※告知事項※
・何かあれば書きます。
【忍の秋】
――秋。
通学路を歩く二人の少女――アリス・カータレットと大宮忍である。
「そういえばシノ。◯◯の秋ってあるよね」
紅葉した街路樹を見ながらアリスが言う。
「ええ、ありますね。それがどうかしましたか?」
「シノにとっての秋って何の秋?」
「言うまでもなく、金髪の秋です!! 秋は金髪が最も輝く季節……紅葉の赤と金髪の金が奏でる麗しの賛美歌……!!」
「何言ってるかよく分からないけど意味はなんとなく伝わってくるよ」
【貴女の秋は】
「それじゃあ、アリスの秋は何ですか?」
「えっ、私の? うーん」
アリスは腕を組んで考え込んだ。
「聞いておいてあれだけど、難しいな〜」
「じゃあこうしませんか? 今日の帰りにまた聞きますから、それまでに考えておいて下さい」
「うん、頑張って考えてみる……」
「他の人に聞いて、それを参考にするのもアリですよ」
「その手があった!」
話しているうちに二人は学校に着いた。靴を履き替え、教室に向かう。
「それじゃあ、また後でね〜」
「はい、また後でー」
クラスの違う二人は分かれ、教室に入った。
【陽子の秋】
「おはよー、アリス」
「おはよう、ヨーコ!」
教室に入ると、茶髪ショートヘアの少女が既に着席していた。猪熊陽子である。
「ねえヨーコ、ヨーコの秋って何?」
「んー? 私の秋? うーん……やっぱ食欲の秋かなー!」
「うん、そうと思ってたよ」
「聞いといて何だその反応は!?」
「秋っていうか、ヨーコの場合一年中通してだよね」
「否定しないけど! 否定しないけどさあ!」
【カレンの秋】
「ヨーコの秋は、ツッコミの秋デース!!」
「うおっ、カレン!?」
「あ、カレンおはよう」
「オハヨウゴジャイマース!」
ツッコミの気配を嗅ぎつけ隣のクラスからやって来たのは、アリスと同じく金髪の少女。九条カレンである。
「ねえねえ、カレンの秋って何?」
「私の秋デスか? ふっふっふ、そりゃあ勿論、睡眠の秋デース!!」
「あれ、行楽の秋じゃなくて?」
「Yes. 秋になると気候も涼しくなって、陽の光も適度にポカポカしていて……授業中眠くなりマス」
「カレンのそれも一年中だよね……どうかと思うけど」
【黄金の双光】
「カレンちゃん居るー?」
「ホノカ! オハヨウゴジャイマース!」
「おはよー」
「おはようホノカ〜」
「おはよう〜――っ!!」
カレンを追って隣のクラスからやって来たのは茶髪ロングヘアの少女。松原穂乃花である。入って来るなり、目を覆った。
「き、金髪少女――女神様が二人もっ……!! 朝から刺激が強過ぎるよ〜!!」
「何の刺激だよ……」
【穂乃花の秋】
「ホノカの秋は何の秋デスか?」
カレンが聞いた。
「え!?」
「アリスがみんなにインタビューしてるらしいんデス」
「まだ二人しかしてないけど」
「私の秋かあ……うーん……」
考える穂乃花。そして出た結論は――。
「……従属の秋」
「「「…………」」」
「あっ、嘘! 今の嘘! 本当は金髪の秋だから! 今の嘘! 嘘!」
「どっちにしろクレイジーデス」
【烏丸先生の秋】
英語の授業が終わり、休憩時間。
「カラスマ先生ー」
「どうしたのアリスさん?」
アリスが話し掛けたのは、眼鏡を掛けた英語教師。烏丸さくらである。
「カラスマ先生にとっての秋って、どんな秋ですか?」
「そうねえ、私の秋は……」
考えるさくら。みるみるうちに顔が青くなっていった。
「カ、カラスマ先生?」
「……アリスさん、私――運動の秋に専念します〜っ!!」
「先生!?」
そう宣言するなりさくらは教室を飛び出して行った。持って来た教科書などを一切持ち帰らずに。
「先生ー!! 廊下は走っちゃ駄目ですよー!!」
「いやそこかよ!?」
【綾の秋】
昼休み。アリスは図書館へ向かった。その道中。
「あ、アヤ」
黒髪ツインテールの少女。小路綾である。
「あら、アリス。図書館に行くの?」
「うん! ……アヤは読書の秋ってかんじ」
アリスは綾の抱えている本を見て言う。
「うーん、確かに読書も良いけど、私の場合実りの秋かしらね」
「実りの秋? ……ああ、成る程! ヨーコとn」
「ななななななんでそこでヨヨヨヨヨヨーコがでで、出てくるのよ!!?」
「取り乱し過ぎだよアヤ!?」
【アリスと圭】
「やっほー、ケイ」
「あ、アリスちゃん!」
図書館に居たのは茶髪をハーフアップにした少女。祠堂圭である。
「えっと……ハロー、ハワユー?」
「Not bad, you ?」
「アイムファインセンキュー! ……ノットバッド? 悪くありません……回りくどい言い方するね」
「うーん、一般的な言い方なんだけどなあ。良いよ! みたいなかんじで」
「そうなの? ノットとバッドが見事に入ってるからイメージ悪くなるのかな?」
「単語で判断しちゃうから駄目なんだろうね……あとケイ、無理に英語で話さなくても良いんだよ」
「折角外国人と友達になれたんだから、この機会に英語を得意になろうかと!」
「ケイは熱心だね〜。……それくらいの情熱がシノにもあれば……」
呆れたように言うアリスであった。
【噂】
所変わって忍の教室。
「へくしっ!」
「忍ちゃん、大丈夫?」
「大丈夫です、問題ありません」
「もしかしたら、誰かがシノの噂をしてるのかもしれマセンね」
「じゃあ十中八九アリスちゃんだね」
「それしか考えられマセンね!」
「一体どんな話をしているんでしょうかね〜」
「どれだけシノが素晴らしいか、とかじゃないデスかねー」
「そんな、照れますよ〜!」
的外れも良いところだった。
【圭の秋】
「じゃあケイの秋も実りの秋かな?」
アリスが言う。
「それは違うよアリスちゃん!」
「え?」
「確かに英語力が実ればいいと思うよ、うん。だけど今年の秋は、もっと色んなことをやりたい! だからここは敢えてこれと決めずに、挑戦の秋と言ってみる!」
「挑戦の秋かあ! 成る程そういうのもあるんだね!」
「だから今年は24時間耐久音楽視聴に挑戦してみようと思います」
「絶対寝落ちするよ、それ」
【美紀の秋】
「…………」
スティーブン・キングの小説(原書)を読んでいるのは、パールホワイトショートヘアの少女。直樹美紀である。
「ミキは読書の秋かな」
「読書の秋だろうね」
「ミキって本当に本好きだよね」
「私と二人で文楽コンビと呼ばれていた時代があったからね」
「そうなの?」
「さあ? 知らない」
「嘘なんだ……」
【アリスの秋】
帰り道。紅色の夕焼けが忍とアリスを照らす。
「アリス、秋は見つかりましたか?」
「うん! 色んな人が色んな秋を持ってたけど、殆ど被ってる人は居なかったんだよね」
「皆さん個性的ですからね〜」
「だから、難しく考えずに自分がやりたいことをやればいい、自分が好きなことをする秋で良いんだって思ったの」
「アリスがやりたいことって何ですか?」
「そんなの決まってるよ!」
アリスは忍を見つめ、言う。
「勉強の秋だよ!!」
「へえ、そうなんですか――え"っ」
【金髪に絡まった黒髪】
アリスは続ける。
「私、まだまだ日本についての勉強が足りない! だからもっと勉強しないといけないって思ったの!」
「いやアリス、もっと何か無いんですか」
「シノもだよ!」
「はいっ!!?」
「今日改めて思ったんだ……シノは通訳者になるための勉強が絶対に足りてないんだって!」
「ア、アリス」
「だから一緒に勉強しよう! 二人一緒なら、何だって出来るんだからね!!」
「いやあのアリス本当ちょっと待って下さいまってまって落ち着いて」
「問答無用! 今夜は寝かさないよ! 秋の夜長とも言うしね!」
「だ、誰か!! 誰か助け――」
「さあ、早く帰ろう、シノ!!」
「イヤアアアアアアアアアア!!!」
忍の叫びが響き渡る。血のように赤い紅色の夕焼けは、これから起こる惨劇を暗示しているかのように煌めくのであった。
「へるぷみー!!!」
はい、こんなノリのシリーズです。こっちのゴルラビは。
秋といえば一番過ごしやすい季節(筆者調べ)。皆さんも是非、快適な今のうちにやりたいことをやってみては?
……まあ、シルバーウィーク今日で終わりですけども(9/23 時点)。