それとタグにはなかったですが、オリジナル眷獣が出ます
目を開けようとしても目が開かない
俺は死んだのか…
そんな考えが頭に浮かぶ
でも、そんなことはあり得ない
なんせ俺は”吸血鬼”であり、”第四真祖”だからだ。
なら今は何で暗いんだ
死んでないなら何で暗いんだよ
光を寄越せよ…
俺にもっと強い光を…
あの龍をブッ飛ばせる力を…
あの龍を自分のものにする力を…
暗闇に手を伸ばす
何もないのに手を伸ばし、グッと拳を握る
すると、
『何だ?力を欲しているのか、吸血鬼?』
バリバリっと紅い雷が瞬く。
そしてそこにいるのは虎のような眷獣だった
しかも、何を思ったのか話しかけてくる始末だ
「あぁ、こんなに人間離れした力を持っていても非力には変わりないことに気付いたからな…」
『なら私に血を寄越せ。高い純潔なる霊媒を…!そうしたらお前に従ってやろう』
「んなこと言われたってな…そんな良い血を嗅いだことも吸ったこともねぇしな」
『嗅いだ事ならあるだろう?お前を今守っている女がそうだろう?』
すると外の風景が頭に流れ込んでいる
銀の剣を手に持ち龍から放たれる炎を切り裂いている
時折、こっちを振り向き様子を伺っている。
中等部の制服は微かに焼けこげ、少し汗ばんでいる
何で俺を守っているのかも分からないし、助けようとしているのかも分からない。
ただ分かるのは
「俺は女に守られてんのか…、ははクソみたいにダセェな」
『ならこんななとこで寝腐ってないで早く起きろ。我が宿主に成り得ぬ吸血鬼よ…」
視界が段々とクリアになっていく
意識も徐々に戻っていき体も動く
「なぁ、謎の少女Aさんよ。」
「やっと起きたんですか?この鈍間吸血鬼――――」
後ろからガッと抱き着く
そしていきなり心臓が高鳴る
吸血衝動の始まりの合図だ、こうなったらやることは一つ
「少し俺に血を寄越せよ…」
吸血衝動の影響で八重歯よりも鋭く尖った歯を少女の首にあて少し力を入れて噛み付く
血が、今まで一度も飲んだことがなかった血が口の中に広がり飲み込む前に体に吸収されていく
少女は「ぐぅ…んぅ」と痛そうに声が漏れるがそれも気にしなかった
旨い。
その一言だった。
何も言いようがない
ただ旨い
もっと…
もっと欲しい…
欲望と衝動に駆られ自分を抑えられなくなっていく
何も考えずに血だけを吸う
そして心臓がドクンっと高鳴り、体から紅い稲妻が迸る
バチバチっと最初は弱々しい雷は、段々とバリバリっと鳴り響く
最終的には月光の後ろから虎のような化け物が姿を現す
「な、何してるんですか?暁…月光」
「悪い、でも謝るのは後だ」
月光は大きく空を仰ぐ龍に対して拳を握り、その龍に向かって地面を蹴り飛ぶ!
飛んだ反動で大きく手を振りかぶり…
「さっきのお返しだ、クソ蛇…!!」
雷を纏った拳を龍に思いっきり当てる
その拳を食らって、怒り狂ったように暴れまわる龍を無視して綺麗に地面に着地する。
そこからすぐさま血を吸われてクラっときている少女に向かって歩く。
「ホントに勝手なことをして悪かった…後で俺を煮るなり焼くなりすればいい。」
「いや、その前に私は貴方を切り殺しますから」
「あぁ、それでもいい。だけど少し待っててくれ…」
そして再び龍の方向に向き直し、手を掲げる
「俺の戦争(喧嘩)が終わってからな」
掲げられた手を見ると、手から何かの紋章のようなものが浮かび上がる
月光の周りからは莫大な魔力が溢れ出し、後ろにいる少女も体が軽く浮いてしまう程だ。
「”焔光の夜伯(カレイドブラッド)”の血脈を受け継ぎし者 暁月光が汝の枷を解き外す―――!!」
とてつもない光と熱量と荒々しさを感じられる
手からは鮮血が浮かび上がり、何故かともつもなくその姿はかっこいい。
「疾く在れ(きやがれ)!!七番目の眷獣、紅光の王虎(マントラ・ルクセリア)!!」
怒号と共に月光の背には紅い光を放つ虎が出てくる。
そして龍と対峙し、何かの屏風みたいだ。
「鳴り響け、紅光の王虎(マントラ・ルクセリア)!!!」
虎は月光の言葉と共に唸りを挙げ、吠える!
吠えた瞬間に紅い稲妻が龍に直撃し第三フロートの一部が木端微塵と化す。
灰になったわけではない、木端微塵に化けたのだ。
「ぶっ潰れろ…!」
無地非にもう一発、落雷を落とす。
海がかなりの勢いで蒸発するが、こいつを追っ払うなら仕方がない。
クラッと意識が一瞬で飛びそうになるのを我慢するが、我慢できずに海に落ちそうになる。すると後ろから魔法陣が描かれ、月光と名前も知らない少女はもう既に港の船の上にいた。
「全く、本当にお前の息子なんだな…」
薄ら笑みを浮かべながら空を仰ぐ一人の少女が、寂しげに嬉しそうに呟いていた…