アクエリオンEVOL 百獣の王と空を舞う少年   作:ザルバ

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 ミスラ・グニスの襲撃から夜が明けた。

 これまでにない甚大な被害。ガオマッスルストライカーによって抑えられたものの学園の施設一部崩壊は大きかった。死者は幸いにもガオディアスがいたため0・・・・・・・・・・いや、意識不明が一人いた。

 何より大きかったのは生徒の心のダメージであった。決して忘れることのない恐怖、異世界からの直接攻撃はエレメント候補生たちに大きな傷跡を残した。

 生徒たちも、重苦しい空気に呑まれかけていた。そんな生徒たちにガオベアーとポーラはココアを振る舞う。せめてもの慰めとして配っているのであろうが、体は温まっても心は温まらない。

 特にユノハは酷く落ち込んでいた。ガオマリアが繋げるとは言ったとは言えどもその可能性は極めて低い。それゆえユノハは人一倍落ち込んでいた。

「ユノハ・・・・・・・・・大丈夫かな?」

「うん、心配だよね・・・・」

 ミコノの言葉にゼシカは共感する。

「悪いけど、あれは彼女がどうこうしないといけない問題だよ。他人のアタシたちがどうにかできる話じゃない。できることは今自分たちがすべきことをする、それだけだよ。」

 ガオウルフはそういいながら清掃作業を続ける。

(正直、私たちは一度死んだからわかることがあるけど・・・・・・・今はその時じゃないね。)

 そんな時、不動が姿を現すなりエレメント候補生に課外授業をすることを通告した。

 

 ネオ・クーロンに向かうフェリーの中、MIXが思い詰めている女子エレメント候補生を見る。

「あなたたち・・・・・・まさか・・・・」

「うん・・・・・・・・・私たち、家に帰るの。」

 MIXはその言葉を聞いて驚く。

「候補生になっても、アクエリオンに乗らなければ危険はないって思ってたのに、まさか襲われるなんて・・・・・」

「だからって学園をやめるというの?」

「しょうがないじゃない。こんなことになったんだし・・・・・」

「こんなことって・・・・・・・・あなたたちの覚悟はそんなものだったの!?」

 MIXは彼女たちを厳しい口調で非難するが、それをアンディが止める。

「MIX、やめとけ。」

「だって悔しいじゃない!今までつらい訓練に耐えて頑張ってきたのに!」

「アンディの言うとおりだ。それに、無理に戦わせるのはどこぞのテロ組織と一緒だ。」

 ガオリゲーターがそう言うとMIXは黙る。

「私たちはこの星の生きとし生けるものを守る使命を受けた存在だ。生まれた時から戦うことは覚悟していたが・・・・・・・死ぬのは二度とごめんだ。」

 ガオハンマーヘッドの言葉に聞いていた一同は驚き、一つのことを理解した。

 パワーアニマルたちは一度死んでいるということを。

 

 ネオ・クーロンに着くとどこか薄暗い森の墓場まで不動に連れてこさせられた。

「みなさん、なぜアブダクターが襲撃してくるかわかりますか?」

 エレメント候補生一同、首を横に振る。

「奴らはアルテア界からやってきている。」

「アルテア・・・・」

 不動の口から出てくる言葉をクレアが引き継ぐ。

「さらに彼の残したデータから、アルテアの目的が判明しました。彼らは、女性―――――その中でもエレメント能力者を有するものをさらおうとしています。」

『えええぇっ!』

 クレアの言葉に女性エレメント候補生は驚きの声を上げる。

(なるほど・・・・・・・・それが目的だったのか。だがなぜエレメント能力者なんだ?)

 アマタは考えを巡らせるがその答えは出てこない。

 驚くエレメント候補生たちに構うことなく不動は話を続ける。

「これからアブダクターとの戦いはますます激化するはず。ここには、死者を多く埋めるであろう・・・・・その戦いに立ち向かうために、お前たちは死を乗り越えなければならない。」

 不動がそういうといきなり足元付近に穴が開いた。

「さあ、一度地の中に入り死を体験しろ。」

 その言葉に誰もが動こうとはしなかったが、真っ先にアマタが入った。すると続くようにエレメント候補生たちは穴の中に入って行った。

(なんか・・・・・・・・懐かしい感じだな。)

(母なる大地に帰る感じがする・・・・)

(静かで・・・・・・なにもない・・・・)

 穴に入った者は身も心も地に帰ってしまいそうになっていた。

 そんな中アマタはなぜか白い空間にいた。

「あれ?ここは・・・・」

 右を見ても、左を見ても、前を見ても、後ろを見ても白一色の空間。

「なんだこりゃ・・・・・・・・とうとう本当に死んでしまったのか、俺?」 

「いや、死んでいないよ。」

 突然聞こえてきた声の方向を向くとそこには一人の灰色の服を着た男がいた。

「貴方は・・・・・」

「俺は・・・・・・・君の先輩かな?」

「先輩?」

「ああ。ガオウルフたちは元気か?」

 アマタはその言葉を聞いて驚いた。

「もしかして・・・・・・貴方は!」

「おっと、そういう話はまた今度ってことで。で、どうなの?」

「ええ・・・・・元気です。擬人化して一緒に修行したりもしています。」

「擬人化か・・・・・・・・・・・俺の知らない面もあったんだな。そういえば君の名は?」

「アマタ、アマタ・ソラって言います。」

「アマタか・・・・・いい名だ。っ!そろそろ君の仲間が呼んでいるようだ。またどこかで。」

「はい。」

 

(ジン君に会えないなら・・・・・)

 ユノハは土の中で眠ろうとしていた。

(全く、アナタって本当いバカね。)

 そんなユノハにガオマリアが声を掛ける。

(ガオマリアさん・・・・)

(言ったでしょ、私も頑張ってみるって。ほら、アンタからもなんか言いなさい。)

(・・・・・・・・・・ユノハ、聞こえているかな?)

(ジン君!)

(ごめんね、ユノハ。悲しい思いをさせて・・・・・あの時君の悲しむ顔が見たくないから一緒に戦おうと思ったのに・・・・・・)

(ううん、ジン君は悪くないよ。ジン君は頑張ってたのに私は・・・・・)

(それでも僕はユノハに悲しい思いをさせてしまった・・・・・・・・・・ごめんね。)

 互い謝るためエンドレス。

(あらあら、微笑ましいわね。ユノハ。)

(はい。)

(彼がここまで回復するのは、正直人間でも異常なくらいよ。普通の人間でも意識回復に一年はかかるわ。愛の力かしら?)

((あ、愛//////////))

(そういうことだからユノハ、しっかり彼を待ってあげなさい。待ってあげるのもいい女の秘訣よ。)

(は、はい!)

 

 穴の中から出るとミコノが一同へ向けこういった。

「ハッピーバースデー、みんな。」

 ミコノは微笑みながらそう言った。

「どうやら、エレメント能力を上手く使えたようだね。っ!」

 その時アマタは気配を感じ取り、サモナーソードを抜刀しミコノに急接近する。

「っ!」

 ミコノは恐怖し体が動かなかった。

 ガキィン!

 金属同士がぶつかり合う音が森に響き渡った。

「よう・・・・・・・・・・カグラ。」

「よう・・・・・・・・・・糞男!」

「アマタだって前に言っただ・・・・・・ろっと!」

 アマタはミコノの後ろからせまったカグラを弾く。カグラの手には西洋の剣が握られていた。

 

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