魔王様の友人は風変りな悪魔(元男です)   作:Ei-s

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血濡れのエンリをご覧ください。1万4千文字を超えた増量版なのでよろしく。あと、男性の方は終盤辺りに股間を抑えてご覧になる事をお薦めいたします。

眠い。ひと眠りしよ・・・


第七話

ジュンとモモンガの予測通り、明朝村は襲われた。直ちに向かおうとする2人だが、包囲網作成に少々手間取った為犠牲は増え続けてしまった。

ジュンは遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモートビューイング)で身を挺して、妹と思われる幼女を守った少女の所に出るべく転移門(ゲート)を使った。すると突然声が聞こえた。

 

『神様が助けてくれないなら、悪魔でも良い・・・』

 

それは純粋な祈り。この悲劇に嘆くのでは無く『力』を求める声。ジュンは何故声が聞こえるのか心当たりが有った。自身が持つ悪魔系列であり実力が無ければ得られない『悪魔王』という種族レベル。コレの裏設定には、『才有る力無き者が純粋な思いで力を求めた時、資格が有るならば声が聞こえる』というモノが有り、その資格有る者は身を挺して妹を護る少女だ。

そして、見るからに致命傷を受け、幾何の時間も無く、転移のラグから蘇生も間に合わないと判断したジュンはアイテムボックスより、ソレを取り出し転移門(ゲート)へ投げつけた。

そして少女の、純粋な『怒り』と『愛』が伝わってくる声に応える。

 

『全てを代価に、力をやろう』

 

少女に声が届いたかは怪しいが、ジュンは転移門(ゲート)へ足を進める。この時、無意識に笑みを浮かべているとは思いもよらない。

モモンガは遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモートビューイング)越しに見た。ジュンが投げつけたのは悪魔の白骨化した手を籠手にしたようなモノであり、埋め込まれた真紅の宝玉が輝き、無数の触手を生やして少女を貫いたのを。アルベドは見てしまった。思わず背筋が凍る様な獰猛な笑みを浮かべたジュンの顔を。そして笑みに反して慈悲深さを感じさせる黄金の双眸を。

 

エンリの意識が浮かび上がってくる。まるで水中から引き上げられる様に。だが、先程迄とは違い全てにおいて感覚が異なっていた。先程まで激痛を訴えていた腹部も、袈裟斬りされた肩や胸部も痛くないのだ。

 

「熱い・・・」

 

全身が熱かった。特に右手と下腹部が。疼きに似たソレから声を洩らすエンリに、腹部を貫く剣を持つ騎士は、ヘルムのスリットから覗く目に明確な怯えを色を見せていた。騎士が怯えているのは、明らかに死んだ筈の相手が瞳を光らせて己を見ているからだ。

だが、そんな事エンリには関係が無かった。斬られ、刺されたのだから。体に力が漲っている以上自然と動く事が出来た。

 

「ぐべっ!?」

 

密着状態からとは思えぬ、半死半生の少女が放ったとは信じがたい拳の威力だった。顔面を殴られた騎士の首は横へ一回転し捻じれた。盛大に倒れ、ピクピクと痙攣しているさまは蛙みたいだ。エンリは自身が放った拳の威力よりも、襲い掛かって来た男が何の抵抗も無く死んだのが奇妙に思えた。そして、思うのだ。あまりにも間抜けな声を出して絶命した者が下らない存在だと。

 

「つまらない」

 

「お、お前!何をしたぁ!?」

 

エンリはその言葉を発したのが己だと思えなかった。唯々体が熱かったのだ。仲間を呆気無く殺された事を、エンリの洩らした声でやっと認識したのか、明らかに怯えた声を発し、震えながら剣を向ける騎士。だが、エンリはそんな声等聞こえぬと言わんばかりに、熱で鈍化した思考で、腹部に突き刺さったままの剣を何の力を込めていない様に軽々と抜き捨てた。

痛みと共に、感じた事が無い、理解できぬ快感が全身に駆け巡り、ソレが開放された。

 

「あぁああああああっ!!!」

 

エンリは絶叫の一拍後、体中の余分な熱を口から排出した。そこに立つのは唯の村娘のエンリではない。大きく変質してしまっていた。

腰まで伸びる紅蓮の如き髪は飛び跳ね、その肢体を包むのは一見金属に見える胸部が大きく開いた漆黒のライダースーツ。腕には悪魔の腕に似た籠手であり、右手の甲には深紅に輝く宝玉が怪しく輝く。全身にある装甲と刃は何故か優美であり、所々肌が見え、体にフィットしている様は艶やかな印象を与える。服の内側より伸び、頬まである真紅のライン。何よりその目が大きく変わっていた。本来白で有るべき部位が漆黒となり、瞳が黄金に淡く発光している。

真紅の髪の隙間から痛みも快感も過ぎ去り、何も感じない無表情を覗かせていた。

 

「何だ!何なのだお前は!」

 

エンリの変貌に狂乱した騎士は思わず斬りかかる。だがエンリにはその動きがスローモーションの様に見えていた。そして何の感慨も無く自然に、右の籠手に内蔵されている日本刀に似た刃が宝玉の輝きと共に一瞬だけ伸び、股下から逆風の斬撃を加え、自然に振り返った。

勢いが有ったのか騎士は踏み込んだ瞬間、股下から真っ二つになり血飛沫を飛ばし、左右に分かれて倒れた。死んだ事にすら気付いていないだろう。

エンリはふと右の籠手に掛かった血飛沫を、ネットリと舐めた。そして、気付く。ネムが怯え、震えている事に。

 

「ネム・・・」

 

エンリは己の声が低くなっている事に気付いたが、何も思わずネムの下へ歩いていく。

一方のネムは震えが止まらなかった。大好きだった姉が何か訳が分からないモノになってしまった。父や母、隣に住んでいた老人も殺した者の仲間を呆気無く殺した存在。もし変わる瞬間を見ていなければ姉だと分からなかった程だ。だが、己を傷つける事はしないと確信していた。不安と安心が同居する心境は、まだ幼いネムには震える事でしかその感情を表現出来なかった。

だがエンリの足は途中で止まる。ネムの後ろに有る混沌とした空間の隙間から、女が出てきたからだ。ほぼ裸に近い恰好の女悪魔。ジュンの転移が完了したのだ。

エンリは絶対に勝てないと理解しているのに、何故か、戦いたいと思った。だが、丁度中間地点にはネムがいる為、必死でその感情を抑える。闘争心を抑える事が出来れば、それと同時に本能が警笛を吹き鳴らす。この存在と戦ってはいけないと。

 

「声が聞こえたか?」

 

「!貴女は、さっきの声の人・・・まさか、本当に悪魔が助けてくれるなんて」

 

エンリは先程、一瞬意識を失う前に聴いた声の主が目の前にいる悪魔だと知り純粋に驚いた。ネムはエンリの声に恐る恐る振り返ると恐ろし気な笑みを浮かべているジュンと目が合った。ネムの視線に気づいたジュンは、その笑みを穏やかで優しそうな笑みに変えるが、時既に遅し。

 

「驚かせちゃったかな。洗浄(ドライ・クリーニング)と、傷治癒(ヒーリング)

 

ネムは恐怖のあまり漏らしてしまったのだ。アンモニア臭にジュンは気の毒に思い、しゃがみ、出来るだけネムと視線を合わせようとする。先程とは違い、穏やかに見えるジュンの顔はネムの恐怖をやわらげた。ジュンはネムの手足に小さい擦り傷が見えた為、着ている服を洗浄する魔法と治療魔法をかけてやる。

悪魔の容姿に似合わない暖かな、陽光を思わせる光がネムの傷を癒す。

 

「ネム・・・ありがとうございます」

 

エンリの言葉にジュンは優しい笑みを見せた。エンリは己の命を救ってくれた事とネムに対する配慮に、ジュンに敬意を持ち始めた。悪魔だろうと何だろうと関係無いのだ。そんな中、混沌とした隙間から再び誰かが出てくるのをエンリは感じた。

現れたのは黄金の杖を持ち、豪華なローブを身に纏ったモモンガと、バルディッシュを持った漆黒の全身鎧(フルプレート)を着たアルベドだ。

エンリはモモンガから濃厚な『死』を感じた。だが、恐怖は不思議と感じ無い己の精神状況の異変にやっと気づいた。ネムはモモンガの姿に驚いたのかジュンに抱き着く。急な抱き着きに驚いたジュンだが、優しく抱き留め立ち上がった。

 

「ジュン。あの少女はどうなったのか教えてくれるな」

 

「私はどうなったのか教えて下さい」

 

モモンガはエンリを指さし、そう述べた。ユグドラシルにおいて、装備を即座に交換するアイテムは有る。一時、昔の子供向け番組の如く変身する輩はいた。だが、エンリのレベルで元のアバターのなる部位まで変化させることはそうそう出来ないのだ。ジュンはベルセルクと重課金により実現したが珍しい部類である。

一方のエンリは、モモンガの言葉にようやく自身の変化を把握した。少し不安げな様子でジュンに問いかけた。

ジュンは迷っていた。あまり時間をかけるのは好ましく無い現在の状況で何所まで話すべきかと。不安げな視線を己に向けるネムに、先ず問うべきことが有るのに気づいた。

 

「お姉ちゃんなんだが、どんな存在になっても受け入れられる?」

 

「うん」

 

優し気に問うジュンに、姉がどんな存在になったか分からなかったが、変貌してまでも己を救い、守った姉を拒絶するのはダメだと本能的に察知し、頷いた。ジュンはネムの頭を優し気に撫でる。獣に似た大きな手は恐ろし気な形とは裏腹に、ネムには優しく、暖かな手に思えた。まるで父と母に同時に撫でられた時の事を思い出す感覚だ。

 

「今は簡潔に答えよう。お前の声は俺に届き、俺が応えた結果人間を辞めた」

 

ジュンの答えは答えになっていなかった。だがエンリは思い出す。騎士を殴り殺した剛力に、死に瀕していた体は力が漲る。生まれ変わった。そう思うしかないのだから。そして思う。この力が有れば父母がまだ生きているなら助けられるのではないかと。

 

「それよりも。今は村の事だ。レベルは10も届かん」

 

エンリが思案している中、ジュンは騎士の死体から真実の目の効果で取るに足らないどころか、警戒が無意味であると判断を下した。村に信じられぬ強者がいる可能性も否定しきれないが、警戒に警戒を重ねて死体を調べればレベル10も無い。緊張の糸が切れてしまったのだ。そして、重要な事を思い出した。

 

「自己紹介がまだだったな。俺はジュン。お前を悪魔に変えた者だ」

 

ジュンの言葉にネムとエンリは反応を見せた。エンリは何故か有る知識から、悪魔は眷属と呼ばれる悪魔を生み出す事が出来ると気付く。ネムは難しい事は分からないが、姉が悪魔に変わった結果、自分を護れたと理解すれば種族等些細な事だ。

 

「我が名は―――アインズ・ウール・ゴウン。コレを飲むと良い」

 

モモンガは己の名を言おうとして、ふと思案した。

『モモンガ』はユグドラシルにおいての、ナザリック地下大墳墓を支配したアインズ・ウール・ゴウンというギルド長としての名前。今の己を指すには不適切に思えたのだ。ナザリックの者達から忠誠を捧げられるこの身は、以前とは大きく異なる。ナザリックの全てを現在支配しているのだから、仲間達がこの世界へ来た時に灯台の役割も必要だろうと思い、『アインズ・ウール・ゴウン』と名乗ったのだ。

モモンガの突然の改名にジュンとアルベドはモモンガを見るも、モモンガは我関せず、エンリに上位治療薬(グレーター・ヒーリングポーション)を投げた。

咄嗟の反応なのだろう。エンリは深紅の液体が入った、豪華な装飾を小瓶を受け取り跪いた。

 

「エンリ・エモットです。今ジュン様が御抱きになっているのが妹のネム・エモットです」

 

そして、己の名を名乗らねば失礼であると判断し、名を述べ薬を飲んだ。薄っすらと有った傷跡がキレイに無くなったのを2人は満足げに頷く。だが、ものんびりとはしてられない。折角餌に食らいついた害獣が逃げてしまう。

 

「・・・アインズさん」

 

「うむ」

 

ジュンはモモンガと言いかけて、辞めた。改名には相応の理由が有るだろうと判断して。阿吽の呼吸なのだろう。アインズは頷いてあるスキルを使った。

 

(うげ・・・)

 

(気持ち悪ぃ)

 

発動したのは中位アンデット作成であり、召喚しようとしたのはユグドラシル時代に良く盾として使っていた死の騎士(デスナイト)。だが、仕様は大きく異なっていた。ドロドロとしてコールタールの様な物質が、首が変な方向に曲がった死体に取り付き、徐に立ち上がれば腐臭と目が痛くなりそうな煙を放ちながら大きくなっていく。その過程が気持ち悪いとジュンとアインズが考えている事等誰も知る由も無い。

煙と謎の粘液が消えれば、2.3メートルは有る、悪魔のような装いをした漆黒の死霊騎士だ。特に大きなタワーシールドは印象的である。紅く爛々と輝く双眸は生者に対する憎悪で染まっている。

 

死の騎士(デスナイト)よ。この村を襲っている騎士のみを殺せ」

 

「オオオォォァアアアアア!」

 

アインズの命令に死の騎士(デスナイト)は歓喜の咆哮をあげた。主人からの命令を全うすべく走り出す。その大きく鈍足そうな見た目と裏腹に地面を軽く響かせて走る様子は何所か恐竜っぽいと2人に思わせて。

 

「「ぇ?」」

 

我に返ったアインズとジュンは同時にユグドラシルと余りにも違う仕様と自由度に小さく疑問の声を上げた。他の3人は、何がそれ程不思議に思うのか理解できずに2人の顔を見た。

 

「まったく、盾になるべき者が守るべき主を置いて行ってどうする」

 

「アインズ・ウール・ゴウン様。死の騎士(デスナイト)は露払いをすべく村へと向かったのでしょう」

 

その視線を感じたアインズは少し呆れ気味に、全て死の騎士(デスナイト)のせいにした。アルベドは死の騎士(デスナイト)の行動を好意的に解釈したのだ。そもそも人間等という下等生物を殺すのにアインズの手を汚す等、アルベドには許せなかった。アインズはアルベドが態々フルネームで言った事に面倒に思える。

 

「アルベド。アインズで構わん」

 

「くふっ・・・ぅん。畏まりましたアインズ様」

 

「エンリ。行きたくば、行け。ネムは私が守る」

 

アルベドは略称で呼ぶ事に対して一瞬歓喜に声を上げそうになるも我慢して返事をした。

ジュンはエンリが何所かソワソワしている様子に許可を与えたのだ。この様な事態で考えられるのは村への帰還だろうから。真実の目でレベルをチラ見するがレベル40。十分である。

エンリはジュンの言葉にネムの安全を確信し、後顧の憂いが無くなったのか、分かりづらいが安堵の表情を見せた。

 

「ありがとうございます」

 

「わぁ・・・お姉ちゃんスゴイ・・・」

 

心の底から感謝を伝え、強い意思をその目に灯す。立ち上がり一礼し、数歩大きく離れた後、地面を踏み砕いて急加速をかけた。加速の一歩で地面が爆散し、粉塵を巻き上げるがそれがジュン達にかからないようにする配慮だ。アルベドはエンリの粗いが敬意の有る行動に満足気に数回頷いた。

粉塵が晴れればソコにエンリの姿は無く、ネムが純粋に憧れで目をキラキラ光らせているのがアインズとジュンの心を一瞬だが穏やかなモノにした。

 

「それで?アレは何だったのだ?」

 

「一言では説明できないが、そうだな。装備できるNPCを創ろうとした結果だな。レベル100で創ったのだが、今のエンリのレベルは40・・・詳しい検証がいるだろうが、成功だろう。それよりゴミ掃除と実験だ」

 

アインズの質問はジュンには答えにくいモノだった。正直ジュンも色々と分かっていないのだ。創った際のレベルが変化している可能性も視野に入れ、唯の村娘であったエンリがアインズを目の前に跪いた事から、一定の礼儀作法を持つ事と判断し、知識がエンリへ送られている可能性が高いと考えている。何より、レベル5以下が装備と言うか、融合してレベル40になったのが、ジュンにとって最大の疑問である。

だが、それ以上にやるべき事が有るのだ。周囲を包囲しているモノを排除しなければならない。また、試せるのならば色々と試す事にしていたのだから時間が足りない。

 

「そうだな。ネムと言ったか。子供の教育には問題が有るぞ」

 

「・・・確認だけする。すまないが検証は頼んだ。あと、恰好をどうにかしなきゃな」

 

アインズはジュンに抱かれている幼女へ配慮すべきと判断した。内心姉のエンリが目の前で2人始末したが、それでも子供の前で積極的に殺しを行うべきではないとアピールしてみる。ジュンは優し気にネムの頭を撫でながら今更ながらに、現在の恰好は人間の前に出るべき恰好で無い事に気付いた。ネムもすっかりアインズとジュンの姿に慣れて恐怖を感じていないようだが、念の為に準備する。

アインズは力の涙(パワー・ティアーズ)を発動させ肉を纏い、ジュンは一度人化した上で装備の指輪で修道衣的な恰好になった。正に一瞬の早着替えにネムは目を丸くして驚いていた。

 

エンリは風になっていた。正に疾風の如く家に辿り着けば、母の亡骸に伸し掛かる男が見えた。ナニをされているのか、思考する前に体が動く。右の籠手から展開した刃で後ろから男の首を刎ねた。男の首は壁に衝突し、トマトの様に潰れたが、そんなモノを確認する前に体の部分も蹴とばす。

 

「お母さ・・・ん」

 

破かれた服と露出した肌。エンリが母の身に何が有ったのか理解すれば、無価値と判断していたモノへ殺意が込み上げてきた。父の亡骸の傍で行ったのが更に怒りの燃料となり、髪が騒めき始める。

 

『エンリ。言い忘れたがこの虐殺を命令した者は生かせ。生きて話ができれば良いからな』

 

「フッ!」

 

怒りで我を失いそうになっていたエンリを引き留めたのは、己よりも怒りに満ちたジュンの声だ。伝言(メッセージ)を使って言われた内容からエンリは返事もせず、小さく息を吐いて跳び上がった。

 

村の広場的な場所は地獄へ変わっていた。

死の騎士(デスナイト)は逃げようとする者を優先的に、刃毀れの酷いフランペジュで切り殺し、向かって来るものに対してはあえてタワーシールドで殴りつける。エンリは胸の前で腕を組み、己に向かって来る者に、一房の髪を操作して手足を貫いていた。今のエンリの髪は伸縮し、自由自在に操作出来る刃なのだ。

死の騎士(デスナイト)よりも早く、広場に着いたエンリは始めは右腕の刃手足を切り裂いていたのだが、その弱さに呆れ、冷静になった時に丁度死の騎士(デスナイト)が到着したのだ。

命令を受ける際に近くにいた存在が己より早く着き、己の仕事を行っている事実は彼を打ちのめしたが、仕事をキッチリこなすべく積極的に行動した結果だ。何気に立ち止まって腕を組んだエンリを騎士達が狙うのは、過激な恰好をした女である為であり、死の騎士(デスナイト)はエンリを狙う者を盾で殴り、空に飛ばす。実に良い囮である。

 

「オオオオッ!」

 

「こんな、つまらない奴らなんかに・・・」

 

死の騎士(デスナイト)の生者を痛め付けながら、造物主の命令を実行する興奮から咆哮を上げ、一方のエンリは酷くツマラナイ様子で、作業を進めるように行動していた。

 

「逃げようとしない相手には剣を使わない。あの女は向かわなければ攻撃しない・・・楽しんでいるのか?」

 

この謎の2人の行動に、実質的な隊長であるロンデスは冷静に彼我の戦力差を分析していた。アンデットの方は明らかに楽しんでいるのが予測できたが、殺そうとしない紅髪の女は何かを確かめる様に『あえて殺さない様子』に、情報が確定できない為行動を取れなかった。特に女の目には何かを探す魔物に似た光を感じる為、上手くいけば助かる可能性が有る。

 

「お、お前ら!金を、金をやる!俺はこんな所で死んで良い人間じゃなっ!?」

 

そんな中、部隊の隊長であるベリュースが何時もの様に我儘を言い出した。下種な笑みをいつも浮かべていた顔を満面の恐怖に彩る。

その偉そうな物言いからエンリはキープすべく髪で両肩を貫き、上空に吊上げたのだ。喋っている途中で貫いた為か、舌を噛んだ様子だがエンリの無表情は変わらない。

 

「ベリュース隊長!」

 

「ロンデスッ!助けろぉぉぉ!」

 

ロンデスがつい漏らした敬称に、獲物を手に入れたと確信したエンリの口角が吊り上がり、唇を舐める様はまだ青い果実を思わる外見年齢とは裏腹に、騎士達に一瞬だけ妖艶に感じさせた。実に蠱惑的である。

上空10メートルに吊り下げられたベリュースは肩を貫かれた痛みも忘れ、恐怖から喚く。この世界の人間で自由に空を飛べる者が少数であり、生身の人間が10メートルから見る光景は崖の上や城壁の上から見るのが一般的なのである。

だが、ベリュースはすぐに地上付近に降ろされた。エンリがある人物の気配を察知した為だ。

 

「ソコまでだ」

 

その一言で地獄は止まった。無造作に死を振りまく死の騎士(デスナイト)はその動きを止め、エンリは本能的に跪いた。死の騎士(デスナイト)はエンリが跪いた事から、己も跪く。

上空にいるのは3人の人影。アインズ、ジュン、アルベドがこの狂騒の場に着いたのだ。3人はふわりと降り立つ。

ジュンに抱かれているネムは、空を飛ぶという初の経験に目をキラキラと輝かせており、ジュンはネムの存在が己の激情を抑える安全弁となっているのを感じた。

一方の騎士達は飛行を可能とする魔法詠唱者と、金属鎧(フルプレート)を着た女戦士、神官らしき姿の美女の登場に唖然としていた。村人達はジュンに抱えられるネムの姿に、エンリは駄目だったのかと悲痛と困惑の表情を浮かべ成り行きを見守るしかない。

 

「はじめまして諸君。私は―――」

 

「神官服っ!同じ法国の者だろうっ!助けてくれるなら私の妻にぃっ!?」

 

アインズが自己紹介をしようとした時ベリュースが言葉を遮った。アルベドが、その不敬な態度に処分しようとするも、アインズの行動の方が早かった。人差し指をベリュースへ向け、電撃を放ち、麻痺させたのだ。

アインズはソレをゴミと認識した。だが、目的のモノならば己が処分する訳にはいかない。また、死への恐怖から己の所属する国を漏らしたため、バカと断じた。ジュンにプレゼントする品だと理性と本能の相互理解によって、対象を麻痺させる魔法をもって黙らせた。だが、ジュンを嫁にと言った男に対する怒りと憎しみは止まる所を知らず、精神安定が常時発動している為蛍火の光を放ち続ける。エンリは範囲対象外になっている為麻痺しない。

 

「ふん。勘違いするな―――私はアインズ・ウール・ゴウン。投降するなら命だけは助けよう。ソコのゴミ以外は」

 

アインズの声は誰が聴いても分るほど、苛立ち殺気立ったモノだった。騎士達は己の体が恐怖からガタガタと震え、鎧が金属が擦れる特有の音が共鳴する。ロンデスはベリュースを隊長に任命した本国の馬鹿と、それを許可した神を呪いたかった。

ロンデスは咄嗟に剣を捨て跪く。一縷の望みを賭けて。ロンデスの行動に我先に他の騎士達も剣を捨て跪いた。中には額を地面に擦り付けながら神に祈る者もいる。

 

「私はロンデス・ディ・グランプと申します。何故、ベリュース隊長以外はなのですか?」

 

「何。私のジュンを妻に迎えたい等と寝言を言ったものでね。非常に不愉快なのだよ」

 

ロンデスの問いに、アインズは律儀に答えてやる。怒りが込められ、無慈悲な視線がロンデスを捉え、絶句させた。

アルベドはアインズの発言にジュンを睨み付けようとしたが一瞥で終わる。ジュンは丁度アインズの後ろでネムを降ろし、少し何も聞こえず、見えなくなるが怖がらずに待つよう説得していたのだ。不安げにベソをかくネムを抱きしめ、落ち着くよう抱きしめながら頭を撫でる姿はアルベドが理想とする母親の姿であった為、見続けるのが悔しかった。

落ち着いたネムにジュンは防御魔法と空間遮絶の結界を張り、何が起こっているのか分からないようにした。アインズの言葉等まるで聞いていない。

絶望を覚えるロンデスだったが、同時に希望が有った。彼の中ではジュンと呼ばれた神官姿の美女はアインズの嫁だと思い、幼子を安心させる優しさを持つ女だ。何とか情に訴えれば助かる可能性を見出したのだ。

 

「それに、あのゴミにはジュンが用事が有るのでな」

 

アインズがジュンが行う事を見やすくするため横へ移動した。

エンリがジュンの傍にベリュースを投げ捨て歩いて来る。体が動かず、意味が分からない唸り声みたいな声を上げるベリュースをジュンは脇腹を蹴りつけ仰向けにし、麻痺を体が動けぬ程度まで魔法で解消させた。手荒な治療だと思う一同だが、その後我が目を疑った。

ジュンはごく自然にその右足でベリュースの股間を玉が潰れない程度の強さで踏みつけたのだ。

 

「おっ、ぉああああああ!?」

 

「答えろ。お前が楽しむ様に指示したのか?随分と楽しんでいたようだが?」

 

ジュンはガムを拭い取るように、グリグリと踵で踏みにじる。ベリュースは顔を涙と鼻水でグチョグチョにしながら叫んだ。

ベリュースは先ほど迄、死の恐怖に晒された結果生存本能が全開になり、ある所が元気になっていたのだ。また、本来ならば激痛を感じる所、麻痺により脳が痛みを快楽と誤認した結果、ベリュースは今まで感じた事が無い快楽を味わっていたのだ。

ジュンの履いているローファーは爪先と靴底を金属で補強している物であり、自身が踏んでいるモノの感触等分からぬ為、何故痛みを与えている者が気持ち悪い顔をしており、叫んでいるのか全く理解できず、取り合えず踏む力を増しておいた。

 

(えっ?何それ・・・)

 

(下等生物は痛みで快感を得るのかしら?取り合えずデミウルゴスに伝えておきましょう)

 

思わず唖然とする一同。アインズは拷問的な事をすると予測して、交渉を有利に進めるべくどいたのだが、ソコに有ったのはSM紛いの事。思わぬ行為に精神安定が仕事をし終えたのか、蛍火の輝きは消え失せた。

アルベドはデミウルゴスに伝え、彼の趣向から有益な情報ならばアインズに報告する事で点数を稼ごうと考える。

 

当の本人達は真面目に行動しているのだ。エンリとジュンが芋虫でも見るような目で見ている事もあり、余計にSMっぽくなっている事は気づかないだろう。だが、ソレはアインズの価値観の話である。

この世界では俗に言う春画が存在しないのだ。命の危機が多い為、戦闘後の恐怖を忘れる為に女を抱く冒険者も少なく無い。その需要に答えるべく供給もしっかりあるのだ。

農民に到っては何が起こっているかわからない為恐怖し、法国の者達に到っては噂で聞く一部の貴族の趣向。しかも、自身等の上司が痛めつける方で無く、痛めつけられる事に快感を覚えている様子に恐怖も忘れ、引いていた。元々下種で性根がひん曲がっていた者なだけに、正直他人として振舞いたい程である。

 

(根っこの所は女になったのか?)

 

容赦無く男の股間をグリグリと踏みにじるジュンの姿に、アインズはジュンの深層心理が女性になった可能性に、己の勝利を確信して長い裾に隠された手を強く握る。だが、その表情は堅くベリュースを荒んだ眼で見ている事も有り、不機嫌なのは変わらない様子であると周囲は認識した。

 

「もう一度聞くぞ?何故虐殺した後でも色々と楽しんだ?」

 

「ぎぃ!?ち、違う!ロンデス!ロンデスの指示だ!俺は関係無いぃぃいいい!」

 

ジュンは変な叫び声を上げるベリュースに更に不快に感じ、一度足を退けて問いかける。それを見たエンリはベリュースが万が一にも立ち上がらぬよう、右側の肩を踵で踏む。力加減を間違えてしまい肩の骨を完全に砕いた。エンリの装備はピンヒールと金属で補強したブーツの合いの子みたいな形状をしており、ピンや爪先の部位に刃が付いている為、骨が砕けただけでもマシな方だ。角度さえ間違え無ければ腕が取れていたのだから。

ベリュースは肩が骨折するのを何となく感じ、己の肩を見ようと横を見れば鋭利な刃が太陽光を反射して煌めいていた。快楽と恐怖のコンボに、咄嗟に全て押し付けていた副官の名前を叫んだのだ。

 

「違う!ベリュース隊長とその私兵がやった!ロンデスさんは止められないと俺たちを連れて先に撤退した!」

 

「ほぅ。近くに神に祈る者がいたが、ソイツ等か?何故お前は楽しんだと分かる?」

 

だが、恐怖が隊長の無様な姿で消え失せた部下の1人が大声で否定した。アインズは面白いモノを見たと言わんばかりに口角を少し上げ、ニヤリという擬音が似合う威圧する笑みを浮かべたのだ。アルベドは断りもなく大声で答えた不埒者を処分しようと思ったのだが、アインズの楽しそうな様子に静観する。

思わぬ発言に口をパクパクと陸に上げられた魚の様に動かすベリュースを見る者等誰もいない。そして、アインズの言葉で援護する筈だった部隊は既に全滅しているとロンデスは知り、最後の頼みに賭ける事を決心した。

 

「それは、あいつ等が作戦前に自慢げに話していた為だ!寝不足だとヘラヘラ笑いながら!」

 

「ウソだ!嘘だ!うそだぁーーーーー!あいつ等は俺をハメようとしている!信じてくれぇー!」

 

アインズの問いにロンデスに潔白を証明すべく完全に否定する男は、自身の被るヘルムを取りアインズの目をしっかりと見た。

ヘルムの下に有った顔は若い。20にも届かぬ少年だ。

少年はベリュースのやり方が気に食わなかった。いつも自己主張が激しく、貴族や商人の三男坊達等を取り巻きにし、悪戯心に暴力を振るうのが何処か騎士だと思っていたのだ。そんな彼をベリュースが見逃す筈も無く、暴力を振るおうとしたのだがいつもソレを止めていたのがロンデスだったのだ。

少年の真摯な訴えと、男のガラスを引っかく様な叫び声は何方が真実か等比べようがない。少年の純粋な目を見たジュンは小さく、優し気な笑みを浮かべた。ソレを見たアインズの行動は単純だ。騎士等の罪を暴いてやる。

 

「ロンデスと言ったか。何故止めなかった?村娘、いや、女は殺されても尚犯されたようだが?」

 

「・・・この作戦は人類の為に必要だと聴いておりました。人の尊厳を汚すのは彼等が犯した罪であり、私には関係ありません」

 

アインズの淡々とした物言いは波及する。そして、ロンデスに思案の時間等許されていない。淡々とした本心と分かる言葉に、エンリは踏みつけているモノを早く壊したくてしょうがなかった。目を細め、口角を吊り上げる様はネズミを痛めつけて殺す猫を思わせるだろう。優しかった父母を奪っただけでなく、母の尊厳を汚した行為を命令したソレを殺したくて仕方が無いのだ。

 

「ふむ。撒き餌に虐殺をした気分はどうだ?」

 

「教会には人類の為に必要な犠牲と聞かされましたが、気分の良いモノではありません」

 

時間を稼ぐ。ロンデスの真意はソレだけだった。生き残るための行動をしていたのだが、頼みのアイテムは何の反応を示さない。焦りが汗となり、流れ落ちる様を見ながらアインズは終に堪え切れず笑った。小さい声だが、喜劇を見た様な笑い声は一同を恐怖で縛り上げる。

 

「さて、時間を稼ぎ、逃げようとしているのが無駄だと理解したか?」

 

アインズは魔法詠唱者である。また、戦闘の基本として転移妨害を使っているのだ。転移するのも、される可能性も無かった。

ロンデスはアイテムが作動しないのは目の前の魔法詠唱者が邪魔している為だと思い、一度神に祈って覚悟を決めた。

 

「はい。私の首が必要なら捧げます。ですので、彼等は御救い下さい」

 

クズより役立つモノが手に入る。ならばゴミは捨てるべきだ。ジュンとアインズの思考が同じ結論を弾き出す。

 

「ジュン。もう良い」

 

アインズの許可が出たのだ。ジュンはエンリを一瞥し、エンリはその意図を正しく認識出来た為、足を退けた。それを確認したジュンはあるモノを強引に引き千切った。

 

「いぎゃぁああぁああああぁああああっ!!?」

 

ジュンがソレを引き千切った際に夥しい血液が噴出し、腸まで引きずり出された。ジュンが引き千切ったのは竿と玉だ。そしてそのまま絶叫するベリュースの口の中へ歯と顎を砕きながら喉へ突っ込む。まるで断末魔すら不快であると言わんばかりだ。ジュンは血に汚れた事が不快なのか、ベリュースの顔が余りにも気持ち悪いのか嘲笑を浮かべた。

 

「殺せ。エンリ」

 

ジュンは気づいていたのだ。エンリの願望を。エンリがジュンの言葉を認識した瞬間。そこに赤い花が咲いた。

エンリの髪がまるで餓えた蛇の如くベリュースの体に突き刺さり、そのまま強引に捻じり、引き千切る。正に五体四散と言わんばかりの状態であり、その血で汚れた為か、それとも臭いと感じている為か、髪を引き抜き不快そうにエンリは舌打ちした。血に汚れ、殺し足り無いと言わんばかりに村を襲った面々を静かに見つめている。

 

洗浄(ドライ・クリーニング)

 

「ジュン様。ありがとうございます」

 

ジュンはそんなエンリの頭を優し気に撫でる。ソコには無感情な様子も、これ程の事を起こしたとは信じられない慈母に似た笑みを浮かべている。ジュンの魔法で血等がすっかり取れた事も有り、エンリも力無いが穏やかな笑みを浮かべた。

 

(・・・ジュンさん。ソイツはイケない。いけないよ)

 

アインズもそうだが、男という性別の者達にとって2人の女が起こした処刑方法が余りにも衝撃的だった。男性一同は敵味方老若関係無しに玉が上がり、冷風を噴きかけられた感覚を味わい背筋が凍る思いを感じたのだ。女達は壮絶さから絶句している。

アインズはジュンの深層心理が女性になった事は歓喜するが、ソレとコレは明らかに別である。

 

「・・・さて、ロンデスと言ったか。貴様以外は帰してやろう。帰って我が名を伝えよ。次にこの付近で騒ぎを起こすならば、次は貴様らの国へ赴き、死をくれてやろう」

 

アインズの仕切り直しと言わんばかりに威圧感を込めた言葉はある意味凍結した空間を緊張感のあるモノへと戻す。

アインズは騎士達の処遇を決定した。それを聞いた少年以外の騎士達はほうほうと股間を抑えながら逃げ出した。かなり不格好である。少年はロンデスの隣に座り直し、怯えながらも確りとアインズを見つめる。ジュン達の方は見ない様にしているのが丸分かりだが、アインズは男として少年を責める気にはなれなかった。

アインズは眠りの魔法を2人にかけた。瞬時に極度の睡魔と、酷い精神的疲労から意識を失う。

 

「さて、諸君。下らんモノを見せたな。君達はもう安全だ」

 

「あ、貴方様は・・・それに、あの赤髪の女をエンリと言いましたか?」

 

アインズは静かに村人達へ宣言した。彼等は主に男性陣が怯えてはいるが、当面の命の危機は脱したと認識した。初老の村長が代表として聞いたのは、目の前で一人の人間を惨殺した女と、陽だまりに似た笑顔が似合う少女がつながらないのだ。特に目が人間と違う事も有り全く想像がつかない。

エンリは咄嗟に思う。それ程分からないものかと体を確認してみれば、あまりにもピッチリと体にフィットしており、胸が豪快に開いている事から恥ずかしく思い始めた。

 

「あっ・・・」

 

闘争心が切欠なのだろう。エンリの服になっていた部位が灰色になり、螺旋を描くように右手に集まり、ブレスレットを形成した。ハート形にも目にも見えるブレスレットに。同時に目も髪も元の人間、エンリ・エモットのモノへと変わるが、種族が人間では無く、悪魔だとわかるのはアインズ達だけだ。ふら付くエンリをジュンが抱き留め、支えながらネムがいた所まで行き、ジュンが結界を解く。

 

「お姉ぇちゃん!」

 

「ネムッ・・・」

 

ネムは己の目の前にいる姉に抱き着いた。エンリはこの瞬間、緊張などが解けたのだろう。ネムを抱きしめシクシクと静かに泣き始めた。その姿を確認した村人達は顎が外れそうな程唖然としていた。まだ、魔物がエンリに化けたと言われた方が納得出来る事態である。

 

「マジック・アイテムです。ジュンが命を助けるついでに力を授けたのですよ」

 

「で、では、何故御救いになられたのですか?」

 

「昨日、ジュンが虐殺された村を発見しましてね。埋葬してから付近に村が無いか探していたのですよ。少々遅れて申し訳ございません」

 

アインズは取り合えずマジックアイテムだと言い張る事にした。そして理由も淡々と語る。別に威圧しているつもりはないが、質問する村長の胃はキリキリと痛みを訴えた。

アインズはある事に気づいた。村人達はの視線がエンリと死の騎士(デスナイト)を見ている事に。それはまるで、何か信じられないような条件。例えばアンデットの素材になれ、マジックアイテムの実験台になれと言われる事を恐れているように感じた。

故に、あまり好きではない方法を取る事にしたのだ。

 

「ただ、我々も義憤だけでは御座いません。頂きたい物が御座います」

 

アインズの一言に村人たちは歓喜した。

それもその筈だ。彼等にとってタダと正義程恐ろしいモノは無い。後で何を要求されるのか分からない為だ。営利目的である方が安心出来る事案なのである。

アインズは静かに息を吐き、早く元の骸骨の姿となりたいと思いながら一度天を仰いだ。

 

蛇足だが、ロンデスが使おうとしたのは一種の通信アイテムだった。襲撃が終了し、撤退した後ベリュースがニグンに対して、無駄話付きの報告を長々と話し、魔力が空になっていた為に作動しなかったのだ。その為か、陽光聖典本隊が隊長であるニグンの睡眠不足により仮設基地からの出立が遅れた為に、襲撃は太陽が昇り終えてからになったらしい。




正解は『アニメ版 ウィッチブレイド』でした。分かった方はいたのかな?
前回のは変身シーンではなく融合シーンです。アニメ1話、雅音の夢をモチーフにしてます。違うのはエンリの場合は刺したまま融合しちゃった事ですね。だから、宿主に巻き付く描写が無いんです。
現在はレベル不足から第一段階です。要するにアニメ版の露出が少な目な状態ですね。
あくまでも『ウィッチブレイド完全体を作ろうとした結果』なんです。作中にも出ましたが、ジュンの目的は『装備出来るNPC』だったんです。『リビングアーマー』系列で防御力に特化し、ゴッズまでは届きませんが、強力な防御力と、HP回復で自動回復する装甲や武器が欲しかったんです。
エンリが『タレントを持っているオリ設定』から、結果エンリと融合しちゃったんです。その結果、ジュンに仕えるNPCとしての常識が加わってしまい・・・要は『コーヒーとミルクが混ざってカフェオレになった』とでも思ってください。しかも設定していた職業レベルとかも色々変化してしまい、防御特化の筈が俊敏性特化になってます。元が防御特化だったのでレベルの割には堅いです。代わりに魔法が使えませんが。エンリの種族が変わったのはジュンの悪魔王の『加護』によるものです。融合した為では無いです。
まぁ、あえて言うなら『デビルマン』+『ウィッチブレイド』が正しい認識でしょうね。
結果から言って『結晶崩壊しない』ようになっているんですが、ソレはまだ知りません。あと、レベルが上がるとDVD版になります。やったねwンフィーw

序に言いますと、最終選考迄残ったのはガイバーⅡとバンダースナッチ、キューティーハニー、シンフォギアです。逆に速攻で落としたのが、ライダー、テッカマン、オーガン、R18系アニメ・ゲームですね。落とした理由は単純。この作品で『女』ってだけで死亡フラグや凌辱フラグヤバイもん。ついヤッちゃいそうになります。
最終選考時の判断基準。
ガイバーⅡ:何か変なフラグが立つ=× バンダースナッチ:ラスボスで負けフラグ。ンフィー肉体系じゃない=× 
キューティーハニー:エンリがスパイの真似事・・・合わん=× シンフォギア:何着せるよ。歌の版権とか面倒=×
ウィッチブレイド:血濡れ。ビジュアル。強大な力に翻弄する女=○
さて、色々と書き足りませんがこの辺で。
次の更新は土曜か日曜に、上げれたら良いな・・・日曜に上げれないなら活動報告に書き込みます。
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