仮面ライダーカブト   作:桂ヒナギク

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Episode 8

 十年前、赤木の両親が彼の見てる前でネイティブに殺害された。

 二体のネイティブは両親の遺体を始末すると、彼らに擬態した。

 それを見ていた赤木に気付いた擬態両親が、彼に歩み寄る。

「どうしたんだ?」

 赤木は恐怖を覚え、その場を逃げ出した。

 その後のことはよく覚えていない。気付いたら祖母の家にいた。

 赤木は祖母に事情を説明し、二人で東京を離れた。

 それから、大人になった赤木は、帰京して警視庁の警察官になった。

 赤木は捜査会議に参加しているが、しかし、頭の中はエピラクナワームとの会話のことでいっぱいだった。

(どっちにつくべきか……)

「……かぎ! 赤木!」

「え?」

「会議、終わったぞ」

 同僚の言葉に我に返る赤木。

 気が付けば部屋には同僚と赤木の二人だけだった。

「どうしたんだ、赤木? ずっと上の空だったじゃないか」

「すまん。ちょっと悩み事」

 その時、署内に放送が流れた。殺人事件が発生したのだ。

「行こう!」

 二人は現場に駆け付けた。

 現場の遺体はドロドロに溶けていた。

 赤木は遠くでこちらを見ている女に気付く。

 女は容姿端麗で、赤木の胸が高鳴った。一目惚れをしたのだった。

(あの人は……?)

 赤木が見ているのに気付いた女はその場を立ち去る。

「どうした、赤木?」

「いや、今、女性がこっちを見ててな。すげえ可愛かった」

「惚れたのか?」

「なっ……!? んな訳ないだろ!」

「どうだか……」

「聞き込み行くぞ」

 近隣で聞き込みを開始する赤木たち刑事。

 あちこちで聞き込みをしていると、先ほどの女性を見付けた。

「君!」

 赤木は女性に歩み寄った。

「君は、さっき殺人現場の近くにいたね?」

「え? ええ、まあ……」

「君の名は?」

金子 聡美(かねこ さとみ)です」

「金子さん、あなたはなぜあそこに?」

「た、たまたま通りかかっただけですよ。そしたら刑事さんたちが来て」

「被害者と面識は?」

「ないです」

 赤木は遺体の遺留品にあった運転免許証を思い出した。

 顔も名前も同じだ。

「そうですか。もう結構ですよ」

 頭を下げて立ち去る聡美。

 赤木は聡美を尾行した。

 聡美は赤木の尾行に気付くと、角を曲がりながら走った。

「……!?」

 赤木は追いかけるが、行き止まりであるのに聡美の姿がない。

「まだ何か?」

 聡美が背後に現れて訊ねた。

「ワームか?」

 聡美がサリスに姿を変えた。

 赤木の手に収まるカブトゼクター。

 刹那、赤木の脳裏にエピラクナワームの言葉がよぎった。

 変身すべきか……。

 赤木は迷う。

 サリスは言った。

「戦わないのですか?」

「お前たちの目的は、角の生えたワームを倒すことなのか?」

「ご明察」

「ではなぜ擬態した人間を殺す?」

「人間? 何を言ってるのです? 我々はネイティブを倒し、そのネイティブだった者に擬態しているにすぎないのですよ」

「それに嘘偽りはないんだな?」

「ええ」

 サリスは聡美の姿に戻る。

 そこへゼクトルーパーがやって来る。

「撃て──っ!」

 ゼクトルーパーが聡美に向かってマシンガンを放った。

 聡美はサリスになり、抵抗する。

「うわ!」

 次々に吹き飛ばされるゼクトルーパー。

「やめろ! 人間を巻き込むな!」

 サリスは攻撃しながら訊ねる。

「なぜ? 彼らはネイティブに味方してるのよ?」

 その様子を、物陰から見ている何者かは、「お前は私のもとまで辿り着けるかな?」と。

 

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