オーバーロード~狼、ほのぼのファンタジーライフを目指して~ 作:ぶーく・ぶくぶく
第131話:忠誠の儀
/*/闘技場
闘技場中央に、再びぐりもあが立つ。
周囲を取り囲む守護者たちは、一斉に片膝をつき、忠誠の意を示した。
まずはシャルティアが胸に手を当て、紅の瞳を潤ませながら口を開く。
「ぐりもあ様……お姿も、言葉も、すべてが艶やかで背筋が震えます。どうか、このシャルティアめを永遠のしもべとして、お側に置いてくださいませ」
コキュートスは氷の吐息を漏らし、頭を深く垂れる。
「……至高ナリ。戦イニ命ヲ賭スハ本望。其ノ叡智ニ従ウコト、至上ノ誉レナリ」
アウラは弾むように声を上げる。
「わたし、ぐりもあ様みたいな人をずっと待ってた! すごく頼もしくて、すごく面白そう! 絶対に退屈しなさそうだよ!」
隣でマーレは顔を真っ赤にし、震える声で言う。
「ぼ、ぼく……ぐりもあ様の言葉を聞くだけで、胸が熱くなって……! が、がんばりますからっ……どうか見捨てないでください……!」
デミウルゴスは恍惚とした笑みを浮かべ、眼鏡の奥で瞳を光らせる。
「ぐりもあ様……その発想、その自在なる思索……! 世界征服という高次の理を掲げられたお姿に、私はただ打ち震えるばかりです。どうか、その大業のために、この身を道具としてお使いください」
セバスは姿勢正しく頭を下げ、静かに言葉を紡ぐ。
「ぐりもあ様。御身の存在そのものが、我らにとって救いでございます。愚かなる者どもが手をかけようとするならば、老骨のすべてを賭して排除いたしましょう」
最後にアルベドが前に進み出る。
金色の瞳を輝かせ、震える声で宣言する。
「ぐりもあ様……! あなた様こそ、我らが夢見た真なる御方! モモンガ様と共に、至高の玉座に並び立つ存在! このアルベド、命すら惜しまず、永久に、永遠にお仕えいたします!」
場を包む沈黙は、やがて歓喜と畏怖の熱に満ちた。
守護者たちは一斉に頭を垂れ、闘技場全体に声を響かせる。
「「「――忠誠を、ぐりもあ様に!」」」
/*/
闘技場に響いた守護者たちの一斉の忠誠宣言。
その圧倒的な空気の中で、ぐりもあはぱちくりと瞬きをし――思わず声を漏らした。
「……え、ちょっと待って。忠誠って……? なんでそういう話になってんの?」
その素っ頓狂な反応に、シャルティアやアウラはきょとんと顔を上げ、アルベドとデミウルゴスは逆に震えを強めた。
彼らにとっては、「御方があえて我らの忠誠を試すために問いかけられた」としか思えなかったからだ。
そんな勘違いが膨らんでいくのを見て、モモンガは心底からの溜息をつきたくなった。
けれど骸骨の顔は表情を作れない。代わりに静かに両手を広げ、ぐりもあに向かって言葉を投げた。
「……諦めてください、ぐりもあさん」
隣でジョンも肩を落とし、苦笑混じりに続ける。
「そうだ。これはもう止められない……。こいつらはずっと、俺たちを待ってたんだ。召喚された時点で、もう逃げ場はないんだよ」
ぐりもあは絶句し、視線をゆっくりと守護者たちへ向けた。
跪く彼らの眼差しは、揺るぎない畏敬と愛情に満ちている。誰も彼もが、たとえ命を差し出してでも仕えたいと心の底から信じていた。
「……ま、待たれてた……?」
その呟きに、アルベドが震える声で答える。
「はい、ぐりもあ様。我らは、至高の御方の御帰還を、この時を、この瞬間を……永遠とも思える年月、ただひたすら待ち続けておりました」
デミウルゴスも頷き、低く続ける。
「ぐりもあ様のお言葉一つ一つが、我らにとっては光明。どうか、どうかお導きを」
ぐりもあは額に手を当て、肩を落とした。
「うわぁ……なんか、すごいことになってる……」
そんな彼女の戸惑いすら、守護者たちには「謙虚なる至高の態度」と映っていた。
モモンガとジョンは互いに視線を交わし――無言で頷き合った。
(……そうだ。これはもう、止めようがない)
(ぐりもあもさん、いずれ分かるさ。俺たちが“御方”として見られることの重さを……)
こうして闘技場は、ぐりもあへの新たな忠誠の儀をもって幕を閉じた。
/*/
困惑したまま立ち尽くすぐりもあ。
その時、ふと胸の奥がざわめいた。
――魔力感知。
周囲に漂う膨大な魔力の揺らぎが、ただの忠誠や畏敬ではないことを告げていた。
それは、恐れ。
それは、寂しさ。
「受け入れられないのではないか」「また置いていかれるのではないか」――そんな切実な思いが、守護者たち一人一人から滲み出ていた。
(……ああ、そういうことか)
ぐりもあは深く息を吸い込み、ゆっくりと一歩前へ出た。
跪く守護者たちを見渡し、柔らかな声で語りかける。
「シャルティア」
名を呼ぶと、吸血鬼は小さく震え、金の瞳を上げた。
「そんなに怯えなくていい。僕は、あなたを置いていったりしない。だって、あなたはここでずっと待っててくれたんでしょう?」
次に、氷の巨人へと視線を移す。
「コキュートス。あなたの忠義は冷たい氷じゃなくて、とても温かいものに感じるよ。だから、誇っていいんだよ」
アウラとマーレの幼い双子に微笑みかける。
「二人とも、もう不安そうに俯かないで。僕はきっと、君たちと一緒に笑う時間を作るから」
双子は弾かれたように顔を上げ、潤んだ瞳で彼女を見つめた。
「デミウルゴス」
慎ましく頭を垂れる悪魔に、ぐりもあは肩を竦めて笑ってみせる。
「そんなに気負わないで。完璧じゃなくていいんだよ。僕は、あなたがいてくれるだけで安心できる」
セバスへも視線をやり、静かに告げる。
「あなたのような紳士が仕えてくれるなら、僕だってきっと大丈夫。安心して力を貸してほしい」
そして最後に、アルベド。
その震える肩に視線を落とし、ぐりもあはやわらかな声で言葉を投げた。
「アルベド。僕を試す必要なんてないよ。僕はあなたを裏切らないし、どこへも行かない。だから……そんな顔しないで」
沈黙が落ちる。
しかしそれは一瞬のことだった。
次の瞬間、守護者たちは一斉に胸に込み上げる熱に駆られ、声をあげて涙を堪えきれなくなった。
ぐりもあの言葉は、何百年分の孤独と不安を一気に溶かし去る光のように降り注いだのだ。
モモンガとジョンはその光景を見つめながら――互いに顔を見合わせて、ぽつりと呟いた。
「……やっぱり、こういう役はぐりもあが一番向いてるよな」
「うん、俺たちじゃ無理だった……」
ぐりもあの言葉が、重苦しい空気を溶かしきった瞬間――。
沈黙を破ったのは、シャルティアの震える声だった。
「ひぐっ……ぐりもあ様……! このシャルティア・ブラッドフォールン、今この時より、血のすべてを捧げ、骨の髄まで御身に忠誠を誓いますっ!」
その言葉を皮切りに、他の守護者たちも次々と声を上げる。
「……命アル限リ……否、命尽キテモ尚……! 我ガ魂ハ、永久ニぐりもあ様ト共ニ在ラント!!!」
コキュートスの低い咆哮が、円卓の間に重く響く。
「わ、私もっ! マーレと一緒に……ぐりもあ様に尽くしますっ!」
「ぼ、僕も……ずっと……ぐりもあ様の側に……!」
アウラとマーレが涙で顔を濡らしながら、必死に言葉を紡ぐ。
デミウルゴスは眼鏡を外し、瞳に光る雫を隠すことなく跪いた。
「これまで以上に、命を賭してお仕えいたします……! この身、この知、この策、そのすべてをぐりもあ様に!」
セバスは深々と頭を垂れ、かすかに声を震わせる。
「長き時を経てもなお御身に仕えられること……この身にとって最大の栄誉にございます」
そして、最後にアルベド。
両手を胸に当て、震える声で叫ぶ。
「ぐりもあ様……! 私は! 私はっ! モモンガ様と並び立つ御身に、この身と魂、永遠に奉げます! どうか……どうか、捨てないでくださいませ!」
その場に満ちる熱は、闘技場を荘厳な聖堂のように変えていた。
守護者たちは涙を流し、声を揃えて――。
「「「ぐりもあ様へ、永遠の忠誠を!!!」」」
床に額を擦りつけ、震える声でその誓いを刻む。
――そして、場の中心で。
ぐりもあ本人は、両手をぶんぶんと振っていた。
「ちょ、ちょ、ちょっと待って!? 今の話のどこに“永遠の忠誠”なんて要素あった!? 僕、ただ『置いていかないよ』って言っただけだよね!? ねえ!?!?」
焦ってモモンガとジョンの方を振り返る。
だが二人は、悟ったような顔で同時に肩を竦めた。
「……あきらめてください」
「守護者たちは、俺たちが帰ってくるのをずっと待ってたんだ。ぐりもあの一言は、それだけ重いんですよ」
「いやいやいやいや! そんな重く受け止めなくてもいいでしょ!?!?」
必死に否定するぐりもあの声が、荘厳な空気の中にひときわ響き渡るのだった。
/*/円卓の間
円卓の間。
漆黒の大広間に沈黙が広がり、ぐりもあは背もたれに軽く体を預けた。
正座したままのモモンガとジョンを前に、細い指先で机をとんとん叩きながら口を開く。
「……それじゃあ。そろそろ、ちゃんと教えてもらえるかな。サービス終了のあと、この世界で何が起きて……今ナザリックはどんな状況にあるのか」
モモンガはわずかに頷き、ゆっくりと語り始めた。
「……ナザリックは、この世界に転移してから、いくつもの国と接触しました。だが――交渉はほとんどの場合、決裂。結果として……周辺の国々は、すでに我らの支配下にあります」
淡々とした説明の中、ジョンが補足するように身を乗り出した。
「西の王国も、南の法国も、全部制圧済みだよ。東にはまだミノタウロスの大国があって、あそこはガチの軍事国家だから未攻略。北にはアーグランド評議国――竜王五柱が君臨してるね。あと、南の海沿いには、正体不明の都市が存在する。……それくらいかな、今の外の世界は」
ぐりもあはきょとんとした顔で二人を見比べた。
そして、ぱちん、と指を鳴らすように声を上げる。
「……待って。ちょっと待って?」
目を細め、じとっと二人を見つめる。
「それってつまり……周辺の国はもう征服済みってことだよね?」
「……」
「……」
「はぁ~~~~~~~~!?!? え、じゃあ何、やること一区切りついて、暇になって……人恋しくなって……僕を召喚したってこと!?!?」
その鋭い指摘に、円卓の間にいた二人が一斉に息を呑んだ。
そして二人の至高の御方――モモンガとジョンは、同時に視線を逸らした。
「…………」
「…………」
完全に図星を突かれたような沈黙。
ぐりもあは椅子に背を預け、呆れたように両手を広げた。
「……めそらした! この二人、絶対めそらしたよね!? いやいやいや、ちょっと! 世界征服の最中に人恋しくなって召喚とか……どういう采配よそれ!」
そこへ、慌ててジョンが両手を振り、必死に言い訳を始める。
「ち、違うんだよ! ぐりもあさん! 正確に言うとね、現地雇用したじじい――ほら、フールーダって覚えてる? あの偏屈な大賢者さ」
「……知らんがな」
「そいつが『死者の書』をさ! 精霊化して解読し始めたんだ! だから……その流れで、“もしやぐりもあさんのスーパーエンサクロペディアを触媒にすれば、ぐりもあさんが来てくれるんじゃないか”って、そういう……ええと、合理的な推測と希望が混ざった結果であって――」
ジョンは言葉を選びながら、早口で必死にまくし立てる。
その横でモモンガも、深々と頷きながら補足した。
「そ、そうなのです……! 決して、“人恋しさ”だけが理由ではなく……ええ、その……学術的探求心と、この世界における未知の検証……それらが重なり合った結果の行動でして……!」
ぐりもあは腕を組み、ふーっと大きく息を吐いた。
「……ふぅん?」
真紅の瞳が二人を射抜く。
「要するに――“呼んだら来てくれるかも、って思ったからやってみた”ってことだよね?」
「「…………」」
再び、視線を逸らす二人。
ぐりもあは額に手を当てて、がっくりと肩を落とした。
「……あーあーあー……やっぱり寂しくなって呼んだんじゃん……」
/*/
ぐりもあが深いため息をつき、じとっとした目で二人を睨んだその時――
ジョンが不意に顔を上げた。
「……だって」
その声は、子どものように素直で、かすかに震えていた。
「だって、寂しかったんだよぉ」
場の空気が揺らぐ。
ぐりもあはきょとんと目を瞬かせた。
「……ジョン?」
彼は自嘲気味に笑いながら、ぽつりぽつりと吐き出す。
「ユグドラシルの終盤なんて、ほとんど誰もインしてこなくてさ。俺も、モモンガさんも、必死に顔出して待ってたけど……結局、最後はもう数えるくらいしか残ってなくて」
骨のような手を組んだまま、モモンガは沈黙していた。
ジョンは続ける。
「最後の夜に、みんな挨拶に来てくれたのは嬉しかったよ? でも……やっぱり、もっと遊びたかった。戦って、バカやって、くだらない話してさ。……みんなで“やりたかった”んだ」
その言葉は、冗談めかして誤魔化すこともなく、真っ直ぐに放たれた。
「モモンガさんと二人が悪いわけじゃない。二人がいてくれたから、俺は続けられたんだ。でも――それでもやっぱり、もう一度“みんなで”なにかしたかったんだよ」
円卓の間に、静寂が落ちる。
ぐりもあは腕を組んだまま、しばらく言葉を失っていた。
ジョンの声が消えると、円卓の間には沈黙が広がった。
漆黒の石壁が冷たく響きを返すだけで、他には誰の気配もない。
ここにいるのは――ぐりもあ、モモンガ、そしてジョン。
至高の御方、三人だけ。
ぐりもあは、両腕を組んだまま長い吐息を漏らした。
真剣に、子どものように寂しさを訴えるジョンを見つめ、しばし言葉を探す。
やがて、ふっと口元を緩めた。
「……バカだなあ、ジョンさん」
苦笑交じりの一言。
優しくも切なく、その声は円卓の間に静かに落ちた。
「そんなの……言われたら怒れないじゃない。こっちは“どうして呼んだのか”問い詰めてたのに……。ずるいなあ」
ジョンは鼻をすすり、肩を震わせながら小さく笑った。
モモンガは感情抑制のせいで涙を流すことはなかったが、胸の奥にじわりと熱が広がるのを感じていた。
(……本当に。バカだ。だが、そのバカさが……愛おしい)
三人だけの円卓。
過ぎ去った時間の欠片を確かめ合うように、彼らは静かに向かい合っていた。
ぐりもあの苦笑に、ジョンはまだ鼻をすすりながら、うつむいて肩を揺らしていた。
モモンガは沈黙のまま、その姿を見つめている。
やがて、ぐりもあは腕を解き、椅子の背から身を起こした。
静かに手を伸ばし――ジョンの頭をぽん、と軽く叩く。
「……でも、呼んでくれてありがとう」
その言葉は、冗談でも責めでもなく、ただ真っ直ぐな感謝だった。
ジョンの耳がぴんと立ち、顔が涙と鼻水でぐちゃぐちゃになりながらも、破顔する。
「……っ、うん……!」
モモンガもまた、胸の奥で何かが解けていくのを感じた。
感情抑制のせいで溢れることはないが――
(……ありがとう、と言ってもらえた。それだけで……)
円卓の間に漂っていた張り詰めた空気は、少しだけ温もりを帯びた。
まるで、かつてのギルド部屋にあった、くだらなくも楽しい時間の残り香がよみがえったかのように。
/*/
円卓の間に漂う空気が、先ほどまでの重苦しさとは違い、少し柔らかくなっていた。
ジョンが鼻をすすりながらも笑い、モモンガが静かに頷き――そして、ぐりもあは二人を見渡して口を開いた。
「……さて、それじゃあ今後どうするの?」
軽い調子で投げかけられた言葉だが、その響きには確かな芯があった。
モモンガとジョンは姿勢を正し、自然と視線が集まる。
ぐりもあは椅子に深く腰掛け、腕を組んで考え込むように呟いた。
「周辺の国は、もう大方ナザリックの手に落ちてるんでしょう? 北には竜王たちの国、東にはミノタウロスの国、南には謎めいた都市……地図を埋めるだけなら、選択肢はいくらでもある」
一度言葉を切り、彼女の瞳が静かに鋭さを帯びる。
「――でもね、"キュアイーリム=ロスマルヴァー"。"朽棺の竜王"って呼ばれる存在が、どこかに潜んでいるんでしょ」
ジョンの表情が引き締まり、モモンガの骨の顔に影が落ちる。
頷いたジョンが言葉を続ける。
「奴はただ隠れているだけじゃない。厄災を引き起こそうと暗躍しているらしい。……場所は分からない。でも、確実に動いている」
円卓の間の静けさが、再び重みを増していく。
ぐりもあは両手をテーブルの上に置き、軽く肩をすくめて言った。
「遠くの国を攻める前に、まずはそっちの対応が先かなぁ。……どこにいるか見当もつかないのが、ちょっと厄介だけど」
軽口めかしたその言葉に、しかし二人は笑わなかった。
モモンガは深く頷き、ジョンは拳を固く握りしめる。
(……そうか。やはり世界は、ただ征服すれば終わる単純なものじゃない)
(面白くなってきたな!未知を既知に変える挑戦、ってやつだ!)
三人の視線が交わる。
その先に広がる未来は、征服の延長ではなく、世界そのものの命運を左右するものだった。
/*/
重々しい話題を一度切ったぐりもあは、くるりと椅子を回して二人を見据えた。
「――でさ」
モモンガとジョンが揃って首を傾げる。
彼女は唇をにやりと歪め、あえて無邪気に問いかけた。
「ジョンさん、ルプスレギナと付き合ってるの?」
「ぶっ――!?」
ジョンは盛大にむせ、椅子ごと後ろにひっくり返りそうになった。
「な、ななななにをいきなり言い出すんだい!? そ、そんなわけ――」
「図星?」
ぐりもあが目を細めると、ジョンの耳が狼のようにぴんと立ち、しっぽがばたばたと音を立てた。
「で、告白はどっちから?」
「ちょ、ちょっと待って!?」
ジョンが狼狽している横で、モモンガがわずかに肩を震わせている。
その様子を逃さず、ぐりもあはすかさず矛先を転じた。
「モモンガさんは? アルベドに“モモンガを愛してる”って設定したのに、まだ? なにへたれてるの!?」
モモンガの動きが固まり、カタリと骨の指が机に落ちる。
「……っ! そ、それは……」
「はー! 良いねぇ! やっぱ人のコイバナは楽しいじゃない!」
ぐりもあは机を叩いて笑い、二人は顔を見合わせ、同時に大きくため息を吐いた。
「……ぐりもあさん、やっぱり愉快犯だな……」
「……心臓があったら今頃止まってますよ……」
学術的探究心と、この世界における未知の検証が重なり合った行動の結果なのです。
第14部 魔導書は笑う 完
次回!
第15部:最終章マジで?
第132話:おかあさんといっしょ!
だって、原作が出ないんだもん!