「何ですって!? あなたが正気に戻してくれたの?」
「ああ」
「れ、礼なんて言わないわよ」
吉崎はそういうと、頬を赤らめた。
「ところで、吉崎は青木を知ってるか?」
「青木? そういえばそんな名前の男が鈴木班にいたわね。それがどうかしたの?」
「青木に伝えてやれ。妹はワームだってな」
「わかったわ」
それじゃ──と、吉崎は去っていった。
鈴木 茜は青木に言った。
「あなたの妹、志織はワームに擬態されている可能性があるわ」
「そんなことって……」
「悪いけど事実よ」
「調べたんですか?」
「吉崎っていうザビーの資格者がね」
「そんな……」
落ち込む青木。
志織がワームだなんて、そんなことがあるか。そう思う青木。
「お兄ちゃん」
青木が家までの道を歩いていると、後ろから呼び止められた。
振り返る青木。
「志織……?」
志織が青木に歩み寄る。
「志織、お前は志織だよな? ワームじゃないよな?」
「ワーム? 何それ?」
「そ、そうだよな! 俺、てっきりお前が殺されたんじゃないかとずっと思ってたんだ」
「死んでたらこうしてお兄ちゃんの前に現れないわよ」
「それもそうだな」
「……あのさ、お兄ちゃん」
志織の顔に影が差さる。
「何だ?」
「今日、これから空いてる?」
「空いてるけど。……?」
「久しぶりに会ったんだからさ、どっか食べに行こうよ」
「ああ、そうだな」
青木は志織と並んで歩き出した。
その後ろをゼクトルーパーが
それに気付いた志織は、彼らを誘い込むことにした。
「晩御飯には早いから、どっか寄っていこう?」
そう言って、志織は青木と一緒に公園へ入っていく。
公園の広場で、二人はゼクトルーパーに囲まれる。
「お兄ちゃん、どういうこと?」
「やめろ! こいつは俺の!」
前に出て
ベルクリケタスワームが志織の姿に戻ると、サリスたちが現れた。
「お兄ちゃん、私の仲間が、お兄ちゃんに擬態したいって」
「……………………」
「お兄ちゃんもワームになって、ワームの中で生き続けようよ」
突然のことで戸惑う青木。
その時、赤木が現れた。
「人は人を愛すると弱くなる……けど、恥ずかしがることはない。それは本当の弱さじゃないから」
「……赤木?」
サリスたちが赤木に接近する。
赤木はカブトに変身し、カブトクナイガン・アックスモードでサリスたちを粉砕していく。
志織はベルクリケタスワームに姿を変えると、カブトに襲いかかった。
「ぐっ!」
倒れるカブトだが、直ぐに立ち上がり、また攻撃を食らう。
「どうして戦わない?」
「これは俺のではなくお前の戦いだ。どうする? 決めるのはお前だ」
青木は木偶の坊状態のカブトを見て腹を
「もうやめてくれ……。カブト! 頼む!」
倒されたカブトはすっくと立ち上がる。
「キャストオフ」
ゼクターホーンを展開。
ファンデルワールス力でくっついていたマスクドアーマーが浮き上がる。
{CAST OFF}
マスクドアーマーが弾け飛び、顎のローテートを起点にカブトホーンが起き上がってライダーフォームになるカブト。
{CHANGE BEETLE}
雨が降り始めた。
「クロックアップ」
カブトはサイドバックルを叩いた。
{CLOCK UP}
降っていた雨が宙で静止した。
カブトは目にも留まらぬ速さでベルクリケタスワームを攻撃していく。
ベルクリケタスワームは反撃する間も無く圧されていた。
「は!」
ベルクリケタスワームを思いっきり蹴り飛ばすカブト。
{ONE TWO THREE}
フルスロットルを押し、ゼクターホーンを倒してパワーをチャージする。
「ライダー……キック……」
カブトはゼクターホーンを展開。
{RIDER KICK}
クロックアップで接近してくるベルクリケタスワームに、カブトは必殺のカウンターキックを叩き込んだ。
「ぐわ!」
吹っ飛ばされて倒れるベルクリケタスワーム。
{CLOCK OVER}
「お……お兄……ちゃん……」
ベルクリケタスワームは徐に立ち上がって言う。
青木がベルクリケタスワームを見る。
「し、志織!」
ベルクリケタスワームは微笑むと、爆裂霧散して消滅した。
雨が止み、変身を解くカブト。
「赤木! 俺は、いつかお前を超えてみせる!」
そういう青木に対して、赤木は笑みを浮かべるのであった。
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