罪深き萌えもん世界   作:haruko

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ちょっと間が開いて申し訳ありません

少し話を進めるのに難航してしまいました。



作者は江迎ちゃんが好きです。


第6話 1 見る目 見られる目

 

 

 

 

 

「……はい。招待状を拝見させていただきました。それでは、船上パーティをごゆっくりお楽しみください」

 

腕に布をかけた如何にもという雰囲気を持った服装の男の許可を得た一行はタラップを登って大きな大きな鉄の塊の中へと入っていく。不思議そうな目で辺りを見回す萌えもんたちもそうだが、キラキラした表情で小奇麗な船内を見回す少女の姿に、ミズキは思わず笑みをこぼす。

 

「お気に召したなら何よりだ。わざわざ誘った甲斐があったってもんだよ」

 

「べ、別に私はこんなところ興味なかったんだけど? ぼっちのミズキが一緒に行く友達がいなくてどうしてもっていうから来てあげたんだけどね」

 

少し乱れている髪と息を整えて平然を装ってブルーが答える。

 

「……ミズキ、誰かと一緒に来なきゃダメだったの?」

 

「いや、一人でも来れたぜ」

 

ミズキがさらっと言う。

 

「そもそもミズキのだんなから連絡が来る前まではハナダを動く気もなかったくせにっていってぇ! 何しやがんだブルー!?」

 

「あ、あんたがくだらないこと言うからでしょ!」

 

顔を真っ赤にするブルーを見ながら二人を囲んだミズキたちは微笑む。

 

 

 

 

 

 

 

「さてと……ここが俺たちの部屋か……さすがにシルフの奴らが出資しただけのことはあるな。こりゃまぎれもなく豪華客船の一室だ」

 

「マスター! ベッドがまふまふですぅ!」

 

「おー。きもちいーですししょー」

 

ドアを開けた瞬間に女子二人が部屋の中のベッドに走り飛び乗る。

 

「二人とも、あまり暴れすぎないようにな」

 

「……やっぱ女ってのは騒がしくて好きになれねーぜ俺は。ブルーに連れまわされてっからなおのことそう思うよ」

 

「そうか? ブルーも結構かわいいところあると思うけどねえ。なあブルー?」

 

部屋を一瞥しながらそこまで話したところで隣に同意を求めようとするが空振りに終わった。

それまで隣を並行して歩いていたブルーがいつの間にか消えていることに数秒困惑するが、思いっきり部屋を見渡した後もう一度自分の隣を見ると、淡い青色で統一された女の子らしくかわいらしい服に不似合なほど顔を赤くしながら体を丸くしてかがめているブルーの姿が少し目線を下げたところにあった。

 

「……おーい。ブルーさーん?」

 

「な、なんで……」

 

そして顔を上げたブルーは体をプルプルと震わせながら叫ぶ。

 

 

 

 

「なんでベッドが一つしかないのよー!」

 

 

 

 

「……もともと一人用の部屋だからだと思うけど?」

 

何の問題が? とでも言わんばかりの表情を浮かべながらミズキが言う。フレイド以外の萌えもんたちはそんなブルーを見てぽかんという表情で、フレイドだけが口角が上がるのを必死に抑えていた。

 

 

しかし、そんなマセ犬フレイドもブルーの本気には勝てないんだろうなぁ……なんて考えながらミズキはすっとしゃがんでシークの耳をふさぐ。そしてそれに倣うようにゼニがベッドのりゅうの耳をふさいでいた。その脇のおにぽんは深い深いため息をついていた。

 

 

 

 

 

ああ、こいつらも経験済みなのか。あのモードを。

 

 

 

 

 

そう思いながらシークを回転させるようなしぐさでシークごと体をブルーの方に向けて軽く深呼吸する。

 

 

 

 

 

 

「だ、ダメよミズキ……私たちはまだ子供なのよ……そりゃあもう十歳だし、旅に出られる年齢だけど、やっぱりそういうのってもっとお互いのことを知ってからじゃないと……いや、ミズキが嫌いなんて言ってないわよ? でもやっぱりわたしたちにはまだ早いかなーなんて……いつかはそういうこともいいと思うけど、私の理想のシチュエーションっていうのがあるのよね……それをまず聞いてくれるかしら? あのね。場所はそんなに望まないのよ。一軒家の畳の上とかでもいいの。むしろそういう少し手狭な場所が私は好き。暮らしていくんだったらいつも相手の顔を見ていられる方がいいからなの。でもシャワーの順番にはこだわりがあってね? 私が先でミズキが後。なんでかっていうと私は基本的に布団の中で待っていたいのよ。男の人に来るタイミングはまかせて私はただただその時を待つ。その時間ってとっても幸せだと思わない? あっ、でも最初はちゃんと優しくしてね。二回目からは何をされても大丈夫だとは思うんだけれどやっぱり一生に一度の経験は大事にしたいじゃない。それで子供は二人かな。私は一人いれば十分なんだけどやっぱり年を取ってから一人っ子の子供に『兄弟が欲しい』なんて言われるのはつらいじゃない。でもやっぱりそこは時の運よね。いくら対策したってできちゃうときはできちゃうし、できないときはできないんだものね。大丈夫。私はそれをミズキのせいにしたりはしない。たとえ子供が出来なくってもミズキはミズキで私は私。それは変わらないことだもの。でもってねミズキ、あなた、味噌は赤味噌、白味噌のどっちがすき? あ、なんで今聞くのかとかそういうのはなしよ? だっていずれは知らなければいけないことじゃない。知らないままではいられないわ。さあミズキ。ここの選択が全てを分けるわ。あなたのこれからの一生の御御御付けは今ここで決定されるんだから。さあ選びなさい! 白か! 赤か!」

 

「じゃあお前のパンツの色で」

 

「へっ? 今日はピンク……って何言わせんのよ!」

 

うずくまってぼそぼそつぶやいていた状態から思いっきり立ち上がって背後のミズキに裏拳を飛ばすがひょいと体を曲げてそれをかわす。躱した裏拳を頭に少しかすらせたミズキに抱えられた定位置のシークが頭を押さえて少し泣きそうになってから、“じこさいせい”を発動していた。

そして他の五人はというと、にたついていたフレイドと大はしゃぎだったスーは案の定顎が外れそうなほどに間抜けに口を開け、ゼニとおにぽんは毎度のことというそのままの表情を浮かべ、りゅうは一人きょとんとしていた。

 

 

 

 

「あれがブルーの必殺技。己が妄想で周りのすべてを冷ややかな風で包み込む、“妄想暴走(こごえるせかい)”だ」

 

「いやいや、あれは思考で我欲を現実の世界に映しだす、“想像爆発(サイコシフト)”よ」

 

「へっ、そんなちゃちなもんじゃ断じてねえ。あれは自分の世界だけを確立する。自分の欲しい時間をぶっ飛ばす、そんなトンデモねえ、“時空切取(あくうせつだん))”だよ」

 

「とりあえずブルー殿もまともな人間でないということはわかった」

 

「おい、誰をもって、“も”って言ったんだ?」

 

「「「「「ミズキ(だんな)(マスター)(主)(だいししょー)でしょ?(だろ?)(ですね)(だが?)(ですか?)」」」」」

 

「……」

 

泣きそうになった。

 

 

 

 

ちなみに、試乗会だから日帰りなのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで? これからどうするつもり、ミズキ」

 

「よくもまあ平然と続けられるもんだな」

 

「それで? これからどうするつもり、ミズキ」

 

「……そうだなあ、招待状には本当に自由に回っていいって書いてあるぜ。下船するときに感想みたいなアンケートを書くこと以外は特に条件はないみたいだ」

 

「スルースキルが高いな主」

 

「それがマスターです」

 

大概の面子が死んだ目のまま会話が進んでいくその空間はさっき何の用事か部屋に入ってきたボーイが無言で扉を閉めるくらいには不気味だった。

 

「ふーん……かなり設備も充実してるし、今日限定で受けられるサービスも多いみたいだな。おっ、もうすぐホールで立食パーティが始まるみたいだぜ」

 

「! 行きましょうマスター! お願いですマスター! 行かせてくださいマスター! マスター! マスター! マスター!」

 

「うるせえうるせえ。ちょっと待ってろっつーの」

 

そういいながら辺りを見回しながら皆とアイコンタクトを取りつつ右手を上げる。食事に行きたいものの点呼を取るためだ。

 

そして見事なまでに無反応。そりゃそうだ。ブルーたちはともかく、俺たちは乗船前にしっかり食ってきたんだから。

 

しかしこれでもかというほど目を輝かせたスーの想いも無碍にするわけにもいかない。

仕方ない……こいつらには待ってもらって俺がスーに同行するか。

 

 

「ミズキ。あたしがいくわ」

 

 

そんな自分の心を知ってか、ゼニがピシッと右手を挙げて立候補する。

 

「ん? ああ、ゼニ。行ってくれるのか?」

 

「せっかくだし、あたしも料理を味わってくるわ。スーちゃんとお話もしたいしね」

 

「サンキュ。じゃあこれ持ってけ」

 

そういいながらポケナビを渡す。

 

「このページ開いて会場で見せれば中に入れるはずだから」

 

「わかったわ。行きましょう、スーちゃん」

 

「はい! 食べましょう! ゼニちゃんさん!」

 

言いながらスーはゼニの手をつかみとんでもないスピードを出して会場の方へ向かっていった。

 

「走るなよ~……っていっても遅いか。お前らも自由に歩き回っていいぜ。下船の時間までにここにいてくれりゃあ問題ないからな」

 

開けっ放しにされたドアを閉めながら部屋の方を向きミズキが言う。

 

 

 

「ししょー。りゅーといっしょにおそとにいきましょう?」

 

 

 

そういいながらりゅうは右腕を前に差し出し片足を後ろに引く。何をしているのか理解できずに一瞬固まるフレイドだったがすぐにそれが、乗船前にタラップの前にいた男の、「エスコート」する時のポージングであることに気が付いた。

 

「……りゅう殿。それは本来わっちがりゅう殿に行うものであってだな……」

 

「? ししょー、さそったらだめでしたか?」

 

「……いや、何でもない。行こうか、りゅう殿」

 

そして改めてフレイドがりゅうの手を取り、外に出ていく。

……なんというか、アンバランスでかわいい二人だ。

 

 

 

「……んじゃ、あまりものでペアになるか、シークのね……兄さん」

 

(……?)

 

小首を傾げながらおにぽんの肩を軽くポンとたたく。

 

 

 

 

 

もっと強くひっぱたいでいいぞシーク。そいつ、姐さんっていいかけたからな。

 

 

 

 

 

そんな感じで二人が出ていき、いつの間にか個室に二人きりとなったことに気付いたブルーはまたしても顔を赤らめバーストモードに入るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で? 兄さんは行きたいところはあるのか?」

 

(……)

 

必死にとことことおにぽんの後ろをついていきながら肩を二回たたく。

 

「なし……ね。まあ、暇つぶしにその辺をうろついてりゃいいか」

 

そして自分の服の裾をつかむシークを引っ張りながら、大きな船内をずんずんと歩いていく。ふと後ろを見るとシークの不安げな表情と目があい、おにぽんは軽くため息をつく。

 

「なあ、シークの兄さん。兄さんはもうユンゲラーなんだろ? いくら近接戦闘で弱くったって、エスパータイプがカントー地方屈指の強さを持った萌えもんってのは有名な話だ。そんなにおびえることねーんじゃねえの? あんたは強いんだから、堂々としてりゃあいいじゃねえか」

 

攻め立てるような、焚き付けるような、追求するような口調で言うおにぽんの言葉に、シークは歩を止めうつむき、ぐっと服をつかむ力を強める。

 

「……ま、偉そうなことは言いたくないけどさ。ちゃんと自分で行動できないと、自分でやりたいこととか、欲しいものとか、そういう、譲れない大切なことがあった時に困るぜ。『俺はこれをこうしたいんだ!』って、きちんと主張できないとな」

 

 

歩きながらそこまで言ったところで、自分の腕から引きずるような感覚がふっと消えたことに気付く。

 

振り返ると、下唇を噛みちぎるように歯に力を入れ、辛そうにしているシークがいた。

 

「兄さん……? いったいどうし」

 

 

 

 

「ねえねえ、あの娘ケーシィじゃない!?」

 

 

 

 

シークに声をかけようとしたその瞬間、後ろから黄色い声が聞こえてくる。

振り返ろうとした瞬間に瞬間に横を抜けて行った三人の女のうちの一人がシークを抱きかかえた。

 

 

「あら、この娘ケーシィじゃないわよ。進化系のユンゲラーだわ」

 

「えー!? この娘この大きさで進化形なのー!? かわいい~!」

 

「誰の萌えもんなのかな?」

 

「ユンゲラーなんて捕まえるのは超難しいレア萌えもんよ!」

 

「ゆずってくれないかしら~?」

 

 

物を言えないシークを捕まえて好き勝手言いまくる、見るからに金持ちの娘たちといった若い身なりに似合わない宝石をつけているような集団に、おにぽんは少し苛立ちを覚えるも無理やり自制しシークを助けようと声をかける。

 

「……あの~」

 

「ねえねえ。確かユンゲラーって、交換したら進化するタイプの萌えもんよね?」

 

「そうそう! もっと強くなるのよねー!」

 

「だったらさ! この娘のおやから交換してもらったら、進化したこの娘をもらえるんじゃない!?」

 

「それいいね! パパに頼んで交換に出す萌えもんもらって来ようっとー」

 

「ちょっと!? この娘は私がもらうんだからね!」

 

 

おにぽんの声はやかましい身勝手な声にかき消される。

 

 

 

いら立ちを我慢できずに一発“なきごえ”でもうって黙らせてやろうかと考えたその時。

 

 

 

 

 

 

ばたばたばた、と床に何かを打ち付けるような音が響いた。

 

 

 

 

 

 

それは目の前に突っ伏している女たちが、崩れ落ちた音であることは想像に難くなかった。

 

 

 

 

 

「……シークの、兄さん……?」

 

涙のにじんだ瞳の奥に、恐怖か、憤怒か、判別の付かないような何かを浮かべたシークは、手元にバチバチと青白い閃光を浮かべ、倒れる三人の中心に立っていた。

 

 

 

 

音を出せないその口を少しだけ動かし、震えるその姿を、おにぽんは見届けることしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おー、ししょー。うみがきれいですー」

 

「本当だな。風も気持ちがいい。海上というのは陸とはまた違った魅力があるのだな」

 

甲板まで登ったフレイドとりゅうは大きく体を伸ばしながら海を眺める。試乗会である現在、港に停泊しているだけで動いているわけではないが、心地よい波風が体をくすぐったくなでるのがまた気持ち良くなる。

 

「? ししょー、うみのうえはじめてですか?」

 

「ああ、わっちは海を見るのも初めてだ。生まれてからずっと陸で生きてきた」

 

不思議そうな顔で下から眺めるりゅうにフレイドが答える。

 

「おー。りゅう、うみのうえすきです。だからししょーもすきになってください!」

 

ぴょんぴょんとはしゃぐように飛び跳ねながら、フレイドと無理やり目線を合わせながらりゅうが言う。

 

「……気持ちはうれしいが、わっちはみずが苦手でな。海にはうまく近づけないんだ」

 

楽しそうなりゅうに対し申し訳なさそうにほほを掻きながらやんわりと断りを入れる。そんな返しにりゅうは一瞬少しさみしそうな顔を浮かべるがすぐに顔を振り、拳を天に思いっきり掲げて言う。

 

 

 

 

「じゃありゅうはこれからつよくなって、いつかししょーをりゅうのすきなうみのうえにごあんないします!」

 

 

 

 

きょとんとした顔のフレイドを置いて、りゅうは続ける。

 

 

「ブルー、いってました。りゅうちゃんはつよくなれば、いつかとべるようになるそうです。とべたらししょーをうみのうえにごあんないできます! そしたら、うみのことすきになってくれます!」

 

 

高らかと宣言するりゅうを、フレイドは無言でじっと見つめる。

 

 

「……やっぱり、ダメでしょうか……?」

 

 

 

 

「……いや、楽しみにしてる」

 

 

 

 

「! はい!」

 

 

やったー! といいながら甲板の上を跳ね回り、どんどん離れていくりゅうをフレイドは外側の柵に寄りかかりながら愛おしそうに眺めている。

 

 

 

 

「あ、そうだ! ししょー!」

 

ひとしきり甲板を一周してきたりゅうが再びフレイドに声をかける。満面の笑みを浮かべるりゅうに、思わずフレイドも笑みをこぼしながら応対する。

 

「はいはい、どうした?」

 

子供をなだめるような優しい声。

完全に気が抜けた、楽な気分だった。

 

 

 

 

だからだろう。

一気に現実に引きもどされた時、予想だにしないダメージを受けたのは。

 

 

 

 

 

 

「わたし、ししょーみたいにつよくなりたいです! ししょー、つよくなるほうほうをおしえてください!」

 

 

 

 

 

 

『おまえ! 強いな! 俺もお前みたいになれるように頑張るよ!』

 

 

 

 

 

 

「っ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

体の血液が一気に逆流するような、心臓が体を一気に跳ね上げさせるような、そんな気持ちの悪い感覚を覚えた。

 

 

 

 

「? ししょー?」

 

りゅうは、なぜフレイドは苦しんでいるのだろうか? とでも言いたげな顔で食いしばるフレイドの顔を覗き込むようにして、目を合わせる。

 

「ししょー? ごきぶんわるいですか?」

 

心配するりゅうを尻目に、フレイドは辛そうな顔を隠すこともままならずに、甲板の隅に体を寄せようと這うように進む。

りゅうはそんなフレイドの肩を何とか支えようと力をいれながらフレイドの動きに体を合わせ手伝う。

 

 

やがて端にある給水タンクの裏まで移動したフレイドは糸が切れたかのように力を抜き、タンクの足に寄りかかりながら吐いた。

 

 

「……ししょー。りゅう、わるいことしましたか?」

 

 

ひとしきり嗚咽が収まった後、フレイドは口を抑えながら首を横に振り、静かに答える。

 

 

「……かっこ悪いな。わっちは」

 

 

「そんなことないです! りゅうがわるいです……」

 

 

 

 

 

「いいや……わっちが悪い。わっちが弱いのが悪いんだ」

 

 

 

 

 

うつむいたまま、くぐもった声で言う。

 

 

 

「……ししょー、よわいですか?」

 

 

「ああ、弱い。りゅう殿よりよっぽど、弱いよ」

 

 

「……そんなことないです。りゅう、まだだめだめです」

 

 

「そんなことない。少なくとも、わっちなんかを尊敬してくれている、わっちがさっき見たりゅう殿は強かった。それに比べて……」

 

 

口を抑える手を握りこみ、それを、自分の眉間にぶつける。

 

 

 

 

 

「っ! わっちは! 目指してもらうような強い萌えもんじゃない!」

 

 

 

 

 

物をよく知らないりゅうでも痛いほどに伝わる、悲痛な声が二人だけの空間に響き渡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

「りゅう殿……わっちみたいにならないでくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

二人は、いつの間にか胸を貸しあい、辛い涙を流していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




スーゼニペア、ミズブルペアも一話にまとめてしまいたかったのですがそうすると長い上にうまく作れないので若干尻切れトンボになってしまいました。申し訳ありません。



さあ、ここまででブルーのキャラが完成されつつありますね。

自分のイメージとしては、

(江迎怒江+御坂美琴)÷2

みたいな子です。

知らない人は特に気にしなくてもいいんですけど……

まあなんでこんなに突然キャラ押ししてきたかっていうと今話を超えたら当分でなく(げふんげふん


そんなブルーをよろしくお願いします。
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