オーバーロード~狼、ほのぼのファンタジーライフを目指して~   作:ぶーく・ぶくぶく

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食事中の方は遠慮してね!



第40話:馬鹿は死んでも治らないよ!

エ・ランテルをカルネ村討伐軍が出発して、そろそろ村の討伐も終わったと思われた頃だった。

天を引き裂く轟音と共に雷を纏った(アウストリーナ ヨウィス テンペスタース)暴風( フルグリエンス)がエ・ランテル上空を通過したのは。

 

天変地異の前触れだ。世界の終りだ。と街は混乱に陥り、その混乱を鎮めるのにもかなりの手間が掛かった。

 

パナソレイは何度目かの溜息をついた。この夏から続く天変地異の前触れとも言える地を唸らせたような謎の咆哮。直轄地の村々が焼き討ちに遭い。そして、討伐軍の派遣。本当に身が細る思いだった。

 

……討伐軍は、バルブロ王子は帰って来なかった。

 

村を焼く為に法国の部隊へ攻撃し、最後には、アゼルリシア山脈から現れた肩までの体高が100mを超す巨大な狼の吐き出した《雷の暴風》で討伐軍の本陣を含む半数以上が吹き飛ばされ、散り散りになった敗残兵が逃げ込んできたのが先日の事だった。

 

自分が都市長の間にこれほどの問題が起きてくれるとは……何も、よりにもよって、第1王子が行方不明になる事はないだろう!

 

逃げ込んできた貴族から情報を聞き取り、民兵が野盗化しないよう避難キャンプを設置し、忙しく立ち回る中、今度は法国からの抗議の申し入れである。

「カルネ=ダーシュ村は『アインズ・ウール・ゴウン魔導国』の領土である。王国が魔導国の領土を侵すならば、法国は王国へ宣戦布告するとの声明にも拘らず、カルネ=ダーシュ村ならびに法国部隊への攻撃は誠に遺憾である。謝罪とエ・ランテルの魔導国への譲渡を求める」

こちらが帝国との戦争を控え、身動き出来ないと思って言いたい放題であるとパナソレイは思ったが、法国の通常の軍隊が動き出しているとの情報もあり、まったく気が抜けなかった。

 

本当に、身が細る思いだった。

 

/*/

 

王都リ・エスティーゼの北にボウロロープ侯爵の本拠地である都市リ・ボウロロールがある。

 

その城の豪奢な部屋に、顔に多くの傷跡がある戦士のような風貌の男がいた。鍛え抜かれた体躯も今は過去の物になっているが、猛禽類を思わせる瞳や声の張りには戦士の残り香が見える。王国六大貴族にして貴族派閥のトップであるボウロロープ侯爵その人だった。

 

庶民ではとても手の出ない酒精の強い蒸留酒を楽しみながら、送り出した義理の息子……第1王子……の事を考える。

今頃は無事に討伐を終えた事だろう。戻ってきてからが本番だ。忙しくなる。

 

食後の一服を楽しみながら、己が掴み取る栄光の未来を思い、にやりと笑う。

その時だった。か細い声がしたのは。

 

「……義父、上…」

 

聞き覚えのある声に思わず立ち上がった。それはこの場には居ない筈の者の声だった。

 

「……殿下?」

 

いつの間にだろう?部屋の戸口にカルネ村へ向かったバルブロの姿があった。どこか傷を負っているのだろうか。顔色が青白い。

 

「殿下!いつお戻りに!?」

 

侯爵はバルブロへ駆け寄る。近づくとバルブロが戦装束のままである事が分かった。激しい戦闘があったのだろう。戦装束は穴だらけで、ボロボロで、血に汚れていた。

 

「……義父、上…よ……く…」

「殿下!どこかお怪我を?」

 

青白いバルブロの顔はまるで死人のようで、瞳が赤い……口を開く度に唇から、鋭い犬歯が覗く。バルブロの犬歯はこんなに長かっただろうか?

 

「……も、こんな目に遭わせてくれたなぁっ!!」

「な、なにをするだぁぁっ!?」

 

バルブロの口が、両手が、カッと開かれ、侯爵に飛びつくとそのまま首筋に噛みついてきた。犬歯の突き刺さった痛み、血の流れるぬるりとした生暖かい感触。そしてなにより、血を生命を啜られているかのような脱力感!

 

鍛え抜かれた戦士の残り香が見える巨躯が、見る見るうちに萎んでいく。

 

「あ、あがが……」

 

ジタバタともがき、バルブロを引き離そうとするが、万力のようにがっちりと締まったバルブロの腕はびくともしない。それは人外の力だった。数分もしないうちに侯爵の巨躯は見も無残なミイラのような姿となり、どさりとバルブロの足元に横たわった。

 

「これが…血か。……これが…生命の味か!」

 

目を血走らせて歓喜の笑いをあげるバルブロ。その時だ。その部屋の扉が控えめにノックされたのは。

 

「旦那様、如何なされたのでしょうか?」

 

「……行け、侯爵。行って皆殺しにするのだ。全ての生命を神へ捧げよ。全てを殺し、焼き尽くすのだ」

 

バルブロの声に従い侯爵が……いや、いまや下位吸血鬼(レッサーヴァンパイア)と化した侯爵だったミイラがゆらりと立ち上がった。

 

/*/

 

「え?」

 

モモンガのあげたその声は久しぶりに駄犬によらないものだった。

エ・ナイウルへ派遣したデスナイトにデスウォリアー。2体のアンデッドが簡単に滅ぼされた。しかも相手はユグドラシルに存在するパワードスーツを着用していたのだ。

モモンガから遠方へと伸びた繋がり――下僕のアンデッドとの繋がり――が二本切れていて、今見ていた光景が幻では無い事を伝えてくれている。

階層守護者たちとメイドたちの視線がいたたまれない。元々エ・ナイウルへ派遣した戦力は負けても構わない程度のものだったが、モモンガが敗北したと腫物を触るような視線は止めてもらいたい。

 

「なんか胸部装甲のとこ冒険者のアダマンタイトプレート見えたけど?あれが朱の雫で良いのかな?」

 

《ジョンさん、ナイスだ!》

ジョンの言葉にモモンガはいつも通り演技を被せる。

 

「ふむ……想定通りだよ」

 

全てが自分の手の内にある。

まるで悪役のボスが手の中のワイングラスをくゆらせるような余裕を見せつつ、《伝言》で漫才をしつつ、それっぽくモモンガは呟いた。

 

《さぁこい!デミウルゴス!》

《頼みます!デミウルゴス先生!》

 

「ナルホド。ソウイウコトデシタカ……」

「はいはいはい!」

 

《コキュートス!?》

《シャルティアまで!?》

 

「私も分かったでありんす!つまりモモンガ様はあれが現れると言う事を予測されていたと言う事でありんすね!だからこそあの程度の兵力で送り出した、と言う事でありんすね!」

 

はいはいはいと両手を上に伸ばして、万歳の恰好で自分をアピールしたシャルティアが全員の視線を集めて、にんまりと笑って言った。

 

《戦術レベルだとそう言う考えになるよねー》

《いや、私はペスとニグレドに嘆願されたから、手加減しただけなんですが……》

《それは言う無し》

 

「流石ですね。二人とも」

 

デミウルゴスの賞賛を受けて、二人が少し胸を張る。アルベドが続けて言う。

 

「モモンガ様の冒険者としての活動。セバスやデミウルゴス。それに王都の協力者の情報では朱の雫は王国北部で活動していると言う話でした。だからこそ、引き摺りだす為にあの兵力と言う訳ですね。あの者からすれば余裕で勝てる。しかし、助けに行かなければ都市が落ちる絶妙の兵力。流石はモモンガ様」

「餌ニ食イツイタ魚トイウコトデスナ……」

 

《あれが朱の雫で確定なんですか?》

《朱色の鎧を使ってるから朱の雫って、聞いた事あるから確定じゃない?》

《……ユグドラシルのパワードスーツが出てきた以上、プレイヤーの可能性は捨てられませんよ》

《あーそっか。でもパワードスーツ使ってるなら、精々60Lvってところじゃない?》

《ブラフかもしれません。私たちだってやるでしょう?》

《うぃ。注意します!》

 

取り敢えず、モモンガは守護者たちに計算通りだと思ってもらえるように、薄く笑い声をあげる。

 

「――ふふふ。まぁ、本当に出てくるとは思わなかったから、かなり驚いたのは事実だ。……王都での決戦まで温存するかもしれない、と思っていたからな」

「モモンガ様はいつもそこまで考えていられるんですね!」

アウラがそう言うと「凄いです」とマーレが呟いてるのが聞こえ、純粋な尊敬の瞳に、モモンガのガラスのハートはかなりのダメージを受ける。

 

「朱の雫のリーダー、アズス・アインドラが朱色の鎧を纏っていると聞いているが、あの鎧はパワードスーツって言って、ここに転移してくる前の世界のものだ。場合によっては、アズス・アインドラ、もしくはその背後に俺やモモンガさんと同等の力を持った存在がいる可能性を考えなければならなくなった」

「……朱色の鎧と言うから、普通の全身鎧(フルプレート)だと思っていたんだがな」

 

冒険者としての活動は無駄ではなかったと主張するジョンの言葉に、モモンガも乗っかりつつ、さりげなく自分たちも全部知っているわけではないと主張する。

 

「モモンガさんのおかげで事前に情報が一つ多く取れたわけだ」

 

ジョンの言葉に再びモモンガを讃える声が上がるが、それを手で制してモモンガは問う。

 

「さて――皆に問う。パワードスーツの性能について知っている者はいるか? いなければ語るとしよう」

 

モモンガは守護者たちがあまり詳しく知らないという事を確認して、知る限りのパワードスーツの性能をジョンと共に語っていった。

 

/*/

 

パワードスーツの弱点なども含めて説明し、危険なのはプレアデスなどの強力とは言えないものたちであり、彼女らが相対した場合は撤退を考えるべきだと伝える。

 

「……宝物殿に2つ3つあった筈だから、後でいってみよう。着用してみれば何か思うところもある筈だ」

 

パワードスーツ実装時には既に百レベルに達していたモモンガにとっては興味の対象外だったアイテムだが、ジョンを始め、一部のメンバーはパワードスーツで遊んでいた事もあり、ジョンは一家言あるようだった。

 

「パワードスーツは《飛行》より早く飛べるけど、やっぱりフル装備のシャルティアの方が速いし、空戦能力もペロロンチーノさんなんかの足元にも遠く及ばなかったけどね」

「くひっ」

 

自らと、創造主であるペロロンチーノを誉められ、シャルティアが変な声を漏らした。

 

《俺も幾つか持ってるよ!》

《なんでそんなもの……》

《カッコ良かったからね!仕方ないね!あとパワードスーツ縛りのトーナメントもあったからね!》

 

《伝言》で会話しながら、守護者たちを見回すが新しい質問が出る様子はない。

 

「しかし、赤い朱色の鎧か……ルプーの髪のような色だな。――よしッ!決めたッ!あれを獲ってきて、ルプーにくれてやろう!」

「おい」

 

ジョンの唐突な思いつきに、モモンガが突っ込みを入れるも。

 

「ジョン様」

「オオ流石ハ、カルバイン様」

 

ジョンへ珈琲のお代わりを用意していたルプスレギナや、一部の戦闘要員から流石だと黄色い声があがる。

 

「まったく……パワードスーツの話はいったん終わらせるぞ。デミウルゴス。あの都市への対応はどうする?私はあれが釣れただけで満足だ」

「魔導国に勝ったなどと勘違いされては面倒です。より強きものを送り、あの都市を灰燼に帰してしまいましょう」

 

《いやいやいや、良くないよ!?》

《モモンガさ――ん!ペストーニャも後で聞いてるんだから!》

 

「……いや、デミウルゴス。それはやめておこう。今後、似たような事が起きた場合の布石となる。バルブロだったか?送り込んだアンデッドの経過観察も必要だ。王都を先に陥落させよう」

 

バルブロは吸血鬼に、死んだ兵士はゾンビなどにされて、ボウロロープ侯爵の領地に送り込まれていた。無論、他にも負けないだけのアンデッド――デスナイトなど――をつけて。

 

カジットからの情報提供もあり、この世界独自の「死の螺旋」の発生やアンデッドの自然発生現象。他にもアンデッドが増える事での元からのアンデッドの強化現象などの観察を兼ねて、王国への制裁として送り込まれたのだ。

 

バルブロは、リ・ボウロロールを全滅させ、街道上の町や村を全滅させながら王都へ向かっている。その軍勢から溢れたアンデッドを使って、様々な実験を兼ねて周辺都市を滅ぼしているのだ。

 

既に王国北部はズタボロだった。

 

/*/

 

カルネ=ダーシュ村の立ち上げから数か月。

そろそろ様々な問題が噴出し始める頃であった。最近の問題は作物の出来栄えにバラツキが出てきている事だ。それも無視できる程度の差ではない。

 

ある畑では異常に作物が育つ。巨大になったり、栄養価が飛びぬけて高かったりするのだ。

隣の畑、隣の畝では普通に――それでも通常の畑より育っていたが――育っていたりする。

 

土を調べ、日の当たりを比べ、頭を悩ませていた村人一同だったが、サペトンの一言で更に頭を悩ませた。

 

「これはぁ……肥料だなぁ」

 

どうして肥料で差が出来るのか?

カルネ=ダーシュ村は基本的に自給自足だ。肥料も村人のトイレから出たものを集めて発酵させ、肥料にしている。

風呂屋の2階で行われる農業会議。そこでコークスが言った。

 

「そういや、村のトイレを常に使わないのって、漆黒の剣とクレマンちゃんとブレインくん。あとルプーちゃんに……リーダーだよね?」

「そう…だな?」

「これって、リーダーの所為じゃね?」

 

なんでも駄犬の所為にしないで欲しい。

 

「俺?」

「だって、リーダーって100Lvだろ。もし、うんこにもアイテムレベルがあったら100Lvだと思うんだよね」

 

「リーダーの肥は100Lv!!

 まさしく金肥!!って、事?」

 

「うんうん、うんちだけに」

 

ホントかよとの顔をしているのは、ジョンだけだった。チーム時王全員も、相談役も、皆が「ああ」と、腑に落ちた顔をしていた。

 

「試してみれば良いんだよ。リーダーは今日から、ここにうんちしてね」

 

ぱららっぱっぱぱーと、青いタヌキの擬音が似合いそうな調子でコークスが取り出したのはアヒル型のおまる。

 

「え?マジ?」

「マジマジ。大マジ。肥溜めも1個開けておくから、そこでリーダーのだけ発酵させてみよう」

「何と言う辱め。新しい世界を開いたら、どうしてくれる」

「そう言うのはルプーちゃんとやってねー」

 

 

数日後………「くそぉぉぉ!!そういう事か!!」

 

 

サペトンの見立て通り、リーダーの から作った肥料を与えた作物の方が異常に成長していた。

その後、リーダーには村の決まった場所で用を足すようにと指令が下ったのは言うまでもない。

 

「……俺、犬じゃないんだけどなぁ」

 

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リ・エスティーゼ王国王都ヴァランシア宮殿。

その一室は今、人の集まりが生む特有の熱気に満ちていた。部屋に置かれた長方形のテーブル。その上座に国王ランポッサ三世、その右にザナック第二王子が座る。他に着席しているのは王国の各尚書などの重臣たちだ。ほとんどが高齢で見事な白髪頭や、白髪交じり、また光を反射する頭が並んでいる。

 

この宮廷会議では現在、王国北部を襲うアンデッドの軍勢についての会議だったが、そもそもとして「魔導国とは一体何ものなのか?」と言うところで会議がストップしてしまっていた。

 

法国の使者と共にやってきた魔導国の使者。その正体は死者の大魔法使い(エルダーリッチ)死の支配者(オーバーロード)です)だった。生者を憎むアンデッドが理知的に使者を務めている。その上、法国は魔導国の属国になったと言う。

 

まったくわけがわからないよ。

 

法国の使者は、魔導国は死の神の再誕だと言う。

死の神アインズ・ウール・ゴウン。

ガゼフの話では腕の一振りで無から教会を生み出し、数多のバケモノを従え、死者も自由に蘇生したと言う。

 

話だけではとても信じられない。

 

アインズ・ウール・ゴウンの盟友であるという人狼は、この地を通りかかり、焼き討ちされている村を見たと言う。最初は人間の争いに干渉するつもりはなかったが、妹を助ける為に必死に戦う姉の姿に心を打たれ、村を救った。焼かれた村は冬を越す事も難しく、異形と共に生きる為、王国から離反する道を選んだ。

 

そこへ向かった討伐軍。

 

「ならば、これは神の怒りだとでも言うのか!?」

ザナックは一枚の大きな紙を取り出し、机の上に広げる。

 

×印の付いた地図。

 

それなりに値の張る薄く白い紙には、《模写》によって王国全土の地図が描かれていた。

王国北部の半分以上が×印で消されている。土地勘を持つ者であれば、それらがある程度の人口を持つ都市であると気が付くだろう。そして、賢い者は、地図に村落まで記載されていたら、この×印は急激に数を膨らませると推測できる筈だ。

 

リ・ボウロロールから発生したアンデッド禍は、ゆっくりと周囲に広がりながら王都へ向けて伸びてきている。

 

その中心には『不死にして不滅なる王』を名乗るバルブロ第一王子の姿があるとは難民たちの言葉だ。

カルネ村に向かったバルブロが、何故、リ・ボウロロールに現れたのか不明だが、彼はアンデッド《吸血鬼》となって強力なアンデッドを従え、都市を壊滅され、そこに住む住人も皆殺しにし、アンデッドの軍団を作っている。

 

「……このような無法。王族として見過ごせるものか」

 

これを許しては王家の者とは言えない。

冒険者を雇ってのバルブロ殺害も検討した。しかし、数万にも及ぶアンデッドに囲まれたバルブロの元にたどり着くのはアダマンタイト級をもってしても難しいと偵察に出た冒険者の弁だ。

 

妹の予想した通りの未曽有の危機に、ザナックはギリッと音が出るほどに歯を噛み締める。分かってはいたことだが、蒼の薔薇と朱の雫が手元にないのが口惜しい。けれども、それは後の者たちへの手向けなのだ。勝てない戦で貴重な戦力を磨り潰すわけにいかない。

 

「これが魔導国の仕業か。それともそうでないのか。最早、関係がない。兄上が王を名乗り、民を皆殺しにしながら、王都へ迫ってきているのであれば……戦うしかない」

 

ぐっとザナックは拳を握り、周囲の重臣たちを、国王を見回す。

 

「やるしかないでしょう。アンデッドの軍団は都市を焼き尽くし、そこに住む民を皆殺しにしている。生き残る為には全兵力を集め、乾坤一擲の大勝負に出るほかない」

 

魔導国への対処はその後だとザナックは言う。

 

「………………ザナックよ……王になったのだな」

「……陛下?何か仰いましたか?」

 

ランポッサ三世の呟きはザナックへ届かなかったけれど。

 




使者の死者の大魔法使い(エルダーリッチ)は、使者と死者を掛けたわけでは……ゴメン。そうですよ。

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