ロクでなし神様達と異世界浪漫譚(旧題:とある神々の眷属)   作:バキュラø

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それではどうぞ




地下牢暮らしの風間さん

 風間が、ロキファミリアの本拠地、黄昏の館の地下にある牢屋でぼやいている頃、食堂には、幹部を除く多数のメンバーが揃っていた。

 

 

 

 

 

 

 

「一体、何なんだあいつはァァァァァァァァァァァァァァァァ‼‼」

 ベートは、食堂の机を蹴り飛ばして吠えていた。

 

「落ち着きなさいよベート…いくら自分が面と向かってアイズに言えないようなことをあんなに堂々と言われたからって、やってることが癇癪を起こした子供よ?」

 そんな姿に呆れたように、ティオネはため息をついた。

 

「黙ってろ、バカゾネスッ‼‼そ、そんなことオレだって言…」

 ティオネの言葉が思いの外、図星だったのか、ベートは先程までの勢いを一瞬で消沈させかけていた。

 

「そうです‼珍しくベートさんのいう事に同調できました。アイズさんにあんな汚らわしいことを吹き込む輩は、成敗するべきです‼‼‼」

 

「でもさ、カザマ、だっけ?私たちを助けてくれたじゃん!」

 朗らかに笑いながら、ティオナは風間を擁護する。彼女にはわだかまりが全くと言っていいほど見られなかった。

 

 

「それとこれとは別の話なんです‼」

 

「そうですよ、ティオナさん。あんな失礼な色情魔バッサリ行っちゃえばいいんです!ね、ラウル?」

 そう息巻くレフィーヤやアナキティーことアキを筆頭に女性冒険者たちは、同意を求めるようにラウルに話を振る。

 

「そ、それは……男の自分にいわれても……自分はもうあれだけボコボコにしてるんだからもう許してあげても…………」

 

「「「ナニ、アイツノカタヲ、モツッテイウノ?」」」

 

「め、滅相もないっす!」

 訂正しよう。女性冒険者たちに同意(是以外はユルさないぞ、コラ!)をさせられていた。

 ラウルは何人もの女性冒険者に睨まれ、蛇の前のカエルと化していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ロキファミリアの食堂は風間をめぐり、混沌とした空気になりつつあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、ファミリア最古参の三人も、フィンの執務室で風間の処遇について、考えを纏めていた。

 

「いい加減、出してやったらどうなんだ?彼にだって、悪気があったわけではないだろう。馬鹿ども(神たち)の言うところの、深夜テンションとかいう一時の気の迷いじゃないのか?」

 

「うーん…ボクとしても彼が心配だし、そろそろ出してあげたいんだけどね。ティオネ達はもう気にしていないみたいだけど、レフィーヤや、ベート、他の女の子たちが未だにブチ切れてるし。…なぜか、他の男のメンバーからは尊敬のまなざしを受けているみたいだけれど………」

 事実、風間の食事は女性冒険者たちの目を盗んで、男の団員たちが運び込んでいた。当初はリヴェリア達、古参幹部が食事を持って行かせるように頼むつもりだったのだが、彼らが既に自発的に行っていたため、それを続けるように指示を出すに留めていた。

 

「そうは言っても、掛け値なしに彼はアイズやファミリアの恩人だぞ。流石にこのまま放置するのはどうにも気が引ける。それに、気絶した彼を引きずり込むところは見られてしまっているし。外聞もあまりよくない。あの程度の言葉(セクハラ)なら、気にするほどの言葉ではないとワタシは思うんだがな。ロキの戯言の方が、よほどひどい」

 

「まぁ、言われてみれば.…」

 フィンは自らの所属する神の普段言動を思い出しながら、ため息をついた。

 決して、ロキ自身は悪い神ではないし、信用はしているが、いつもの行動だけにどうしようもなく残念な評価を下されていた。

 

 

「それにしても、どうして彼は、突然あんなことを言い出したんだろうな。まるで人が変わったようだったぞ。道中、言葉を交わした時は好青年かと思っていたら、お礼をしたいというアイズにサムズアップして、『女子は明日から、手ぶらジーンズで‼』『裸Yシャツでも可‼‼』なんて、声をあげて。まあ、アイズ本人はよく意味が分からなかったみたいだが…あの変心ぶりは、人が入れ替わったと言われた方がしっくりくるぞ」

 

「…」

 そのリヴェリアの疑問は彼らも感じ取っていたようだが、彼らは生憎と答えを持ち合わせてはいなかった。

 

「こう言っては何だが、喋っていることはさして、ロキのやつとなんら変わっていないし

 な」

 

「リヴェリアよ。お前さん、さっきからロキの不満しか言っていないぞ」

 

「うるさいぞガレス。だったら、お前があの神の世話(子守)を変わってくれ…」

 

「ガッハッハ。御免被る!」

 ガレスは、疲れ切った表情をするリヴェリアを見て腹を抱えて笑い声をあげた。

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ、ダンジョンでの現れ方とか、気になるところがないわけじゃないが、これ以上はどうしようもない。彼みたいな実力者を手放すのは痛いけれど、さすがに限度もあるからね。今は彼も大人しくしてるけど、人となりというのも分からないところがある。暴れ出されても困る。このあたりの差配はロキに頼みたいんだけど、生憎、合わせる前にロキは神たちの会合に出たきり帰ってきていないからね。…全く、団員の眼を気にしないでいいのなら………個人的な武勇を見る限り、一度手合わせしてみたいものだよ」

 

「それは、勇者(ブレイバー)としてじゃなく、いち冒険者として興味があるという事かの?」

 そんなぽつりと最後に呟いた言葉を耳聡く拾い、ガレスは茶化すように言った。

 

「さて、どうだろうね」

 そういって、フィンはその体躯に似合わない仕草で肩を竦めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 日がな一日、皆さんはどのようにお過ごしでしょうか。私はというと相も変わらず、檻の中でス。

 監禁プレイとか、ホント誰得である。いやまあ、出れないだけで見た目、普通の部屋とそんなに変わらないし、部屋での自由はあるから外に出れないこと以外は不自由はないんだけどさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『この色情魔、変態‼‼』

 

 

 

 

 

 

 

 

 監禁されている間、時折やってくる女性の冒険者たちは、概ねそんな類の罵声を投げかける。

 

 風評被害にもほどがある‼‼と俺自身は声を大にして言いたいが、18階層で「女子は明日から、手ぶらジーンズで‼‼」とか言ったのは、まさしく(ヤツ)だから、間違じゃない……間違いじゃないんだけど!ック…凹んでなんかないんだからね。

 

 というか、罵声を掛けてくる女性冒険者たちが何気に美人どころが多いだけにガチでへこみそうになる。

 危うく新たな扉を開きそうになんてなってない………なってないはずだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カザマさん、今日の晩飯を持ってきたっスよ~」

 彼女達とは打って変わり、なぜか友好的な男性冒険者たちの優しさが胸に染みる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 あー願わくは神様、もう少しだけでいいんで俺にも優しい異世界にしてもらえませんか………………

 

 

 

 

 




なお、それを観戦していた天界の神様達には大うけだったとか。



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