トキノスナ   作:<凪>

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1話の続きになります。
自分では何か所か、気にいらない部分がありますが
とりあえず投稿してみることにしました。
アドバイスがありましたら、ぜひコメントしてください。


第2話

誰かが叫んでる。何かを叫んでる。

誰が叫んでるの?何を叫んでいるの?

分からない。霧が掛かったように、ぼやけて分からない。

近づこうとしても、離れていく。

手を伸ばそうとしても、届かない。

それが嫌で、必死に追いかける。

が、どんどん遠くなっていく。

そして、なんにも見えなくなる。

周りは真っ暗。

私にはなんにも残ってはいない。

 

***************************************

 

あれから2日たったが今だに彼女は目を覚まさない。

さすがにここまで、覚まさないと心配になる。

 

(ちゃんと薬は塗ってるし、あとは体力の回復待つだけか…)

 

一応、あそこの医者は信用できるから、薬の心配は必要ない。

それに、定期的に薬を塗ったり、包帯を巻き変えたりもしている。

しかし、2日も何にも食べていないのは、人間としてはどうなのか。

やはりどうにかして食事をさせたほうがいいのか…。

そんなことを考えていると

 

「うっ…、うぅ。」

 

今まで寝ていた彼女が、小さな呻き声を挙げて、その薄い瞼を開けようとしいた。

気がついてくれたみたいね。よかったわ…安心した。

そして彼女は、やがて完全に目を開ける。

 

「……こ…こは?」

「ここは、私の家よ…?」

 

私は彼女の眼を見て思わず首をかしげる。

なぜなら彼女の瞳は綺麗な青色になっていたからだ。

昨日見たときは確か赤い眼だった様な気がしたのだけれど…。

そんな事を考えていたが、彼女が動こうとしたのを見て、考えを遮られる。

 

「ちょ、ちょっと、あなたまだ動かないで!あなたはまだ絶対安静よ!」

「……。」

 

慌てて止めた。

物分りがいいのか、それとも単に動けなかったのか、彼女は大人しく横になってくれた。

とりあえず、彼女も目を覚ましてくれたから、これで食事を取らせることができる。

 

「なにか、食べれる?あなた2日も食べてないから、何か食べてもらいたんだけど…」

 

そう言って彼女の方に目を向ける。

だが、彼女は聞いているのか、聞いていないのか、なんの返事もしなかった。

表情も何を考えているか分からないし、それに、彼女の眼は光を失っているように見える。

だからなのか、なぜかすごく悲しそう見えた。

 

「…そ、うか、私には…。」

「えっ…?」

 

彼女は小さい声で何かを言ったようだが、あまりにも小さい声だったから、聞き逃してしまった。

なんて言ったのか聞き直したいが、きっと答えてはくれないだろう。

それよりも、本当になにかを食べてもらわないと…。

 

「なにか適当に食べ物を持ってくるから、少し待っててね。」

「…。」

 

返事はない。だけど彼女の耳にもちゃんと聞こえただろう。

果物ならたべられるかしら?、果物はまだ残っていた気が…。

そう思いキッチンに移動して、果物を探す。

キッチンの戸棚を開けたり閉めたりして、目当ての物を探していた。

そしてやっと、小ぶりのりんごを二つ見つけた。

それを食べやすい形に切ってから彼女に戻ろうとした時だった。

 

「うう、うぁ、っう、ああ」

 

…悲しい泣き声が聞こえてきたのは。

その泣き声はしゃっくりと呻き声が混じっていて、必死に声を抑えようとしていた。

傷だらけだった彼女に何があったのか分からない。

何があったのかは分からないが、その悲しい声を聞いていると、心が締め付けられるように

苦しくなった。

きっと私には彼女を助けることはできない。

他人の私には彼女の心を救いあげることはできない。

 

(赤の他人の私が、彼女にしてあげらることなんて…ない…わね。)

 

戻るにも戻れなくなって、その場に立ち尽くしていた。

私はしばらくの間その悲しい声を聞き続けていた。

 

***************************************

 

どれ位そうしていただろうか。

彼女の泣き声がおさまってきた頃合を見計り、キッチンからでて、カットした果物を食べさせた。

目元は赤く、腫れていたが、彼女はそれを気にする様子はなかった。

それが余計悲しかった。

しばらくして全部食べさせたあと、私はどう声を掛けていいか迷っていた。

そもそも今の彼女に掛けられるような言葉があるのか…。

かと言って、何かを質問していいものなのか。

私には分からない。どうしていいのかさえ。

そんな事を考えていたときだった

 

「……あり…がとう。」

 

と、彼女から感謝の言葉をもらった。

今までほとんど喋らなかった彼女が私に対して声を掛けてくれた。

それが心が篭っていまいが、社交辞令だろうが、わたしは嬉しかった。

彼女にとっては小さな一歩。だけど、私には大きな一歩。

だからわたしは。

 

「いいのよ。困った時はお互い様よ。」

 

と、精一杯の笑顔で答えた。

 




なるべくはやく更新します。
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