「がんばれ~。」
「お前は鬼か!こんな訓練入れやがって!」
アマタを先頭に男子エレメントは走っていた。ガオマジロに追われながら。
先日アマタはこんなことをドナールに言った。
“アクエリオンの操縦にメンタル強化が必要ですかね?”
“そうだな。だが今更どうメンタルを強くするか・・・・・考えてはいるんだが思いつかん。何かないか?”
そこからアマタがガオマジロに追われる訓練を提案した。
ガオマジロアタックを経験しているアンディは恐怖のあまり普段の三倍の力を発揮し、現在三位。二位はカイエンである。
「ぜぇ・・・ぜぇ・・・・」
「はぁ・・・・はぁ・・・・」
「はっ・・・・はっ・・・・」
上からアンディ、カイエン、アマタの順の呼吸である。
「ぜぇ・・・ぜぎゃぁっ!」
「アンディが死んだ!」
「死んでいねぇ!」
アンディは遂にガオマジロアタックの餌食になった。そしてアンディが当たった直後に終了の合図の笛が鳴った。
「そこまでだ!各自クールダウンをしておけ。」
ドナールはそう言うとその場を後にした。
「おーい、みんな大丈夫か?」
アマタが男士エレメント一同に声を掛ける。カイエン以外は地面に大の字、カイエンは肩で息をしていた。
「お前は楽そうだな。」
カイエンがそういうとアマタは首を横に振った。
「ドナール教官から“お前にはいろいろハンデがあるからオモリを付けろって言われて、ンでこれ付けてた。」
アマタはそういうとジャケット、靴、両手両足のリストバンド、服の下にある。十字のベルトを外した。カイエンはリストバンドを手に取ると重みがあった。
「まさか!」
カイエンはリストバンドの中にある鉛の重しを取り出した。
「これくらいじゃないと訓練にならんって言われてね。意外に関節にくる。」
アマタはケロッとした表情でそう言った。
(化け物かこいつは・・・・)
その場にいた誰もがそう思った。
「お前は・・・・・いろいろ規格外だな。」
「ん?なにが?」
「いや、気づいていないのならいい。」
カイエンは諦めた。
「じゃあ俺はこれ返しに行ってくるから。」
アマタはそう言うと全ての重りを担いで走り始めた。
「あれだけ走ってあの体力・・・・・・あいつは核エンジンで動いているのか?」
カイエンの言葉に男子一同共感した。
アマタが荷物を抱えて廊下を歩いているとゼシカとミコノに会った。
「あ、アマタ!」
「アマタ君、すごい荷物だけどそれはなに?」
「持ってみ。」
二人は取りやすいリストバンドを手に取る。
「重っ!?」
「なにこれ!?」
「訓練用の重り。ドナール教官が俺に皆との差をなくすためにって用意したんだけどみんな意外と体力無くて。」
「ちなみにメニューは?」
ゼシカがアマタに問う。
「“ガオマジロから逃げろ、一時間耐久持久走”ってタイトル。」
『無理ゲー!?』
二人は口を揃えてそう言った。
「ははは。でもあんまし苦じゃなかったよ。」
『これで!?』
二人はアマタが抱えているおもり全てを見てそう言った。
ゼシカですら常時エレメントを発動させなければ立っているのですらやっとと言ってもおかしくはない。
「じゃあそういうことで。」
アマタは二人からリストバンドを回収し、ドナールの下へ行った。
肉体の訓練が終われば精神面の訓練。男女混合で座禅を組んでいた。
しかし目をつむれば邪念が入ってしまう。
最も表に出たのはアンディであった。
「喝!」
「イデェ!」
アンディの背中を水色の短髪の女性、ガオエレファントが自慢のしなる剣(刃の部分にはゴムガードを付けています)を打ち込んだ。
「精神が弛んでおる!!」
「は、はぃい!」
それからも次々に背中を叩かれる者が続出した(女性には男性に使った力の十分の一である)。唯一叩かれなかったのはアマタである。
「おいアマタ、なんかガオエレファントの打ち込み強くないか?」
「いいや、俺が小さいころに精神面の修業をした時は本気で打たれたぞ。」
「・・・・・・・・・え?あれ本気じゃないの?」
「あれでも十分の一。」
(あれで!?)
男子一同そう思った。そんな時警戒警報が鳴り響いた。
『アブダクターがネオ・クーロンエリアに出現。総員、第一種戦闘迎撃態勢に入れ。繰り返す、第一種―――』
ベクターゼドにアマタ、ベクターイクスにミコノ、ベクターシロンにゼシカが搭乗しネオ・クーロンに向かっていた。
「今回も一機・・・・・・目的が捕獲からアクエリオンに変わったってところか。」
「最近敵の出撃が多いわね。」
「だ、大丈夫かな?」
アマタが冷静に分析し、ゼシカが最近のアブダクターの出撃回数を顧みて、ミコノが不安になる。
「見えた。でも動く気配がない・・・・・・・・合体待ちってワケか。」
『アクエリオン、合体せよ。ヘッドはアマタ。』
「了解。GO!アクエリオ――――――――――――ン!」
ベクターゼドをヘッドにアクエリオンEVOLが姿を現した。
「アクエリオン・・・・・・・・・EVOL!」
アクエリオンは着地すると頭部レーザー砲を放った。しかしアブダクターの機体には傷一つ付かない。
「小手先じゃやっぱりだめか。ならっ!」
アマタはイーグルソードをアクエリオンに持たせ、自身のエレメント能力で飛行しアブダクターに接近、イーグルソードを突く。
「なにっ!?」
イーグルソードの剣先はアブダクターの機体に刺さらなかった。
「データ収集済みかよ!」
アマタは距離を取る。するとアブダクターの機体からミサイルが放たれる。
「ライオンファング!変化(メタモルフォーゼ)!」
アマタはイーグルソードをライオンファングに切り替えるとガオメインバスターに変える。
「ガオメインバスター!」
アマタはガオメインバスターでミサイルを撃ち落とすがすべては撃ち落とせず、ミサイルを喰らってしまう。
「ぐぅっ!」
「ああっ!」
「きゃあっ!」
アマタたちはダメージを受ける。しかしアクエリオンに外傷はなかった。
「外傷が無い・・・・・・・・・これって!」
「インフェルト弾!」
インフェルト弾、衝撃波で攻撃する弾のことである。ボンバー漁などに使われる手法で、生物を内面から倒す方法。
「くそっ!いくら俺でもあれは防ぎきれん!」
アマタはそういいながらもガオメインバスターを放つがインフェルト弾を何度も喰らい、三人の服は破れ、肌がところどころ見えていた。
アマタたちはインフェルト弾の攻撃に耐えられず、合体が解除されてしまう。
「やっば!二人とも、追尾してくるミサイルを上手く避けろよ!」
「ちょっ!無責任じゃない!」
「無茶を言うなよ。さすがに俺でも合体してない状態でどうにかできるわけないだろ。」
ゼシカの言葉に対しアマタはそう言った。
「きゃっ!」
ミコノが扱うベクターイクスにインフェルト弾が直撃する。
「ミコノ!て、アタシにも来た!」
ゼシカが扱うベクターシロンにインフェルト弾が接近する。そのとき露出した肌がミサイルを感じ取った。ゼシカは操縦桿を操作しミサイルを回避する。
「(弾道の気配・・・・!!)肌で感じた!」
『人は肌を晒すほど感覚が研ぎすまされる・・・無防備になるのと引き換えに攻撃に対して英文に反応できるようになるのだ。』
不動が通信越しで言うとゼシカは不動の言いたいことを理解した。
「肌を晒せば晒すほど攻撃を避けられるってこと?」
「そ、そんなこといわれても・・・」
ミコノは恥ずかしがるがゼシカはそんなことを気にしない。
「こんな時に何言ってるの!カッコつけてる場合じゃないでしょ!!」
ゼシカはそういうとパイロットスーツを自ら破く。
「は、恥ずかしいけど・・・・・けど!!私だって!!」
ミコノもゼシカに続きパイロットスーツを破く。二人は弾道の軌道を肌で感じ取り回避する。
「俺もいきますか!」
アマタは獣王剣で服を破き、上半身裸になる。通信越しに女子の黄色い歓声が聞こえる。
『今だ!合体せよ!!ヘッドはゼシカ・フォン!!』
「無防備合体!GO!アクエリオ――――――――――ン!」
ベクターシロンをヘッドにアクエリオンスパーダが姿を現す。
「アクエリオン、スパーダ!」
アブダクターはアクエリオンが合体するとすぐさまレーザーガンを放つ。
(神経が研ぎ澄まされてぜんぶはっきり感じる!!)
ゼシカは放たれるレーザーをすべて避ける。
「もっと!もっっっっと!」
ゼシカはさらにパイロットスーツを破く。アクエリオンは剣を捨て、アブダクターに接近する。
「受けよ!」
《無防備攻撃 NORGARD ATTACK 》
アクエリオンの拳がアブダクターに届き、アブダクターの機体は爆発した。
「やった!」
三人はハイタッチするがゼシカとミコノはあることに気づいた。アマタに肌を見られていることである。
「きゃあっ!?」
「うわっ!」
二人は手で顔を覆った。
「ん?どうしたの?」
アマタは十二年間の天空島での生活とパワーアニマルたちが気にしないことから何故恥ずかしがっているのかわからなかった。
(あれ?私ドキドキしてる・・・)
ゼシカは自分の芽生えている感情に気づいた。
(そっか。私アマタのことが・・・・・)
翌日、アマタはいつも通りにパワーアニマルたちと訓練をしている中、教室でサザンカの写真販売が行われていた。そんな中ゼシカはアマタの写真を持っていた。