オーバーロード~狼、ほのぼのファンタジーライフを目指して~   作:ぶーく・ぶくぶく

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第206話:第D-1792号

 

 

/*/ 魔導国・情報局分析部 報告書 第D-1792号 /*/

 

 

件名:外なる神の干渉に関する調査報告

提出先:アインズ・ウール・ゴウン陛下/魔導国評議部宛

報告者:情報局主任分析官 ぐりもあ

 

一、概要

 

先般の「星の智慧派」儀式群に関連し、外なる存在による干渉波の追跡解析を行った結果、

外なる神の一柱(識別名:不明/仮称“観測者”)が、特定の亜人種に魔力的付与を行っていた事実を確認。

対象となったのはオーガ、トロール、ゴブリンなどの“人間種に敵対的傾向を持つ群体”。

付与された力は〈理性増幅〉および〈魔力共鳴〉の二系統であり、これにより各群体に高位個体(オーガ・メイジ、ゴブリン・ロード等)が発生した。

 

二、分析結果

 

感染ページの逆解析および抽出データにより、干渉源の通信構造を以下のように解析。

 

干渉は意図的支配行為ではない。

  → 神的意志による選択や命令構造は存在せず、行動原理は「反応的生成」。

 

外なる神は目的を持たない概念体である。

  → 行為は“意思”ではなく“法則”に近く、世界における物理的現象の一種。

 

強いて表現すれば、その活動は“運命(デスティニー)”である。

  → 即ち、「観測されたこと」によって結果が生成される自己完結的運動。

 

このため、外なる神は“人間を滅ぼす”意図を持たない。

むしろ、観測を通じて現象化するだけであり、干渉自体が副作用として現れる。

 

三、星の智慧派との関連

 

星の智慧派が行う儀式は、外なる神の“観測回線”を地上に投影する装置として機能している。

しかし、星導師たちが干渉を制御している形跡は皆無であり、彼らは単に現象の媒介となっているに過ぎない。

また、儀式によって“星の智慧”が拡散するたびに、外なる神の“視線”が一時的に増幅することが確認された。

これにより、一時的な魔力暴走や精神感染が発生しているが、

外なる神側の活動目的は依然として存在しない。

 

四、危険度評価

 

現状、外なる神は積極的な攻撃性を持たない。

しかし、星の智慧派への干渉行為――特に儀式妨害・強制的浄化など――は、

新たな“観測接点(アクセスポイント)”の生成を誘発する危険がある。

 

※観測者が“干渉対象”を認識した瞬間、その位置に新たな意識回路が開く。

 これが累積すると、空間そのものが外なる神の“構造”へと転化する恐れがある。

 

五、提言

 

星の智慧派への直接干渉を禁止。

 観測および儀式阻止は逆効果となる可能性が高く、

 むしろ“静観”することが最も安全と判断。

 

魔導国による情報統制を強化。

 星導師・外なる神・星の智慧に関する情報の流布を制限し、

 不要な観測行為(言語・信仰・研究)を抑制。

 

各国への通達:

 > 「星の智慧派は現段階では制御不能かつ非敵対的存在。

   接触・調査・殲滅のいずれも外なる神の干渉を拡大させる恐れがあるため、

   各国は一切の介入を控えること。」

 

六、結論

 

外なる神は「破滅」でも「悪意」でもなく、“宇宙の構造的偶発”。

その存在は“見られたこと”によって世界に影を落とす。

星の智慧派はその観測面として存在するにすぎず、

現段階において最も安全な対応は“沈黙と無視”である。

 

署名:情報局主任分析官 ぐりもあ

備考:

 

逆ハック過程にて得た断片情報によれば、外なる神の一柱は未だこの世界に完全顕現していない。

“観測”が途絶する限り、その扉は閉じたままである。

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