アクエリオンEVOL 百獣の王と空を舞う少年   作:ザルバ

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 ケルビム兵襲撃後の聖天使学園学園長室。そこでは資料に睨めっこをしているドナールとスオミ、外を眺めている不動とソファーで紅茶を飲んでいるクレア、書類作業をしている学園長がいた。

「ふぅ、報告書をまとめましたが肥大が甚大ですな。」

 学園長はまとめた報告書に目を通した。

・エレメント候補生シュレードの重症

・ベクターマシン予備機を含めた機体のダメージによる現段階合体不可能(フルメンテナンスをしても明日の夜明けまで時間が掛かる)

・ガオライオンの負傷によるガオキングの合体が不可能

「この状況で敵が来ないことを願うばかりですね。」

「そうだな。」

 スオミの言葉にドナールは相槌を打つ。

「しかし、敵がこちらの思うとおりに行動を起こすとは限りません。そうでしょう、不動?」

「確かに。しかし・・・」

 クレアが不動に問う。

『?』

「百獣の王は何も、ガオキングだけとは限りません。」

 

「大丈夫か、ガオライオン?」

 グゥゥウウウウ・・・・

「なんだって?」

「怪我はしばらく休む必要がある。それより心配なのはアクエリオンを操縦していた男が気になるってさ。」

 ミコノの問いにアマタは答える。

「へー、ガオライオンって人思いなんだね。」

「まーこの天空島の長だからね。事実上。」

「あ、そうなんだ!」

 ゼシカはアマタの言葉に驚く。

「でも長という分誰よりも前線に立って戦おうとする。いいところでもあり悪いところでもある。」

「だからあの時合体したんだ。」

「まあ・・・・そういうこと。」

 三人が話し込んでいると人間態のガオディアスが来た。

「アマタ、いいかしら?」

「なに、ガオディアス?」

「シュレードって子の状態をだいぶ回復させたわ。」

「ありがとう、ガオディアス。」

「いいのよ。それよりガオライオンだけど私の力でもまだ時間はかかるわ。」

「そっか。じゃあガオキングはしばらく無理だね。」

「そうね。ガオゴリラに頼むしかないわ。それかウルフたちに。」

「ああ。」

 ガオディアスとアマタが話しているとミコノがアマタに問う。

「ねえアマタ君、ウルフたちって?」

「ガオウルフ、ガオリゲーター、ガオハンマーヘッドの三人組のことだよ。」

「なんで三人組なの?ガオキングのような合体なら五体くらい必要なんじゃ・・・・」

「それが違うんだよ。ガオリゲーターは胴体兼足を担ってる。だから三体組なんだ。」

「そうなんだ。」

 ミコノは納得した。

「そろそろ戻ろっか。」

「うん。」

「そうね。」

「じゃあガオディアス、また。」

「ええ、また。」

 アマタたちは聖天使学園に戻った。

 

 聖天使学園に戻るとアマタは屋上で寝転がっていた。

「こうして時間を過ごしたことってないよな。」

 アマタは手にガオゴリラの宝珠を持つ。

「頼むぞ、ゴリさん。」

 アマタがそう言った途端、警報が鳴り響いた。

『ネオ・クートラにアブダクター出現。総員、第一種戦闘配置につけ。』

「ピヨちゃん!」

 ピヨ―

 アマタはソウルバードに飛び乗り、ネオ・ク―トラへ向かった。

 

 ネオ・クートラ上空でアマタはアブダクターの機体数を見ていた。

「捕獲型が2、人型が3。まずは捕獲型を倒すことからだな。」

 アマタはサモナーソードを抜刀し宝珠を嵌め、剣先を天に向け叫ぶ。

「百獣召喚!」

 天に響き渡る音色が天島まで届き、虹の道をガオゴリラ、ガオベアー、ガオポーラ、ガオイーグル、ガオバイソンが掛け走る。

 ガオゴリラが目からビームを放ちバナナの木を生やすとガオゴリラは木に登り、バナナボムを人型に向け投げ権勢をするとガオベアーとガオポーラの光線が捕獲型アブダクターの壺型胴体を攻撃し機能停止にする。

 

「なんかすごいシュールだよな。バナナで攻撃って。」

「確かに。」

 モニターで見ていたアンディの言葉にゼシカは相槌を打つ。

「だけど、ガオライオン無しでどうするのかしら?」

 MIXの疑問にミコノとゼシカ、不動以外が共感した。

 

 人型アブダクターがガオゴリラを集中的にレーザーを放つ。しかしガオゴリラはゴリラの名のごとく縦横無尽に動き回避する。

「みんな、準備はいいね?」

 アマタの問いにガオゴリラは咆哮で答える。アマタは獣王剣にガオゴリラの宝珠を嵌め、叫ぶ。

「百獣合体!」

 ガオゴリラを中心とした筋肉の戦士が地上に姿を現した。

「誕生!ガオマッスル!」

 筋肉の戦士・ガオマッスルが地上に姿を現した。

「いくよ、ガオマッスル!」

 ガオマッスルは人型アブダクターに接近する。人型アブダクターはガオマッスルにレーザーを放つ。しかしガオマッスルの強靱な身体にその攻撃は豆鉄砲程度であった。

「マッスルアンカー!」

 ガオマッスルの手にマッスルアンカーが握られ、ガオマッスルはアブダクターの機体に放り投げる。マッスルアンカーが人型アブダクターの機体に引っかかるとガオマッスルは一本背負いの要領でマッスルアンカーを振るい人型アブダクターを地面に叩きつけ破壊する。

「一機目!」

 ガオマッスルはアブダクターの方を振り向く。人型アブダクターがブースターを吹かしガオマッスルに急接近し腕に仕込んでいたブレードを突き刺そうとする。しかしブレードはガオマッスルの腕によってへし折られた。

「剛力無双・マッスルラリアット!」

 ガオマッスルの両腕から繰り出されるマッスルラリアットが人型アブダクターを破壊する。

「二機目!」

 最後の一機が次元ゲートへと逃げようとしているのをアマタは逃さない。

「逃がすか!氷牙炎滅・ベアーストライク!」

 ガオベアーとガオポーラの口から砲身が姿を現し、人型アブダクターに照準を定め放った。人型アブダクターは破壊される。

「こちらアマタ。アブダクター戦闘型全機破壊、及び捕獲型の機能停止。これより帰還します。」

 

 アマタは聖天使学園に戻ると人三人分の幅はあろう鞄を背負っていた。

「おいアマタ、なんだそれは?」

 カイエンはアマタに問う。

「これ?」

 アマタは鞄を下ろし中身を見せる。中にはバナナがぎっしり詰まっていた。

「・・・・・・・・・・なんでバナナだ?」

「ガオゴリラの大好物。」

「・・・・・・・・バナナを武器にする奴がバナナが大好物・・・・・・・・・・変な話だな。」

「気にしたら負け。」

 

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