マシュ可愛いよマシュ。
落ち着ける所を探しながらオルガマリーを護衛しつつ、マシュと二人掛りで襲い掛かってくるモンスターを殲滅し続ける。
流石にモンスターも手強くなってきたのか、バールがボロボロである。
今は偶々拾った鉄パイプをメインで振り回しながら戦う形にシフトチェンジしていた。
できればモップや箒、塵取りといった使い慣れているものが良かったのだが、無い物ねだりをしてもしょうがない。
そも、そっちに変えたからといって武器が強くなるわけではないので、何とも言えない。
そんな無益な事を考えながら進むと、やがて橋が見えた。
下の方は火の手も被害もそこまで無く、一見すれば安全そうだ。
サクッと彷徨いてたスケルトンを川にぶん投げつつ、マシュから
いや、爽快爽快。
最近上も下もトラブル続きでストレスが溜まっていたので発散にはいい機会である。
そんな不謹慎なことを考えつつ、適当な石を砕いて椅子替わりにし、オルガマリーに座らせる。
どうも彼女は研究職の人間か何からしく、不整地の歩き方からして体力がないのが良く分かった。
ゆえの休憩である。
本音はさっさとこんな状況から抜け出したいのだが、情報もないこの状況ではそうもいかない。
唯一の手掛かりである彼女(マシュも無論それにカテゴライズされるのだが、どうもさっきから続いている自分への抗議の言葉から察するに、少し毛色が違うらしい)は、今後の行動によっては足手纏いにも切り札にもなるのだ。
そこら辺はハッキリさせておきたい。
あと、今自分が持っている情報の信憑性の確認もしたいところだ。
要は、俺がマシュのマスターとやらになり、マシュが俺の
◇
「……うん。ラインも繋がっているし、間違いなくあなたはマシュのマスターになっているわ」
「マジっすか……」
「先輩?どうして白目を向いて天を仰いでいるんですか?それってあれですよね?私が先輩のサーヴァントであることに不満があるってことですか?こんな役たたずはいらないってことなんですか?どうなんですか?!」
アホな事を抜かす我がサーヴァントに片手を振りつつ、そうじゃないと釈明する。
実際のところ、マシュは相当頼りになっている。
いくら俺がキチガイじみた言動と動きで頑張って威嚇や戦闘を行っても、向かってくるモンスター共は尽くそんなの関係ねぇと言わんばかりに襲ってくる。
要は怯まない上に無尽蔵に出てくるので、一人だとオルガマリーを守りきれないのだ。
あと、一人は精神的にもキツイ。
背中に相方が居ると言う安心感は、結構大きいものだ。
また、マシュ自身の耐久力がアホみたいに高いというのもある。
ふっと見たら、槍とかで明らかに装甲のない腹をぶっ刺されているのに、カスリ傷程度しかついていないのだ。
サーヴァントってそんなもん、と事前説明はこっちで起きた直後にロマンから説明は受けたが、はっきり言ってそこらを差っ引いても異常である。
(後で聞いた話だが、どうも彼女はシールダーというクラスらしく、攻撃力が低い代わりに防御に関しては一級品らしい。前線よりもサポーターが向いているようだ)
とはいえ、この事態の中、相方のダメージをあまり気にする必要がないというのはありがたい。
見た所自分やオルガマリーとは違い、周囲の炎による少々の熱によるダメージも無いようだ。
消耗もしてないのか、動きに遜色は見当たらなかった。
羨ましいとともに頼もしさはここで鰻昇りである。
まあ、以上の事からマシュは相当頼れる存在であることは明白である。
また、スキルも防御特価なのでいざと言う時のサポートに関しても優秀である。
実際何度か助けられているのだ。
感謝こそすれ邪険にする理由は全くない。
……と、いう内容を嘘偽りなく本人に伝える。
顔真っ赤にして俯いて黙り込んでしまったが、後悔はない。
そも、そんな程度で照れるとかどんだけ初心だ。
とか思ってたらオルガマリーに小突かれた。曰く、女心を学べ、とのこと。
朴念仁ではないので、言われた理由が思い当たり、ちょっと反省する。
直す気はないが。(ゲス顔
◇
「……さて、情報を纏めるとこういう事か?
1.今は2004年の冬木市である。(俺はそんな所聞いたこともない)
2.当時の冬木市でこんな事態は起こっていないはず。但し1994年前後に大火災と呼ばれる災害があったことは確か。
3.自分達はレイシフトなる技術によって、2015年の現代から過去にタイムスリップしている状態である。
4.何らかの原因によって2016年以降地球文明が滅んだか何かで、未来が大変なので、その原因を探ろうとした結果カルデアの事故がおこり、自分達以外は軒並み全滅している。
5.マシュはその際に既に召喚されていた英霊の内の一体と融合。その能力などをすべて明け渡され、現在デミ・サーヴァントという状態になっている。
6.マシュのマスターは自分――――――即ち黒井志郎であり、俺が死んだら彼女も消滅する。
7.なお、マシュの武装の盾は特定状況下において他の英霊を呼ぶ為の魔法陣の代理品になり、且つ、カルデアとの通信を繋げる術式そのものにもなる。
……と……どこのサイバーパンク小説だ。一般人が巻き込まれるにはちと設定が重すぎるぞ?」
「あんたのこれまでの行動思い返して一般人と呼べる行動あったかしら?」
「安心しろ。俺のオヤジが学生の頃……40年くらい前の東京ではあれができてデフォルト以下だ」
「すいません先輩。40年前の東京ってどれだけ修羅の国だったんですか?」
残念ながら事実である。そう伝えるとオルガマリー……敬意を払って所長としよう。所長ですら信じられない物を見る目でこっちを見てくる。
その視線を受けながら、先の霊脈での通信内容から、この問題の解決策を考える。
……結局の所、虎穴に入らずんば虎子を得ずという諺がある様に、渦中に突っ込まねばいけないらしい。
面倒この上ないし危険度も高いのだが背に腹は変えられない。
そも。このまま永久にここで暮らすのかといえばそういうわけにもいかないだろう。
所長自身は自分のような25目前のおっさんと違って未来ある若者だ。
出来ることなら向こうに返してあげたい。
無論マシュもだ。
デミサヴァになっているとは言え女の子。色んなものに興味が出てきているはずだ。
それを半永久的に奪うというのは些かどころかとんでもない罪悪感を俺に与えてくる。
あと、
これが俺の知り合いにバレたら間違いなく連中は俺を
ロリコン
扱いして笑うだろう。
何せ従者と主人の関係なのだ。仮にも。
囲っているとか言われたらマジで戦争するしかない。
「………」
「あの……先輩?」
「おっと」
どうやら顔に出ていたようだ。見れば二人共青ざめている。
……そんなに怖かったか?
顔を両手でぐにゅぐにゅと揉む。
「……志郎?」
「はい?」
「もしかしてあなたって………アホとか言われない?」
「…………」
◇
少々お待ちください
◇
「っ!!!先輩!敵性反応です!!」
「所長、話の続きはまたあとで」
「ハイ、ワカリマシタ」
少々失礼極まりない彼女に説教すること3分。
どうやらモンスターを誘き寄せてしまったらしい。
自分の失策に呆れながら
対応すると、やっぱりスケルトンだった。
ただ、今度は弓矢を持っているため、少々分が悪そうである。
マシュを突っ込ませて優先的にそれらを殲滅しつつ、近距離の連中の頭蓋を鉄パイプでぶっ叩いて潰す。
七色の石ころがちょくちょく落ちるので何かに使えるだろうと回収しつつ、偶に投擲して敵をひるませ、さらにそこへとマシュを突っ込ませる。
マシュ、大活躍である。
サーヴァント…英霊の切り札である宝具が使えないとか言っていたが、それを補って余りある戦闘能力だ。
本心から、彼女と融合した英霊に感謝である。
自分からポンコツだったと申請していたマシュがあそこまで戦えているのだから、きっと相当な実力者だったのだろう。うん。
正体がわかったら、手でも合わせて拝んでおくとしよう。
そんな事を考えているうちに殲滅は終わっていた。
チラと見れば5分かかっていない。
どれだけ弱いのだ、あいつら。
……いや、この場合はマシュが凄いと言うべきなのか。
「いえ、端的に先輩が人間やめているだけかと」
「オイ」
失礼な事抜かしてんじゃないよ痴女ルック。お前も説教されたいか?
いかがでしたでしょうか?
どうも雑炊です。
今回は情報の纏めってだけの感じですね。
英霊召喚のアレコレとかは次回辺りになるかと思われます。
彼の出番ももう少しですのでファンの皆様は楽しみにお待ちください。
因みに彼は私がガシャを回すと十中八九杖の方で出てきます。
……まあ、サラっとAUOがいるので、出て来たくない気も解りますが(目逸らし
あと、
修羅の国東京は8割程度本当みたいです。