オーバーロード~狼、ほのぼのファンタジーライフを目指して~ 作:ぶーく・ぶくぶく
/*/魔導王国・大儀式場
床一面に描かれた巨大な魔法陣。
血と黒インクで刻まれたその紋様は、複雑に絡み合い、天井に届く光の柱を生み出していた。
中央に立つのは、フールーダ・パラディン。
その傍らには、くるくると黒羽ペンを弄ぶ小悪魔的な少女――エル=ネクロシア。
「じいじ、ほんとにやるの? 次は“第八の門”だよ?」
「ふ、ふははは! 望むところよ! この老骨が第八位階に至るなど、もはや夢物語と思っていたが……! 今ならば届く! お前がいてくれるからこそな!」
フールーダの瞳は爛々と輝き、両手を広げて詠唱を開始した。
その声は人の言葉でありながら、途中から不気味な異音へと変質していく。
ネクロシアは彼の足元を跳ね回り、空中に金黒の符号を描いては、魔法陣に組み込んでいった。
「うん、ここは“狂気”で補強~。あ、こっちは“絶望”をちょっと足してっと……はい、じいじ、唱えて唱えて!」
「――我、魂を削り、世界を刻む!
魔法上昇《オーバーマジック》――発動ッ!!」
魔法陣が閃光を放ち、フールーダの身体が一瞬にして膨大な魔力に焼かれる。
皮膚が裂け、血が蒸発し、骨が軋む。
だが――その全てをネクロシアが吸い取り、戯れに舐めるように空へ散らしていった。
「いたいのいたいの、とんでけ~♪」
その瞬間、フールーダの口から迸ったのは、これまで不可能とされていた言葉。
「第八位階魔法――〈終焉の氷雨〉ッ!」
天井が裂け、黒氷の矢が嵐のように降り注ぎ、結界の中を埋め尽くした。
その威力は、かつて帝国が総力を挙げても到達できなかった“神話の領域”そのものだった。
フールーダは両膝をつき、血を吐きながらも笑った。
「は……はははは……! やった……やったぞ! 第八位階……! 人の身で、ここまで……!」
ネクロシアはその肩に飛びつき、金黒の瞳を覗き込んでにやりと笑った。
「じいじ、まだまだいけるよ? 次は……“第九の門”?」
フールーダは痙攣する身体で、それでも狂気に満ちた笑みを浮かべた。
「よかろう……我が魂尽きるまで、挑み続けようぞ!」
/*/ナザリック地下大墳墓・執務室
机の上に置かれた報告書を読み終え、モモンガは骨の指でこめかみを押さえた。
「……ジョンさん。フールーダが“第八位階”に到達したそうです」
ジョンは椅子に深く腰掛け、天井を仰いで大きく息を吐いた。
「はぁ~……マジか。……まあ、あのじいさんならやりかねんけどな」
モモンガは溜息を漏らす。
「……血反吐を吐きながら笑っていたと書かれています。……楽しくてたまらないんでしょうね」
ジョンは口元を引きつらせながらも、どこか納得したように笑った。
「気持ちはわからなくもないよ。俺たちだって、ユグドラシル時代は新しいビルドや戦術試すたびに徹夜しただろ?」
「確かにそうですが……しかし第八位階、ですか。……本当に突破してしまうとは」
モモンガは骨の顎を撫で、少し考え込む。
「……折角ですし、解析を進めてみましょう。〈魔法上昇(オーバーマジック)〉の仕組みが分かれば、応用できるかもしれません」
「叡者の額冠(サジタリウス・クラウン)のコピー品を応用すれば、安定して魔力を引き出せる可能性もあるな」
ジョンはニヤリと笑い、続ける。
「エルダーリッチたちを派遣して、じじいの儀式を監視・記録させよう。……どうせ奴らは理屈より実験の方が好きだから、うってつけだ」
モモンガは同意するように頷いた。
「ふむ。フールーダの狂気を利用し、こちらは安全に成果だけを得る。悪くない策ですね」
二人の間に、重苦しいがどこか楽しげな沈黙が落ちる。
やがてモモンガがぽつりと呟いた。
「……しかし、本当に楽しそうですね、あのじじい」
ジョンは肩を竦め、乾いた笑みを浮かべる。
「そりゃ、命削って新しい高みに届いたんだ。あれはもう快楽中枢バグってるよ」
二人は顔を見合わせ、同時に深いため息をついた。
/*/帝国某所・大儀式場
無数の魔法陣が床と天井に刻まれ、燭台の炎は青白く揺れていた。
重苦しい空気の中、中央の祭壇に立つのはフールーダ。
その白髪は乱れ、汗と血に濡れながらも、その眼光は異様な輝きを放っていた。
「はぁっ……はぁっ……見よ! 我が魂を燃やし、知を尽くし、世界の理を打ち破る瞬間を!」
傍らのネクロシアは、小さな手に黒羽のペンを掲げ、くすくす笑いながら宙に落書きを描いていく。
インクのしずくは宙に浮かび、符号へと変わり、次の瞬間には術式の欠片となって流れに組み込まれていった。
「じいじ、もっともっと! こっちの回路が崩れちゃうよ~」
「ぬぅぅ……ならば更に……詠唱を重ねるのだ……!」
空間が軋み、祭壇の周囲に亀裂が走る。
魔力が奔流となり、まるで嵐のように吹き荒れた。
次の瞬間――光柱が天井を突き破らんばかりに立ち上がり、圧倒的な魔力の放出とともに、第八位階魔法が発動した。
「はぁぁっ……あぁ……なんと……なんと美しい……!」
フールーダの頬を伝う涙は血の色を帯び、しかしその顔は恍惚に満ちていた。
祭壇の外、結界の縁に潜むエルダーリッチたちは、一切の感情を見せずに観測を続ける。
「第八位階……発動を確認」
「〈魔法上昇〉による術式増幅、魔力圧縮率……推定二〇三%」
「補助体(精霊)の存在が安定化に必須。術者単独での再現は不可能」
骨の指が次々に宙へ魔法式を書き込み、数値と符号が幾何学模様として踊る。
彼らにとっては、この狂気の祝祭すら、冷徹な実験データでしかなかった。
「魂の摩耗は進行。人間の耐久限界を超過」
「冠型制御具の併用が望ましい」
「叡者の額冠の複製品――その応用により、術者人格の保持が可能」
「報告はナザリックへ送る。次段階は、冠と精霊の複合試験か……」
光柱が収束し、静寂が戻った。
祭壇には膝をついたフールーダと、その肩にぴったり寄り添うネクロシアの姿。
彼は荒い息を吐きながらも、全身を震わせて笑った。
「はは……はははははっ! ついに、ついに我は第八位階へと至った! この老骨、まだなお進化を続けるぞぉぉぉ!」
小悪魔めいた笑みを浮かべるネクロシアが、彼の袖を tug と引っ張る。
「じいじ、また血がいっぱい出てる。……でも、かっこよかったよ?」
フールーダは涙と血にまみれた顔で、孫に向けるような慈愛の笑みを浮かべるのだった。
/*/ナザリック地下大墳墓・執務室
報告書に目を通したモモンガは、無表情の頭蓋を小さく傾ける。
「……なるほど。儀式の再現性は確認できた、と」
ジョンはニヤリと笑い、指を鳴らした。
「要は“じい”が命削って開けた道を、俺たちは安全に舗装できるってわけだ」
「エルダーリッチたちも、叡者の冠のコピーを使えば安定化は可能と結論しています」
モモンガの声に、ジョンは大きく頷いた。
「いいじゃん。なら実験継続だ。魔導書の精霊を媒介にするパターン、冠を媒介にするパターン、両方進めろ。
どうせ時間はかかるが……いずれは“第八位階を安定運用”ってやつに到達できる」
「ふむ……フールーダにとってはただの狂喜ですが、我々にとっては大きな実りになりそうですね」
モモンガの声には、わずかな愉悦が混じっていた。
そして二人は顔を見合わせ、同時に深いため息をついた。
「……ほんと、じじいには頭が下がる」
「……ああ、ある意味ナザリックでもっとも恐ろしい協力者かもしれませんね」
/*/ナザリック・実験室
無数の符刻が空間に浮かび、幽かな魂火が渦を描く中、エルダーリッチたちは骨の細腕を静かに動かしていた。長年蓄積した知識と、フールーダの〈魔法上昇〉の実地データ――それらを突き合わせ、慎重に回路を組み替えていく。
やがて、作業台の中央に置かれた冠が淡い光を帯びはじめた。黒曜石の冠身、宝玉には小宇宙のような渦が閉じ込められている。刻まれたルーンが一斉に整列し、低い共鳴が実験室を満たす。
「……完成したな」
「試作品一号――〈叡智安定冠(スタビライズ・クラウン)〉。名称通り、叡智の安定化を主目的とする」
報告を受けて到着したモモンガとジョンは、冠を取り囲んでじっと見つめた。
「従来の“叡者の額冠”は儀式専用で、着用者の自我が剥ぎ取られる致命的な副作用があった。あれは運用に耐えうるものではない」
モモンガが骨の顎に手を当て、淡々と前提を述べる。
「今回の改良点は二点だ。第一に、〈魔法上昇〉の効果定義を明確化した。冠を装着した術者は“本来の到達位階+二段階”の魔法を扱えるようになる。第二に、ネクロシア媒介の安定化術式を組み込み、自我崩壊の経路を回避した」
エルダーリッチの一体が報告書をめくりながら説明する。
ジョンは冠に手を伸ばして、宝玉の渦を指先でなぞるようにしながら薄く笑った。
「つまり、普通に第六位階までのやつがこれ被ったら第八位階を撃てるってわけだな。面白ぇ」
モモンガは視線を引き締める。
「ただし留意点もある。オリジナルの致命ペナルティは大幅に緩和されたが、完全撤廃ではない。使用ごとに“軽度の魂の摩耗”と“魔力酔い”が発生する。短時間の回復で戻る程度だが、連続多用は思考低下や数日の休養を要する」
エルダーリッチが付け加えた。
「重要なのは人格の維持です。着用者の自我は保たれます。寿命そのものが即座に削られるような副作用はなく、長期運用が可能なのは不死者あるいは極めて強靭な精神を持つ者に限られる、という点が現実的な線です」
ジョンが肩をすくめる。
「……まぁ、じじい(フールーダ)に使わせる分には問題ないだろう。あいつなら魔力酔いで寝るだけで済む」
モモンガは冷ややかに笑みを潜める。
「逆に帝国や学院の若手に配れば――致命的とは言わないまでも、続ければ精神の破綻や長期の戦力喪失を招く。社会的には壊滅的な影響になります」
「いっそ、実地でデータ取りに使えば面白いだろうが――」とモモンガが含みを持たせると、ジョンが即座に遮った。
「やめてくれよ、実験材料にするならまず安全帯を整えろ。とはいえ、ナザリックの兵器化には向いてる。冠をシモベの空スロットに合わせた形で作れば、戦力の増強になる。ナーベラルも第9位階魔法が仕えるようになる」
エルダーリッチたちは淡々と最終報告をまとめ、冠の稼働シミュレーションと運用マニュアルを提示した。
宝玉がかすかにまたたき、試作品は静かに暗影の中で存在感を増している。
「慎重に運用しよう」モモンガが短く言う。だがその声の先には、成果をどう“刈り取る”かを楽しげに想像する影がちらついていた。ジョンはにやりと笑い、二人は冠を見下ろしたまま、既に次の計画を巡らせ始めていた。
/*/ナザリック地下大書庫・実験室
ジョンは、机の上に置かれた〈叡者の額冠〉を指で弾いた。
黒曜石のような輪に嵌め込まれた宝玉は、かつてルプスレギナの聖杖に取り付けられ、死の宝珠と共鳴しながら「魔法上昇」を発動していたものだ。
「さて……これで返却だな」
ジョンはあっさりした調子で笑った。
「返却……と申されますと?」
控えていたエルダーリッチが骨の顎をかしげる。
「あぁ、ルプスはもう要らねぇ。あいつ、レベル上げきったからな」
ジョンは当然のように言い放った。
「今じゃ第十位階魔法まで素で撃てる。補助なんざ無用だ」
「……第十位階……素で、ですと……」
エルダーリッチたちの眼窩に、わずかな揺らぎが走る。
冷徹な観測者ですら、その数値の異常さに一瞬言葉を失った。
ジョンは気にも留めず、軽く肩をすくめる。
「まぁ、ルプスにしちゃあ嬉しい話だろ。だが俺たちには別の使い道がある。返すぜ、この冠」
骨の手で恭しく受け取ったエルダーリッチは、宝玉の輝きをじっと見つめる。
「……これを基盤に〈スタビライズ・クラウン〉の次段階――指輪型への縮小が可能かもしれません」
「指輪、か。いいじゃねぇ」
ジョンはにやりと笑った。
「これなら外でも目立たねぇし、実戦でも扱いやすい。フールーダじいに渡す前に、試作してみろ」
「御意」
冠が持ち去られると同時に、研究室の空気は新たな熱を帯びていった。
狂気と叡智の境界を踏み越える実験が、また一歩進む――。
/*/ナザリック・実験室(後日)
〈叡智安定冠〉の成果を基に、エルダーリッチたちはさらなる試作に取り掛かっていた。
冠の大きさと重量、儀式的存在感は確かに象徴的だったが、同時に「常用には不便」という欠点を抱えていた。
「冠は儀式用、象徴としては優れている。しかし日常運用には適さない」
「ならば……装身具へ落とし込む」
骨の研究者たちは意見を交わし、複製実験を繰り返す。
その果てに――黒金の指輪が、静かに完成を迎えた。
〈叡智安定指輪(リング・オブ・スタビライズド・ウィズダム)〉
効果:
着用者の魔法使用位階を+1段階引き上げる。
一日に三度まで使用可能。
冠と違い、即時発動が可能。儀式不要。
制限
連続使用すると軽度の頭痛・魔力酔い。
冠と指輪を併用すれば+3段階補正も可能だが、精神負荷は極大。
特徴
常時装備でも負担は極小。
外見はシンプルな黒銀の指輪だが、魔力が走ると星雲のような光を帯びる。
精神負荷を軽減するネクロシア式の「狂気媒介術式」が組み込まれている。
追加機能
補助魔法への適用が可能。
例:ナーベラルが第7位階魔法に「魔法二重化」を組み合わせる際、+1補正で「魔法三重化」が可能になる。
高位術者であれば「加速」「延長」「複合」など補助系統を複合的に扱える。
モモンガは指輪を手に取り、じっと見つめた。
「……ここまで小型化できるとはな。これなら実戦投入にも耐えうる」
ジョンがにやりと笑い、肩を竦める。
「ただし、じじい(フールーダ)に渡したら完全に制御不能の研究馬鹿が生まれるぞ」
「……それはそれで、面白いかもしれん」
モモンガの声には、玉座にいる時とはまた違う、愉快そうな響きが混じっていた。
「プレアデスに配布すれば、戦力は確実に跳ね上がる。特に……ナーベラルの出番が増えるだろうな」
淡く輝く指輪は、まるで未来の戦場を映すかのように妖しくきらめいていた。
/*/ナザリック・実験室
ジョンが首を傾げながらモモンガに尋ねる。
「モモンガさんが両手に指輪はめたら……+2になるんでしょ? 『魔法五重化』とか出来るんじゃないですか?」
モモンガは腕を組んで少し考え、頷く。
「理屈の上では可能だろう。ただ……我々は指の装備枠はすでにすべて計算し尽くしている。耐性指輪、属性無効、緊急転移用……余地がない」
「……まぁそうですよねぇ」
ジョンがあっさり引き下がりかけ――ふと何かに気づいて、片足を持ち上げた。
「ん? 指? ……あっ!! そうだよ、足だ!」
「……は?」
ジョンは真顔で自分の足首を掴み、足の指をわざわざぴょこぴょこと動かして見せる。
「手の指がダメなら、足の指に指輪はめればいいじゃないですか! だって“指スロット”って書いてあるだけで、手限定なんて明記されてなかったでしょ!?」
一瞬、研究室が静まり返った。
エルダーリッチたちは骨の顎を傾け、モモンガは頭蓋に手を当てる。
「……いや、しかし……」
「……まさか……」
「理屈の上では……試してみる価値はある……」
じわじわと、研究者魂に火がついていく。
「おい、やめろよ! 本気で足に指輪つける気か!?」
ジョンの突拍子もない思いつきは、次なるナザリック実験計画へと変貌していくのだった。
/*/ナザリック・実験室
「モ、モモンガさん捕まえた!」
ジョンは不意を突いて、あっという間にモモンガを後ろ手に拘束した。
「ちょ!? 何をする!?」
「いまだ! お前ら、モモンガさんの足指に〈叡智安定指輪〉全部嵌めろ!」
「……ッ!」
エルダーリッチたちは一斉に手を伸ばしたが――直後にピタリと動きを止めた。
「矛盾命令を検知……」
「支配者を拘束せよ、支配者を守護せよ……両立不能……」
「ほら見ろ、みんな困ってるだろ!」
ジョンはにやにや笑いながらモモンガの足を持ち上げ、ぷらぷら動かす。
「ちょっとだから、先っちょだけだから!」
「……貴様、その言い回しは――!」
「な、なぁいいだろモモンガさん、ちょっとだけさ~」
「はぁ……今回だけですよ」
「ふ、チョロ」
「……なんか言いましたか?」
「いーえ、なんもー」
結局、モモンガの足指10本すべてに〈叡智安定指輪〉が嵌められた。
「……いくぞ。魔法の矢!」
――「魔法13重化」。
放たれた魔力は分裂し、空間に煌めく矢を次々と生み出す。
一本、十本、百本――最終的に130本の矢が一斉に展開された。
「うわ……キモっ!」
「せめて“板野サーカス”くらい言ってくださいよ!」
矢がぐるぐると編隊を組み、光の尾を引きながら乱舞する。
「花火みたいで綺麗じゃないですか」
「いや、どう見ても弾幕シューティングだろこれ!」
魔法の矢130本は、きらめきながら実験場の防御壁に衝突し、盛大な光の爆発を撒き散らした。
「……成功、ですね」
エルダーリッチの淡々とした声に、モモンガは深々とため息をついた。
「……二度とやらんぞ」
/*/ナザリック・実験室
「まあでも、足指も使えば弱点耐性も含めて全部対策できますね」
ジョンが足をひょいと上げ、指を折り曲げてにやりと笑った。
「……歩きにくくないか?」
モモンガは半眼で問い返す。
「慣れますって。俺は爪と肉球で地面を掴むから、足に指輪嵌めても困らないし」
「な、なんだと!?」
モモンガの骸骨の眼窩がギラリと光る。
「そう、だから実質俺は“指輪スロット+10”持ちってことですよ」
ジョンは自慢げに足の指を一本一本折り曲げながら、嵌める指輪を吟味していく。
「なにを……つけようかな~。やっぱり炎耐性? いや雷耐性も欲しいな~」
「やめろ! まさか全部嵌めるつもりか!?」
「もちろん。右足に攻撃強化、左足に防御特化。バランス完璧!」
「……いや、それ走れるのか?」
「走れます走れます。むしろ走るたびにキラキラ光ってカッコいいっすよ!」
モモンガは片手で額を押さえ、深いため息を吐いた。
「……俺が今、一番恐ろしいのは敵ではなく……お前の発想力だ」
指には違いないんだから、使えない方がおかしい!
指とは書いてあるが、手とは書いてないじゃない!
次回!
第129話:来たれ来たれ来たれ
ついにきちゃう!