アルテア界にある牢獄にアマタは宙吊りにされていた。目の前にはミカゲが何かを持っていた。
《まさかお前がここに来るとはな。ゴッドも認める男よ。》
「ゴッド?ガオゴッド様のことか?」
《いかにも。だが・・・・・・・・今のお前は恐るるにたらんな。》
「そらどうも。」
《だが・・・・・・・・・・お前をこのままただ閉じ込めておくだけではもったいない。私に従え。》
「誰が従うか。」
《ふふふ、そう言ってられるのも今の内だ。》
ミカゲはそういうと何かをアマタの顔に押し付けた。その瞬間、アマタの悲鳴がアルテア界に響き渡った。
アブダクターへの敗北はエレメント候補生たちに大きな傷を与えた。
特に大きい痛手はアマタとガオウルフたちがアルテア界に連れ去られたことだ。
ミコノとゼシカは一緒に海を見ながら並んで座っていた。
「・・・・・・・・・・・ミコノ。」
「なに、ゼシカさん?」
「・・・・・・・・・私、あの時何もできなかった。」
「それは私も同じだよ。なにも・・・・できなかった。」
自分もできなかったことをミコノは言うがゼシカは首を横に振った。
「ううん、私はあの時合体してた。そりゃ、火力重視のゲパルトでパンチなんておかしな話だけど問題はそこじゃないの。結局アマタを救えなかったこと。」
ッゼシカはそういうとファルコンサモナーと獣王剣を取り出した。
「私だって同じだよ。」
ミコノは引きずりながらも持ってきたサモナーソードに触れる。
「・・・・・・・・アマタはさ、仲間のためなら自分の身も犠牲にできる程の男だよね。」
「・・・・・・・・・うん。それでいて鈍感で、常識がちょっとズレていて、それでいて優しい。」
「話が盛り上がってるみたいね。」
二人に声を掛けてきたのはガオディアスであった。体にはところどころ傷がまだ残っていた。
「隣失礼するわ。」
ガオディアスは二人の隣に座る。
「二人共、単刀直入に聞くわ。」
『なんですか?』
「二人共、アマタを愛してるの?」
『ぶっ!!』
ガオディアスの直球剛速球ストレートに思わず二人は吹いてしまう。
「あらあら、二人ともウブね。」
「が、がががが、ガオディアスさん何を言っているんですか!」
「そ、そそそそそ、そうですよ!」
「あらあら、そんなに恥ずかしがらなくてもいいわよ。」
『ち、違いますから~~~~~~~~~~~~!!!』
二人は走り去ろうと一緒の方向にダッシュする。
「甘いわよ。」
ガオディアスは手をパンと叩く。すると地面に急に穴が開く。
『ギャッフン!』
二人は穴に足を取られこけてしまう。
『これ何!』
「私の趣味の改造☆」
『勝手に改造しないで!』
二人は漫才のごとくツッコミを入れる。
「まあ冗談はさて置き、どうなの?・・・・・・・・・・・て、聞くまでもないわね。」
二人の反応を見てガオディアスは溜息を吐く。
「まぁ、私としてはどっちも捨てがたいからいっそ二人と付き合ってもらって一夫多妻になった方が楽なんだけどね。」
「な、ななななな、なにを言っているんですか!」
「い、一夫多妻なんて!」
「あら、おかしい?どちらか一方だけを愛せないなんてのは動物の間だと変よ。」
ガオディアスはさも普通に話した。
「それより、ちょっと行ってほしい所があるの。ガオライオンが一緒に行くから安心して。」
「あの、どこに行って欲しいんですか?」
ミコノが問うとガオディアスは答えた。
「貴方たちにとっての始まりの場所、ネオ・ランディアよ。」
ガオライオンの付き添いの元ゼシカとミコノはネオ・ランディアに来ていた。サモナーソードはガオライオンが持っている。
「でもなんでここに来る必要があるの?」
「何か理由があるんですか、ガオライオンさん?」
「ああ。アマタが生活必需品を買うのに使っていたこの町だが・・・・・・・・・今まで気づかなかったが地下から何か大きな力があることに気づいた。サモナーソードと獣王剣をアマタから託された二人なら何か協力できるかもしれないと思い、私たちは君たちに協力を頼んだんだ。」
ガオライオンは二人に簡潔に説明した。
「しかし・・・・・・」
「どうかしたの?」
「反応はあるのだが広すぎてわからん。二人共、何か気づかないか?」
ガオライオンが問うと二人はあたりを見回すがどこもかしこも人っ子一人いないゴーストタウンと化していた。
そんな時、三人の目の前に人間態のガオゴッドが現れた。
「久しぶりだな、ガオライオン。」
「ガオゴッド様!なぜここに!」
「なに、少しお客さんが来ているので相手をしようと思ってな。」
ガオゴッドが空を見上げる先には次元ゲートが広がっていた。次元ゲートからは黒紫のケルビム兵が姿を現した。
「そんな・・・・・・」
「アマタが人質なのに・・・・・・まだ攻めてくるの・・・・・」
「・・・・・・・・・・・ミカゲ、どうやら私を怒らせたいようだな。」
ガオゴッドの目が光り、竜巻と光が発生する。光からガオレオン、ガオコンドル、ガオソーシャーク、ガオバッファロー、ガオジャガーが姿を現した。
「神獣合体!」
ガオレオンを中心に精霊の神、荒神が姿を現した。
「降臨!ガオゴッド!」
金と黒、神と悪魔が対峙する。
ケルビム兵がガオゴッドに剣を振るうがガオゴッドは神獣荒神剣を振るいその攻撃を流していく。ケルビム兵は軽やかな動きで攻撃し、時に剣、時に蹴りを繰り出していた。
「ぐっ!」
軽やかに舞う攻撃に流石のガオゴッドですら苦戦していた。
「はっ!」
ケルビム兵の一瞬のスキを突き、ガオゴッドは神獣荒神剣を横一線に振るいケルビム兵を攻撃し深手を負わせる。
「喰らえ!天誅・パワーアロー!」
光の矢がケルビム兵に命中し、ケルビム兵は爆発した。ガオゴッドは人間態に戻ると片膝を付いた。
「はぁ・・・・・・・・・・・はぁ・・・・・・」
「ガオゴッド様!」
ガオライオンたちがガオゴッドに駆け寄る。
「大丈夫ですか?」
「ああ・・・・・・・・・だがあやつめ、手の込んだ人形で攻めてきおったわ。」
ガオゴッドがそう言った途端、突如地面が揺れた。
「な、なにっ!」
「地震!」
驚く二人に構わず地面からは腕が伸びた金色の機体が地面から姿を現した。
「あれって・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・アクエリオン?」
二人はその期待に目が釘付けになっていた。
「ほう・・・・・・・・・・まさかこんなところに眠っていたとわな。」
突如聞こえてきた声に一同警戒をする。声が聞こえてきた方には全身黒井鎧を身に纏い、黒い狼の仮面をした男が立っていた。
「アンタ・・・・・・・」
「一体・・・・・・誰?」
二人の問いに答えるかのように仮面の男は答えた。
「我が名は狼鬼。」