俺の親父、暁古城が亡くなった理由は分からない。
死因は謎のまま魔族特区といわれる孤島で死を遂げた、そしてこの絃神島と呼ばれた孤島では魔族と呼ばれる者が存在する。
魔族にも色んな種族が存在する中で一番代表的なのは魔女と吸血鬼だ。
魔女は魔族の弱点を知り尽くし強大な魔力で完膚なきまでに殺そうとしてくるし、吸血鬼に至っては真祖と呼ばれる世界でも数人しかいない最強の吸血鬼が存在するほどだ。
こんなわけの分からないところに生まれて十六年。
俺は高校生になった。
「あちー。焦げるー。死ぬー。外に行きたくねー」
「何言ってるの月光。流石に学校には行きなさい。今月が一番辛いかもしれないけど頑張って」
こんな無理やりにでも学校に連れてこうとする人物はただ一人、暁浅葱。旧制を藍羽浅葱。
俺の母親で、親父とは昔からの中でかなり大変な目にも会ったらしいが何も教えてくれない謎の多い母親だ。
「わーってるよ、でも今は夏だぜ?浅葱ちゃん」
「なら、フード付きのパーカーでも着ていけばいいじゃない。古城も昔はそうしてたわよ?」
「ならそうしようかな。」
寝間着から制服に着替えると、自室に戻り黒いフード付きのパーカーをワイシャツの上から羽織る。
そう、なんでこんなにも外に行きたくないかは分かったであろう。
俺が人と第四真祖とのハーフだからだ…
かと言って、吸血衝動に襲われることは少ない。
女はできるだけ見ないように生きてるし、血を吸いたいと思ったときは自分の手首を切って血を飲むからだ。
小さな頃にトラックに跳ねられて五体がバラバラになる痛みを味わい、死を感じたときに服以外は全て元通りだった時に傷ができないことを悟った。
それ以降から吸血衝動に駆られても自分の血を飲めばいいことを知り、耐え抜いてきた。
だが、成長するたびに吸血衝動にかられるがそれも何とか耐えてきた。
だから頑張れる気がするのだ。
「行くか」
軽く母親に挨拶を交わし、無駄に高級そうな高層ビルから出る。
電車に乗って無駄に遠い学校まで向かう。
基本は遅刻だが担任が急に変わり、自己紹介があるようなので早めに学校へ行く。
いつも満員電車に乗るとキツイ香水の人や、油臭いオジサン、静かにたたずむ人などがいてホントに退屈なのだが今日は違った。
電車に乗っている人の顔はほとんど同じ顔触れなので覚えているが一人だけ、シンプルでいい匂いがする人がいた。
一般人にしては綺麗な顔立ちをし、とても穏やかそうというかお淑やかな感じがする。
(うぅ…まずっ!)
初めて、見ただけで吸血衝動に襲われた。
しかも場所が場所だ。
満員電車とか一番人目に付く上に最悪だ。
まぁーここでも焦らないのが月光クオリティーだが…
即座にポッケに入っているティッシュを取り出し、神をも超える速度で丸め鼻に詰める。
本来ならば吹いただけで間に合うが今回は間に合わないようだ。
安心と安全の一息をつき、瞬きを繰り返し真紅に染まった瞳を透き通る海色に変える。
これでもう大丈夫なんて考えていると目的の駅に到着したようだ。
ここで降りるのは学生だけ、そしてそいつは降りて俺の場所にきた…
「黒い髪、海色に透き通る瞳、黒いパーカー…そうですか。貴方が暁月光ですか?」
目の前には、さっきの吸血衝動の原因の女が立っていた。
ハイスクールではなく、こっちをこうかな。
なんて思って考え付いた結果がこれでした
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