PSO2 マイキャラ達のちょっとした日常   作:ひかみんとかカズトとか色んな名前

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一個前の詩姫とpalseの続きとなります。時期はそれなりに離れてる感じ。
今回はアンジュに加え更にゲストに(というより巻き込む形で)もう二人登場します

ではどうぞ。


詩姫とpalse コーディネート編

アークスシップ内、とある街中…

一人の少女が、街中にある公園で誰かを待つように立っていた。

 

彼女の名は詩姫[ディーヴァ]。

変わることないツインテールの髪型に、くりくりとした大きな赤と青のオッドアイ。

そんな彼女は公園のベンチに座って、足下の砂利を足で弄りつつ来るであろう人を待っていた。

 

「ディーヴァちゃん!お待たせ!」

「あ、ぱるすさん!来ました…か…」

 

走ってくる足音と声に気づき、ディーヴァは顔を上げる。

走ってくる人物は、先日ディーヴァと共にギャザリングへ向かった女性、palse。

だが、ディーヴァが注目したのは遅れた事ではない。

 

「…お出かけするのにその服なんですね…」

「…?ダメかしら…?」

 

そう、palseは見慣れたマギアセイヴァーを着て来たのだ。

今回の目的は至って普通のお出かけ、しかも買い物である。

 

「ぱるすさん、一個だけツッコませてください。…服は“ただ着るだけ”の物って思ってません?」

「え、ええ…私の着るのはまぁそうだけど…」

「…つまり、“ぱるすさんが着る場合の服”のイメージを変えればいいんですね…ふむふむ…」

 

なにやらぶつぶつとつぶやくディーヴァに不穏な空気を感じたpalseは後ずさりし、逃げようとする。が…

 

「どこに行くつもりかしら~?」

「ッ!?」

 

ガッ、と後ろから腰に手を回すように捕まる。慌てて後ろを振り向いた彼女の視界に写ったのは、見慣れた姉の笑顔であった。

 

「今回は味方しないから、よろしくね☆」

 

姉、アンジュからの事実上の抹殺宣言付きで。

 

 

 

 

 

 

 

 

とある服屋がある場所まで街中を歩く三人。

二人は楽しそうに会話を弾ませているが、一人はこれから起こる事が嫌で仕方がない様子だった。

 

「palse~、いい加減割り切りなさい?」

「嫌ですよアンジュ姉さん…私みたいなのがそんな、か、可愛い服だなんて…」

「まぁそうねぇ…いつも私たちに流しちゃうものねぇ。」

 

普段の凛々しさやらが嘘のように縮こまった状態でpalseは言い、アンジュも笑顔を絶やさずうんうんと頷いた。

今までにも時々可愛い系の服がpalseの手元に流れてくることはあったが、自分には合わないと白蓮達に渡していた。

 

「ぱるすさんが普段からオシャレに気を使ってないから行けないんですよー?」

「いや、だって…私が着ても…ね?」

「ね?じゃないですよ…」

 

全く乗り気じゃないpalseに呆れた表情のディーヴァ。この間頼りになった彼女の面影は殆どない。

 

「まぁ、今回はそんなに多くの店を回る訳じゃないし、割り切って気楽になりなさいな。」

「うぅ…」

 

姉のアンジュにそう言われてしまったpalseは反論することなくもじもじと黙ってしまった。

こういう所は女の人なんだろうな、とディーヴァは二人の会話を見て思っていた。

 

「…とと、ここですね。」

 

着いたのは割と大きめのデパートのような場所。店を始めとした、様々な施設を入れる目的で建てられたらしい。

 

「それじゃ~いきましょ~♪」

「おーっ♪」

「……はぁ…。」

 

やはりpalseは乗り気ではない様子だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

中はきっちりと整備されており、一般人に紛れてアークスもチラホラといた。

 

「さて、ディーヴァちゃん。確か地図か何か持ってなかったかしらー?」

「ありますよー…っと、どれどれ。」

 

ディーヴァが自身の端末から情報を探し、地図のデータを取り出し、確認する。

アンジュも横から覗くように見ていた。

 

「…一体いつから二人は予定を立てていたのよ…」

「………いつでしたっけ?」

「忘れちゃった☆」

 

二人の用意周到さにpalseはそう質問を投げかける。が、相当前(この間のギャザリングよりかは後のはずだが)からのようで二人とも覚えてないらしく、palseは呆れていた。

 

「(白蓮には遅くなるって伝えたけど…大丈夫かしら…)」

 

主に自分が。

 

 

 

 

 

 

 

アンジュとディーヴァが地図に見つつ進み、palseはその後を追うように歩く。店は至るところにあり、アクセサリーや服は勿論、靴などに特化して販売している店もあった。

ただ、やはりデパート並みに大きいためか一般人もアークスも多く、それらに加えpalseは有名人。すれ違った人などから視線を集めるのは仕方ないと言える。

 

「流石、palseはアークスの中でもずば抜けて人気者ねぇ~♪」

「止めて下さい姉さん…こういう視線が集まるのは苦手だと知ってるでしょう…。」

 

妹に集まる視線に気づいたのか、アンジュが微笑ましく言葉をかける。だが、palse自身はアークスシップ以上に視線が集まるこの場所は苦手であった。

 

「だったら少しぐらい服を変えればよかったじゃないですか…」

「う…。」

 

ディーヴァから正論を言われたpalseは言い返せず、がっくりと肩を落とした。

palseの今の格好(マギアセイヴァー、略帽、赤縁眼鏡、フェザーピアス)は彼女の普段の格好として広まってるらしい。そのため、一般人でもよく気づくのだとか。

 

「palseったら朝からガチガチだったものねぇ、まるで子供が」

「姉さんもう本当に勘弁して下さい。」

 

まだ彼女の話を続けようとするアンジュを、必死の形相で止めにかかるpalse。ディーヴァはそんな姉妹を苦笑いを浮かべつつ見守っていた。と…

 

「あ、着きましたよ。」

「あら、ほんとだわ~。」

「どういう感じな…」

 

アンジュとディーヴァはようやく着いたとほっこりな笑顔を浮かべているが、palseはその店の雰囲気で完全に固まっていた…何故か?

あからさまに可愛い系の服やアクセサリーが全面推し、内装もかなり拘っている店だった。

 

「………」

「ぱるすさーん?」

「…完全に固まってるわねぇ。」

 

見上げた状態でほぼ静止するほどに衝撃が大きかったらしく、その後数分は固まったままだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ね、姉さんに、ディーヴァちゃん…本当にここなの…!?」

「ここよー?もう腹を括りなさいなー。」

「意地が悪い、です、よ…!」

 

数分後、ショックを受けた状態から戻ったpalseは二人に腕を引っ張られつつも入店を拒否していた。

palseとディーヴァは必死にお互い引っ張っているが、アンジュは相変わらず笑顔で平然とpalseの片腕を捕まえている。

 

「当たり前でしょお…!似合わないなんて、わかりきってるんだから…!!」

「だからって、ここまで…」

 

頑なに拒否するpalse、なんとしても入店させようとするディーヴァ。

 

「…早くしないと怒るわよ?」

 

その二人の耳に入った唐突な冷たい声。

わざとらしく頬を膨らませてる訳でも、ニコニコしている訳でもない、palseの片手を捕らえたまま真顔でいらついてるアンジュの声だった。

突然のアンジュの豹変っぷりに、ディーヴァはまるで追い詰められた子猫のように涙目で震え、palseはこれ以上彼女を怒らせるのはマズいと判断したのか、渋々入店することにした。

 

店に入るや否や、元気な店員の声が出迎える。アンジュは先ほどの怒りが嘘のようにニコニコとし、ディーヴァも飾られた服に目がキラキラとしていた。

palseはというと…

 

「………」

 

真顔で飾られた服やアクセサリーを見ていた。

興味なし、という訳ではないようでキョロキョロと見渡していた。落ち着きがないとも言える。

 

「…うぅ、視線が痛い…」

 

ただ、やはり他人の視線を集めてしまうのは仕方のないことではあったが。

 

「palse~、こんなのどぉ?」

「…」

 

アンジュが持ってきたのは、フリッフリのピンクのワンピース。

それを見たpalseは言葉を失っていた。

 

「それを、私に、着ろと…?」

「勿論☆」

「拒否権は」

「ない!」

 

ニコニコと笑顔を浮かべるアンジュに真っ向から拒否され、palseはがっくりと肩を落とした。

 

「ぱるすさん!こっちでもいいですよ!!」

「…どんなも…」

 

ディーヴァがそういいつつ持ってきた物に視線を向け…palseは再び絶句した。

ディーヴァが持ってきた服は、パティシエプロン。あの可愛さ推しなエプロンを持ってきたのである。

 

「…他にはなかったの…?」

「palseが来るの遅いからこうやって持ってきただけよー?」

「一緒に回ればいいだけですよっ!」

 

何故そんなにも元気なのか。

palseは大分げんなりした様子で服やらアクセサリーやらを選ぶ二人についていく。

だが、唐突にアンジュが口を開く…店員に。

 

「ここって試着出来るのかしら?」

「はい、試着室がございますよ。」

 

palseが再び逃げ出そうとしたのと、彼女が二人の着せ替え人形になることは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

まずアンジュの選んだワンピース。

 

「…凄く慣れないんですが。」

「髪を弄れば可愛くなりそうねぇ。」

 

 

そしてディーヴァの選んだパティシエプロン。

 

「…動きづらい。」

「似合ってますよ!!」

「勘弁して…。」

 

次にアンジュが持ってきたのは、白蓮も夏に愛着しているワンピース型の水着。

 

「なんで水着なの…」

「もうすぐ夏たから?」

「似合ってますよ!!」

「欲望の笑みで言われても嬉しくないわよディーヴァちゃん…」

「じゃあ次は…これっ」

 

そしてアンジュが持ってきたのは…チアリーダーのようなフリフリのコスチューム、エンゼルパフューム。

 

「…露出多すぎじゃないかしら…」

「…いいわね、コレ。ディーヴァちゃん、この服でコーディネートしましょう。」

「ちょっと姉さ」

「オッケーです!!!何がいいですかね!!!」

「ディーヴァちゃんまでなに」

「そうねぇ…手に持つボンボンとか…」

「………」

 

唐突にpalseを差し置いて話し合い始める二人。だが、アンジュとディーヴァの両者がアクセサリーの話し合いでpalseから僅かに目を離した瞬間だった。

 

「…ごめん、ディーヴァちゃん。」

 

小さな呟きが聞こえたかと思うと、身体強化でもしたのかと言わんばかりにpalseが試着室から凄まじいスタートダッシュで逃げていった。

店員は勿論、ディーヴァすらも突然のことに呆然としていた。アンジュは予測していたのか、あらあらと少々残念そうな笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ…はっ…!」

 

そんなこんなで悪魔の二人(アンジュとディーヴァ)から逃げ出したpalseは、ただひたすらに宛もなく走っていた。

回りやすれ違う人たちの視線を浴びたが、それすらも気にならないほどとにかく必死に逃げていた。

 

「(ディーヴァちゃんごめん…やっぱり私はこういうの似合わない…後姉さんが怖い!!)」

 

残したアンジュはともかく、しっかりとコーディネートしようとしたディーヴァには悪いことをしたと思っているようではあった。

と心で詫びながら走っていると、不意に見慣れた二人が視界に入った。

片方は平均的な身長で褐色肌に獣耳と尻尾をつけており、もう片方は小さめの身長に前者と同じく獣耳と尻尾をつけていた。

 

「~~!!ジュゥゥゥゥン!!!」

「ん、誰だ…!?ぱッ、パルス!?うわぁっ!?」

「どっ!? ┣”┣”┣”┣”┣” どうしたのぱるすさん!?ていうかその格好…!?」

「ジュゥン…リオちゃぁん…助けてぇ…」

 

palseが見つけた二人組とは、ジュンとRioの姉妹二人であった。

多少天然な所はあるものの、とにかく真面目な性格である彼女達に会えたことに安心したのか、palseは涙目になりながら滑り込むように姿勢を低くしつつジュンに泣きついたのである。反射的に迎撃しようとしたジュンも予想外のことに拒否出来ず、二人揃って驚いていた。

彼女達は唐突にジュンに飛びついてきたpalseの格好やら何やら、色々質問をしたかったがまずは一旦休ませ、落ち着かせることにした。

 

 

 

 

 

 

 

「…落ち着いたか?」

「…うん、ごめん…」

 

場所は変わって、余り人の目に付かない所に配置された休憩用ベンチにて。

漸く落ち着いたpalseにジュンが付き添うように座っていた。Rioは飲み物を取ってくると離れていた。

と、販売している場所が近かったのか、Rioはすぐに戻ってきた。

 

「お待たせ~はい、ぱるすさん♪」

「ん、ありがとう…」

「聞きたいことは色々あるが…まず、その格好はどうしたんだ?」

 

Rioはジュンと反対側のpalseの隣に座り、ジュンはpalseの今の格好について尋ねる。

早速服の事を聞かれたpalseは体がピクッと反応し、少し恥ずかしそうに顔を赤くしながら渋々といった感じに話し始めた。

 

「…それなりに前の話だけど…この間ディーヴァちゃんとギャザリングしたとき、服の扱いやらをツッコまれてね…。それで今日、女の子らしい格好…というより、ほぼ可愛い服をディーヴァちゃんとアンジュ姉さんに何回も着させられてね…。」

「それで、そのままコーディネート…もしくは着せかえ人形にされるのが耐えられなくて逃げた、と。…パルスが可愛い服か…というか、よくそれで走ってこれたな…。」

「言わないで頂戴…思い出したくないわ…」

「ぱるすさん、結構似合うと思うけどなぁ。」

 

まじまじと今の格好のpalseを見て呟くRio。うぅ…と呻くような声でもじもじしだすpalse。

 

「今回ばかりはそこをツッコまれてしまったパルスが悪いな。そもそも前から思っていたが、貴女は自身を女性として見てなさすぎる。」

「…後者をそっくりそのまま返しましょうか?」

「今貴女の格好を全シップに曝し上げてもいいが?」

「ごめんなさい許して頂戴…」

 

ジュンへの切り返しをあっさりと返され、がっくりとへこむpalse。ベンチがなかったりすればそのまま床に埋まっていくのではないかと言わんばかりの状態である。

 

「ぱるすさんはそういうのがほんとに嫌なの?」

「嫌、というより、その…過去、まだ幼い頃に一回着てみたの…その類の服をね。でも、私は容姿が男っぽかったから…女装だ何だってバカにされ続けたことがあってね…」

「女装…つまり、男だと侮辱された訳か。」

「まぁ幼い頃だし相手は子供だしね。…その時点でもう女であることは殆ど意識してなかったわ、アークスになるまでね。…成長するにつれて胸はやたらと大きくなったけど。」

 

そういいつつ自身の胸に触れるpalse。…Rioが凄い形相でpalseを見ている気がしなくもない。

 

「しかし、それは過去の話だ。喧しい子供はもういない…気にすることはあるまい。」

「その、子供だけが原因ならまだ救いはあったけどね…」

「…まさか、とは思うが…パルス…」

「…私、そういうセンスがからっきしなの。」

 

顔を両手で覆いつつ告白したpalseに、なるほどな、と若干遠い目で納得するジュンと、palseの様子を見てオロオロするRioであった。

 

「…ならば余計にそのコーディネートを受けるべきではないのか?」

「ジュン、貴女そのコーディネートの後に自分の姉が無駄に周囲に広めて自慢したり、それが原因で姉を始めとした他の人達に長くからかわれたりされるのに耐えられる?同じ部屋で過ごしてるのに、自分のその恥ずかしい格好の写真を堂々と貼られて嬉しく思う?」

「……あぁ…面倒、だな…。」

 

必死の形相で訴えかけるpalseを見て、嘘ではない事はわかったジュンは事の面倒くささに気づきつつあった。

 

「…ということは、アンジュさんがいなければいいの?」

「…まぁ、あの人がいなければ一応いいけど…あの人すぐに写真に収めて色々し始めるんだもの…。」

「ふむ…だがあの人が簡単なことで今のpalseから気を背けるとは思えんな…。」

「今の私以上の出来事、ね…」

 

アンジュはかなり家族を大事にする女性である。そのため、自分の妹の貴重な格好をそう簡単に逃がすはずがない。

だが、それ以上のことと言って事件や事故を起こすわけにもいかない。

 

「……あれ、これぱるすさん詰んでない?」

「逃げられん…いや。恐らく今二人はパルスを探してるはず。別れて探していること、その上でディーヴァちゃんに見つけてもらえばなんとかなる…か?」

「…あの気配に異常に敏感な人が遅れをとるはずないと思うけど…」

 

うーん、と揃って頭を悩ませる三人。とそこに元気な声が響く。

 

「あーっ!やっと見つけたっ!!」

 

三人はその声のした方を向く。

そちらの方から、先ほどまでpalseにアレコレ着せていた一人、ディーヴァが駆け寄ってきていた。

三人の前にくると、膝に手をおいて呼吸を整えていた。

 

「はぁ、はぁ…」

「…あー、えっと…」

「…もう!ぱるすさん!!いきなり逃げないで下さいよ!まだ試着だったのに…!!」

「ご、ごめん…」

「購入するってことでアンジュさんが支払って済ませましたけど…兎に角!すぐに戻って…」

「待て、ディーヴァちゃん。」

「ふぇ?」

 

ぷんすかと怒るディーヴァ、そんな彼女の勢いにたじたじなpalse。そこにジュンが割って入ると、ディーヴァがきょとんとした表情になった。

 

「彼女からあらかた話は伺った。ディーヴァちゃん達がしようと思うことはわからなくもない…だが、パルスの意見もちゃんと聞いてやってくれ。」

「う、でも…」

「ディーヴァちゃん、ぱるすさんの思うこともあるし、強引に着せるのはよくないよ。」

「うぅ~…」

 

姉妹二人に言われ、何故か悩み始めるディーヴァ。その態度から気づいたpalseは口を開く。

 

「…姉さん、怒ってた?」

「あ…えと、怒ってるというか悩んでるというか…かなり複雑な感じだったので…」

「…成る程。それを見てディーヴァちゃんはすぐにパルスを連れて戻ろうとしたのだな。」

「です。…なんというか、どちらかと言えばやりすぎたかなって感じの雰囲気だったので…」

「成る程、ね。…はぁ…仕方ない、戻りましょうか。」

 

このまま待っていても意味がないと判断し、palseは立ち上がる。その雰囲気からは諦めも感じられたが、先ほどとは違い落ち込んではいなかった。

 

「…ジュン、リオちゃん。二人の私用ってまだあるかしら?」

「いや、もう済んだ。どうかしたのか?」

「二人に念のためのブレーキとしていてほしいの。お願い出来る?」

「…ふむ。」

「私はいいけど…どうする、お姉ちゃん?」

 

palseの頼みに、顎に手を添えて目を閉じ考えるジュン。そしてすぐ目を開き、話し始める。

 

「何せあのマイペースなアンジュ殿だ、大したブレーキにならんかもしれんぞ?」

「それでも、いてくれるだけでありがたいわ。」

「…まぁいいだろう。同行しよう。」

「ありがと。ディーヴァちゃん、案内お願いね。」

「へっ?」

「…乗り気じゃなかった私が覚えてると思う?」

「あっはい。すぐに行きましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

ディーヴァがパルス達を連れて戻ると、おろおろとしていたアンジュがすぐにこちらを見て駆け寄ってきた。

 

「…あ、palse~♪」

「……」

「あぁん、ひどーい…」

 

アンジュはpalseに抱きつこうとまず彼女に駆け寄った。が、パルスは絶対拒否と言わんばかりにアンジュの額をグーで押し返していた。

 

「…姉さん、私の服は?」

「ん~?マギアセイヴァーなら売っち」

「………」

「……冗談よぉ…そんな酷く冷たい視線送りながら拳振り上げないでくれる?」

「自業自得でしょうに。」

 

冗談を言おうとしたアンジュを視線と行動で黙らせ、palseは差し出されたマギアセイヴァーを即座に着直す。

 

「あ、エンゼルパフュームは持ってなさい。折角だし。」

「…断っても倉庫に突っ込むでしょう貴女は。」

「も☆ち♪」

「そ、そうですよぱるすさん!折角買ってもらったんですから!」

「ディーヴァちゃん、その欲望の表情で言われても同意出来ない。」

「とりあえず買い物は済んだのだろう?アンジュ殿、ディーヴァちゃん。」

「そうよ~。ってあら、ジュンちゃんにリオちゃんじゃない♪」

「こんにちはアンジュさん!」

「リオちゃんは今日も元気ねぇ~、ほーらよしよし~♪」

「ていっ。」

「あぁん…」

 

興味が姉妹二人に逸れたアンジュは挨拶を済ませてから、Rioを撫でようと手を伸ばし軽めに蹴られた。これもいつもの光景である。…蹴りが加減されている分、シャイナよりはましだろう。

と、不意にアンジュが口を開く。

 

「…そうそう、palseにジュンちゃんもいるなら丁度いいわ!」

 

そう言って、自身の端末を弄り始めるアンジュ。その行動に指名された二人は不安を覚えた。

 

「…ジュン?」

「ああ。嫌な予感しかしないな。」

 

そして端末に映し出された情報を見せながら二人に迫るアンジュ。その表情は…めちゃくちゃ満面の笑みであった。

 

「私ねぇ、ディーヴァちゃんがpalseを探してる間にちょっと他の店を回って見てねぇ、これいいかもって思ったのリストアップしてみたの♪」

 

ニコニコと笑顔は変わらないが、嫌な予感がしていた二人はしりじりと後退りをしていた。

 

一つ、言っておこう。アンジュのセンスも色んな意味でヤバい。

 

「…逃げるぞパルス!!」

「言われなくとも!!」

 

palseはすぐに180°向きを変えて全力で駆け出し、ジュンは荷物をRioに預け、palseと共にアンジュから離れるようにダッシュして逃げ出した。

 

「あらあら~…逃がさないわよぉ?」

 

そしてそれを追うように、アンジュもまた駆けだしていった。

残された二人は、呟く。

 

「…凄いね。」

「うん…。」

 

 

その後、三人の追いかけっこは延々と続いた。

最終的に二人はアンジュに捕まりはしたが、彼女自身も疲れたのか、時間がなかったのか…。残されていた二人と共にその場を後にした。

 

だが、同部屋であるpalseはアンジュから逃げることは出来なかった…らしい。

 

 

 

 

 

 

 




今回はナハト氏の詩姫[ディーヴァ]ちゃんと、ジュン氏のジュンとRioちゃん姉妹をお借りしました(巻き込んだジュン姉妹ゴメンネ

アンジュはよくあるニコニコしてるけど実は怖い系お姉さんでまとまっております。
そのためpalseはよく心身苦労してる模様。

一応詩姫編はここまでとなります。
もしかしたらディーヴァちゃんは別ででるかも…?
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