カグラはどこかで手に入れたであろう古い西洋剣を手にしていた。
(構えは素人・・・・だがあの俊敏性だ。油断せずに対処しよう。)
アマタはそう思うと立ち上がり、サモナーソードを構える。誰一人としてその場に介入しようとは思わなかった。いや、出来なかった。
(無理もない。剣士同士の戦いは第三者が勝手に入っていいものじゃない。流石のカイエンもこの戦慄には入ろうとは・・・・・・・・・いや、入れない状況だ。)
ガオウルフたちもその状況を黙って見ていた。
「うらぁ!」
先に動いたのはカグラであった。気を蹴り、アマタに一気に近づき、突く。
「ふっ!」
アマタはサモナーソードの地肌で突きを反らし、そのまま流すとかかと落としを喰らわせる。
「ぐっ!」
延髄を蹴ったのにも関わらずカグラは前転して距離を取る。
「ちぃ・・・・・やるじゃねぇか。」
「しぶと過ぎるだろ・・・・・・・・おい。」
アマタは一気に近づき剣を振り上げる。カグラは剣で受け止めようとするが剣の重さを押し返すほどの速さにカグラの力は及ばず、脇が開いてしまう。アマタはサモナーソードを振り下ろそうと一歩前に出る。
「サカサマ!」
カグラがエレメント能力を発動しアマタを払い除ける。
「くっ!」
アマタはエレメント能力を使い体勢を立て直す。
「うらぁ!」
カグラが接近してくるとアマタは後ろに飛び、エレメント候補生たちから徐々に離していく。
「待て!糞男!」
「だからアマタって言ってんだろ!」
カグラは町中のビル群の屋上を走りながら空を飛ぶアマタを追いかけてきた。
(そろそろか・・・・)
アマタは適当なビルの屋上で立ち止まりカグラの方を見る。カグラは向かい合うビルの屋上でアマタと対面していた。
「?・・・・・・・・・・・そうか。俺をあの糞女から離したんだな。」
「正解。で、ここには誰もいない。真剣勝負、しようや!」
「望むところだ!」
二人は同時に跳び、互いの剣をぶつけ合う。二人は堕ちながらもビルを蹴り、剣を何度も交える。
「サカサマ!」
カグラはエレメント能力を使い“落ちる”を“上がる”に変える。アマタはエレメントの力を使い上昇、カグラに剣を突く。
「喰らうか!」
カグラは剣を蹴る。しかし手応えがなかった。
「なにっ!」
「おらぁ!」
アマタはそのまま一回転しサモナーソードを横一線に振るう。カグラは両手を広げ身体を後ろの反らすが、胸に傷を負った。
「ぐぁっ!」
「ついげっ!」
アマタが追撃を仕掛けようとした途端、次元ゲートがカグラの後ろに開いた。
(マズイ!)
アマタは急いで距離を取った。カグラは次元ゲートに回収され、入れ違いにケルビム兵が現れた。アマタは屋上に着地するとハスラーロッドを召喚、ブレイクモードに切り替え振り回しレーザープールを展開、三つの宝珠を置く。
「百獣召喚!」
天に響き渡る音色がガオウルフたちに届く。
「行くぞ!」
「おうよ!」
「はい。」
ガオウルフたちはパワーアニマルへと姿を変えアマタの下へと向かう。
「百獣合体!」
ガオリゲーターを中心に正義の狩人が降臨する。
「降臨!ガオハンタージャスティス!」
ガオハンタージャスティスはリゲーターブレードでケルビム兵は攻撃を仕掛ける。しかしケルビム兵は今までよりも軽やかな動きで避ける。
「前と違う!」
アマタは驚きながらもリゲーターブレードを振るう。しかし掠ることすらなかった。
「クレセントブーメラン!」
ガオハンタージャスティスはクレセントブーメランを投げるがケルビム兵は軽々と弾き返す。
「ハンマーショット!ウルフアタック!」
ガオハンタージャスティスは拳を振るうが当たらず、ケルビム兵の蹴りがガオハンタージャスティスの背中に入る。
「ぐぁっ!」
ガオハンタージャスティスはうつ伏せに倒れる。
「このままじゃマズイな・・・・・」
(アマタ・・・・)
「ガオウルフ?」
(今日は満月・・・・・・・・・言いたいことはわかるわね?)
「でもあれは!」
(大丈夫。それに私たちも覚悟の上よ。)
(おうよ!俺たちも覚悟してんだ!)
(ええ。ですからやって下さい。私たちを信じて。)
「ガオウルフ・・・・・ガオリゲーター・・・・・ガオハンマーヘッド・・・・・皆、ありがとう。」
アマタはガオハンタージャスティスを断たせる。
「闇夜を照らす月よ、太陽の輝きを映す月よ、その光で聖なる狩人を照らし、力を与え給え!」
アマタの唱えた言葉に応えるかのように月の輝きがガオハンタージャスティスに集中して降り注ぎ、ガオハンタ―を青く染めた。
「ガオハンタ―、ブルームーン!」
ガオハンタージャスティスがガオハンタ―ブルームーンへと姿を変えた。
「はっ!」
ガオハンターブームーンはリゲーターブレードを振るう
「リゲーターブレード、三日月斬り!」
三日月切りが炸裂しケルビム兵の片腕を切り落とす。
「ブルーハンマーショット!」
ガオハンタ―ブルームーンのブルーハンマーショットが炸裂しケルビム兵を宙に挙げる。
「止めだ!月下咆哮・ブルームーンハート!」
ガオリゲーターの口がケルビム兵の方を向き、ビーストハリケーンをも上回るブルームーンハートが炸裂する。ケルビム兵にその攻撃は直撃し、空中で爆発した。
翌日、教室でアマタはアンディたちに絡まれていた。
「おい、アマタ。昨日のガオハンタージャスティスすごかったじゃねぇか!なんで最初っから使わなかったんだよ!」
アンディがアマタを小突く。
「いや、あれ夜じゃないとできないのとリスクあるから。」
『リスク?』
「うん。ガオハンタ―ブルームーンは十倍の力を得る代わりにガオウルフたちの負担がいつもより大きくなる。だからしばらく戦えなくなってしまうんだ。」
「ほっへー、そら迂闊に使えねぇな。」
「まあ、俺も使うのは避けたかったんだけどあんな状況だったから。」
アマタはそういうと視線をユノハの方に流す。アマタが見る先にはジンの機械を大切にし、帰りを待っているユノハの姿があった。