アマタとミコノがいるネオ・ランディアは山に囲まれた湖を取り囲むに発展した町である。
「私こっちには始めて来たの。」
「へー。始めてきた町でアレを見たの?」
「うん。アクエリアの舞う空って一度見てみたかったからね。」
「そっか。でもあの映画、賞を取ったのは歌が良かったからなんだよ。」
「えっ!そうだったの!」
「ホントホント。」
二人は街を歩きながらたわいも無い話をしていた。
「っ!ちょっとゴメン。」
アマタはアイスクリーム屋の方に小走りする。
「おじさん、コレ二つ。」
「あいよ。」
店主はアマタにアイスを渡し、アマタは御代を払う。
「はい。」
アマタはミコノにアイスを二つ渡す。
「え!いいよ。それに二つなんて・・・」
「髪にいるお友達の分。」
「気付いてたの!」
「なんとなくね。」
「そっか。シュシュ、出ておいで。」
ミコノに呼ばれ髪止めと思われていた場所からシュシュが姿を表した。
「シュ~!」
シュシュはアマタを警戒する
「そんな警戒すんなって。」
アマタはミコノにアイスを渡し、シュシュに触れようとする。シュシュはアマタの指を噛むがアマタは微笑む。するとシュシュは警戒を解き、アマタの指を噛むのを止める。アマタはシュシュを撫でるとシュシュは喜んだ。
「すごい!シュシュが懐くなんて!」
「そんなにすごいの?」
「うん!シュシュって私以外に懐かないんだよ!」
「へー。何処でこの子を?」
「アブダクターが襲ってきた跡地で見つけたの。」
「そっか。良かったな、ちゃんと優しい人に見つけてもらって。」
「シュー。」
二人は移動し、平和公園にいた。平和公園には頭と両腕の無い天使の像があった。
「アマタ君ってなんかなんでも出来るね。私、出来ない子だから。」
「そんなこと無いよ。できないことを努力して出来る程度までにした。ただそれだけ。」
「でもすごいよ。何でそんなに頑張ろうって思えるの?」
「うーん・・・・・・・・・・なんて言ったらいいかな?まぁ・・・・・強いて言うなら―――」
「強いて言うなら?」
「そこで立ち止まっていたくないからかな。」
「立ち止まっていたくないから?」
「うん。人ってさ、前に進むしか出来ないんだよ。後ろに下がろうとしても時間は戻らない。なら、立ち止まるより前に進みたいって思ったんだ。なんかさ、自分が弱いまんまっていやじゃん。」
「・・・・・・・・・・・・うん、そうだね。」
「ミコノさんもさ、一歩踏み出してみようよ。どんなに小さくてもいいんだからさ。」
「うん!」
ミコノが微笑むとアマタも微笑んだ。
しかしそんな時間も突然と終わりを告げる。
「っ!」
「ど、どうしたのアマタ君!」
「・・・・・・・・・・あいつが言ってたのってこういう事か。」
「え?アイツ?」
アマタが見る方をミコノも見ると空には黒い粒子のようなものが浮かんでいた。
『アブダクター襲来。至急,シェルターに非難してください。繰り返します。至急、シェルターに非難してください。』
「来たか!」
空に浮かんでいたのはアブダクターのマシンであった。四本足に巨大な壺のような胴体をしていた。アブダクターは町の女性目掛け足に仕込んでいるものを飛ばした。飛ばしたものは女性をソフトに包むと捕獲した。
(どうする・・・・・・ここでアイツ等を召喚できるけどそれだとこの子を巻き込んじゃう。ここから近くても3kmの距離がある。彼女をシェルターに運ぶまでの時間にシェルターの口が塞がれたら最悪だ。それにここはもうじき戦場・・・・・・・・・・どうするか!)
頭他試行錯誤して考える。
が、敵はそんなことを待とうとはしなかった。アブダクターの機体がミコノに狙いを定める。
「ひっ!」
ミコノは恐怖し、身を縮こまらせる。
「(仕方ない!)ミコノさん、ゴメン!」
「へ?きゃっ!」
アマタはミコノをお姫様抱っこし、走り出す。
「ちょっと飛ぶよ!」
「と、飛ぶ!」
アマタは足から光の羽を出し、空を飛ぶ。少し飛ぶと屋根に着地し走り出す。アブダクターの機体はアマタたちを狙うがアマタは避ける。
その時アブダクターの気体が突然爆発した。
「こちらアクエリアM型、ヘッド・カイエン。作戦地点に到着。これよりアブダクター掃討作戦に入る。」
『了解。神話の導きがあらんことを。』
ネオ・ディーヴァ指令室から司令が返答した。
「今回はやけに数を出してきている。女に舐められるような戦いはするな!」
カイエンたちに気合を入れさせる発言をしたのはドナール・ダンテスであった。
「これほどのアブダクターの群れ・・・・・・繊細な判断力に欠ける男士には、荷が重いのではないのでしょうか?」
ドナールの言葉に対し反抗的なことを口にしたのはスオミであった。
「判断力!?感情に振り回される女どものほうが、それについちゃあよっぽど怪しいだろう!」
そしてその後、どちらの候補生が優秀か口論になった。
アクエリアM型はガンポッドでアブダクターの期待を次々と起動停止させる。
「掃討作戦終了。これより救助活動に――――」
次の行動に移ろうとした時、司令室から通信が入った。
『戦闘エリアに大型アブダクター接近。データに無い未知の機体!』
「なんだとっ!」
その刹那、アクエリアM型は体当りを受けた。
『ぐぅっ!』
今までに無い速度で弾き飛ばされそうになるが、脚部スラスターを噴射し空中で姿勢を制御。瞬時にバランスを取り戻し両脚で着地した。
カイエンは敵アブダクター機に向かいガンポッドを発砲。
しかし敵機は今までと違い人型。二本の角を生やした頭部に羽のように並列したスラスターを盛った大きな翼を背負っている赤とグレーの機体。武装には柄の長い斧であった。
アブダクターはガンポッドの攻撃を回避する。カイエンは敵から放たれる獣のような威圧感に晒されながらもトリガーを引く。しかしアブダクターは至近距離にも拘らず、スラスターを生かして回避運動を取る。
「無人機じゃあの無理な芸当だ・・・・・・・まさか、アブダクターには搭乗者が?」
カイエンはその時始めて理解し、そして経験した。
今までアブダクターは無人機による侵略があったが今回は有人機。どんな相手が操縦しているのかカイエンたちは想像が着かなかった。
アブダクターの機体が柄の長さを活かしアクエリアM型に攻撃をする。アクエリアはガンポッドを盾に攻撃を防ぐが限界があった。しかしアブダクターは空中で全方位から翻弄、獲物をいたぶる猫のような攻撃をしてくる。
ガンポッドが破壊され一瞬の隙が出来た瞬間、アブダクターは背後からの攻撃を喰らった。アブダクターの機体が攻撃してきた方を向くとそこにはアクエリアF型がいた。
「とうとう出会っちゃったね、男の子!」
通信から聞こえてくる言葉と同時に拘束憑依物体の接近警報が表示された。接近してくるのはミサイル。アブダクターはその場からバク転し、スラスターを一気に吹かして回避する。爆煙の中から三発のミサイルが追尾する。アブダクターは空中で逃げる。
「増援・・・・・・・!?」
カイエンはアクエリアM型の体勢を立て直す。すぐ脇でアクエリアM型が着地すると追い撃ちを掛ける様にミサイルを発射する。
「女子専用機のアクエリアF型だと・・・M型とF型の同時戦闘。司令、コレは禁じ手のはずでは!」
『このまま、むざむざとM型を失うわけにはいかない。』
司令は重い口調でそう話した。
「くそっ!ここもダメか!」
アマタたちはシェルターに非難しようとしたが何処も満員や瓦礫で入り口が塞がっていた。
「ど、どうしようアマタ君・・・・」
「とりあえず他を当たるしかない!出ないと撒き込まれるかミコノさんがあいつらにさらわれる!」
「うん!」
アマタは屋根に上り移動する。
「ねえアマタ君、あれって・・・」
ミコノが見ている方を見ようとアマタは立ち止まる。
「アクエリア!女性用と男性用の共闘か。だが・・・・」
二人が見る先ではアクエリアF型とM型が共闘していたが全く持って共闘とは言えなかった。互いに邪魔をしているだけの戦闘、コンビネーションは最悪であった。
「アレじゃあダメだ・・・・・・・・・・だが今は・・・・・」
「アマタ君?」
「とにかく急ごう!なんだか嫌な予感がする!」
アマタは急いでそこから離れようと移動した。
アブダクターの機体は斧を上に振りかざした。その瞬間大きな竜巻が発生しアクエリア二機を巻き込んだ。二機は竜巻の中で急接近した途端に合体が解除された。
同時刻、屋根を移動していたアマタたちも竜巻に巻き込まれた。しかしアマタは自身のエレメント能力で飛行しなるべき遠くの方へと飛んでいた。しかし竜巻によって平和公園の像にまで飛ばされた。像にぶつかりそうになった時、アマタは自身の背中を像のほうに向けミコノへのダメージを最小限にした。アマタは背中の痛みに耐えながら着地するが、片膝を付いた。
「アマタ君!」
「大丈夫、ミコノさん?」
「う、うん・・・・・・・・・・でもアマタ君が!」
「いいって。コレくらい慣れてるし。それよりも今は・・・・・・」
アマタはアブダクターの方を見ると同時にアクエリア二機が落ちてくる。
「ミコノ―――――――――――――!」
スピーカの音声が聞こえた途端にアブダクターは斧をライフルのように構えレーザーを発射する。二期は合体維持が出来ずベクターに分離してしまった。
アブダクターはミコノに狙いを定め手を伸ばす。
「しっかり掴まってて!」
アマタは足にエレメントの羽を生やすとアブダクターに向かい飛ぶ。アマタはアブダクターの機体の手の甲に乗るとそのまま走り、一気にアブダクターの後ろに付き空を飛ぶ。
その時であった。ベクターゼドがアマタたちに接近する。
「きゃぁ!」
機体と接触かと思われた瞬間、いつの間にか二人は奇妙なシーツに座っていた。
「ここって・・・・・・」
「アクエリアの中だね。」
「え、ええ――――!」
ミコノは驚く。しかしアマタは冷静であった。
その時であった。アマタの頭に誰かが直接話しかけてくる。
《偽りの名を破壊しろ》
《破壊し、叫べ。真実の名を》
《そのとき―――神話は、君を受け入れる》
「・・・・・・・・・・そうか。今日この日のために俺は地上に降りたんだ。」
「アマタ君、何を言ってるの?」
「とりあえず俺がすることは分かった!」
アマタは操縦桿を掴むと叫ぶ。
「創聖合体、GO!アクエリオ―――――ン!」
アマタから溢れる光がベクターゼドおも包み込み、接近していた二機のベクターマシンにその光りは伸びた。
「アクエリオン―――何故禁じられたその名を!」
「まだだ!グレイぜ・ストーンのプロテクターがある限り、禁断の男女機合体は・・・!」
司令は驚き、ドナールは手を叩いた。
「これが合体?いや―――今までこんな感覚は・・・!」
「やっ・・・やん!ダメ。なに、これ・・・」
「バラバラに・・・・・なる!」
「今までの常識とか・・・・感情とかバラバラになって・・・!」
「バラバラになって弾ける!」
「弾け・・・・・・・・・・、ずっと大切にしてきた何かが弾けて!」
「壊れちゃうぅううううう!」
グレイゼ・ストーンが砕かれ、その真の姿を表した機体の名をアマタは叫んだ。
「アクエリオン、EVOL!」