ソードアート・オンライン 〜その日デスゲームが始まった〜   作:Shirasu

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Shirasuです。投稿が第1話の時より遅れてしまいました…。申し訳ありません。
今回は文字数が長かったので前編と後編に別けました。前編では、第1層攻略会議〜第1層ボス討伐の前まで書いております。ボス討伐は後編で書きます。

※ボス攻略会議の内容が、アニメ1期第2話『ビーター』と少し被ってます。


第2話『第1層迷宮区攻略』〜前編〜

2022年12月2日。〈ソードアート・オンライン〉というデスゲームが始まってから約1ヶ月が過ぎた…。

 

その間に2000人近くの尊い命が失われた…。しかしまだ第1層を攻略したものは誰もいなかった。俺とキリトは少しの間だけパーティを組むはずだったが、予想外の死者数と高すぎる難易度により、予定よりかなり期間を引き伸ばし約1ヶ月が経った今でもパーティを組んでいる。

俺の今のレベルは13。キリトは14だ。

 

そして今日…。このゲームが始まって初めての第1層ボス攻略会議が〈トールバーナ〉で開かれることになった。

 

『今日は俺の呼びかけに応じてくれてありがとう!俺の名前は〈ディアベル〉。それでは早速攻略会議を始めようと思う。』

 

その男は片手剣と盾を持ち合わせていた。おそらく盾を持った方が安定するから盾も持っているのだろう。俺やキリトみたいなスピード重視な戦い方と違い、安全第一という感じなんだろうな。

すると、ディアベルが驚くべき言葉を口にした。

 

『今日!俺たちのパーティが第1層迷宮区のボス部屋を発見した。』

 

ザワザワ……

一瞬で場は驚く声で埋まった。

 

『俺たちは第2層へ行き、このデスゲームをクリアすることができるということを、皆に伝えなければならない。それが今ここにいる俺たちのやるべき義務なんだ。そうだろ?皆!』

 

パチパチパチパチ…

さっきまで驚く声で埋まったその場は、歓声に変わった。

 

『まずは6人のパーティを組んでくれ。フロアボスは通常のパーティでは対抗できない。パーティを束ねたレイドを作るんだ。』

 

6人の…パーティ?今近くのいるのはキリトだけ…。他のプレイヤーは皆もうパーティを組み終わっている。って…キリトが隣にいない!?裏切ったかと一瞬思ったが、偶然近くにいたフードを被ったプレイヤーに話しかけていたようだ。パーティにでも誘ってるんだろうなと思ってると…

 

【〈アスナ〉がパーティに参加しました】

 

『アスナ?もしかしてこのプレイヤー女なのか?』

 

どう考えても男でアスナって名前は無いと思うし、多分女なんだろうな…。

そんなことを考えつつ俺は二人の近くまで来た。

 

『全く…。てっきり裏切られたのかと思ったぜキリト…』

『あぁ…ごめんダイスケ。でもこれで3人だ。』

 

でも、まだ3人なんだよな…。

 

『でも…まだ3人…』

 

このアスナってやつ…俺の心が読めるのか!?と思ったがまぁそう思うのは当然か。

 

『それじゃあ早速フロアボスの詳細を…『ちょぉ待ってんか!!』

 

ディアベルがフロアボスについて言おうとしたが、それを関西弁によって遮られた。

 

広場にいた全員が関西弁を喋った男を見た。その男はディアベルのいる広場の一番中央まで来るとこんなことを言い出した。

 

『ワイは〈キバオウ〉ってもんや。こんなかに今まで死んだ2000人に詫びいれなアカン奴ら、こんなかにもおるはずや!』

『キバオウさん。君の言うのは元ベータテスターのことかい?』

 

ディアベルがキバオウに対して質問した。

 

『そうや、ベーターなる共はこのゲームが始まった日に、ビギナーたちを見捨てて消えよった。奴らは狩り場やクエストを独占して、そのあとはずーっと知らんぷりや。』

 

確かに俺とキリトはベータ版で手に入れた知識をもとに、クエストの独占をしていたが…。見捨てただと?1週間くらいはじまりの街近くにいたお前らビギナー共に見捨てたなどと言われる筋合いは無いぞ?

 

『こんなかにもおるはずやで!ベーターなる奴らが!そいつらに溜め込んだアイテムや金を吐き出して、土下座させてもらわな、同じパーティメンバーとして命は預けられんし、預かれん!』

『あいつ……身勝手なこと言いやがって…。所詮情弱の嘆きじゃねぇか…。』

 

俺は反論しようとした…

 

『発言してもいいか?』

 

外見がアフリカ人風の大柄な男が先にキバオウに話しかけた。

 

『なんや?』

『キバオウさん。あんたの言いたいことは元ベータテスターがビギナーたちを見捨てて、面倒を見なかったからビギナーがたくさん死んだ。その責任をとって賠償や謝罪をしろ。ということか?』

『そうや。なんか文句でもあるんか?』

 

ビギナーがたくさん死んだ?確かにビギナーも死んだが、実際は元ベータテスターの方がたくさん死んでるんだぞ?このキバオウは現状を何も知らないし、把握もしていない。

すると、大柄な男がガイドブックをキバオウに見せた。あれは街で無料配布していたものだな。

 

『このガイドブック…。あんたも貰っているだろ?街で道具屋が無料で配布しているからな。』

『ワイも貰ったで?それがなんや?』

『これを配布していたのは……元ベータテスターだ。』

『…っ!』

 

なるほどな…。確かに元ベータテスターでもなければ、あんなに詳しく第1層で何処がレベリングしやすいとか書いてるはずがないもんな。

 

『皆、情報は幾らでも手に入れることができたんだ。だが、たくさんの人が死んだ。その失敗を踏まえて俺たちはどうボス攻略をするか、それがこの場でいろいろ論議されるのだと俺は思っていたんだがな。』

 

キバオウのさっきまでの勝ち誇ったような態度から一転、どうやら何も言い返せないようだな。

 

『…よし。じゃあ再開するよ。』

 

ディアベルの一言でボス攻略会議は再開した。

 

『実は先ほど、ガイドブックの最新版が配布された。ボスの名前は〈イルファング・ザ・コボルド・ロード 〉装備は斧とバックラーで、取り巻きに〈ルイン・コボルド・センチネル〉というモンスターが3体いる。取り巻きの方の武器は小さい斧だそうだ。ボスの体力のHPバーが赤色になると、武器を曲刀カテゴリの〈タルワール〉という武器に変える…と書いてある。

攻略会議はこれで以上だ。集合時間は明日の午前10時にする。では解散!』

 

『やっと終わったか…思ったより長かったな。』

 

つい俺はキリトに愚痴を言ってしまった。

 

『あぁそうだな。ボスの情報もベータ版に比べて何も変わっていない。』

 

確かにそうだ。この攻略会議で得たものは何も無い。

気がつくと、アスナがどこにもいなかった。

 

『あれ?さっきのフードを被った子は?』

『一応呼び止めようとしたんだけど…。すぐどこかへ行ってしまったよ。』

 

その日の夜。中央広場で飲み会が開かれていた。キバオウとディアベルが肩を組んで一緒に飲んでいた。もちろん俺は酒など飲みたくなかったので、近くの路地裏に逃げ込むように入った。しかし、すでに人がいた。キリトとアスナだ。

 

『お、キリト。広場の方には行かなくていいのか?』

『あぁ…。俺たちは溢れ組だ。行っても省かれるだけだ。』

 

俺は何も言わなかった。買ってきた固いパンにジャムを付けて食べた。正直、現実世界のパンより美味しい。いや、現実世界でもジャムを付けたらとても美味しくなるんだろうな。

 

『それにしても、こんな固すぎるパンでもジャム一つでここまで変わるとはな…。茅場昌彦は凄いな。尊敬するぜ。』

『本気でそう思ってるの?』

 

アスナが俺に聞いてきた。

 

『冗談だよ冗談。尊敬どころか、恨みしかないよ。』

『そう…。あなたは、この世界にいて楽しい?』

『あぁ。もちろん楽しいさ。こんなに美味しいものを毎日食べれるのだからな。』

『さっきから食べ物の話しかしてないじゃないか。本当に食べ物しか頭の中にないんだな。』

 

キリトがツッコミを入れてきた。

 

『それはお互い様だろ?』ハハハハハハ

 

俺とキリトは笑ったが、アスナは笑わなかった。

 

『君…えーとアスナだっけ?確かに辛いかもしれないけど、死んだら終わりっていうのは現実世界でも一緒だろ?そんなに落ち込む必要なんて無いよ。もっと楽しく生きようよ。』

『…! あなたのおかげで目が覚めた。ありがとう。』

『眠かったのか?』

『…………。一回殴ってもいい?』

『じょ、冗談だよ冗談!』

『本当に?』

『えーと………。』

『まぁいいわ。でも次今みたいなことを言ったら…』

『気をつけます。全力で気をつけさせていただきます。』

 

意外とアスナって怖い人なんだな。真面目に気をつけなきゃ…。

 

『君って面白いね。名前…何て言うの?』

『? 左上の自分のHPバーの下見てごらん。』

『キリ…ト。ダイ…スケ?』

『そう。俺がダイスケで、そこに座ってるのがキリトだ。』

『よろしくねダイスケ君。』

『あぁこちらこそよろしく。』

 

この時キリトは絶対こう思っただろう…『もしかして俺って今空気?』ってな。

 

翌日、12月3日第1層森のフィールド。この森は迷宮区に一番近いフィールドだ。

 

『作戦を確認するぞ。俺たちは〈ルイン・コボルド・センチネル 〉っていう取り巻きを倒すことだ。まずキリトがやつの斧をソードスキルで跳ね上げさせる。そしたら俺かアスナのどっちかがスイッチして倒す。これで合ってるよな?』

『あぁ大丈夫だ。』

『アスナはスイッチのことちゃんと覚えたか?』

『うん。覚えた。』

 

アスナは今までの1ヶ月間ずっとソロでやってたらしく、スイッチのことは全く知らなかったようだ。だから昨日の夜、俺とキリトで必死にスイッチのことをアスナの頭に叩き込んだ。

 

『フードなんてしてたら戦闘の邪魔だろ?ほら』

 

俺はアスナが被っていたフードをとろうとした。

 

『やめて。それとも殴られたいの?』

『え、あ、いや、殴られたくないです!』

『じゃあやめて。』

『あぁ……わかった。』

 

そんな話をしていると、迷宮区に着いた。

俺たちは後ろにいたので、ボス部屋に辿り着くまでモンスターとの戦闘は全く無かったが、後ろから奇襲をしてきたモンスターとなら数体戦った。いち早く気づいた俺がソードスキルで怯ませて、キリトとアスナで決める。こんな感じだった。

 

『ここがボス部屋の前か…』

 

出発して1時間半くらいで、ようやくボス部屋の前まで来た。

 

『? キリト何やってるんだ?』

 

キリトが突然メニューウィンドウを開いたので疑問に思った俺はキリトに聞いた。

 

『さっきの戦闘で新しいソードスキルを習得したんだ。名前は〈バーチカルアーク〉。』

『へぇー。バーチカルの派生技か?』

『多分そうなんだろうな。』

『そういえばダイスケ。あれはまだ完成してないのか?』

『いや…まだ未完成だ。大体完成してるんだけどね…。』

『そうか…』

 

ディアベルが何か言っていたが、俺とキリトは話していたため何を言っていたかは分からなかった。おそらく、頑張ろうぜ的なことでも言ったんだろうな。そして、ディアベルがボス部屋の扉を開いた。いよいよ始まる…。第1層のフロアボス討伐が…。

 

 

 

 

 




最後まで見ていただきありがとうございます。
3日後くらいまでには後編を出したいです。
今回もご指摘等がありましたら、書いていただけると助かります。
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