オーバーロード~狼、ほのぼのファンタジーライフを目指して~ 作:ぶーく・ぶくぶく
/*/ ナザリック地下大墳墓 第9階層・ジョンの開発室 /*/
魔導灯の光が青白く反射する室内。
壁一面の設計図と、机の上に山積みになった魔導金属の試作品。
その中央で、ジョンがペンをくるくると回しながら言った。
「鉄の騎士の装備でさー」
「……嫌な予感しかしないんですが」
モモンガのぼやきが先に入る。
ジョンは気にも留めず、机上の試作品を指差した。
「第9位階の〈核爆発(ニュークリア・ブラスト)〉を封じた巻物(スクロール)を、
“魔導転送式バズーカ”に仕込んでさ。
トリガー引いたら――ドカンッ! って」
机上の図面には、
鉄の騎士の背部に装着される巨大砲――
まさに“ガンガム試作2号機”を彷彿とさせるバズーカの構造図が描かれていた。
「……核爆発を“撃つ”ってことですか」
モモンガが沈痛な声で確認する。
「そうそう。あの閃光が空で咲くんだぜ。
――かっこよくない?」
ぐりもあが目を丸くする。
「いやいやいや! あぶないでしょ!?
ジョンさん、それ下手したら“国”がなくなりますよ!?」
ジョンは肩をすくめた。
「まぁ、限定起動型にすればいいんだよ。
魔導炉と連動して、使用条件を“敵の超大型魔獣”限定とかにしてさ。
あくまで対災厄兵器ってことで――」
「だからって核はダメです」
モモンガの声がピシャリと響いた。
指先で机をトントンと叩きながら、
「戦力バランスが崩れるどころじゃない。
そんなもの実戦投入したら、他国が全部敵になりますよ」
ジョンは少し考えてから、
「じゃあ……小型核爆発弾?」
「却下です」
「じゃあ、放射線だけ撒く奴」
「もっとダメです!!」
ぐりもあが慌てて叫ぶ。
「ていうか、魔導国の名前で核兵器とか持ち出したら外交的に詰みますからね!?」
「むぅ……じゃあ“ニュークリア風味バズーカ”」
「何が“風味”なんですか!?」
「いや、エフェクトだけ。爆発は普通の火球。でも見た目は核」
「……それなら、まぁ」
モモンガが苦笑する。
「……でも、“風味”って表現やめなさい。兵器の名前が台無しです」
ジョンはニヤリと笑い、図面にさらさらと文字を書き足す。
〈戦術魔導兵装:鉄の騎士専用 “N・B・F(ニュークリア・ブラスト・フェイク)”〉
ぐりもあが額を押さえる。
「また変なの作る気ですねぇ……。
でも、爆発“風”なら映像訓練用に使えそうかも?」
モモンガが諦めたように肩を落とした。
「……まぁ、ジョンさんに“完全禁止”って言っても無駄ですからね」
ジョンは得意げに笑う。
「ふっふっふ。じゃあ決定だな。
――“核爆発っぽいけど、平和的なバズーカ”!」
「平和的の定義がおかしいです!」
ぐりもあとモモンガの同時ツッコミが、
第9階層の開発室にこだました。