飛び立った。その後ろ姿を、胸に六対のマークを付けたウルトラマンが、黙ってじっと見つめていた。彼が何を思うのか、誰にも分らない。
『イリスは行きましたか』
もう一人のウルトラマンが、後ろから声を掛けた。
『80……ああ、行ってしまった。彼に任せて、本当に良かったのだろうか』
『大丈夫ですよ、ゾフィー兄さん。あいつは同期の中でも優秀でした。私はやってくれると信じています』
『それは分かっている。私は、あの星人が何か、隠された力を秘めているように感じるのだ』
『隠された力、ですか?』
『ああ、もしからしたら、エンペラ星人以上の脅威なのかも知れない』
二人のウルトラマンの前を、子供たちが無邪気に走って行った。
「なあ、もうすぐウルトラマンフェスティバルだよな」
「あー、そういえばCMとかも結構やってるよな」
「一緒に行かない? なんか今回すごいらしいよ」
「えぇ、あれ凄い並ぶじゃん」
「んなこと言ったらお前、コミケ行けないぞ」
「行くきねぇし。あ、そういえば今週のステップ買った?」
「ああ、買った買った――」
ウルトラマン。かつて地球を幾度となく救った、伝説の巨人。
しかし、そんな彼らを本当の意味で知っている者は、今はもう居ない。
最後のウルトラマン、ウルトラマンメビウスが地球を去ってから、今年で百五十年経つことになる。その間、怪獣出現したのは五回程度。そのいずれも、ウルトラマンは来ず、人類の力で掃討した。
強大な敵を前にして、人類の科学技術は大きく進歩し、地球を脅かす敵にも立ち向かえる武力を持った。今では皆が言う――
――ウルトラマンは、もう要らない。