Fate/グダグダ進撃隊   作:雑炊

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今回は英霊召喚のシステムと、その召喚場面の話です。

独自設定が多めになりますのでご注意ください。

では、本編をどうぞ。


初めての英霊召喚

敵の殲滅も終わったので、移動前の最終チェックと言わんばかりに装備と傷の手当を行う。

マシュは言わずもがな、それも相当ボロボロになっていた。

 

余裕そうな感じで今まで流していたが、これでも喧嘩は弱いほうである。

運動神経も並なので、やはり攻撃を全部避けきれるかというとそうではなかった。

 

――――――まあ、結果として所長のような可愛い女の子に手当してもらえるからある意味役得ではある。

 

 

「……アホなこと考えたでしょ。不潔よ」

 

「いやー、流石に手を出して犯罪者扱いは嫌なのでそんな変なことは考えてませんよ?役得だなとは思いましたけど」

 

『今思ったんだけど、なんでそう君は一言多いか地雷を進んで踏みに行くスタンス取るの?』

 

所長からネックハンギングツリーを喰らいながら通信で突っ込んできたDr.ロマンにアハハと返す。

まあ、今のは自分でも悪かったかなとは思うので、可及的速やかに謝るとしよう。

一緒に行動するっていうのにこんなつまらんことで一々信頼失ってたらもたん。

 

「Dr.ロマン。おそらく先輩は世間一般であるマゾヒスト……被虐体質なのです。ですからきっとあれも自分の欲求を発散し、私たちに襲いかからぬようにという先輩なりの優しさの可能性が――――――」

 

「おいこら菌糸類ぶっとばすぞ」

 

所長の手を払い速攻失礼なことを言い放ちやがったこの痴女スタイルの菌糸類の頭を引っ掴んで持ち上げる。

本人はキャーとか言いながら頬を染めて為すがままになってる辺り、その面の皮の厚さが伺えるというものである。

 

というかこいつなんなん?さっきから割と俺に対して容赦が無くなっている様な気がする。

さっきもカルデアに関する知識の殆ど無い俺に対して『迷い込んだ猫』扱いだったりしてるし。

そも、先輩呼ばわりも元々は人畜無害そうという少々アレな理由からだ。

 

元からそうだった感じはするが、それにしたって、この扱いはあれだろう?

仮にもマスターに対する扱いじゃねーだろ?

 

「安心してください先輩。

 

 

私の中で既に先輩は英霊と同格レベルの人外扱いになっています」

 

「オウこの状態でよくもまあそんな口が叩けるな。褒めてやろう」

 

言うが早いが間髪いれずに近くの瓦礫に向かって手の中のキノコをぶん投げる。

サラっと着地されるが、予想済みなので更に追撃をいれに走る。

 

 

どこかで、ゴングのあの特有な『カーッン』という音が聞こえた。

 

 

結果だけ言うと、俺とマシュの喧嘩は俺の惜敗に終わった。

まあ、半分以上戯れ合いの様なもんだったので、互いにそこまでダメージはない。

 

「嘘を付くならもっと、ましな嘘をつきなさい」

 

「はい、すみませんでした」

 

うん、ごめん嘘だわ。

割と本気でやったのに全然だったわ。

流石に力を譲り受けただけとは言え英霊モドキである。

殴るが何しようが傷一つ付かないというのは割とショックだった。

 

「……………」

 

「……ねえ…マシュが誇らしげに胸を張ってるのだけれども…」

 

「ここはスルーする事こそ優しさです所長」

 

そう言って生暖かい視線をマシュに向ける。

所長もそれを聞き、暫しの思案の後、

 

「……ああ………」

 

何やら気が付いたようで、どこか同族を見つけたような目で、それでも優しい視線を彼女に送り始める。

 

 

 

 

 

 

 

マシュがその視線に耐え切れなくなり、地面をゴロゴロ転がって悶絶するまであと30秒。

 

 

「(……コホン)そういえば、あなたにはまだ『カルデアの英霊について』の説明をしていなかったわね。志郎」

 

「あ、そこで転がってる菌糸類は無視ですか所長」

 

そう言いながらまだ悶絶しているマシュを見る。

盾ごと転がっているからか、音が酷く、周囲の敵を呼び寄せてしまっている。

その都度俺が撃退する羽目になっているのでそろそろ立ち直ってもらいたいところだ。

 

「瓦礫と鉄パイプ。それから素手でモンスターを殲滅してる人が何を言っているのかしら?そこの防御力だけが取り柄のおチビちゃん、いる?」

 

とっても素敵な笑顔である。

耐性無ければコロッとイキそうだが、その後ろにある物を察知できているので残念な事に悍ましさしか感じない。

 

更に言えば今の一言でさらにマシュが沈み込む。

ちょっと可愛いとか思ってしまった……て、そうではない。

 

この女、今サラっととんでもない事を言いやがった?

 

「いやいやいや必要ですから。必要ですからね?あなた今の俺の惨状見てそれ言える?言えちゃう?」

 

ぶっちゃけ雑魚モンスターといえどもモンスターであることに変わりはなく、ただの一般人であった俺は全身切り傷やらなんやらでズダボロである。

服も長袖が片方半袖に。ズボンも膝部分に穴があいてとってもワイルドな感じになってしまっている。

傷の方こそ、件の魔術やらなんやらで治りが早いのか、殆ど目立たないものの、実際の所はちょくちょく切れたりしていたので、服は綺麗な白から斑の赤へと染め直されてしまっている。

 

ぶっちゃけ、武器も殆ど傍目に限界寸前である。

 

それ見て今のような一言を言い出すのだから末恐ろしい。

 

死ねってか?

 

死ねってかオイ?

 

そんな俺の視線に乗る物を察してくれた様で、途端に所長は手を振ってそれを否定し出す。

ここだけ見ると年相応の女の子っぽくてとても可愛らしい。

これで普段の余裕のなさとか、無理やり演じているような悪人っぽさがなければ、ハナマルあげれるのだが…

 

「…今変なこと考え………ハァ…まあいいわ。一々突っ込んでいたらいつまでたっても話は進みませんし……いったところで無駄でしょうしね……正しく言えば、あんなポンコツよりも、もっと有能なサーヴァントが欲しくない?ということです」

 

……え?

 

「え、いいんですか?魔力の供給しきれなくなったりとかって……」

 

そう俺が疑問を呈すると、所長は溜息を一つ。同時に頭に手を置いて首を振る。

……段々この子のパターンが解ってきたな…この反応ということは……

 

「……俺、その説明のとき、寝てました?」

 

「…コッペパンの直前です」

 

居た堪れなくなって直ぐに土下座して謝った俺は悪くない。

 

「先輩。熱い鉄板をお持ちしましたので、どうぞ」

 

そしてキノコ。いつの間に復活したし。

 

 

そしてなぜそんな物を持ってきた?

焼き土下座?

焼き土下座やれってか?

 

 

やらねーよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

「「あっ」」

 

 

 

 

 

 

……以上が、カルデアにおける英霊のシステムです。

 

 わ か っ た か し ら ? 二 人 と も ?」

 

「「ハイ、スミマセンデシタ」」

 

所長の解り易く、とてもありがたい授業を終えて、俺達は御礼の言葉とともに所長に手を合わせた。

 

なんの事はない。

 

むっちゃ怒られたついでにシステムを説明されただけである。うん。

簡単に纏めると以下のようになるらしい。

 

1.カルデアにおいての英霊召喚は、聖晶石と呼ばれる(さっきから俺がちょくちょく拾ってた)七色の石を4つ対価として用いることで行える(例外有り)

 

2.召喚された英霊はカルデアのマスターとして登録された物に授与される『擬似令呪(味方サーヴァントの回復、或いは復活のみに特化したもので、時間経過で回復するらしい)』を通して管理される。

 

3.召喚後はカルデアマスターに配布されている特殊装置『サーヴァンテイカー』で、強化、概念礼装の装備管理、宝具強化といった諸々の管理が行える。(擬似令呪を持ち、且つ召喚者であることが必須)

 

4.サーヴァンテイカーと擬似令呪を通した場合、1度に使役できるサーヴァントは5体まで。ただし、サーヴァンテイカーが擬似令呪を通してマスターの技量を数値化しており、数値化されたそれを超える同時使役は不可能。

また、特例としてサーヴァンテイカーそのものに登録されている英霊をサポーターとして戦闘に参加させることが可能。

 

……どこのソシャゲ、或いは○ガテ○とかのシステムだとか思った俺はもうダメなんだろうか?

 

…兎も角、その擬似令呪とサーヴァンテイカーとやらがあれば、マスターの負担を考えずに英霊の使役がある程度可能らしい。

ただ、本来の令呪と儀式を用いた物とは違い、絶対遵守の命令権などは一切無く、呼び出したサーヴァントからの反逆もあり得る、という博打的なものも入っているらしい。

 

所長いわく『まず有り得ない。居たとしても反英霊か、生前王位などに就いていた者くらい』だそうだが……英霊扱いされそうなのって、大体王様とかなのではないだろうか?

 

…ともあれ、さてどうするべきかと思案する。

 

幸い、雑魚は周囲に現在居ないようで、更に言えばマシュが復活してくれている。

あれの身体的頑強さ“だけは”信頼に値するので、万が一の時も大丈夫だろう。

そう考えて、目先の問題に没頭する。

 

(…新しい英霊、か)

 

魅力的な話ではある。

ぶっちゃけマシュがいくら頑強とは言え、俺が一応対応できているとは言え、二人ではどうしても限界がこの先出てくるだろう。

そう考えると、新戦力は必須だ。

 

ただ、懸念事項として、呼び出した奴が反逆してくる、というものがある。

 

所長はああ言っていたが、まあ、反逆される可能性は高いと思ったほうが良いだろう。

考えうるそう言う奴としては、アーサー王伝説のモードレッドとか、明智光秀とか、かな?

まあ、今出した二人は史実調べる限り十分同情できる部分があるので、その限りではないだろう。

 

でなければ、織田信長とか、曹操、ギルガメッシュとかだろうか?

……この3人は十分有り得そうである。

特に前者二人だ。野心家どころの騒ぎではない。

片や第六天魔王。片や魏の建国者である。

ギルガメッシュも名君時代ならばともかく、青年期以降の暴君時代のが出てきたら一発アウトな気しかしない。

ちょっと機嫌損ねて『デデーン』の未来しか見えん。いや、マジで。

 

無論、そこまで人の話を聞かないような連中ではないとは思いたいが……いや、所詮後世に伝わった話である。実際なんてわかったものではない。

事実、フランスにおける『パンがなければケーキを食べればいい』で有名なマリー・アントワネットも、実際にはそんな事言ってはおらず、むしろ国民の為に貴族に金を借りんと頭を進んで下げに行くという善人であった、と最近では再評価されているのだ。

 

あの源義経だって、実際にはKYな戦バカだったという話もある。

 

そう考えれば、ある意味先に挙げた3人でもいいのかも知れない。

むしろ、織田信長が来れば当時の暮らしなどが直に聞けるためにいい勉強になるかもしれないのだ。

物は受け取り様である。

 

 

(……と、なれ、ば……)

 

ポケットから聖晶石を取り出す。

数は16。一回4つ消費なので、合計4回までできる算段だ。

 

1つ砕くことで味方の回復もできる万能の鉱物らしいこれを4つ……戦闘用に幾つか常備するとして……

 

 

 

 

 

 

 

 

「……よし」

 

やがて俺は“それ”を決めると、所長に石を手渡す。

 

 

 

渡した数は――――――8つ。

 

「―――2回、ね……まあ、最初だし、それが無難かしらね」

 

そう言いながら、彼女はマシュから盾をひったくると、そのまま地面に転がす。

……なんだかんだ言って、彼女相当力があるのではないだろうか?

あの馬鹿でかい盾をあそこまで雑に出来る辺り、実は俺よりも腕力あるのではないだろうか?とか思ってしまう。

 

そんな俺の葛藤を他所に、彼女はささっと準備を済ませていく。

どうもマシュの盾はカルデア本拠地との通信用魔法陣としてだけでなく、召喚用魔法陣としての機能もあるらしい。

便利な機能だが、さて、そうなるとますます彼女と融合した英霊が誰なのかが気になってきた。

あそこまで多機能極まりないと、もはやあれ本来は盾じゃないんじゃないか?とさえ思えてくる。

実に、興味深い。

 

「……よし。これで準備完了。あとは術式を起動して……ああ、志郎。ちょっと来なさい」

 

そんな事を考えていると、所長に呼ばれる。

何かと近付くと、彼女はその手に持ったブローチ型の携帯端末を手渡してくる。

これまでの会話からするに、これはおそらく――――――

 

「――――――サーヴァンテイカー、ですか?」

 

「正解です。一応私専用の物だけど、擬似令呪の無い人間には、スマートフォンよりちょっと高性能な携帯端末でしかありません。

 

 

――――――今回の事件の間に限り、あなたにこれを預けます。」

 

そう言って彼女は、俺が無意識に出した手の上にそれ(ブローチ型サーヴァンテイカー)を置いてくる。

 

……少し、スマートフォンよりも重い気がした。

見事な白い花をあしらった様なデザインで、携帯端末というよりもアクセサリーという感じがした。

 

「…いい趣味ですね。色も相まって、所長によくお似合いだ」

 

「お世辞だと思うけど、ありがとう。色については、父がオーダーしたから、当然かもしれないわね」

 

その言葉に、ふっと彼女の顔を見る。

少し寂しげな、でもどこか嬉しそうな、複雑な笑顔だった。

地雷ではないのだろうが…少し、無神経だったかもしれない。

 

謝ろうとして口を開いて――――――人差し指で、止められる。

 

「良いのよ。もう過ぎた事です。それに――――――正しい使い方をしてくれた方が、良い供養になります」

 

そう言って、彼女は目を盾に向ける。

話す事は何もない。…そう言っているようだった。

流石にそうなっても何か言うのは無粋だ。

そう判断して、目をこちらも盾の方に向ける。

 

既に盾の上部分にはいくつもの光が高速で回転しており、青白い稲妻が迸っている。

いっそ幻想的なのだが――――――なんだろう?この不安は。

 

 

何やら――――――頭がもっと痛くなりそうな、そんな予感がする。

 

 

「あ、あの、所長?やっぱr――――――

 

やめません?

そう呟こうとした瞬間、

 

 

 

周囲が、光で包まれた。

 

 

 

 

 

 

一時的に強烈な光で失われた視力が段々と戻ってくる。

ぼやけていた視界に輪郭が戻ってくると同時に――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――明らかに身長が3m超えてるのではないかと思えるような上半身半裸の、黒く長い髪をたなびかせた、灰色のガチムチマッチョのバケモン。

 

――――――パンツ丸出しな上に、なんだか戦国時代より前の武士の着物と鎧を最大限露出全開にしたような、もはや半分以上裸といってもいい、もうまごう事無き痴女。

 

 

 

 

という、あまりにも衝撃的なのが眼前に仁王立ちしていた。

 

 

「「「  」」」

 

俺無言。マシュ無言。所長無言。

というか、全員絶句していた。

 

 

 

……いや、当たり前だろう。うん

 

 

 

 

 

何が悲しくてガチムチのバケモンと痴女2号が出たことを喜ばねばならんというのか。

 

 

特に痴女の方である。

 

 

ゆっくりと微笑み、天を仰ぎ、大きな声で俺は叫んだ。

 

 

ありったけの声で、叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――――――――――チェンジ!!!!!!」

 

痴女1号(マシュちゃん)曰くそれはそれは高らかで、よく通った声だったという。




いかがでしたでしょうか?
どうも雑炊です。

今回は英霊召喚ということだったのですが、色々と独自設定をぶち込んでます。
特に擬似令呪とか、サーヴァンテイカーですね。
なお、後者は他にも色々と形がある設定ですので、その内また別のやつを出すつもりでいます。


召喚された2体
→実はどちらも実際に私が召喚した奴です。
順番は痴女→ガチムチのバケモンですね。
どちらも10連ではなく、単品の呼び出しでした。
……後にまたも単品で高レア度のキャラ出してるので、もしかすると10連よりも単品の方が良いのが出るのか……?(お目目ぐるぐる

あ、因みにホントのホントに最初の召喚で痴女が出てますです、はい。
今もう霊基再臨して、宝具レベル4まで育ててますですはい。
絆もMAXです。


……でも、スタメンに入れられてないというこの不遇……ごめんよポンポコ丸……

あ、ガチムチさんは余裕のスタメンです。
脆いけど、単品で並みの宝具級の一撃出してくれますので、重宝してます。


……脆いですけどね!!!



マスターと喧嘩する菌糸類
→この世界線の二人は多分当分こんな関係。
菌糸類は一応デレてる(つもり)なのであとは志郎次第ですね。

……ロリコンの称号を受けるのが嫌なので、早々無さそうですが(苦笑

頑張れ、キノコ。


というわけで今回はここまで。
次回から、またちょくちょく戦闘混ざってきます。
杖の彼……も、次くらいでしょうか?

では、また次回
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