やはり彼の青春ラブコメは…   作:阿蘭

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ふぅー、、、ひと段落つきました!!!


真実は何処にあらんや

三浦が戻ってきた。

後ろに続くのは亜栗色をした髪の女子…

見憶えがあるどころの話ではない。

俺が高校生活の終わりと同時に失ったもの。

一色いろは。

卒業式のあの日を思い出す。

唯一自分の思いを、想いを、打ち明けてくれた。

あの時は気恥ずかしさと、自分という卑小な存在を軽蔑する心があった。

今はどうであろう。

 

彼女は俺を視認すると、小さな声で呟いた。

「その、おかえりなさい。」

俺は何も言えなかった。

「じゃ、あーし買い物行ってくるから留守番よろしく。」

三浦はそう言い残して部屋から出て行った。

「先輩」

彼女は不満げに俺を呼んだ。

「はい。」

「何で今更そんなズタボロになって帰ってきたんですか。」

「すまん…」

「馬鹿ッ!」

頰に痛みが走る。彼女は力一杯頰を張った。

「先輩の馬鹿ッ!」

もう一度彼女は俺の頰を張った。

「すまん…」

「なんで、いっつも先輩が、なんで?」

彼女は掠れた声で絶叫した。

彼女は怒りに震えていた。自分のためではない。自分の愛する人のためである。

彼女は小さな声で言った。

「何してるんですか…」

彼女は俺の胸に倒れこんだ。直後に泣き出す。

彼女の頭を片手で抱き、頭を撫で続けた。

いつまでも泣きやまなかった。

 

それは暫く続いた。

気がつくと葉山が赤面しながら立っていた。

彼曰く、

「偶々、優美子とそこであったんだ。」

相変わらずな奴である。

馬鹿みたいに友達思い。

 

夕食は三浦が四人分作ってくれた。肉じゃがである。

努力のあとが味に残っていた。

いつかのアンケートを思い出す。

「家事とか無料」

彼女は、全くの大人の女であった。

俺は葉山にそっと言った。

「いい女を嫁にもらえたな」

彼は照れてこう言った。

「馬鹿野郎。」

後にも先にも葉山を支えてやれる奴は三浦しかいるまい。

四人が席に着いた時、こう言った。

「結婚式には呼べよ。」

三浦は

「ばっ、バカ。」

と言い、恥じらいをみせていた。

彼女は最早子供ではなかった。高校生ではなかった。

初めて彼女を美しいと思った。

変わらぬものが、決して変わることのないものがそこにはあった。

それこそが彼の求め、追い続けたものであろう。

 

一色が袖を引っ張ってくる。

「先輩…」

振り向いた。

彼女は奇妙に赤面していた。

そこには彼の求めた不変のものがあった。

壊れることの無きものがあった。

「ん?どうした一色。あざといぞ。」

彼女は手をわちゃわちゃさせながら言う。

「そんなんしゃないですって!いいですか?先輩」

彼女は深呼吸をした。

そして…

その味はとても甘かった。マックスコーヒーよりも、チョコレートよりも甘く。

何物よりも甘かった。




筆者は思う。
本物など、そのようなご大層な物はこの世に存在するまい、と。
それを追い、求めるは、憐れな夢見る仔羊のみである。
されど、幸か不幸か、人は皆、終わる事なき夢を見る。
醒めるが吉か、醒めぬが吉か。
友よ。
真実は何処にあらんや。
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