-2030年7月16日-
-福岡県福岡市博多区
-博多駅[11:00]-
「大人しくしろや!」
「女、子供はこっち。ジジイとババアはあっちだ!」
普段は通勤通学で人が賑わう駅の改札口前の広場で多くの人々の目前に非日常的な光景が広がっていた。
2時間前、テレビの中東情勢のニュースでよく見かけられる特徴的な小銃を持った男女のグループが広場を占拠し自分たち市民に銃を向け怒号が飛び交う。
銃で脅され駅の数カ所に座らせられる人々。男は広場に、老人たちは駅のホームに、女や子供は室内に連れて行かれた。
「注目せよ!」
イヤホンを握った女が群衆に呼びかけ注目を浴びる。
「よく聞け!我々に逆らうとどうなるか諸君はわかっているいることだろう。諸君はまず大人しく我々の話を聞きたまえ!」
そう言って女は駅の壁際を指差す。
その指先に20人以上の制服姿の警察官、一般市民、高そうなスーツを着たご老人たちが一列に壁際に倒れかけていた。 皆それぞれ身体から血を流し苦しんだ表情で死んでいる。当初、治安出動した警察関係者や武装したこの集団に逆らったり人々が壁に並べられ、多くの群衆が観る目の前で一斉に射殺にされた。
近くの排水口からは多くの真っ赤な液体が溢れ、駅周辺は鉄臭い臭いが蔓延している。捕まえられた人々は『自分も逆らうと殺される』という恐怖に支配されていた。
「よし!君たちは賢い!この駅は我々連邦軍が占拠した!これからお前たちはあるところに輸送されることになるだろう!」
「いずれこの日本と呼ばれる地域は我々中華連邦に組み込まれ、多くの人民に幸福と繁栄をもたらすだろう!!!」
「我々とともに来るのだ!諸君!ここには我々に賛同してくれる日本人もいる!今日はその彼らに来てもらった!」
演説をしていた女はイヤホンを後ろにいた若い男に渡し交代した。
「…はじめまして!僕は西南院大学3年生の後越宏ごえつひろしです!皆さん!連邦の人たちは良い人たちです!」
意気揚々と健康的な日焼けをした大学生がイヤホン越しに喋り始めた。
「そこの壁際に倒れている人たちは僕たちを地獄に連れて行こうとする権力者たちです。連邦の人たちは彼らから僕たち日本国民を救っていただきました!戦争は悲しみしか生まれません!彼らはいい人です!連邦人と仲良くなってこれからの日本を良くしましょう!」
滑らかな口調聞き取りやすく魅力的な声で演説を進めていく。反発的な聞いていた人々は徐々に従順な態度に変わっていく…。
「連邦の人たちはこれからの多大な援助を約束してくれています!日本は復活するでしょう!みんなで新しい日本を幸せを創って行きましょう!」
ここで後ろの連邦軍の兵士、大学生、賛同している日本人が大きな拍手を響かせた。聞き入っていた群衆たちも思わず拍手し中には歓声もあげる人々も現れ、人々の心情は恐怖一面から連邦軍への好意大に変わった。
「…愚かなものだな。日本人は…」
「全くです。大佐」
広場から離れた歩道橋の上でその様子を眺める2人の連邦軍人が立っていた。
「新型の神経ガスはよく効いている。日本人の学生もうまく群衆をコントロールしてくれている」
大佐と呼ばれた女性が馬鹿にするように微笑み語る。
連邦軍は駅の数箇所から人々に連邦軍を好感的に見えるように洗脳しやすくする神経ガスを散布していた。しかし、万人に効くものではなく抗ワクチンを打った者には効かない。兵士たちは全員ワクチンを打っていた。
洗脳させるため遥か昔から中国が裏で支援している日本の平和団体に所属していた大学生に金を握らせて将来の統治機構への就職斡旋を餌に、スピーチによって印象操作をさせた。
「この国の学生は操りやすいな。餌をぶら下げたらすぐに食いつく」
「ええ。平和団体や難民に紛れたエージェントによる破壊工作で警察や自衛隊の戦力を効率よく削れています。九州の築城・新田原の航空基地、佐世保基地の制圧状況は80%終了。レーダー基地はすべて制圧。自衛隊の地上部隊は丸裸も同然です。ここまで順調に進行しております」
「あぁ。本作戦はこの国が数年前に半島難民を受け入れたおかげで上手くいっている。そのときの難民に紛れて我々の工作員を入国させることができた。全くもって日本は甘い!」
手にもった報告書を部下の軍人が読み、女大佐は再び嘲笑する。
「文句なしの大戦果だ。もうじき海軍陸戦隊の上陸も行われるだろう。…あと、支援者となった朝鮮人どもには多大な勲章を与えんとな」
女大佐は今まで以上の絶大な笑みを浮かべ喜びに体を震わせる。
「大佐。もうすでに『例のモノ』を与えておきました…」
「例のか。奴らも喜ぶだろう」
部下の男と女大佐はは陰湿な笑みを浮かべていた…。
-駅の一室-
「いやぁやめ…て…」
「ヒヒヒ…」
「あまり楽しむな次は俺だ…」
「ひぃぃぃぃた…すけ…」
暗がりで服を破かれ涙目で抵抗する女性に向けて男は無理やり腰を振る。周りには数人の裸の男が取り囲んでいた。あまりにうるさかったのか男は女性に2、3発拳を振るった。しばらくして女性の意識は途絶え事切れるも男たちは獣のように廻しながら腰を振り続けた…。
すると部屋のドアが開かれる。
「…お前らそいつ死んでんぞ」
入ってきた男が指をさして言う。
「ホントだ。おい、徐ソ。つまんねぇな次のやつを連れてきてくれ」
「出来れば胸がデカいやつ頼む」
「俺も俺も」
男たちは下劣な獣じみた目で徐ソと呼ばれた小太り男に言いつけ、徐は人々が閉じ込められた一室へ向かった。
連邦軍の兵士が言った「例のモノ」とは「日本人女姓」である。戦利品である「日本人女性」に朝鮮人工作員たちは本能のままありつき、あらゆるところで悲鳴が上がっていた。
「これからこの国は俺たちのものだ」
「俺たちの先祖を虐めた日本人よりも俺たちが支配したほうが数百倍いい」
「飯は美味いし、女は極上、ここは天国だな」
「そうだな、ギャハハハッ」
それぞれの部屋では次々と人質たちが犠牲になっていく。
「さぁて、次はどの女にすっかな?」
監禁室についた徐は気味悪い声で指を舐めながら次の生贄となる日本人女性たちの選別を始める。女性たちは絶望と恐怖に身を震わせる。
「…よぉし、君に決定ぃぃぃ!」
「いや、やめてください!」
肥え太った徐は気持ち悪い笑みを浮かべて紺色のブレザーの制服を着た黒髪ロングの女子高校生の腕を強引に引っ張ってあの部屋に連行し始めた。
女子高生のささやかな抵抗も虚しく徐は女子高生を連れ通路を歩く。
「ヒヒヒ、これは上玉だ。楽しませてくれよ。お嬢さ」
徐が女子高生に振り向いた時、突然、T路地の角から鉄パイプが振り下ろされ徐の頭に直撃する。
「ホゲェァァァァ??!!」
徐は吹っ飛ばされ頭を打ちのたうち回って事切れた。
「…くたばれ。クソ野郎」
T路地から現れた男は鉄パイプを手に言い放った。
次話:平和とは一体