文字数少ないのは仕様です。ここは出来るだけ減らして謎を残したかった。
ちなみに、ちょっとメタイ部分があります。注意を。
記憶というものは科学的には短期記憶は脳の海馬で記憶され、長期記憶は大脳皮質で行われている。という話を聞いたことがある。この時点で一度死んだら記憶を引き継ぐことが出来ないのだが、それは科学の信仰された私の知っている地球の事だけの話なのだろう。
炭素で私たちの体が出来ているのならば老化が無くなることが無いはずなのだから。
だから、この世界は別に人が炭素で出来ている訳でもないかもしれないし、シリコン、ケイ素で身体が構成された生命体がいてもおかしくは無いのだ。
赤い血は鉄、青い血は銅が混ざっているからとも言われているのだよ。つまり、カブトガニの血は青かったはずだから銅が含まれているのだー!
まあ、確か銅じゃ酸素結合効率が悪いというか適していないはずだったんだけど。
何が言いたいのかというと、地球じゃ化学は成り立ったとしても別世界じゃ化学そのものが成り立つかどうか怪しい訳なんだよ。
それと、かなり昔に前世の私は高校で文系を専攻しているって言ってたよね。だからこれはあくまで興味があったから調べただけの事。もううろ覚えだけどね。
「ねえ……今の私は人間?それとも、機械…………?」
「人と同じ形をした妖怪でも神でもない別の存在よ」
金髪美女が遠い目をする。取り残された人のような寂しそうな眼だ。
そういえば私はいきなり名前を呼ばれたから記憶について語ったんだった。現実逃避をしたのさ。
たとえ誰かに埋め込められた記憶でも、それが今の私を構成しているんだから。今目の前にもう一人の私がいて、君は違う記憶を持った偽物だと言われても、記憶が違う時点でオリジナルだと言い張るだろう。
実際は発狂するかもだけど。まあ、嘘ですがね。
数千年過ごすことにただの人間の記憶を持っただけなら私はすでに狂っていたはずだ。何を持ってして私を正常と呼ぶのかは知らないけど。
「それで、幽香。そこにいる金髪の20歳程度の見た目で貫禄や妖力的に絶対に億は生きている人は誰かしら?」
「彼女があなたに会いたがっていた人で会った時から妙に余所余所しいけど友人だと言い張って、少し冷たくすると泣きそうな顔をするし、たまに遠い目をしたり本気で泣く、八雲紫よ」
「ちょ、ちょっと!何余計なことまで話してんのよっ」
先程までの余裕はすっかり無くなり真っ赤な顔をした紫が幽香に涙目で突っ掛かる。それを適当にあしらう幽香。
……うん、どことなく遠慮しているような気がする。
「はぁ、年は取りたくないわね。すっかり涙腺が緩くなったわ」
年寄り臭い発言をしながら髪の毛をいじりつつこちらに向き直る。
……年は取っただろうけど、仕草は若いというか可愛くなったね。紫。
「……あれ?」
さっき何を考えた?初対面……だと思う人だぞ?なんで昔からの親友のような事考えた?
こんな感覚前にもあったな。最初はチルノの時、二回目は永琳を見た時、三回目は美乳妖怪を見た時、四回目は美乳妖怪をだます際についた嘘「月の頭脳」の時。
だが、今回は特に既視感が強いな。
「さて、せっかくの再開も感動的ではなくなったし、やっぱり記憶が無くなっているのね」
寂しそうな、悲しそうな顔をしているのに笑っている。
……なんか、その顔は嫌いだ。好きだけど、どうにかしたくなる。むず痒くて嫌いな顔だ。
「ねえ、貴女は多分元に戻せるでしょうから聞くのだけど」
と、ここで一拍置く紫。
緊張しているようだ。この人が緊張するくらいのことを話すのだろう。
「自分の本当の記憶を、取り戻してみない?」
嗚呼、この世界はやはり地球では無いようだ。
この世界には魔法といった不思議な力がルールの世界のようだ。私の知識など役に立たない。
そして、私は偽物ではなかったが、特に発狂もしなかったようだ。
「やあ」
……久しぶり
「その調子なら、完全に全てを取り戻したみたいだね。姿は幼いままだけど」
ねえ、神様はどこまで知っていたの?
「全部、最初から最後まで知っていたよ?最初の自殺の記憶はただの夢に少し細工をしただけで、本当に出会ったのは死んでからだしね」
干渉は出来ない。それは知っている。でも、ヒントを与えてくれたりサポートしてくれたことにも感謝はしている。
「何か、納得がいかないみたいだね」
……人の性格を作るのは、生まれつきの性格とそれまでの経験、つまり記憶の二つで構成されるものなんだよ。
「つまり、偽物の記憶で動いていた君との折り合いが付かないのかな?」
私は、女だった。でも、この中にはもうすでに男だった記憶もある。だからこそ、紫には記憶を戻してもらっても体の封印までは完全に解いてもらっていなかったんだから。
「どちらも君だと言いたいんだね」
まあ、その代わりにお家に帰る程度の能力と、物理の劣化版、波を操る程度の能力だけになったんだけどね。
「……これで。いや、何でもない」
うん。それじゃあ、またね
「ああ、いってらっしゃい」
「言えるわけないよなぁ。これでいいのかって。力を取り戻しさえすれば、この今までを無かったことに出来るのに、なんて」
あい、それが私の名前だ。まあ、幼女の名前は木五倍子、大人の名前はあいでいこうと思う。これからは。
まるで出世魚みたいだと思うけど、これは私の中のルールでもある。
記憶の無かった、元男としての私。そして、別世界を知る管理者側でありながら幻想郷が好きで住んでいた私。
どちらも私なのだ。たとえそれが偽物の記憶でも。
これから少し、私の目線で語る物語は休憩だ。その間は紫の話を聞いたり、一緒にお酒を飲んだり、たまに元の姿になった時に遊んで過ごそうと思う。
今は仙人やら聖徳太子とかがどうのこうのと騒がしい時代らしいけど、それらの知り合いについては『彼』がどうにかしてくれたらしいしね。
ただ、その後は多分、『彼女』がどうにかしたがっていた話のはずだ。まずは彼女が記憶を持っているかと彼女探しをしなくてはいけないんだけど……。
まあ、どれもこれも先の話だ。私も『彼』の記憶が混ざってよく分かっていないかもしれないから紫のこれまでの話を聞こうと思う。
後は、たまに幽香の家にも行かなきゃね。ゆとりを預けっぱなしにしちゃ駄目だろうし。
後は……神綺だろうなぁ。発言的にも彼女は覚えている側の人間だろうし。
早めに話をしておかなきゃなぁ。
さて、私の嘘の物語は休憩、次は紫の嘘吐き話を聞こうじゃないか。
そうだ、最後に一つ言っておこう。
私達は大昔に戻った幻想郷のある世界を、未来を知る私達が嘘を吐き、無力に打ちひしがれて、最後は笑うストーリーです。
まあ、嘘だけど?
さぁて!次回は新章です!もう一人の主人公紫ちゃん目線で書いていきます!
ちなみに、木五倍子物語はグロ表現があってもまだ優しい世界です。ゆかりん物語は私が出来る限りシリアスに行きます。
あいちゃん物語は楽しく寂しく書けるといいですね。ゆかりん次第です。