カシャカシャカシャカシャカシャ
ボールの中に入っている卵をかき混ぜる音が調理室に響いていた。
「なんで卵焼きなんだろうね?」
「さあ・・・・・・・・・・・・でもこの本の通り出来ないね。」
二人は何度も卵焼きを作るが本の通りにはできていない。簡単に言うとふっくらじゃなくて、ぺしゃんこである。二人はフライパンでやっているため上手くいかないわけでなく、卵焼き用のフライパンでやっている。
「なんでできないんだろう?」
「う~ん・・・・・・・・・・・・・あっ!」
「何か気づいたの、ミコノ?」
「多分だけど・・・・・・・・・・・愛情?」
「愛情?なんで愛情が必要なの?」
ミコノの言葉にゼシカは疑問を持つ。
「確か前に読んだ本にあったんだけど料理をおいしくする最高の調味料は愛情ってあったの。」
「ふ~ん・・・・・・・・・・愛情、か。私はこの卵焼き・・・・・・・・・・アマタに食べてもらいたいな。」
「私も同じかな。今度は愛情を込めて作ってみよ!」
「ええ!」
学園内に設けられている休息所。そこで一人アンディは座っていた。
(ガオゴリラの言う通り・・・・・・・・・・・・・もっかいぶつかってみるか・・・・・・・・・・・・でもフラれたら・・・・・・・・・・ああもう!どうしたらいいんだよ!)
アンディは頭を掻く。
「アンディ?」
「へ?」
聞き覚えのある声の方向を向くとそこにはMIXの姿があった。
「み、MIX!なんでここに!」
「い、いいじゃない!・・・・・・・・・・・・ちょっと話があるんだけど隣いい?」
「お・・・・・・・・・・・・おう。」
MIXはアンディの隣に座る。
「あのさ・・・・・・・・」
「うん・・・・・」
「この前の話だけどよ・・・・・・・」
「うん・・・・・」
「あれ・・・・・・・・・本気だ。」
「うん・・・・・・・・・・・知ってる。私もさ、いきなりでびっくりして・・・・・・・それで思いっきり言っちゃったよね。」
「ほんとだぜ。俺、ショックの余り学園中に穴が開いたぜ。」
「その度にアタシが穴を埋めたんだから。」
「ははは、お互いに迷惑を掛けてるな。」
二人はしばらくそんな風に話をして過ごした。
一方アルテア界のある場所、シルフィーがポッドで眠っている施設。そこに狼鬼がシルフィーを見ていた。
「・・・・・・・この女が最初のレア・イグラー・・・・・・・・・・・・か。どこか・・・・・・・・・懐かしい感じがするな。」
狼鬼はそう呟いていると急に頭痛に苦しみだした。
「ぐぅう・・・・・・・・・・・・・・・・あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!なぜ・・・・・・・・・・何故だ!何故俺はこんなに苦しむのだ!」
のたうち回る狼鬼だが、次第に頭痛は止んでいった。
「はぁ・・・・・・・・・・はぁ・・・・・・・・・・はぁ・・・・・・・・・・俺は・・・・・なんなんだ?ミカゲ様に会う前の記憶が無い・・・・・・俺は・・・・・・・・・・一体・・・・・」
『で・・・・・・・・・・・・・出来た―――――――――!』
二人は愛情を込めて作った卵焼きは本通りの形になった。しかし二人の後ろには大量のぺちゃんこ卵焼きが積み重ねられていた。
「あ~・・・・・・・・・・・・これ・・・・・・・・・・・どうしよっか?」
「成功したこっちも食べてもらいたいけど・・・・・・・・・・・・アマタ君やパワーアニマルたちにも食べてもらおっか?」
「そうね。」
二人は上手くできた卵焼きをガオライオンの下へ上手にできた卵焼きを届ける。
「ガオライオン、卵焼き出来たよ!」
「これでいい?」
二人は作った卵焼きを差し出す。
「ああ、これでいい。」
ガオライオンはパワーアニマル体になり卵焼きを口に運んだ。
「この場合、どうやって口に運んだのかは気にしちゃだめだよね?」
「うん・・・・・・・・・」
二人はガオライオンのことにはツッコミを入れないようにした。
卵焼きを口にしたガオライオンは徐々に身体全体が大きくなっていった。
『な、なにこれ!?』
二人はあまりの出来事に驚きを隠せなかった。
「すまないな、二人共。過去にガオの巫女が作った卵焼きをガオライオンが口にした時にアイツは体が大きくなってな。それ以来ああいう能力を手に入れたんだ。」
ガオファルコンが説明しながらファルコンサモナーに宝珠を嵌め、二人に渡す。
「これで私たちを合体させてくれ。そうすれば次元を超える力が手に入る。」
「わ、わかったわ!」
「うん!」
二人はガオファルコンからファルコンサモナーを受け取ると一緒にトリガーを引く。
「いくよ、ミコノ!」
「うん!」
『百獣召喚!』
天に響き渡る音色が天空島まで届き、ガオタイガー、ガオシャーク、ガオエレファントが天空島から虹の道を伝い降りてくる。
『百獣合体!』
ガオファルコンを中心に大いなる勇者、偉大なる聖者が姿を現した。
「ピヨちゃん!」
「お願い!」
二人の下にソウルバードが下りてくる。二人はソウルバードに乗り、ガオライオンたちの方へ向かう。
『ソウルドライブ、ガオケンタウロス!』
二人はソウルドライブする。
『誕生、ガオケンタウロス!』
ガオケンタウロスの合体が完了すると同時に突如として次元ゲートが開いた。
「ミコノ!」
「ゼシカ!」
二人は操縦桿を握りガオケンタウロスを次元ゲートの方へと進める。
「おい、ミコノ!」
ガオケンタウロスにカイエンから通信が入る。
「どういうつもりだ!まさか・・・・・・・・・・・・アマタを助けに行くつもりじゃないだろうな?」
「そうだよ。」
「何を考えている!火中に飛び込むなんて無謀なことはするな!」
「でもアマタ君を助けたいの!私・・・・・・・・・・・アマタ君のことが好きだから!」
「ついでに言うとアタシも!」
「なっ!?」
カイエンは二人の告白に驚く。そして二人は強制的に通信を切った。
「ミコノ・・・・・・・・・・・・・」
カイエンはどこか思い詰めている顔をしていた。そんなカイエンにシュレードが肩に手を置いた。
「親友、彼女もいつまでも子供じゃないんだ。」
「ああ、わかってる・・・・・・・・・・・・・けど・・・・・・・・・・・」
「兄と言う立場とはそういうものだよ。」
次元ゲートの中に入ると黒いケルビム兵が道に立ちふさがっていた。
「こんな時に・・・!」
「みんな、力を貸して!」
その声に答えるかのようにガオライオンたちは咆哮を上げる。
ケルビム兵はガオケンタウロスにビームを連射してくるがエレファントシールドによって防がれる。
「アマタ君を早く助けたいから!」
「邪魔よ!」
『究極剣技・獣王の舞い!』
エレファントソードから繰り出される剣技がケルビム兵を破壊した。
「待ってて・・・・・・・・・・・・・アマタ!」
「必ず助けるから!」
ガオケンタウロスは次元ゲートの出口へと一直線に向かった。