アクエリオンEVOL 百獣の王と空を舞う少年   作:ザルバ

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 次元ゲートを抜けると目の前に映ったのは金属の塊と言ってもいいほどの風景が広がっていた。二人はガオケンタウロスを着地させようとするがガオライオンに異変が起きた。

「な、なにっ!」

「どうしたの、みんな!?」

「すまない・・・・・・・・・どうやらここを通るだけで結構負担になったみたいだ。合体を維持できるほどの力が残っていない。合体を解除する。」

 ガオライオンの言葉に二人は「わかった。」と返事した。そしてガオケンタウロスの合体が解除され、二人はソウルバードに乗って地上に降りる。ガオライオンたちは見つからないようにパワーアニマル態から人間体へと姿を変えた。

「ソウルバードは目立つからしばらく隠れてて。」

 ピヨー。

「それで・・・・・・・・どこに行ったらいいのかな?」

「う~ん・・・・・」

 ミコノはしばらく考えているとある建物が目に入った。

「ねえゼシカ、あそこの建物に行ってみない?」

「ん?・・・・・・・・・・そうね、なんだかあの建物気になるから行ってみようか。」

 ミコノたちはある建物を目指し歩き始めた。

 目に映る光景には自然は無く、機械とパイプが張り巡らされていた。ただ自然があるのはミコノたちが目指す建物だけであった。

「こんな星で生きていけるの?」

「さぁ・・・・・・・・・・・でもなんかこの星・・・・・・・・・・泣いているみたい。」

 ゼシカの言葉にガオライオンたちは頷いた。

「この星は・・・・・・・・・・・命を吸われているな。もしかして・・・・・」

 ガオファルコンはある仮説が頭の中に過った。そんなことを考えている内に建物に辿り着いた。

「ねえ、ここ・・・・・・・・何の建物かな?」

「さぁ・・・・・・・・・でも入って見ないとわからないよ。入りましょ。」

 一同は建物の中に入るとそこは一つのポッドのみが置かれている建物であった。

「これだけしか・・・・・・・・・・・ないよね?」

「うん・・・・・・・・・・ん?あそこに誰か・・・・・・・・・・・・え・・・・・・・・」

 一同の目の前に映ったのはミコノたちの世界でも有名な女優、アリシアの姿であった。ポッドの中にいる様子からして彼女は生きているが、どこか衰弱しているようにも見えた。

「これって・・・・・・・・・・・・アリシア?」

「だよね・・・・・・・・でもなんでここに・・・・あっ!」

 ミコノはあの時アマタが言った言葉を思い出した。

『多分。アブダクターの方の世界に行ったんだと思う。』

「あの時のアマタ君の仮説が当たってたんだ!」

「じゃあ彼女は・・・・・・・この世界に来たけどここでまともに生きていけないほどにまで弱ったってこと?」

 二人がそう話していると一同の頭の中に直接アリシアの言葉が響いてきた。

≪そこにいる皆さん、こんな姿で申し訳ないけど初めまして。≫

「わっ!頭の中に声が聞こえてきた!」

「こんな経験私したことないよ!」

≪驚かせてしまってごめんなさい。でもこうする以外話す方法が無いの。≫

「そ、そうなんですか・・・・・・・・・それで何を話そうと思っているんですか?」

≪私がここに来るまでの経緯よ。まず・・・・・・・・アマタの父親はイズモ・カムロギ。ここの指導者よ。≫

『えっ!?』

 二人はその言葉に衝撃が走った。

≪彼は次元転移に耐えられるレア・イグラーを連れ帰る使命を帯びて地球にやって来た。けれど、事故で不時着してしまい・・・・その時助けたのが私だったの。数年後、再び彼が現れた時にはもうアマタが生まれていたわ。私はイズモからイヴの呪いを話されたわ。≫

『イヴの呪い?』

≪簡単に説明するとこの星では女性が生きていけないの。地球からここアルテア界に来る途中で死んでしまうか男性に性転換する。そのどちらかなの。そして彼は言ったわ。・・・・私なら、その呪いを解くことができるかもしれないって。けどそのためには私がアルテア界に行く必要があったの。私はその時迷ったわ。アマタを連れえ行くか置いて行くかをね。そして私はアマタを置いて、あの人の星を救うために行くことを決めたわ。あの時・・・・・・・・・私はアマタを見知らぬ星で危険な目に遭わせてはという不安の方が大きかったわ。どんなに言い訳をしても私がアマタを捨ててしまったことに変わりないわ。でも私は愛する人の星を救いたかった。・・・・・・・・・・愛する者の、愛するものを・・・・≫

 その瞬間二人は理解した。彼女はただ純粋に愛する者のために行動した。自ら傷つくことを覚悟して。

≪あなたたちに二つお願いがあるの。一つはあの姿になったアマタを救って欲しい。そして・・・・・・・・・・・・あの子を支えてあげて。それが私の願いよ。≫

「アリシアさん・・・・・・・・・・・・・・・わかりました、私たち、アマタ君のことを愛してますから。」

「私も。」

≪ありがとう・・・・・・・・・・こんなに愛されているなんてアマタも幸せね。パワーアニマルさんたちも、アマタを育ててくれたのよね?≫

「ええ。私たちはアマタと共に過ごしてきました。彼は強くなりました。心も、身体も。そんな子を産んだのは他ならないあなたですよ、アリシアさん。」

≪いいえ、私はあの子に愛情を捧げられなかった。でもあなたたちはアマタに愛情を捧げてくれた。何より・・・・・・・・・・あなたたちもアマタを愛してくれている。≫

 ガオライオンはアリシアと話をしてよかったと思った。なんであれ彼女がアマタを愛していること、それだけでも彼らにとってはうれしいことであった。

「じゃあ・・・・・・・・・・・・アマタを探そう。」

「うん。」

 一同礼をしてその場を後にした。

≪頼むわね、あの子を。≫

 

 一同が外に出ると扉の前でカグラが立っていた。

「アンタあの時の!」

 一同戦闘態勢に入るがカグラは構えようとはしない。

「待て、こっちは今戦う気はない。むしろこっちに協力して欲しいんだ。」

「協力?」

 ゼシカはカグラの言葉が引っ掛かった。

「そうだ。俺はあの糞男、アマタが仮面をかぶった姿が気に食わねぇ。アイツは恐らくミカゲのヤツ操られてああなってると考えてもいい。アイツをあの仮面の呪縛から解放するのに協力しろ。」

「ずいぶん協力的な提案ね。まさか、そのどさくさにミコノを攫おうなんて考えてないでしょうね?」

「するか。そんなことするんなら出てきたところを襲っている。」

 カグラのその言葉に一同納得した。今までのカグラの行動ならいきなりミコノを攫う手段を取るが、正面からの交渉という手段はなかった。

「まぁ・・・・・・・・・・・一応信じてあげるけどなんで協力するの?」

「理由なんてどうでもいいだろ。まぁ・・・・・・・・・・・・強いて言うならアイツとは正面からぶつかって倒したいって事だな。」

 カグラなりのプライドがあることを一同は理解した。

「一応協力するわ・・・・・・・・・・・・でもアマタが元に戻ったらそこで協定は終わりよ。」

「いいぜ。」

 ゼシカとカグラが握手をしようとした時であった。

 

「そんな協定はあの世で結んでおけ。」

『っ!?』

 一同が声のする方を向くとそこには狼鬼の姿があった。

「全く・・・・・・・・・犬には首輪をつけておかないといけないな。」

「うるせぇ!お前だって犬じゃねぇか!」

「貴様はバカなのか?いや、馬鹿か。」

「なんだとっ!」

「貴様は犬だが私は狼だ。賢さの時点で天地の差がある。」

 狼鬼の言葉に踊らされカグラは狼鬼の飛び掛かるが、狼鬼は裏拳を喰らわせカグラを弾く。

「さて・・・・・・・・・・邪魔者はいなくなった。貴様らにはここで消えてもらう。」

 狼鬼はそういいながら三日月状の剣を手に取り一気にミコノたちの方まで剣を振り下ろしながら飛び降りてくる。

「させないわ!」

 ガオエレファントが盾を出し剣撃を受ける。

「ぐぅ・・・・・!」

 ガオエレファントは歯を喰いしばりながら受け止めるが、押されていた。

「はっ!」

 ガオファルコンが火球を放つが狼鬼はすぐさまガオエレファントと距離を取り回避する。

「おりゃ!」

「うりゃ!」

 ガオシャークとガオタイガーのダブルドロップキックが炸裂する。狼鬼は三日月状の剣で受け止め、弾き返す。

「もらった!」

 ガオライオンが一瞬の内に狼鬼の後ろに回り動きを封じる。

「ぐっ・・・・・・は、離せ!」

「今だ二人共!」

 ガオライオンの言葉に応える様に二人はサモナーソードを一緒に持つ。

「ゼシカ!」

「ミコノ!」

『せ~のっ!』

 二人は一緒に持ち上げ、そして狼鬼の面をサモナーソードの剣先で突いた。狼鬼の面にひびが入り、一部が壊れアマタの顔が表に出た。

「はぁあああああああああああああ!」

 アマタはガオライオンを振りほどく。まだ呪縛からは解放されていなかった。

『アマタ(くん)!』

 二人はアマタに抱き着く。

「戻ってきて、アマタ君!」

「いつもの・・・・・・・・・いつものアマタに戻って!」

 その瞬間、二人の声が深い意識の中で眠っているアマタに届いた。

(ミコノさん・・・・・・・・・・ゼシカ・・・・・俺は・・・・・・・・俺は・・・・・・・・!)

 狼鬼の面にひびが細かく入り、そしてアマタの顔が表に出た。アマタは二人の頭の上に手を置く。

「ミコノさん・・・・・・・・・・・ゼシカ・・・・・・・・・ありがとう。」

 その瞬間、アマタを縛っていた鎧は砕け散り、仮面だけが地面に残った。

「アマタ君・・・・・・・・」

「アマタ・・・・・・・・」

 二人には泣きながらアマタの顔を見る。二人の目の前には自分たちが知っているアマタの姿があった。

 

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