アクエリオンEVOL 百獣の王と空を舞う少年   作:ザルバ

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 一時の休息を得て訓練に励むエレメント候補生たち。ただ一人を除いては。

「MIX、こっちもお願い!」

「くっ!」

 MIXはエレメント能力を使い学園中に空いた穴を塞いでいた。

「な~んか、訳ありみたいだな。」

 アマタはMIXの行動に疑問を持った。いつもとは違い焦りを感じられる表情、そして今やっているわざとらしい高笑い。加えて落ち込んでいるあまりエレメント能力が暴走し穴を開けまくるアンディ。

「まさか・・・・」

 アマタはミコノとゼシカに声を掛け、一緒にMIXに問いかけた。

「MIX、ちょっといいかな?」

「なに、アマタ?ゼシカとミコノを連れて。」

「いやな、絶対俺一人じゃ聞き出せないだろうから二人に協力を頼んだんだ。で、ここからが本題だ。アンディと何かあったか?」

「ギクッ!?」

「・・・・・・・・・擬音を声にする奴初めて見た。」

 MIXは指をモジモジしながら視線を逸らす。

「あー・・・・・アンディがああなったの、あたしが原因なの。」

『は?』

 三人はMIXの言いたいことがわからなかった。

「実は――――」

 MIXは先日のバカンスでアンディに告白された。しかしMIXはアンディの何の前触れや変化球もない直球の告白を正面から断ってしまった。結果、アンディはフラれたことに落ち込み訓練にも身が入らないほどあんな状態になった。

「あー、それはそうなって仕方ないな。」

「うん・・・・」

「今回ばかりアンディに同情するね。」

 三人ともアンディに同情する。

「で、でも原因はおそらくアマタ、あなたに原因があるのよ!」

「俺?」

「そうよ!ヘリの中であんな話するから・・・・・・・・てかガオディアスが怒るでしょ!」

「いや、逆。」

『はい!?』

 アマタの意外な返答に三人は変な声を上げてしまう。

「ガオディアス曰く、“ピュアなあなたが早く彼女を作って子供でも作った方がこっちとしても安心”って言ってた。」

 ガオディアスが意外に協力的なことに三人とも開いた口が塞がらなかった。

「まあ・・・・・・アンディの回復は追々考えるとして今は目の前の敵をどう対処するか考えておこう。」

 アマタがそう言った途端、警報が鳴り響いた。

《次元ゲート学園上空に展開。総員、第一種迎撃態勢に入れ!繰り返す、総員―――》

 

 次元ゲートからはベクターゼドにモロイ、ベクターイクスにゼシカ、ベクターシロンにカイエン、ベクターゼド予備機にはMIX、ベクターイクスにはサザンカが乗っていた。

「ヘッドは私でいくよ!」

 ゼシカがいつもよりも意気込んでいた。しかしそれには理由があった。今までとは違い特徴のある期待に生命反応があった。

「ハートブレイク合体、GO!アクエリオ―――――――――ン!」

 ベクターイクスをヘッドにアクエリオンが姿を現した。

「アクエリオン、ゲパルト!」

 アクエリオンゲパルトが姿を現すと両手にガンポッドを転送、高速爆裂徹甲弾をアブダクターに向け放つ。アブダクターの機体は爆煙に包まれる。

「ゼシカ、もういい。十分だ。」

「はぁ・・・・はぁ・・・・」

 ゼシカは息を荒くする。爆煙が晴れるとそこには傷一つないアブダクターの機体があった。

「うそっ!」

「効いてない!」

 三人はアブダクターの機体の装甲に驚きを隠せなかった。アブダクターの機体のマントが開き、内部からはいくつもの光る点があった。

「マズイ!ゼシカ避けろ!」

「くっ!」

 ゼシカは避けようとするが先ほどの攻撃ですぐには動けなかった。アブダクターの機体からいくつものビームが放たれる。ビームがアクエリオンにあたる瞬間、ガオイカロスがその攻撃を防いだ。

「大丈夫か、ゼシカ?」

「あ、ありがとうアマタ・・・・」

「さて・・・・・・どうやら敵は進撃じゃなさそうだな。」

 アマタはアブダクターの機体の方を見る。敵は一向に動こうとはせず、ただそこに君臨していた。

≪ヴェーガ諸君に告ぐ、こちらはアフラ・グニスにより通信している。私はアルテアの最高指揮官、イズモ・カムロギだ。こちらはそちらの司令官と話がしたい。≫

「ええ。こちらネオディーヴァ指揮官、不動・ZENだ。」

≪ほぉ・・・・・指揮官は男か。≫

「何か不満でも?」

≪いや。本題に入ろう。この地に被害を与えるのはこちらの本意ではない。レア・イグラーを我々の世界に迎えることができれば・・・・≫

「待て。」

 イズモの言葉にアマタが口を挟む。

「随分な言いようだな。そっちの事情で勝手に攻めて、それで女をさらった指揮官が言う言葉か?」

≪少年、貴様はわかっていないのか?私はこの戦いを平和的に・・・・≫

「ふざけるな。そっちに連れていかれた女性達はどうなったんだ?生きているのか?」

≪・・・・・・・・・いや、多くは次元ゲートを移動中に死に、残りはこちらの世界で男へと性別が変わった。≫

 イズモの言葉に一同驚愕する。

「そんな場所に大事な仲間を連れて行けと?ふざけるな!」

 アマタはガオイカロスの羽を開き、一気にアフラ・グニスに接近しジュラフスピアを突く。しかしその攻撃は鉄のカーテンによって倍返しされてしまう。アフラ・グニスの側にいた二機の機体が追撃射撃を仕掛けてくる。

「くっ!」

 アマタはガオイカロスを急上昇させるがガオライノス、ガオマジロに攻撃が当たる。ダメージが三体に溜まり、合体が解除されてしまう。

「くそっ!」

(アマタ!)

(ガオウルフにガオハンマーヘッド!大丈夫なのか?)

(何とかね。合体いくよ。)

(わかった。)

 アマタはファルコンサモナーにガオウルフ、ガオハンマーヘッド、ガオバイソンの宝珠を嵌める。

「百獣召喚!」

 天空に響き渡る音色が天空島に届き、天空島から伸びる虹の道を伝いガオウルフ、ガオハンマーヘッド、ガオバイソンが地上に舞い降りる。

「百獣合体!」

 ガオイカロスを中心に新たなる天空の王が誕生する。

「誕生!ガオイカロスアナザーフット&アーム!」

 ガオイカロスアナザーフット&アームが姿を現した。

「クレッセントブーメラン!」

 クレッセントブーメランがアブダクターの機体にあたる。

「バイソンキック!」

 ガオイカロスアナザーフット&アームの空中連続バイソンキックが炸裂し、海面に叩きつけられる。

「リゲーターブレード!」

 アマタはリゲーターブレードを振るいもう一機のアブダクターの機体を切り裂いた。

「これで決める!悪鬼撃滅・イカロスブレイカー!」

 クレッセントブーメランを投げた後にリゲーターブレードで突く必殺技、イカロスブレイカーが炸裂する。しかしアフラ・グニスにその攻撃は通らず、倍返しで返って来た。ガオイカロスアナザーフット&アームは合体が解除され、アマタが宙に放り出された。宙に放り出されたアマタをイズモは捕まえる。

≪彼は人質としてこちらで預かる。交換条件はレア・イグラーだ。≫

 イズモはそういうと次元ゲートへと向かう。

「逃がすものですか!」

 ゼシカが接近しアフラ・グニスに攻撃を仕掛けるが拳を突いた途端に跳ね返されてしまう。

「きゃあ!」

 アクエリオンの合体が解除されてしまう中、アマタはガオライオンに念話で伝えた。

(ガオライオン、みんなを頼む!)

 アマタはそういうとファルコンサモナーと獣王剣をゼシカに、ミコノにはサモナーソードを託した。

「「「アマタ!」」」

 次元ゲートに入っていくアマタをガオウルフ、ガオリゲーター、ガオハンマーヘッドは追いかけ、次元ゲートの向こうへと姿を消してしまった。

 

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