真剣で私に恋しなさいSS(ダブルエス)   作:雷の人

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第四話:箱根DEゴー

:GW:島津寮:朝

京、紫、クリスやまゆっちが元気にランニングに出かけると、大和が悠に質問をしていた。

 

「そう言えば悠ってトレーニングとかしてるの?」

「二日に一回、決まった量をな」

「毎日じゃないんだ?」

「体を酷使しすぎてもいけないからな、一日鍛錬、一日休みという感じさ」

「そんなんで大丈夫なの?」

「バトルスタイルの違いだろ」

「つまり?」

「そうだな、判り易く説明してやるよ」

 

と、悠がホワイトボードを引きずり出してきた頃、何故か男性陣が集合していた。

 

「なんで全員来てんだ、待ち合わせまで二時間もあるぜ」

「いやー、話を聞いて時間を潰そうと」

「右に同じ」

「左に同じかな」

「まぁ・・・暇だしな」

「俺様も興味、あるぜ」

「まぁ女子連中に比べて武力方面が劣るからな、これも良い機会だろ」

 

ホワイトボードに真っ直ぐに縦線を引く。

 

「まぁ大まかにバトルスタイルといっても二種類だ、一つは・・・・」

 

書かれる名前は百代、一子、クリスの三人。

 

「こいつら三人の場合は『動』、基本的に自分からしかけるタイプだな」

 

次に京、紫、まゆっちの三人の名前が書かれる。

 

「こっち三人は『静』、待ちぶせ、カウンターが得意なタイプだな」

「?で、悠はどっちなんだ?」

「俺はだな」

 

悠が名前を書いたのは中間地点だ。

 

「俺はどっちでも行けるからな、多分まゆっちもどっちでも行ける、モモ先輩もできるが・・・あの人ぁ先ず無理だろ、大人しくするタマじゃねぇ」

 

ああ、と納得する一同。

 

「で、俺の場合両方を使い分けるから実際戦う時の負担がでっけぇ、普段から無理してたらベストな状態で戦うなんてできねぇ、だから効率を考えてってぇ訳さ」

 

:島津寮:出発一時間前

 

悠、まゆっち、忠勝、京、紫の5人がおにぎりを握っていた。

 

明太子、ツナマヨなど今時な具で握る悠。

 

梅、鮭などお馴染みの具で握るまゆっち。

 

昆布、おかかなど玄人好みの具で握る忠勝。

 

ハバネロとワサビを混入させている京。

 

チョコとかマシュマロとか入れてる紫。

 

「お前ら二人だけで食えよそれ」

『えー』

 

どこか不満げな京と紫だった。

 

:移動中:電車『特急踊り漢』車内

四人座席で現在の組み合わせは百代、一子、大和、京で一席、悠、紫、忠勝、まゆっちで一席、岳人、モロ、クリス、翔一で一席となっている。

 

既に席を離れて近くにいた女子大生にちょっかいをかけにいく百代。

 

ガツガツとおにぎりを貪る一子、岳人。

 

それぞれ悠、モロの肩にもたれかかって寝る忠勝、翔一、それを見てなぜか色めきたつ京、紫、クリス。

 

電車について熱く語るモロとそれを関心しながら聞くまゆっちと、皆フリーダムだった。

 

:箱根湯本

ここから更に車で30分のところに旅館はあるのだが・・・

 

「アタシは走って旅館までいきまーす!」

 

メッチャ元気な一子。

 

「勝負よクリ!どっちが旅館まで先につけるか!」

「面白い、自分もノルマはこなしたがそこまで鍛錬に精を出すなら付き合おう」

「仕方ねぇ、コイツラ心配だからついてくぜ」

 

結局一子、クリス、忠勝が走って旅館を目指す事に。

 

「んじゃ俺らぁバスで向かうぞー」

「うぇーい」

「了解です」

「あんたらとことんクールっすね」

「ええと・・・ええと・・・」

「迷うぐらいならバスに乗れ」

 

迷っていたまゆっちを乗せ、一路、9人はバスで旅館へと。

 

「さて、と翔一が爆睡してるから俺が代理で仕切る!」

 

と、悠がまとめ役を買って出ると。

 

「待て、ここは年長者らしく私が仕切ろう」

 

と、百代が横から入ってくる。

 

「温泉は二十四時間入り放題!晩飯までは時間が余っている!取り敢えず好きに行動しろ!」

 

岳人とまゆっち、紫は土産物屋を見に出かけた、翔一と京、大和は男性部屋でまったりと、百代とモロは女性部屋でゲームに夢中だ、さて悠はと言えば走って登ってくるチームを待つ事にしたのだが・・・

 

「・・・・・・・・・ってか遅ぇなぁ」

 

既に二時間が経過するが中々こない、そう思っていると向こうから土煙。

 

「そぉらぁあああああ!ラストスパートォォォッ!!!」

「絶対にっ!!負けん!!!」

「おうお前ら遅・・・・・」

 

距離3m、減速、無し。

 

「ってうぉおおおおおおおおいっ!!!!?」

 

激突寸前で横っ飛びする悠。

 

「ゴォオルッ!!!同時か・・・やるわね!」

「やるな!スピードは互角か!!」

「テメェら轢き殺す気かゴラァ!!!」

「え?いたの?」

「スマン、気づかなかった」

 

唖然としていれば、ジョギングスピードの忠勝が追いついてきた。

 

「なんかあったのか兄貴」

「轢き殺されかけた」

「・・・・・まぁ頑張れや」

 

ポン、と肩を叩かれる悠だった。

 

:翌日

 

皆で朝から川釣りをする事になった。皆が思い思いに散っていく。

そんな中、珍しい組み合わせなのは悠とまゆっちの二人だった。

 

「あぅ、すいません・・・」

「気にすんなよ、女の子だもんな、ほれ、餌付けたぜ」

 

餌がつけれなくて四苦八苦していたまゆっちに声をかけ、悠が餌をつけて上げていた。

 

そして少し離れたところではクリスの釣竿に大和が餌をつけていた。

 

『妬ましい・・・・・・』

「こらこら女子二人、怨念篭ってるぞ」

「怖いわ」

 

ハンカチでも噛みそうな勢いでそれを観ている京と紫、とそれをなだめる百代と怖がる一子。

 

「ゲンさん!この魚川下のキャンプ場で売る!手伝ってくれ!!」

「ああ?ったく・・・仕方ねぇな、勘違いすんな、テメェが他人様に迷惑かけないように見張るだけだからな」

 

川下に釣った魚を売りに行く翔一と忠勝。

 

「何故釣れない」

「釣れないねぇ」

 

一匹も釣れない岳人とモロ。

 

そんな感じで時間が過ぎていく・・・・・・

 

『!?』

 

百代と悠、まゆっち、紫の四人が、同時に森へと視線を向けた、鋭い気配が、十と少し・・・反射的に周囲を見る悠。

 

「京と一子はどうした!?」

「さっき森にはいったままだな・・・」

「ちっ・・・モモ先輩!黛!紫ぃ!翔一と忠勝を回収して皆を集めておいてくれ!」

「悠さんはどうするんですか?」

 

まゆっちが、思わず問いかければ。

 

「あっち行ってくらぁ」

 

森の中を指差し、次の瞬間には残像を残して駆け出している。

 

しばらく、森の中をかけながら、気配を一つ一つ潰していく、どうやら軍人のようだ、一瞬聞こえた言語からすればドイツ軍か。

 

「・・・・・・・いた」

 

京と一子、そして眼帯の女性軍人。

 

「京ぉ!一子ぉ!!」

 

その言葉に振り向く二人、そして軍人の視線がこちらへと向く。

 

「俺が・・・・・・相手だぁ!!」

 

繰り出される掌打、それを軍人がトンファーで防いだ。

 

「っ!!貴様・・・虎レベルですね、良いでしょう!相手をしてさしあげます!」

「悪ぃが付き合ってやるつもりはねぇ!!」

 

右腕一本でトンファー二本の打撃をさばきながら、左手に気を溜め込む。

 

「凄い・・・・悠兄、強い・・・・」

「うん、分かる・・・・すごく強い」

 

一子と京の二人は、悠の手さばきに驚嘆していた、得意な武器を持っていなかったとはいえ自分たち二人がかりでもあしらわれた相手が、今目の前で悠に片手であしらわれている、今の悠の実力は自分たちの想像を遥かに超えた位置にある。

 

「立花流・・・・・・『紫電』!!!」

 

雷属性の気を付加した掌打は、見事に軍人のみぞおちを捉えている。

 

「ぐっ・・・・・・!?」

 

「おーい、大丈夫かー?」

 

百代を先頭にして皆が登場する、と。

 

「マルさん!」

「お嬢様、お久しぶりです」

 

二人を何度も見る一同、そして・・・・・・

 

『知り合いかよっ!!?』

 

それからしばらくして、クリスの父フランクも登場し、事態を把握する。

 

娘の初めての泊りがけ旅行が心配でわざわざ様子を見に来たそうなのだ、部下付きで。

 

更に眼帯軍人・・・・マルギッテ・エーベルバッハもGW明けに学園に転入してくるらしい。

 

ともかく・・・・・・一同は釣りへと戻った。

 

翔一とモモ先輩は飽きて旅館へと戻る。

 

一子と忠勝は二人並んで釣りの最中。

 

大和と京、クリス、紫、岳人、モロが集まって何やら騒いでいる、そして・・・・・・

 

「中々釣れませんねぇ」

「まぁ・・・・そういう事もあるさ」

 

悠はまゆっちと二人で、並んで釣りをしていた。

 

:その日の夜

 

明日、大和とクリスが決闘を行うらしい、まぁ何かと反目し易い二人だ、ここで互いにぶつかり合うのも良いだろう、問題は・・・・・

 

「お前風邪ひくなよ?」

 

大和と岳人がずぶ濡れでどこからか帰ってきた事だ、嫌な予感しか、しないのだ。




さぁ次回はプロローグの大一番、大和対クリス、どうなるんですかねー( ̄∀ ̄)
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