できそこないの魔獣【モンスター】   作:幻想大好きっ子

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男の友情は川原で殴りあって確かめるものだ

ツルギは襲い掛かるゴーレムの豪腕を手を添えて力を剃らしてやり、そして無防備になった固い文字通り岩の固さを誇る腹部へと真っ直ぐに拳を放つ

 

「よ、おはようさん」

レインは軽く手をあげて地面へと膝を着きノックダウンしたゴーレムと、モンスターであるゴーレムを拳一つでノックダウンした見た目は和風の【さまよう鎧】にしか見えないツルギへと何もなかったかのように挨拶をする。

 

流石に毎日この状況を見ていれば馴れてしまう。レインに取ってはこの光景を見るのも朝の日課の一つである。

慣れという物は実に怖いものである

 

「お前も毎日大変だよな?」

再度立ち上がるゴーレム。彼も毎日不審者との戦いにより、タフさがアップしているのである。ゴーレムはレインが声を掛けると、通るのを許可するように軽く頷き。再度ツルギへと殴りかかる。

 

「サンキュー、ツルギ仮面で隠してるから通してくれないんだよ」

 

「なるほど、仮面を取るのを忘れていたのじゃ」

 

「いい加減にしてやれよ?ゴーレムが可哀想だ」

 

そして、レインは熱い決闘の横を通り走り出す。毎度毎度ツルギは天然な所があるためこの言葉を言わないと、この殴り会いは終わらない。

 

とは言え、以外にも旅行者からは早起きしてでも見るかいのあるバトル。ゴーレムの魔獣練磨師からは良い訓練だとこの状況は好評である。

 

ゴーレムに取っては良い迷惑だろうが……

 

モンスター宿舎に入ったレインが、腰に下げたホルダーから学生証を取り出し壁にあるスロットに差し込む。

甲高い音が鳴り学生証の照合が始まった。

 

照合が終わると、学生証が吐き出されて、スロットの上に設けられた穴からオーブが飛び出し宿舎の奥へと消えていく。

 

オーブは各モンスターの檻を開ける鍵だ。

 

「さてと」

ゆっくりと宿舎の扉が開きそろそろ相棒を迎えにいくかとレインが扉を潜ろうとしたとき

 

「ぴぎぃー!」

宿舎の奥から聞きなれた声が響き、何かがレインに向かって跳び跳ねてきた

 

「よぉ、ペムペムちゃんと寝たか?」全世界で最多の個有数を誇ると同時に最弱のモンスタースライム。

 

それが彼の相棒だった

 

「ぴぎぃ!ぴぎぃ!」

両手を開いたレインにペムペムは全力で喜びながら、何時もよりも全力でレインの胸に飛び込む。

 

「ぐほっ!」

レインの身体をモンスター宿舎へと吹き飛ばし、ぶっ飛んだレインをゴーレムから宿舎に入ることを許されたツルギが受け止める。

 

人とスライムがぶっつかったにしてはあり得ない音が早朝の清々しいモンスターの宿舎に響く。

 

ペムペムの技、【体当たり】

これをレインへと放つのがレインの一番最初の日課であり、二番目にする日課が……

 

「今日はペムペム殿も張り切っておるのう?昨日触れなかったのがよっぽど悔しいと見えるのう」

 

ペムペムとレインの絆の確かめ合いを確認すると、ツルギも同じように宿舎のスロットへと学生証をセットする。

 

「ぴぎぃ!」

「はははっ、ペムペム燃えてるな?」

宿舎の奥へと飛んでいくオーブを見つめ漫画なら全身から炎が吹き出して見えるほどの張り切りを見せるペムペムを楽しげに見つめるレイン。

 

宿舎から現れたのはツルギ……ではなく、『おはようでござる』と書かれた看板を手に持つ。ツルギの着ている鎧と同じ姿をし、人が入ってないのに動く鎧【さ迷う鎧】。

 

その亜種にして東の国に生息する【鬼武者】の【ガイ】。ツルギの相棒であるモンスターである。

 

そして、ペムペムのライバルとも言えるモンスターである。

「ぴぎぃ!」

勢いを着けてガイへと飛び込むペムペム。それを『今日もやる気があるようでござるな!』と書かれた看板で受け止める。

 

そうこれが、ガイの一番最初の日課であり、ペムペムの二番目の日課。ペムペムがガイへと一撃を当てる模擬戦。ようは鬼ごっこである。

 

看板で弾かれた勢いを利用しまるでスーパーボールのように勢いを増してガイへと襲い掛かる

 

「ふむ、相変わらずペムペム殿はよく弾けるのう。やはり名前が良いからかのう?」

「いやいや、名前は関係無いだろう?」

 

レインの冷静なツッコミが入ってる間も、レインとガイは川原で殴り合う不良のような熱いノリをしていた。

 

「いやいや、名前とは重要じゃよ。惜しいのは少し名前が長すぎるからのう?ペムーにしては、どうじゃ」

 

「いや、ペムペムで良いからな」

縦横無尽に駆けるペムペム。

『まだまだ甘いでござるよ』と書かれた看板でペムペムを受け止めたガイ。

 

しかし、看板で受け止めたペムペムが弾けた。

『なんとでござるよ』

その看板を掲げようとした瞬間。

足元から、ペムペムが顔へと体当たりした。

弾けたペムペムは分裂したペムペムだったのだ。

 

ペムペムの体当たりによりガイの顔部分は吹き飛び、それを拾いに行く。

 

「今回はペムペムの勝ちだな?」

「そのようじゃな?ガイのメニューは二割増しじゃ」

 

『望む所でござるよ』

顔なしの鎧が背後に炎を背負ってるのではという位に暑苦しく燃えながら看板を振る。

多分観客がいたらアイスクリームやかき氷が飛ぶように売れただろう。

 




ペムペムの抱き枕か、ぜひドラクエのさ迷う鎧の1/1サイズフギュアが欲しいと思う今日この頃。
次回サブタイはオーガは憧れ、オーガニックは健康…
サブタイ予定通りになるかは気まぐれ次第です。
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