仮面ライダーカブト   作:桂ヒナギク

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「お前はワームに操られていたんだ」
「何ですって!? あなたが正気に戻してくれたの?」
「ああ」
「れ、礼なんて言わないわよ」
 吉崎はそういうと、頬を赤らめた。
「ところで、吉崎は青木を知ってるか?」
「青木? そういえばそんな名前の男が鈴木班にいたわね。それがどうかしたの?」
「青木に伝えてやれ。妹はワームだってな」
「わかったわ」
それじゃ──と、吉崎は去っていった。


Episode 6

 鈴木 茜は青木に言った。

「あなたの妹、志織はワームに擬態されている可能性があるわ」

「そんなことって……」

「悪いけど事実よ」

「調べたんですか?」

「吉崎っていうザビーの資格者がね」

「そんな……」

 落ち込む青木。

 ()(たま)れなくなった青木は帰路に就いた。

 志織がワームだなんて、そんなことがあるか。そう思う青木。

「お兄ちゃん」

 青木が家までの道を歩いていると、後ろから呼び止められた。

 振り返る青木。

「志織……?」

 志織が青木に歩み寄る。

「志織、お前は志織だよな? ワームじゃないよな?」

「ワーム? 何それ?」

「そ、そうだよな! 俺、てっきりお前が殺されたんじゃないかとずっと思ってたんだ」

「死んでたらこうしてお兄ちゃんの前に現れないわよ」

「それもそうだな」

「……あのさ、お兄ちゃん」

 志織の顔に影が差さる。

「何だ?」

「今日、これから空いてる?」

「空いてるけど。……?」

「久しぶりに会ったんだからさ、どっか食べに行こうよ」

「ああ、そうだな」

 青木は志織と並んで歩き出した。

 その後ろをゼクトルーパーが()ける。

 それに気付いた志織は、彼らを誘い込むことにした。

「晩御飯には早いから、どっか寄っていこう?」

 そう言って、志織は青木と一緒に公園へ入っていく。

 公園の広場で、二人はゼクトルーパーに囲まれる。

「お兄ちゃん、どういうこと?」

「やめろ! こいつは俺の!」

 前に出て(かば)う青木だが、その後ろで志織はベルクリケタスワームに変貌してゼクトルーパーをなぎ倒していく。

 ベルクリケタスワームが志織の姿に戻ると、サリスたちが現れた。

「お兄ちゃん、私の仲間が、お兄ちゃんに擬態したいって」

「……………………」

「お兄ちゃんもワームになって、ワームの中で生き続けようよ」

 突然のことで戸惑う青木。

 その時、赤木が現れた。

「人は人を愛すると弱くなる……けど、恥ずかしがることはない。それは本当の弱さじゃないから」

「……赤木?」

 サリスたちが赤木に接近する。

 赤木はカブトに変身し、カブトクナイガン・アックスモードでサリスたちを粉砕していく。

 志織はベルクリケタスワームに姿を変えると、カブトに襲いかかった。

「ぐっ!」

 倒れるカブトだが、直ぐに立ち上がり、また攻撃を食らう。

「どうして戦わない?」

「これは俺のではなくお前の戦いだ。どうする? 決めるのはお前だ」

 青木は木偶の坊状態のカブトを見て腹を(くく)った。

「もうやめてくれ……。カブト! 頼む!」

 倒されたカブトはすっくと立ち上がる。

「キャストオフ」

 ゼクターホーンを展開。

 ファンデルワールス力でくっついていたマスクドアーマーが浮き上がる。

{CAST OFF}

 マスクドアーマーが弾け飛び、顎のローテートを起点にカブトホーンが起き上がってライダーフォームになるカブト。

{CHANGE BEETLE}

 雨が降り始めた。

「クロックアップ」

 カブトはサイドバックルを叩いた。

{CLOCK UP}

 降っていた雨が宙で静止した。

 カブトは目にも留まらぬ速さでベルクリケタスワームを攻撃していく。

 ベルクリケタスワームは反撃する間も無く圧されていた。

「は!」

 ベルクリケタスワームを思いっきり蹴り飛ばすカブト。

{ONE TWO THREE}

 フルスロットルを押し、ゼクターホーンを倒してパワーをチャージする。

「ライダー……キック……」

 カブトはゼクターホーンを展開。

{RIDER KICK}

 クロックアップで接近してくるベルクリケタスワームに、カブトは必殺のカウンターキックを叩き込んだ。

「ぐわ!」

 吹っ飛ばされて倒れるベルクリケタスワーム。

{CLOCK OVER}

「お……お兄……ちゃん……」

 ベルクリケタスワームは徐に立ち上がって言う。

 青木がベルクリケタスワームを見る。

「し、志織!」

 ベルクリケタスワームは微笑むと、爆裂霧散して消滅した。

 雨が止み、変身を解くカブト。

「赤木! 俺は、いつかお前を超えてみせる!」

 そういう青木に対して、赤木は笑みを浮かべるのであった。

 




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