ストライク・ザ・ブラッド ~真祖の子孫~   作:豚肉の加工品

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序章は早めに終わらせたい。
次あたりで…


〈序章〉    真祖の羽化 Ⅳ

「眷獣が暴れまわってる…?そんなことありえんのか?」

 

「当たり前じゃない、簡単に言うと魔力の塊なのよ?誰かが造ったか、呼び出したか、あるいは天然の眷獣か…。三つめは一番最悪ね」

 

「そ、そうだねー。この島が吹き飛ぶ可能性があるよね」

 

凪沙ちゃんはかなり震え声だが、浅葱ちゃんに関しては冷静すぎる対処だった。

俺はすぐさまテレビをつけると警報通りのことが起こっていた。

第三フロートに龍がいた。

一匹だけで異様なオーラを放つドデカい龍が…

 

その龍は輝きを放ち炎のようなものを吐き出す。

すると、第三フロートにある建物が灰になって消える。

 

「これは流石に俺でも死にそうだな…」

 

「何言ってんの?あんたを行かせるわけないでしょう?」

 

ちょっとだけ暗い声になり、徐々に月光に近づく。

 

「そうだね」

 

凪沙もドンドン近づいてくる。

浅葱と凪沙は月光をガッチリホールドする。

そしてその手は震えていた。

何かに怯えるように…さっきまでの冷静な対処が嘘のようだ。

 

「ど、どうしたの?」

 

「あんた…こうでもしないと行くでしょ」

 

「え?行かないけど?」

 

「ダウト、あんたは古城の息子なんだから行くに決まってるでしょ?」

 

凄い剣幕と言葉で押し切られる。

実を言うと行きたくて仕方がない。

でも、心の中ではこの二人のそばにいたいという気持ちもある。

 

(俺も眷獣(力)があれば…)

 

そしてテレビからは多くの人の叫び声や悲鳴が聞こえる。

この声に、どうしようもなく反応してしまう俺はただのバカなのか?それとも偽善者なのか?

 

考えれば考えるほどに思考が深まっていく…

でも俺が考えたところで答えも出ないし何もできない。

 

「だからって行かない理由にも助けない理由にもならないよな…」

 

「「え?」」

 

二人の声が重なる。

 

「やっぱ、俺行ってくるわ」

 

二人の力の入った手を振りほどき、優しく握り返す。

 

「大丈夫、絶対に帰ってくっから…。二人は逃げててくれ」

 

月光は高層ビルから飛び出す。

高い場所からの移動は慣れてはいながやらなければならないならやるしかない。

自分の口の中を噛み切り、吸血鬼の血を飲み込む。

吸血衝動にかられた状態ならできないことの方が少ない。

だから、高い場所から高い場所へ移動していく。

 

今は夕暮れ時なので、体は少しヒリヒリする程度。

だから、パーカーを忘れても何の問題もない。

まぁー、黒い半袖だから熱いんだけど…

 

問題はあの龍をどうするか?だ。

多分、今の俺の力じゃどうもできないし、眷獣も使えない。

 

使えるのは大きな傷を負った時や怒りが湧いた時に出てくる何らかの紅い雷と、傷が治るってことだ。

だが、あの雷を操ることも出来なければ一撃で灰にするような炎を食らってもまだ再生するかどうかだ。

 

そして、こんなことを考えている間に第三フロートにやってきた。

そこには沢山の警備員や攻魔官の姿があり那月もいる。

高い所に立っていても大きく見える龍にどう抵抗するか?

 

「取りあえず、あの龍って話せんのか?」

 

「無理に決まってるだろう、馬鹿者」

 

すると、後ろから魔法陣が描かれる。

そこから出てきたのは皆もよく知る攻魔官の那月ちゃんだった。

 

「わかりませんよ?俺はこう見えても第四真祖の息子ですから」

 

「何だその根拠のない自信は…。死ぬ気か?」

 

「そんな気はねぇよ、那月ちゃん。約束してきたからな…絶対に帰るって」

 

「そうやってお前の父親は消えたぞ?」

 

「だからって俺が死ぬのとは全く関係ないだろ?俺は帰るって言ったんだ…なら帰らなきゃ嘘になる」

 

月光は体から紅い雷を走らせる。

今、立っている半壊状態の倉庫に亀裂が走る。

 

「これは今から俺の戦争(喧嘩)だ。誰にも邪魔はさせないし、誰も巻き込むつもりもないし、死ぬ気もない」

 

那月は黙り込み、無言で今の言葉を肯定した。

いや、これは月光を信じてみようとしたのだろうか?

わからない。今の那月の心の中は誰にも分らない。

 

でも、無言の那月を無視して月光は倉庫から一気に飛び立つ。

あの龍に向かって…

 

「出来ることはやる主義なんだよ。俺は…」

 

 

 

かなりの飛距離を飛んだ。

体が引きちぎれるかと思うくらいに、飛ぶ。

そして、龍の体に触れる!というとこで炎が吹き荒れる。

それにそのまま突っ込み、服が灰になるが気にしない。

 

俺はどうなってもいいんだ…

 

でも、俺の周りの人に被害が及ぶのは嫌だ…

 

「ぶん殴るっ!!!」

 

炎に突っ込んだ勢いを殺さずに加速と体重を乗せ龍の眷獣に殴りかかるっ!!

バリバリッ!!と紅い雷が迸る。

だが、龍はビクともせずに月光に向けて隕石のような強力な一撃を食らわせようとしてくる。

 

(こんなのもアリかよっ!!)

 

地面を蹴り避ける。

速度に歯止めが利かずに地面に転がるが傷一つない。

焼け焦げた服がパラパラと燃え尽きるだけだ。

 

そして急に力が入らなくなる。

 

「血が足りねぇ…」

 

どうする?

血が足りない上に相手には攻撃が通らない。

 

「結局…帰れそうにねぇな」

 

 

「そうやって、貴方はまた嘘をつくのですか?暁月光」

 

 

力なく崩れ落ち、視界が霞む…

でも、はっきり見えたのはあった。

黒く長い髪、薄く青みがかった瞳。

銀の剣を手に下げている。

 

 

少女の姿を…




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