聖天使学園反省房。ジンとカイエンは隣り合った部屋で別々に入れられていた。
ジンの反省房室にスオミが入ってくる。
「アクバルジン・バドバヤール、出なさい。」
ジンはスオミの言葉に従い部屋を出る。
「もう二度と女子寮に忍び込もうとしてはダメよ!」
スオミはジンに釘を刺す。
「カイエン・・・・同級生に銃口を向けたあなたはもうしばらく反省しなさい。」
ジンはそれを聞いて内心ほっとした。
ジンが外に出るとユノハのぬいぐるみがあった。その後しばらく二人はシルフィーの
話で盛り上がった。
しばらく時間が経ち、カイエンは反省房から出られたある日の天空島ではアマタはガオウルフとガオファルコンと話していた。
「アクバルジンだが・・・・・・・アマタはどう見ているの?」
「正直怪しい。」
「でしょうね。アイツの匂いはここの世界の匂いじゃないわ。どうする?倒す?」
「待て、ガオウルフ。さすがにそれはマズイ。それに・・・・」
「アイツは何か悩んでいるみたいだったね。」
アマタの言葉にガオファルコンは頷く。
「あの男、おそらく自分の使命と何かに葛藤していると見える。なら・・・・」
「今は様子を見る・・・・・・・・・・・・て、ことね。」
「ああ。」
ガオウルフの言葉にガオファルコンとアマタは頷いた。
「そういうことだ。この話はここまでだ。アマタ、修行に入るぞ。」
「ほーい。今日はガオウルフだっけ?」
「ええ。久しぶりに手合わせするわね。負けないわよ。」
「こっちも。」
二人は互いに笑顔で答えた。
(アマタのSはおそらくうちの女子陣の影響だな。)
ガオファルコンは一人そう思った。
ミコノがゼシカ、カイエン、MIX、ユノハ、ジンを連れて天空島に来ていた。
(なんだここは・・・・・・・あそことは違う・・・・・・・・・・けど心が顕れる様な・・・・)
ジンは天空島の不思議な力をその身で感じていた。
「おいミコノ、アマタのヤツ今日はどこで修業しているんだ?」
「確か・・・・・・・あっちだったかな?と言うよりもあそこ以外考えられない・・・・・・・よね。」
ミコノは指を指す方向を見るとそこでは激しくぶつかり合う音と爆発音のようなものが響き渡っていた。
「ねえ、聞いてもいいかな?アマタって・・・・・・・・本当に人間?」
「大丈夫だ、兄弟。俺も毎回思っているから。」
ジンの疑問にアンディは肩に手を置き答えると、一同頷いた。
一同がアマタが模擬戦を行っているところまで移動すると目の前に黒い三日月型のブーメランソードが突き刺さった。
『うわぁ!』
ブーメランはグラグラ揺れるとガオウルフの方へと戻って行く。
「はぁああああああああああああっ!」
アマタはハスラーロッド(サーベルモード)でガオウルフに斬りかかる。
「ふっ!」
ガオウルフは両手でブーメランソードを持ち受け止めると、流し手肘鉄をアマタの首筋に入れようとするがアマタは前転して避ける。
「うおっと!」
ガオウルフは前のめりになる。
「うりゃ!」
アマタは両手を地面に付け両足でガオウルフを蹴ろうとする。
「なんの!」
ガオウルフは首を曲げてアマタの脚の上を転がる。
「ふん!」
アマタは頭を振りガオウルフを自分から離す。
(上手い!)
(ちょっと浅かったか!)
互いに体勢を立て直し構える。
(さて・・・・・・・・どうしようか。無難に正面って手もいいがここは・・・・・)
ガオウルフはブーメランソードを横に投げるとアマタに向かい走り出す。アマタは足払いをするがガオウルフはそれを簡単に飛び越える。
「おしかったね。」
「ぬかせ!」
アマタはハスラー炉度をスナイパーモードに切り替えると後ろから来るブーメランソードに向け放った。ブーメランソードは地面に落ちた。
「ほい。」
アマタはガオウルフの額にハスラーロッドの先を押し付ける。
「あっちゃー、負けちった。」
ガオウルフは負けを認めた。
「ところで・・・・・また来たんだ。」
アマタはミコノたちの方を見る。
「相変わらず・・・すごいよね・・・」
「うん・・・」
「というかあれ人間の戦いじゃないでしょ。」
ミコノの音場にゼシカは共感し、MIXがツッコム。
「ま、ここで話すのも何だし俺の居住スペースまで行こうか。」
アマタの居住スペースに移動するとゼシカはアマタのベッドを探り始めた。
「おい・・・・・・・・・・・何やってんだ?」
「え~?ちょっとエロ本探し。MIXがこの前、“男は大抵ベッドの下にエロい本隠してる”って言ってたから。」
アマタ、ガオウルフ、ガオファルコンはMIXをジト目で見る。MIXは顔を明後日の方向に向けた。
「ん!なにこれ?」
ゼシカは分厚い本を手に取った。
「ああ、それか?それは写真集だ。今日までの写真が入ってる。」
「へー。」
ゼシカは本を開きページを捲るとあることに気づいた。
「あれ?これシルフィーの写真だよね?」
ゼシカはみんなにその写真を見せる。
「ホントだぜ。」
「シルフィーさんの写真ですね。」
「やっぱり何度見てもきれいだね。」
各々感想を述べる。
「ねえ、なんでアマタがこれ持っているの?」
「ああ、それ?母さんの写真だから当たり前でしょ。」
アマタの発言にミコノたちの時間が止まった。
「・・・・・・・・・・・・・・・今なんて言った?」
「だから母さんって――――――――」
『ええええええええええええええええええええ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ!?』
「うおっ!」
一同の驚きにアマタは驚いた。
「あれ?言ってなかったけ?」
『言ってない!』
「そうだっけ?まあいいけど。」
いいのかと思う一同。
「十二年前に突如消えたんだ。光の柱に登ってどっかに・・・・・・・・・・いや、多分アブダクターの方の世界に行ったんだと思う。」
『っ!?』
一同アマタの言葉に驚く。
「な、なんでそう思うの?」
「簡単だ。次元ゲートが見えた。だからそう思ったんだ。」
ゼシカの問いにアマタは答えた。
「まあ、当初は置いて行かれたのを恨んだけど今は違う。」
「どう違うの?」
「あの目は・・・・・・・どこか悲しそうだった。後悔をしているようだった。置いて行ったんじゃなくて連れて行けなかったんだってことがな。」
アマタはそう答える。
「そうなんだ・・・・・そういえばジン君、シルフィーの歌っているあれあるよね?」
「う、うん・・・・」
ユノハに持っていることを指摘されジンはシルフィーが歌っているホログラムを出す。
(ジン・・・・・・・アクバジルは偽名なのはわかるがそれが本名なのか?)
アマタ、ガオウルフ、ガオファルコンはそう思った。
「ほぉ~~~~~~~~~!」
アンディはジンのホログラムを見て感心する。
「そうだ!せっかく男女共学になった創立記念日の日にシルフィーが出演している『アクエリアの舞う空』を上映しようぜ!」
「それいいと思います!」
アンディの言葉にユノハは賛成する。
「ジン君も一緒に見よ。」
「え・・・・・」
「ね。」
「う・・・・・・・・・うん。」
ジンはユノハの顔を見ると顔を赤くしながらそう答えた。
アンディの提案は不動にすぐに通り、創立記念日には『アクエリアの舞う空』を上映しようと男女ともに準備していた。
「おーい、大型荷物が通るぞー。」
「ゴリさんお疲れー。」
「助かるよゴリさん。」
「だからガオゴリラと言えと言っておるだろう!」
エレメント候補生たちからもゴリさんと愛称で呼ばれているガオゴリラ。
「はい、治ったわ。」
「ありがとうございます。」
ケガを癒しているガオディアス。
「これ運んで。」
『はーい。』
エレメント候補生の頼みに笑顔で答えるガオベアー&ポーラ。
もう既に聖天使学園の生徒と馴染んだパワーアアニマルたちの姿がそこにはあった。
「みんな大分慣れ親しんでるねー。」
アマタはその光景を見ながらも作業をしていた。
(でも・・・・・・・・・ガオライオンがなんだか嫌な予感がするって言ってたな。)
そんなアマタを、帽子を逆に被った少年が見ていた。
夜になるとアマタはミコノとゼシカに挟まれて“アクエリアの舞う空”を一緒に見ていた。
(なんでこうなってるの?)
二人は他の男性からにも誘われたのにも拘らずアマタと一緒にいた。その理由がアマタはわからなかった。
その時であった。
『っ!?』
何かが来る気配を学園にいるアマタとパワーアニマルたちは感じ取った。
「アマタ君?」
「アマタ・・・」
「二人とも急いで指令室に!」
アマタはそういうとサモナーソードを取り出し宝珠を嵌める。
その瞬間、学園上空に次元ゲートが開き、ミスラ・グニスが出現した。