罪深き萌えもん世界   作:haruko

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前話に追記もしましたが、再度お礼とご報告。

久しぶりにこの小説がランキングに顔を出しました。
罪深き萌えもん世界がランキングに乗ったのは自分の知る限り二度目なのですが一度目と同じくらいうれしかったです。みなさんありがとうございました。
これからは長期間途切れることがないように不定期ながらもがんばっていきますのでこれからもよろしくお願いします。


では、タイトルからもわかると思いますが、エリカ戦、決着です。


第11話 3 決着

スーの苦しげな呼吸音だけが響く空間で、ミズキはずっと考え続けた。

 

 

もう時間はない。

 

勝ちに行くためのスーの体力は、今も刻一刻と“どくどく”によって蝕まれ続けている。しかし、成功していた……いや、成功していると思わされていた作戦にミズキはかなりの戦力と代償を支払ってしまった。

 

作戦失敗で残った結果は、

 

 

“もうどく”状態で体はボロボロ、“ベノムトラップ”の効果で体に力も入らないスー。

わざはすべて消費しつつも、いまだ動きにキレがあり、ダメージを最小限に抑えたミラ。

 

 

ここから勝利する方法など、あるはずがない。

そんな会場全体から漏れだしてきた心の声が、ミズキには聞こえてきたような気がした。

 

 

 

 

(……手はある)

 

 

 

 

スーには、一つ残っている。

 

 

 

ひっさつの、きしかいせいのわざ。

 

 

 

“ベノムトラップ”の影響も受けない、スーが使える唯一のわざ。

 

 

 

 

 

(……いや、足りない)

 

 

 

 

 

歯ぎしりがいやなおとを立てる。

 

 

“あられ”

“しろいきり”

“れいとうビーム”

 

 

あと、一つ。一つだけ。

 

 

 

“ベノムトラップ”は、こうげきだけを制限するわざではない。

毒の沼を踏みしめたスーの足は、紫色に変色し、立っていることもままならない状態であることは一目瞭然である。前半のバトルの柱であったスーのすばやさは、すでに奪われてしまっていた。

 

 

 

(……わざを当てる手段が……ない)

 

 

 

エリカと共に過ごし、幾度となく戦ってきた経験が、

そして、これまでに培ってきた膨大な知識が、ミズキの耳に不可能を囁く。

 

 

“れいとうビーム”を二発。

これはミズキにとって、奇跡に等しい成果だった。

 

 

エリカの掌の上であったとはいえ、その二回は、エリカに勝利するため、エリカと対等に戦うためにミズキが己の中の苦悩、恐怖と戦い、等々手に入れた奇跡の一端だったのだ。

 

 

だからこそ、わかる。

今から、策もなしに、エリカの指示をかいくぐり、ミラに詰みの一撃を加える。

 

 

それが、どれだけ難しい事か。

 

顔の前においていた右手の意図しない震えが、ミズキの心中を雄弁に物語っていた。

 

 

 

 

 

「……それで、まだやりますの?」

 

 

 

 

 

ハッとして、正面を向くと、うっすらと笑みを浮かべたエリカが、細い目でミズキの瞳を貫いていた。

 

「さっさとサレンダーしてしまう事が、あなたの萌えもんの為だと思いますけれど?」

 

エリカは嫌らしくそう呟く。だが、その言葉に間違いなどなかった。

エリカは、この後だって容赦はしない。今は時間をかければスーは勝手に体力がなくなり、倒れるからこそ何もしないだけであり、ぼろぼろのスーを見て情けをかけているわけではない。むしろ、スーが近づいてきた瞬間に、一撃でその意識ごと刈り取る準備を、万全に整えていることだろう。

 

今の状態のスーに、そんな一撃が当たったら、致命傷だ。

 

 

 

 

このバトルの話ではない……スーの……今後の話だ。

 

 

 

 

この状況でのサレンダー。

 

それは、恥でも何でもない。むしろ、トレーナーの責任だ。

 

 

 

 

 

 

「……シークに、あんたに、教わったんだ」

 

 

ミズキは、そういって、人差し指をエリカに向ける。

 

 

「シークには、勝率の作り方を。そしてあんたには、勝利の作り方を」

 

 

エリカは言った。

 

 

『可能性なんて、0か100でなければあとは大差ありません』

 

 

シークに、教わった。

 

 

萌えもんバトルに、0%はないという事を。

 

 

 

 

「俺は、足掻く。可能性が少しでもあるなら、俺は絶対にあきらめない!」

 

 

 

 

ミズキのその宣言に、

 

 

エリカの表情は、今日初めて、

 

 

歪んだ。

 

 

 

 

『エリカさん。俺、可能性がなかったとしても、絶対にあきらめない!』

 

 

 

 

エリカは思う。

 

ああ、あなたは本当に……

 

 

 

 

 

「……弱くなったのね。ジョーカー」

 

 

 

そうつぶやいたのは、エリカではなかった。

 

 

 

「……ジョーカーって呼ぶなって言ってんだろうが、ミラ。俺はミズキだ」

 

「ええそうね。あなたはジョーカーじゃないわ。まさかわたしが愛した男が、ここまで腑抜けているだなんて、思ってもみなかったわよ。こんなふうになってしまうんだったら、エリカに完封されて、泣きわめいていたあの頃の方が、十倍マシだったわね」

 

言葉を取り繕う事すらもせず、無表情で罵倒したミラは、フィールドに唾を吐き捨てた。

 

「……どういう……ことですか?」

 

今度は痛みにこらえるスーが、うめき声を押し殺しながらミラに問う。

 

「言葉の通りよ。確かにあの頃、ジョーカーはわたしたちに勝つことはできなかった。でも、少なくとも、どんな状況でも勝ちを諦めることはなかったわ。たとえ、勝てるわけがなくてもね」

 

「っ!?」

 

その言葉に、ミズキは強烈な違和感を覚え、思わず両手で頭を抑える。

 

「……勝てるわけ……なくても?」

 

「……記憶が飛んでるって話、本当だったのね」

 

がっかりだわ、とても言わんばかりの表情で、ミラは冷ややかな目を向けた。

 

「まさかあなたが、見えてる勝ちしか追えないような、チキン野郎に成り下がっているだなんて、考えたくもなかったわ。よっぽどどうしようもない萌えもんに囲まれて過ごした時間が長かったのかしら」

 

「っ!」

 

「あら、図星疲れてしんどくなっちゃったかしら、お山の大将さん? そんなこと、自分の萌えもんたちにばれたら、裸の王様だってことがばれちゃうものね」

 

「エリカ様。それ以上のトレーナーに対する“ちょうはつ”行為は認められません」

 

「……ミラ、それぐらいにしなさい」

 

ミラの明らかな挑発行為を諌める審判とエリカをよそに、ミズキは怒るわけでもなく、黙り込んだ。

他のどんな感情よりも先に、歯がゆさが心を支配していた。

 

 

 

 

(……俺が……見えている勝利しか追っていなかった?)

 

 

 

 

ミズキが思い返していたのは、トーナメント決勝戦。

 

自分は、降参を宣言しようとした。

 

それはなぜか?

 

 

勝ち目が、なくなったからだ。

 

 

 

自分の中で、あの瞬間、シークが勝つという事を想像できなかったからだ。

 

 

 

ミズキは、以前、言った。

 

 

 

『諦めなければ、何かが起こる』

 

 

 

しかし、現実として、ミズキは、シークよりも先にあきらめた。

 

 

 

なぜか?

 

 

 

ミズキにとってその言葉は、

 

『勝ち目がなくても最後まで頑張る』

 

という意味ではなく、

 

『ほんの少しの勝率を引き上げるために頑張る』

 

という事だったからだ。

 

 

 

その結果、ミズキは勝負を諦め、

 

 

そんなミズキの手から離れた、諦めないシークに勝利をもらった。

 

 

 

どんなことでも一度は受け止め、考え、冷静に計算し答えを出す。

 

 

 

 

そんなミズキの性分が、ミラの言っていることが正しいことを物語っていた。

 

 

 

 

 

 

「でも、それでも! 俺は……今の俺は!」

 

 

 

 

 

 

 

「わたしをまたいで、勝手に話を進めないでくれませんか……」

 

 

 

 

 

 

ドスの利いた、底から這いあがってくるような低い声が、ミズキの言葉を切り裂いた。

 

 

エリカは目を細めてスーを見つめると、思わず声を漏らし、目を見開く。

 

 

ぼろぼろだったはずのスーの姿が、

陽炎のごとく歪んで見えた。

 

 

「……さっきからごちゃごちゃと人のマスターに向かって、言いたい放題言ってくれましたね」

 

息を切らしながらもいまだ力強いスーの声を聴いたミラは、驚きつつも答える。

 

「事実を言ったまでよ。弱くてぼろぼろのあなたと一緒にいる今のそいつはわたしたちといた時よりも圧倒的に弱い。それはこの結果を見れば歴然。それに少なくとも、わたしはいまのあなたより、昔のその男のことを知っている。それが適当なことかどうかは、あなたには判断できないはずだけど?」

 

 

からかうような口調で、スーに言う。

 

 

(昔の女の影に狂う女の姿。醜いわね)

 

 

そう思い、さらに挑発の言葉を重ねようとしたミラの声に、スーの言葉が重なった。

 

 

 

 

 

 

 

「んなことはどうでもいいんですよ……」

 

 

 

 

 

 

 

「……え?」

 

予想外の言葉、そして迫力に、ミラは思わず冷や汗を垂らす。

 

 

 

(……何なの、この力……この勢い)

 

 

 

怯むミラを尻目に、エリカは一つのことを思い出す。

 

 

 

 

『竜にやられたわ。気を付けて』

 

 

 

 

「これが、カスミの言っていた……」

 

 

 

 

 

しかし、ミズキだけはわかった。

 

 

 

この力は……カスミ戦の比ではない。

 

 

 

自分が利用すべく引き出した……自分がわざと引き出した程度の怒りの、比ではなかった。

 

 

 

 

「過去なんてどうでもいい。マスターの過去は、マスターのもので、わたしが触れていいものではないから……それが、わたしたちの契約だから……」

 

 

 

 

「っ! スー! まてっ!!」

 

 

 

 

ミズキの必死に伸ばした右手は、

 

 

 

ミズキの想いは、

 

 

 

届かない。

 

 

 

 

 

「昔のマスターが何を言われてようと、どうでもいい。昔のマスターより、今のマスターが弱くてもどうでもいい。わたしたちが弱いとけなされても、どうでもいい。でも!」

 

 

 

 

 

ミズキが止めようとした、

スーのミズキへの想いは、

 

 

 

 

 

蒼い炎のような竜のオーラと共に、

 

 

 

 

 

 

「今のマスターを、わたしたちのマスターを、あなたたちが何も知らないミズキ(マスター)を!」

 

 

 

 

 

爆発した。

 

 

 

 

 

 

 

「馬鹿に……するなあああああああああああああああああ!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

「っ!!!! この力は!!!!!?」

 

 

 

 

 

「うおおおおおおああああああああぁーーーーーー!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

声にならないような咆哮が、

会場全体に響きわたり、

 

 

 

 

怯んだミラが思わず瞬きをしたその刹那の瞬間、

 

 

 

 

スーが数十メートルという距離を一瞬で詰めていた。

 

 

 

 

 

「っミラ! 躱しなさい!」

 

 

 

 

 

そのエリカの指示を待たずに、ミラは回避行動をはじめていた。

 

そうしてスーの拳をかわしたミラは、頬を伝う血が、拳によってつけられたことを理解し、寒気を覚えた。

 

(“ベノムトラップ”にかかったはずなのに、拳で切れるほどのスピード……!)

 

スーに、何が起きたのかなど分からない。

ただ一つ言えることは、今のままでは、まずいという事だけ。

 

「うがぁ!」

 

「っ! くっ!」

 

スーの度重なる追撃を最小限の動きだけで躱そうと試みるミラだったが、ただ暴れるようなこうげき方法に掠る回数が増えてきたミラは、それが愚策であると考えた。

 

 

(全力で動いて躱しつづけるしか……ない)

 

 

エリカがみて、そこから指示を出すのを聞いていたら、間に合わない。

全ての攻撃を、自分だけで躱しきる。

 

 

ミラは、そう決心した。

 

 

 

 

 

ミラが苦しみながらもスーの乱撃をかわしている一方で、ミズキは決してこの状況を喜んでなどいなかった。

理由は明白。

 

(スーの限界が……近い)

 

スーのあれは、これまでのダメージを回復したわけではない。いや、むしろその真逆と言ってもいい。

回復したから猛スピードを出せるようになったわけではない。

むしろあれは、最後の灯。

 

空になる寸前の燃料タンクから、最後の一滴まで絞りつくそうとしているだけだ。

 

 

 

もって、十秒。長くて、二十秒。

 

 

 

そう、ミズキは結論付けた。

 

しかも、問題は、それだけではなかった。

 

 

 

「スー……何も見えてないのか?」

 

 

 

スーの意識は、飛んでしまっていた。

 

 

 

そう、スーの動きは、ミラを捕らえているわけではない。

ミラが規格外のスピードで動くスーのこうげきをかわし続けられる理由はそこにあった。

 

 

 

今スーは、己の中にある、全てを食らいつくさんとする竜の本能に従って動いているだけ。

 

 

 

ミラを敵として視認し、襲い掛かっているわけではない。

気配のする方へ動き、拳を突き出す。

 

 

いくら速度があったとしても、単調な動きだけではミラを捕らえられない。

 

 

 

 

 

(どうする? 今からスーを止めるなんて不可能だし、仮に止めても速攻で燃料が切れて倒れるだけだ……今のスーは、意識が飛んでるからこそ動けているんだ)

 

 

 

 

 

しかし、スーが指示を聞いてくれない限り、ミズキは何をすることもできない。

 

 

 

 

 

時間に追い込まれたミズキは、

ほんの数秒、黙想に入った。

 

 

 

 

この十数秒を、生かす策を考えようとした。

 

 

 

 

だからこそ、気づくのが、ほんの0,1秒遅れてしまった。

 

 

 

 

逃げ惑っていたミラが、

エリカの目の前にいたことに。

 

 

 

 

「っ! エリカ!?」

 

 

「っ!」

 

 

 

 

躱しながらミラは驚愕の声を上げた。

当然だ。ミラがそんなことを狙う理由はない。

ミラとて、一瞬でも気を抜けば、スーに食われていたかもしれないのだ。現在位置の把握など、出来る余裕はまるでなかった。

 

 

 

そして本能のままにこうげきをつづけるスーは、

 

寸前までミラがいたはずの場所、つまり、

 

 

 

 

 

エリカへ拳を繰り出した。

 

 

 

 

 

今のスーが、生身の人間に襲い掛かる。

 

 

その恐ろしさから、会場全体、ミラ、そして、エリカさえが、目を瞑った。

 

 

 

 

 

 

 

そして、叫び声を聞いた。

 

 

 

 

 

 

 

「スー!!!!!!!!!!! やめろおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

その声を聴いてほんの数秒たち、

一人、また一人と、みんなが少しずつ目を開け始める。

 

 

 

 

 

 

「…………止まってる?」

 

 

 

 

 

誰かが言った。

 

そう、スーは、

意識を失い動き続けるだけだったはずのスーは、

 

 

 

その焦点の合わない漆黒の瞳で、ミズキを見つめ、固まっていた。

 

 

 

 

「……スー、お前」

 

 

 

 

 

呆気にとられたミズキの次の言葉を待たずして、盤面は動いた。

 

 

 

 

 

「“ヘドロばくだん”!」

 

 

 

 

固まるスーのわきにいたミラは、その指示を聞き、我に返って両手の花を正面に構える。

 

 

 

バトルは、終わっていない。

スーのこうげきを躱したミラは、スーのすぐそばにいる。

 

スーは、止まっている。

 

 

 

卑怯な、と罵ることはない。

 

これは、バトル。萌えもんバトルだ。

 

萌えもんバトルでは、審判の終了の宣言以外で、終わることなどありえない。

 

考えることをやめた方が負けるのだ。

 

 

 

 

 

 

エリカは、それを理解していた。

 

 

 

 

 

そして、それを理解していたのは、エリカだけではなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「スー! 追え!」

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、それを理解していたもう一人、ミズキは、即座に指示をスーに飛ばす。

 

 

 

恐怖心を無視して、指示を出したエリカ。

罪悪感を吹き飛ばし、指示を出したミズキ。

 

 

 

 

 

似た者同士の二人の対戦は、遂に終局を迎えようとしていた。

 

 

 

 

 

スーが、自分の方を向いた瞬間に、ミラはこれまでの攻防から悟った。

 

(……間に合わない!)

 

スーが足を踏み込み、自分に襲い掛かる速度。

自分が“ヘドロばくだん”を撃ちこむ速度。

 

それを計算し、ミラは考える。

 

(決めるのは今じゃなくていい。今駄目なことは、捕まること!)

 

ミラは忘れてはいない。

スーは、限界なのだ。“もうどく”状態の上、“ベノムトラップ”もかかっているのだ。

 

いくら一時のパワーアップをしていても、一発程度なら耐えられる。

 

問題は、捕まってしまう事。乱打を浴びてしまう事。

 

 

 

(ならば……逃げる! とにかく、広い場所へ!)

 

 

 

そうしてミラは、その場を離れ、広い場所へとかわそうとする。

 

 

 

そう、広い場所。

エリカの目の前という、狭い場所から、広い場所へ。

 

 

 

 

 

つまり、ミズキのいる方向へ、動いた。

 

 

 

 

 

「スー!!! こっちを向けえ!!!」

 

 

 

 

 

意識が飛んでいるはずのスーに対し、ミズキの指示。

 

 

 

 

 

馬鹿な。

そう言いかけたミラだったが、

 

 

 

 

 

首をこちらへ向けたスーと目が合い、思わず呼吸が止まり、全身の血が引いていくのを感じた。

 

 

 

 

 

 

 

ミズキは、驚いた。

 

 

 

意識を飛ばしていたはずのスーが、自分の声を聴いて止まってくれたことを。

 

 

 

だからこそ、わかった。

 

 

 

意識を飛ばしていても、スーに自分の声はとどいているという事を。

 

 

 

そして、気づいた。

 

 

 

右も左もわからないようなスーが、唯一向く事が出来る方向、それは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺に向かって、撃てぇ!!! “こおりのいぶき”!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

スーは、反応できない。

だから、もう一歩、とにかく遠くへ。

 

 

 

 

 

 

そのこうげきはそんなミラの、背中を、

 

 

 

“きゅうしょ”を

 

 

 

射抜いた。

 

 

 

 

 

 

 

それを受け、前向きに二回転して動かなくなるミラ。

 

 

 

 

その後ろで、ふらつきながら、拳を振り回すスー。

 

 

 

 

 

 

 

ミラが倒れた瞬間、走り出し、スーを抑え込んだミズキは、涙ながらにスーを抱きしめながら、その宣告を聞いた。

 

 

 

 

 

 

 

「トレーナーミズキ、反則負け! よって勝者、“ジムリーダー”エリカ様!」

 

 

 

 

 

 




エリカ戦、決着。でもタマムシ編はまだ終わらない。
10話が区切れないで9話ぐらいになりそう……



どうでもいいけど、ロズレイドってもともとの姿がすでに萌えもんっぽい気がする。
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