「い、いたよーー!!」
ユコが四天王を見つけて知らせてくれるが、次の瞬間には奴は逃げ出してしまう。
「チクショウ!!この卑怯者が!!男だったら正々堂々勝負しろってんだ!!」
こんな調子が暫く続いた。
「逃げ回りやがって、どうすりゃいいんだよ!!」
「ただ追いかけるだけじゃ、ダメなのかもね。なにか作戦を用意してみるってのはどう?」
「そうだね~……あ、こう言うのはどうだ?」
俺はみんなにアイデアを伝えた。
みんなでまとまって追いかけるんじゃなくて、あらかじめ逃げ道を塞いでおいて、じわじわと追い詰める作戦だ。
俺の作戦にシンは「なかなかいいじゃない」と、好評価をくれた。
こうして、俺達は何組かに分かれて、道を塞ぎながら奴を行き止まりに追い込んでいった。そして作戦は見事成功した。
「さあ、この場所の逃げ道は抑えた。もうどこにも逃げられねぇぞ!」
四天王は、透明で全く見えないが頭に乗っているであろう帽子がキョロキョロと動いており、逃げ道を探しているように見えた。
にしても本当に透明人間だな。皮膚が見えなくて、服や装飾が宙に浮いてるだけに見える。
俺がそんなことを思いながら傍観している間にもランは怒りを露にした顔を向けながら、奴ににじりよった。
「今度こそ……覚悟しろよコラァーー!!」
ランは走りだし、奴との距離を一気に縮める。
しかし、あと少しと言うところで、奴はピョンと後ろに跳んで身に付けている物全てを透明にして消えてしまった。
「また消えた!」
「大丈夫なの……はっきりはわからないけど……この場所にはまだいるの……」
「くそっ!!見えなきゃ!攻撃の!しようも!ねーじゃねーか!!」
剣を滅茶苦茶に振りながら叫ぶラン。しかし、剣は虚しく空を切るだけだった。
「ここにはいるはずなのにな……すまねぇ、俺のミスだ。考えが甘かった」
「オヤジ……」
作戦が失敗して悔やむ。そうして、うつむいている俺の肩を誰かが叩いた。
「センセ……うちに考えがあるんやけど、聞いてくれへん?」
「トモエ……わかった」
「じゃあ、耳かしてね。──────、こんな感じや。うまくいく保証はないけど……どないやろ、試してみーへん?」
「ああ、やる価値はあるな。けど、いいのか?」
「かまへんよ。その代わりに絶対にあいつを倒すよ?」
「ああ、まかせろ。たが、そのままじゃ俺の作戦の二の舞だな。……ちょうどいい、ラン!こっちこい!」
「どうしたんだよオヤジ。次はなにやる気なんだ?」
「なに、ちょっとこいつでな。タイミング勝負だ任せたぜ?」
そう言って、俺はあるものを渡す。
「ちょっと、さっきからなに話してんのよ」
少し苛立っているキサラギをトモエが軽く宥める。
「まあまあ、ちょっとした提案よ。この辺りを少し歩いてみよ?」
「はあ?あいつはいいの?」
「ええから、な♡」
トモエの笑顔に反論ができないキサラギ。この辺りを、歩くことになった。
暫く歩き回り、また行き止まりの所に戻ってきた。
「なによ、何の変わりもないじゃない!?」
「うふふ、ええから。うちに任せて」
「いったいなにするきなんだよー!たくさんあるいたから、ユコがつかれちゃったろ!」
「はぁ……はぁ……暑いよぉ」
「けっきょく、なにもないじゃないかー!」
「そうでもあらへんよ?」
トモエは意味深に微笑み、行き止まりの中心へと歩くと、暫く歩いたことで汗ばんだ胸元を広げて扇いだ。
「ちょ、ちょっとあんた!胸!見えてる!」
キサラギが必死に止める。
無理もない。トモエはこのメンバーの中で一番胸がデカイ。超デカイ!ランもなかなかスゴいんだけど、トモエと比べると日陰物になってしまう。
そんな弩級のお宝二つをギリギリまでおっぴろげて主張してるもんだから刺激がヤバイ。肌の上で流れる汗や張り付く服がその艶かしさをアップさせている。あえて言わせてもらおう!スンバラシィバインバインオパーイだと!!
その証拠に、刺激に当てられ、サコユコが顔真っ赤にして、はわわわ、と固まっている。
「胸どころか……なんかもういろんなモノが見えそうよ……?す、透けてるのかしら?」
「え?あら、ホンマやわ~。随分歩いて、汗かいたからねぇ。いややわぁ~、こまるわぁ~」
と、言いながらエロッティックに体をくねる。
「たまんねぇぜぇえええええええ!」
隅から四天王が奇声をあげながら、トモエに向かって走ってきた。
「む!!出てきたな変態野郎!トモエ、避けろ!」
「はいな♪」
トモエはさっと横へ移動して、ランと四天王の直線上から外れる。
「ヒャッハーーー!!いただきまーーーす!」
「これでも食らいやがれ!」
トモエにルパンダイブする四天王目掛けてランがビンを投擲。
「ぐぴゃあ!!」
見事命中し、奴は体を液体まみれにして地面へと落ちた。
「ランさん、ナイスよ!」
「これぐらい余裕よ!」
ランとトモエはハイタッチして、互いを称えあう。
見事、トモエが考案したスケベを誘いだす作戦が成功した。
「く、くそっ!理性がきかなかった!こうなったらまた透明になったて隠れるしか、」
「それはもうやめとけ」
四天王の側にはいつの間にかユウが立っていた。
「その液体を被っている以上、透明になろうが居場所がバレるぞ」
「なに!?これは、ただ着色してあるだけの液体じゃないか!」
「ああ、ヌルヌルするだろ?」
「本当だ!……うへぇ、気持ち悪りぃ。だがこれ、別に障害にはならないが……」
「ふふふ、臭いを嗅いでみろ」
「ん?……クンクン、ッ!!?イカ臭!」
「その通り、これはヌルヌルで冷たくて、イカ臭い液体なのだ!この臭いはそう簡単には落ちん!故にここの逃げ道を塞いでいる以上、臭いのもとにお前がいる場所を特定できるのだ!」
「な、なんて奴だ……!」
勝ち誇った笑みを浮かべるユウの元にランが寄っていく。
「で、オヤジはなんであんなもん持ってたんだ?」
「ああ、あのね。あれ、新しいおしおきグッズ。ぶっかけて楽しもうかと思って」
「……オヤジ、あんた本当に残念だよ」
「なんでそんな目で見るの!?……あれ!?みんなまでそんな目で俺を見るの!」
「まあ、いいや。今はこの糞野郎をぶっ倒すほうが優先だ」
そう言って、ランが剣を構える。すると、四天王は笑みを漏らす。
「くくく……」
「なにが可笑しい?」
「くくく、そりゃ可笑しいさ!お前ら小娘ごときがこのレイジーファミリー四天王、『Mr.インビジ』様に倒そうなんてほざくんだからな!」
インビジは立ち上がると、見えない手で指を鳴らす。
「かもん!ボブ!」
すると、火の玉のようなクリミナルが二体現れた。
「さあ、こっから本番だ!全員まとめて地獄の最下層に送ってやるぜ!」
吠えたインビジが次に見たのは、鬼神を思わせる荒々しさで殺しに来るランの姿だった。
「え?」
「……あ、れ?」
数分後、インビジは地面に倒れていた。どうにか動こうと思っても、首から足の先まで動かない。
「なんだよ、あんだけほざいたわりには、最初の奴より弱いじゃねーか」
「まあまあ、今回はランさんの動きが凄かったからよ」
「正に修羅だったな」
「なんだって、オヤジ?」
「なんでもないんで、刃物を向けないで」
「ちっ……んじゃ、さっさと止め刺すか」
ランが剣を振り下ろす。
(ボス……みんな……すまねぇ……)
インビジは体を貫かれ、煙となって消えた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「インビジも殺られたよ」
「そうだな」
「失敗は許さないからね?」
「……任せろ」
大男は立ち上がり、歩き出した。
(デーモンもインビジも殺られた……俺、もしかして超ピンチなんじゃねーか!?)
三人目の四天王は心配性だった。
はい、DAMUDOです。
なんか、最後のラン達が悪役に見えるのは私だけ?