話は五年前に遡る、小学校の卒業式、とは言え面子が変わるわけでも無く、一人歳下の紫がようやく六年に上がるというぐらい。
何時も皆で集まる原っぱには、先に中学に上がった百代も来ていた。
「本当・・・なのか?」
皆の軍師である大和が、確認のために問いかけてくる。
「ああ、本格的な修行をするために三年程、だな」
俺がそう答えれば、今にも泣きそうな顔をしているのは妹分の一子だ。
「泣くなよ一子」
「でもぉ・・・」
ため息一つつきながら、周囲を見回す。
百代、大和、翔一、忠勝、一子、京、岳人、卓也、紫の九人、これに自分を合わせて風間ファミリーと呼ぶ、自他共に、だ。
「先ずは大和、お前はその厨二病直せ」
「努力する」
皆の制御役となり得る大和。
「翔一、お前はそのままで良い」
「おうよ!あったりまえだろ!!」
リーダーでムードメーカーな翔一。
「忠勝、皆の事ぁ頼むぜ、お前が一番頼りだ」
「任されよう」
本格派ツンデレな世話役である忠勝。
「ほら泣きやめ一子」
「でも・・・」
「お前の笑顔は皆を明るくする、だから可能な限り笑顔でいろ」
「うん」
頑張り屋で一番可愛げのある一子。
「京、お前はもう少し他とコミニュケーションを」
「・・・・・頑張る」
「今の間が不安だ」
大和ラブで他人とのコミニュケーション能力が低い京。
「岳人は・・・・どうでもいいや」
「うぉい!!」
愛すべき筋肉バカ、岳人。
「モロ・・・・ツッコミは全て任せた」
「なんでそんなの任せるのさ!?」
数少ないツッコミ専門、卓也。
「お前は・・・」
「ふふふ、結婚してくださいまし義兄様」
「良い兄妹でいような」
孤児院の頃から何故か懐きまくって最近求婚まで始めた紫。
「モモ先輩」
「ん?」
「・・・皆を、頼みます」
「・・・・・分かった、任せろ」
短い返答だが、むしろ今はそれが信頼出来るモモ先輩。
バッ、と身を翻し、背を向け歩き出す、ヒラヒラと、手を振りながら。
「アバヨ!」
ただ短い言葉、頬を伝う雫、こんなツラは見せられない。
「涙降り、友との別れ、惜しむ人、その心根は、次に向かいし・・・といったところかのぅ」
「いたのか、ジジイ」
目の前には、義祖父である立花雲骸がいる、何年生きているかは知らないが、かつては剣聖とも呼ばれた実力者らしい。
「あんな別れで良かったのかのぉ?」
「良いんだ、俺とアイツらはこれで・・・それに」
グッ、と袖で涙を拭う。
「俺ぁ必ず戻って来る、ここにな」
誓い、その名の下に、少年は決意する。
物語の始まりですね、ここから全てが始まるんです。そして既に忠勝が風間ファミリーにいます。そのほうが作者的にやりやすかったんで。まぁ何はともあれ次回から本編突入、以後をご期待ください。